国立近代美術館、ゲルハルト・リヒター展+国立公文書館、江戸城事件簿

2022/09/11 - 2022/09/11

　８月２８日、NHKTV日曜美術館で国立近代美術館開催のゲルハルト・リヒター展（生誕９０年、画業６０年記念）が放映されました。
解説を交えて見ると何か感動を覚え、早速現物を見に出掛けます。
　リヒターはドイツが生んだ現代を代表する画家。
　写真、デジタルプリント、ガラス等々を素材に用い、又具象表現や抽象表現を自在に使用、人がものを見て認識する原理自体を大切にする作家です。
　御覧になって感じて下さい、又MOMATコレクション展も一巡、その後は隣の国立公文書館にも立寄りました。

　　　表紙はリヒター近年の最重要作品　”ピルケナウ”
　ホロコーストを主題にした作品、アウシュビッツ、ビルケナウ等強制収容
　所の写真が下絵になっています。

エリア 丸の内・大手町・八重洲(東京)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 私鉄
• 旅行の手配内容: 個別手配

　地下鉄を九段下で下車、堀に沿って竹橋に向います。
清水門前を通過。

　竹橋が見えて来ました。

　東京国立近代美術館に到着。

　入口には大きな看板。

　リヒターは東ドイツから西ドイツに移住した画家。
画業の変遷も展示されます。先ず。
　・フォト・ペインティング。　”モーターボート”
自由とは何か、人間の主体的な意思や作為自体に疑念を抱いたのが始まりです。
　そこで考えたのが写真、カメラを介したイメージは全て等価で、構図も構成も画家が判断しなくて済みます。
　そこで写真を忠実に写す事から出発しました。

　”８人の女性見習看護師”。

　・ガラスと鏡、”８枚のガラス”
基本的にガラスと鏡は置かれた場所、時々によっていかなるイメージも忠実に写し出し、作為は入りません。
　この８枚のガラスは、間隔や角度等、幾何学的配置をなし、周囲の作品や人々を透かし、映し出し、光を乱反射して一つの芸術作品です。
この会場に合わせ新規に作成したのでしょう。

　・アブストラクト・ペインティング。
フォット・ペインティングの主体をどのように選ぶのか、悩んだ末に画面一面を絵具で塗りつぶします、何度も色を重ねるとグレイになりました。
　そして最後はへらで絵具を延ばし、又削る事で独自の絵画を誕生させます。
それがアブストラクト・ペインティングなのです。

　何か浮かんでくるようですが、良く判りません。

　・カラーチャート、”ストリップ”
　公共施設を飾る目的で作成されました。
これは地下鉄構内に置かれたもの。

　・アラジン
　何色もの絵具を板の上に置き、そこにガラス板を押し付けます。
色の選択といった作者の意図と偶然が重なった作品で、そのイメージは幻想的でかつ想像を誘います、アラジンと名付けました。

　アラジン

　・肖像画　”エラ”
　子供の成長とイメージを重ねた作品。

　・”ビルケナウ”
　４点からなる作品、下絵は強制収容所ビルケナウの白黒写真。
しかし写真の痕跡は全くありません、見る者は題名と抽象的な絵具を通して、この見えないイメージ、抑圧された出来事を想像するように迫る作品です。
　リヒター近年の代表作。
　

　ビルケナウ

　ミュジアムショップ。
これでリヒター展は終了。
目ではなく心で見る画家の展示会でした。
画家が何を考え、何をしようとしてているのか、いくらか判る気がします。
　

　ロビーにある彫刻。
MOMATコレクション展に向います。

和田三造　” 南風”

戦争絵画　小磯良平　”カンパル攻略”

宮本三郎　”本間ウエンライト会見図”

　藤田嗣二　”薫空挺部隊”

　岡鹿之助　”群落”

　ピエール・ボナール　”プロバンス風景”
　（新収蔵品特別公開）

アンリ・マチス　”ルネ　緑のハーモニー”

　近代美術館を出て来ました。

　隣は国立公文書館。

　”江戸城の事件簿”開催中。
江戸城内で起きた出来事を記した幕府の公式歴史書。
その日の顛末を記した業務日誌の公開です。

　松の廊下刃傷事件

田沼意知殺害事件

　桜田門外の変

　通常展も観覧。
サンフランシスコ平和条約原本。

　宣戦の証書。

　終戦の証書。

　憲法発布。

　北の丸公園を横断、田安門に出て来ました。

　旧軍人会館、現九段会館が大きく建替え完了、１０月１日オープン予定です。
九段下から地下鉄で帰宅しました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　終