かつてスターウッドホテルズ(以下SPG、現マリオットホテルズ)のライフタイムプラチナ会員として、国内の宿泊においてもSPG系列ホテルを最優先として利用していました。かつてのSPGのベネフィットを知っている人には分かると思いますが、そのプラチナ会員は大変に付加価値の高いステイタスでした。そのSPGがマリオットに統合されてしまったことでプラチナ会員のメリットが激減したため、私自身マリオット系ホテルはほとんど利用しなくなりました。それに代わって最優先の宿泊先になったのが、ANA・IHGホテルズグループです。元々ANAのSFC会員であり、IHGプラチナ・スパイア・ダイヤモンド会員を維持していた私にとって、それは自然な流れでもありました。ただコロナの影響で海外に出なくなると、IHG系ホテルの利用頻度も少なくなり、その代わり、国内においてオークラニッコーホテルズ(ホテルオークラ、日航ホテルなど)の利用が増えました。すると、その接客・料飲レベルの高さなどから利用頻度が上がり、エクスクルーシィヴ会員にもなると、より良いサービスが受けられるようになりました。こちらホテル日航金沢も、初めて利用したのは３年前になりますが、その特徴ある館内デザイン・手厚い接客・格調の高い客室、そして食事の選択肢も多く、３年連続の利用になりました。そんなホテル日航金沢の備忘録としての宿泊記です。

ホテル日航金沢宿泊記(古代文明と食事を楽しむ)

6いいね！

2023/03/08 - 2023/03/09

3270位(同エリア4766件中)

エリア

金沢(石川)

旅行の満足度: 5.0

観光: 5.0

ホテル: 5.0

グルメ: 5.0

ショッピング: 5.0

交通: 5.0

同行者: 一人旅

交通手段: JALグループ

金沢駅前に陶板のようにそびえる高層ホテルが「ホテル日航金沢」です。目の前にはライバル「ANAクラウンプラザホテル金沢」。
客室は、この建物の17階以上になりますので、多くの場合、良い眺めが期待できると思います。
私も初めて訪れた時に知ったのですが、正面玄関・メインロビー・ブッフェレストランなどは、向かって右手の低層階の建物になります。
その正面玄関に向かいます。
玄関前には女性の上半身に獅子の胴体をもつギリシア風のスフィンクス。ガラス窓の反対側に見える焼き物はオリエント・ギリシアの彩文土器風です。
玄関から館内に入りました。ここはウェルカムロビーの位置づけなのでしょう。まさに異国に迷い込んだようなエキゾチックなデザインです。こちらのホテルでは、そのデザイン性を十分に楽しめると思います。
ウェルカムロビーの壁の向こうはメインロビー、また違う世界です。
メインロビーの中央部にはギリシア・ローマ風の列柱、その中心には泉。
館内にはオリエント風の像や壺が多く見られるので、こちらの泉も同じ時代・地域をテーマとすれば、乾燥帯における憩いの場＝オアシスといった位置づけなのかもしれません。
フロントデスクに荷物だけ預け、予約済みの中華レストラン「桃李」へと向かいます。

エレベーターホール手前には、館内各レストランのメニューが並んでいます。今回予約したチャイニーズランチ(2500円)のメニューを確認。ちなみにOne Harmoy会員は館内レストランで10％割引を受けられます。
エレベーターは４基あります。エレベーターホールには…
これ、アッカド王サルゴン1世だと思います。館内至る所で古代文明を感じられるホテルは、日本では唯一無二かもしれません。ホテルのオーナーにお会いして、このデザインの源流をお尋ねしたいと思ったりします。
４基あるエレベーターのうち１基はシースルー、当たると少し嬉しいですね。
29階に到着。こちらのエレベーターホールには…エジプト王トトメス３世かな？…だと思います。受験時代を思い出すなぁ…。まだ覚えているなんて、人間の能力って凄いのかも。
「桃李」、今回で２度目の利用です。
エレベーターホールには数名のスタッフが待機していて、すぐに店内へ案内されますが、まずは廊下の写真をパチリさせてもらいました。廊下も高級感満点です。
前回同様、窓側３席の中央席にアサインしていただけました。晴れてはいましたが、残念ながら全体に靄がかっていて視界は今一歩。正面は卯辰山、天気が良い日には白山まできれいに見られると教えていただきました。
店内もとても綺麗で高級感がありますが、お客さんがいっぱいで、店内の様子を撮影することはできません。ただ中華らしいギラギラ感は全くなく、テーブルも清潔感があります。いわゆるヌーベルシノワですね。
さてチャイニーズランチのメニューに…
お食事　野菜炒飯
・フカヒレ姿のあんかけつゆそばへご変更　＋￥2,000
・フカヒレ姿のあんかけ炒飯へご変更　＋￥2,000
・クラフト生ビールへご変更　＋￥350
・生ビールへご変更　※追加料金なし
…とありましたので、呑み助は生ビールを選択しました。
前菜はバンバンジーサラダ。なんか初夏のような器。３月という北陸の雪解けを表現しているのでしょうか。そんなことも感じさせてもらえる楽しみも高級レストランならではです。

スープ　クコの実入り五目フカヒレスープ
飲茶　呉さんの手作り飲茶2種盛り合わせ
…とありました。
個人的には、点心がもう一つ増えると、満足度がかなり違うと思います。
メイン料理～下記より1品お選びください～
・海鮮二種とカリカリ梅の炒め
・麻婆豆腐
・能登ポークと茄子の上海黒酢酢豚
・ふんわり玉子とエビとイカのチリソース
私が選んだのは『海鮮二種とカリカリ梅の炒め』です。食材の中心は海老であったようですが、「本日、良い帆立が入荷しましたので…」と帆立と烏賊の炒め物になっていました。そんなタイムリーな料理がいただけるのも楽しいですね。また、カリカリでの味付け、とても気に入りました。
デザートは定番の杏仁豆腐。ごちそうさまでした。
さて、改めてホテルにチェックインです。今回も最安のコンフォート・ダブルベッドを予約してありました。前々回はLUXE(リュクス)フロア、前回はNIKKO(ニッコー)フロアにアップグレードされましたが、今回は…26階のLUXEフロアにしていただけました。ありがとうございます。
26階のエレベーターホールに到着、客室廊下に入るための専用ドアもカードキーがなくては開きません。セキュリティー万全です。
廊下も落ち着いた高級感がありますし…
こんな装飾品にも特別感があります。
客室に入りました。LUXEフロアのダブルに宿泊するのは2021年以来２度目ですが、2022年にリニューアルしたようで、造りや雰囲気がまったく違うものに変わっていました。
ホテルの客室内に飾られているアート作品といえば一般的には絵画ですが、わーぉ、なんと工芸品。壁紙も高級感があり、すごくリッチな気分になります。
客室面積は22平米とさほど広いわけではありませんが、質感はとても高いです。

こちらの客室の最も大きな特徴は…
ベッドの横に洗面所がある点です。
LEDライト、背面間接照明、曇り止め、スピーカー付きという多機能ミラー。
タオルは今治タオル。さすが高級ホテル。
シャンプー類はロクシタン。分かりやすい高級感を演出しています。
バスアメニティも豊富、女性には嬉しい基礎化粧品4点セット(化粧水、保湿クリーム、洗顔フォーム、メイク落とし)付です。
ドリップコーヒー、コーヒー党には嬉しいですね。
ピンクの案内には「セパレーツパジャマのほかにワンピースパジャマや浴衣もご用意致しております。」素晴らしいです。
バスルームは洗い場付きになっていました。これは大変に嬉しい変化です！
そして独立したトイレ。日本人の琴線に触れる造りです。

窓の向きは先ほどの「桃李」とは反対側で、金沢駅＆日本海ビュー。今回は今一歩ですが、天気の良かった2年前は日本海まできれいに見えました。
もちろん夜景も楽しめました。金沢駅で夕食をとって、早めにおやすみなさいでした。
おはようございます。早めに起きて少し散歩し、ホテルに戻って来ました。ロビーの上に椅子が見えますが、2階にある朝食会場「ザガーデンカフェ」に向かう空中回廊に置かれたものです。
階段で2階に上がりました。各所のオブジェが本当に楽しいです。
さきほどロビーから目にした空中回廊と、そこに並べられた椅子です。突き当りが「ザガーデンカフェ」、開店間近です。
朝食ブッフェの案内です。私は朝食込の料金で宿泊しましたが、朝食のみのプロパー料金だと3000円なんですね。
お店の入口近くには天球儀、古代ギリシア風ですね。
開店、座席まで案内されます。客席に向かって右手にはメインのブッフェ台、洋食・デザートなどはこちらです。
左手は和食、その奥から左手にかけて飲み物・アイスクリームのブッフェ台がありました。
そして客席です。

さてブッフェ台探索です。まずはサラダですが、ミニトマトのヘタが取り除いてあると、私的には評価が高まります。さすがです。
ドレッシングの種類は少ないと思いますが、既製品を多く並べてあるよりも、黒酢たまねぎなど厨房で手作りされたものに好感が持てますし、健康に良いオリーブオイル、そして珠洲の塩というオリジナリティは楽しいです。さらに…
コンディメントにはキヌア、チアシードなど、こちらも独自性があって良いですねぇ。
パンの種類は豊富とまではいかないまでも、おいしそうでした。
デザートとフルーツ。
ブイヤベース、魚介で有名な金沢のイメージにぴったりかもです。海老の殻が少し邪魔に感じましたが、味は良いです。
鮭の塩麹、ふぐの一夜干しというのも、やはり金沢らしさを感じます。
ライブキッチンでは…
こちらの朝食の目玉の一つ、くるま麩のフレンチトースト
オムレツの具には加賀野菜の金時草。

和食のブッフェ台です。上品な総菜がたくさん並んでいます。
こちらは海鮮丼の具。ご自由に装い下さいです。
そして金沢を代表する治部煮、欠かせません。ごはん、お味噌汁はスタッフが装って下さいます。
こちらは飲み物のブッフェ台。ポットの牛乳・トマトジュースなどの他に、いろいろなジュースが飲めます。
紅茶はロンネフェルト、高級品です。茶葉の分際で驕っています(笑)。
アイスクリームは4種類。
さて、一通り探索を終えて、料理を取りに行きます。初めて利用した時も驚きましたが、お盆はゲストが取りやすいように１枚ずつずらしてあります。まさに日本ならではといった心遣いです。今も感動します。
こちらがくるま麩のフレンチトースト、アイスクリーム添えにしました。
まだ出勤・通学には早い時間、比較的静かな通りを眺めながら食事ができました。
食後には兼六園。

訪れるのは４・５回目になりますが、朝早めだとお客さんも少なく、とても良い散策になります。
さてホテルに戻り、最終日の昼食のため６階にある日本料理店「弁慶」に向かいました。玄関も良い佇まいです。
客席に向かいます。廊下からも立派なお庭を楽しめます。今回が３度目の利用になりますが、前回は２度とも早めに予約したためか、庭が眺められる素晴らしい席に案内されました。ただ今回は直前の予約でしたので…
やはり庭に面したテーブルは他のお客さんの姿があり、金沢駅ビューになりました。
ただ一番奥の席であったため、とても静かに食事ができました。
注文したのは「春のリッチランチ」、3000円です。
前菜です。
桜豆腐ジュレ掛け
鯛の木の芽焼　花弁百合根
菜の花浸し黄味酢掛け
若鶏梅味噌掛け　一寸豆蜜煮
筍土佐煮　蛍烏賊山椒煮
サーモン蛇篭巻き
あっという間にビールがなくなったので、日本酒を追加。日本酒の種類はなかなか豊富にありましたが、このページから天狗舞をグラスで注文しました。
造里　鯛昆布締め
小鍋能登豚の味噌豆乳鍋、火が通ってからいただきます。