2022/02/23 - 2022/02/23
266位(同エリア1539件中)
TX-1000さん
- TX-1000さんTOP
- 旅行記352冊
- クチコミ5件
- Q&A回答0件
- 440,345アクセス
- フォロワー89人
2月23日天皇誕生日の祝日で横須賀へ行ってきました。
行き先は下記の理由により横須賀です。
マグロ丼が食べたくなった。
京浜の株主優待券があった。
現代史が好きなので、ロシアのウクライナ侵攻が迫る中、日露戦争でロシアと戦った戦艦「三笠」にもう一度行きたくなった。
-
お出かけしたくなったのですが、2022春の青春18きっぷシーズンが迫っていて、あまりお金をかけたくなかったんです。手元にあった京浜急行の株主優待乗車証が2枚残っているので、これで旅立ちます。
-
ところで私の京浜急降下株ですが、最近は少し持ち直してきました。もう少しでプラスになります。いつも下がってばかりだったのに急に株価が上がって「何が起きたんだ。」と、こっちがびっくりしちゃいました。
いつも怖い先輩に急に優しくされたみたいな(笑) -
品川駅から株主優待を使用して乗車します。ちょうど久里浜行きの快特がやってきました。
しかも青い2100です。 -
鶴見線の下をくぐっていきます。
-
金沢文庫の総合車両製作所にはフィリピン向けの電車が居ました。
-
横須賀中央駅で降ります。
-
いつもの旬春の風にやってきました。
-
注文したのは「味比べ丼」(820円)にマグロを追加トッピング(200円)です。
いつ来ても美味しいです。 -
続いてやってきたのは三笠公園です。
東郷司令長官の視線の先は日露戦争の一幕、日本海海戦の舞台となった日本海があります。そしてその先には、今まさにロシアに攻め込まれそうになっているウクライナもあります。
東郷司令長官、何を思うのでしょうか。
ちなみにこの翌日にウクライナ侵攻が始まります。 -
連合艦隊の旗艦を務めた「三笠」には日章旗が掲げられいます。
ロシアの不凍港を求めての南下政策は1700年から始まったとされ、コンスタンティノープル条約により現在のウクライナのクリミア半島の東側にあるアゾフ海の制海権を得た事が始まりとされています。当時はウクライナではなくオスマン帝国でした。
あれ?322年後の2022年も同じような話してますよね。
帝政ロシア、ソビエト、ロシアと300年以上に渡り一貫した方針を維持し続けるブレない姿勢って、素直に凄いと思います。良し悪しはさておき、私たち日本人も見習うところがあるのではないでしょうか。
そしてこのブレない南下政策、次は東アジアに来る事を歴史が証明しています。 -
「三笠」は1902年にイギリスで製造されました。
ロシアの急激な南下政策により日本は三笠の他にも数多くの最新装備をイギリスから購入しています。その費用はロンドンなどで外債を発行して賄われました。
この時、国際社会の大方の予想では大国ロシアが勝利し、東アジアの弱小国である日本が負ける認識で、日本が発行した外債はほとんど買ってもらえませんでした。しかし、ロシアに虐げられていたユダヤ系の人々が「ロシアと戦うなら」と債務を引き受けてくれたのです。
この債務を日本は80年かけて1986年に完済します。
日露戦争の講和条約であるポーツマス条約により、日本が手にした南樺太や中国東北部の鉄道権益などは後の歴史の中で失ってしまいますが、日本にとって日露戦争における最大の戦利品は「借りた金は必ず返す」という信頼だったのかもしれません。 -
三笠のマストにはZ旗が掲げられています。
この旗には「皇国の興廃この一戦にあり。各員一層奮励努力せよ」との意味が込められていました。あとアルファベットの最後のZなので「後が無い」と言う意味もあるそうです。
あれ?そういえば最近、戦車にZの文字を書いて他国に攻め込んだ人達が居ましたが、もしかして日本の真似ですか(笑) -
それでは戦艦「三笠」に入ります。
-
日本海海戦にて指揮をする東郷司令長官と幹部たちの絵です。
-
三笠の後部にある司令長官室です。
現在のラトビアのリバウを出港したバルチック艦隊は、北海にてイギリスの漁船団を日本艦隊と間違えて攻撃するドッガーバンク事件を引き起こします。日英同盟があるとは言え、それまで表立っていなかった(関心が無かった)イギリス世論激オコと言うオウンゴールをしてしまいます。
海の覇者であるイギリスが押さえていた良質な石炭の補給は出来ず、更に数少ない第三国の港に立ち寄った際も「乗組員の休憩や船の整備、水や石炭を供給する事は中立国違反である。」と激しく抗議し、直ちに出港するように仕向けます。
アフリカの希望峰を周りインド洋を横断して3万kmを航海してきたバルチック艦隊は、日本に近づく頃には疲労困憊でした。 -
日本の連合艦隊の旗艦「三笠」の模型です。
日本側は日英同盟によりバルチック艦隊の情報が逐次もたらされ準備万端となっていました。
国を守る大義に燃える日本側、そして海戦を前にして三笠のマストに「皇国の興廃この一戦にあり。各員一層奮励努力せよ」の意味を持ったZ旗が掲げられ士気はマックスとなりました。 -
こちらはバルチック艦隊の模型です。先頭は「オスリャービァ」です。
ロクな休憩や整備もできないまま地球を半周してきて乗組員も船も疲労困憊でした。その上、黄海海戦と蔚山沖海戦で太平洋艦隊を失い、既に戦う意義を失っているロシア側の士気は当然低いです。
司令長官であるロジェストヴェンスキー中将すらも日本に来る途中で病気を理由に辞職を願い出ますが、ロシア本国に却下されます。
あれ?国を守る大義に燃えながら待ち構えている人たちと、戦う意義が分からないけど攻め入るって構図、どこかで見た事ありますね。 -
こちらは当時の最新設備である無線です。
日本には日英同盟により、同盟国イギリスの植民地である香港から海底ケーブルを介してバルチック艦隊の情報が逐次伝わってきていました。
ところが台湾とフィリピンの間にあるバシー海峡での目撃を最後に行方が分からなくなってしまいました。
対馬海峡、津軽海峡、宗谷海峡のどこから来るのか構えていたところ、対馬海峡をパトロールしていた信濃丸がバルチック艦隊を見つけ、無線で通報します。
こうして日本海海戦が始まります。 -
日露戦争の一幕である日本海海戦は日本側のパーフェクトゲームで終える事ができましたが、既に遼東半島などで大きな犠牲を払っていた日本は国力が限界を超えていて更なる戦争の継続は困難でした。一方、ロシアは海軍力こそ失ったものの、シベリア鉄道で陸上戦力の補給が可能でな状況でした。
延長戦になったら日本が負けるのは目に見えていました。しかし、ここでロシア側も革命が起きて戦争どころでは無くなってきていました。
そこでアメリカのルーズベルト大統領に仲介を頼み、ポーツマス条約こと日露講和条約が結ばれます。 -
少し時代が下って帝国海軍の千鳥型水雷艇です。
千鳥・真鶴・友鶴・初雁と4隻が造られたのですが、このうち模型に居ない友鶴は、時化の中を航行中に沈没し100名の死者を出す友鶴事件を引き起こします。
原因はロンドン軍縮条約の制限外に収まるように作られた小さな船体に対し、不釣り合いな重武装を施した事によりトップヘビーによる復元力の不足とされました。
後に他艦は復元力改善の改造が施されます。 -
三笠を後にしてミスドでドーナツを食べます。
穀倉地帯であるウクライナで戦争が始まると小麦が高騰してドーナツも高くなってしまいますね。 -
帰ります。
-
途中駅の金沢文庫駅で各駅停車に乗り換えました。
早く着いちゃうのは勿体ない気がして...ではなく快特のワイルドな走りにお腹がシェイクされてトイレに降りたのです。まだお腹の調子がイマイチなんです。
一度走り出したら10分近く止まらない優等列車にビビって各駅停車にしました。 -
と思ったのですが、やはり各駅停車ではかったるすぎて京急鶴見でエアポート急行に乗り換えます。
京急鶴見駅の副駅名は京三製作所本社となってます。
京三製作所って信号装置や転てつ機、ホームドアのメーカーなので、その筋の人にしか有名じゃないですよね。
仕事で何度か行きましたけど、京急鶴見駅からも割と遠いですよ。
あっ、でも何年か前に工場が火事になったのが全国ニュースになって有名になったか。 -
帰りに2022春の青春18きっぷを購入しました。
-
三笠で買ってきてた三笠砲弾豆です。ピリ辛で美味しいです。
翌日、これを食べていたらロシアのウクライナ侵攻のニュースが飛び込んできました。
この戦い、どのように後世に語り継がれるのでしょうか。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (2)
-
- pedaruさん 2022/05/18 05:45:45
- 学びました
- TX-1000さん おはようございます。
日露戦争日本海海戦、詳しい歴史の解説、興味を持って拝読いたしました。
勝った戦争の解説は,快い物で(笑)。
国力を使い果たした日本が更に戦うのは不可能だったのですね、日比谷焼き討ち事件など、国民は現実を知らないための事件だったのですね。
たいへん勉強になりました。ありがとうございました。
pedaru
- TX-1000さん からの返信 2022/05/21 11:01:14
- Re: 学びました
- コメントいただきまして、ありがとうございます!
戦争続行が不可能な事を知らずに日比谷公会堂焼討ちや、勝者としてのメンツを保つ為にポーツマス条約締結に尽力した関係者への非道な仕打ち。
大国ロシアを打ち負かせた傲りにより日本は身の丈を忘れて第二次世界大戦の敗戦へと続く道を歩み始めたのかもしれません。
勝って兜の緒を締めるとは、正にこの事だと思いました。
そして戦艦「三笠」自身も日露戦争の勝利が冷めやらぬうちに弾薬庫の爆発事故を起こします。
そして、歴史を見ていくと現在進行中の事象であるウクライナ侵攻の行方も教えてくれる気がしました。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
横須賀(神奈川) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
2
26