フランスVIII　美飲家が行く欧州ワイン街道下り弐 ロングドック３ ナルボンヌ

2021/09/08 - 2021/09/11

ロングドック最後はナルボンヌ郊外の海岸リゾートに2泊します。海のすぐそばプール付きリゾートでゆっくりと出来たのはいいのですが、この手の施設には慣れていないので難ありでした。いずれにせよ貴重な体験が出来ました。何よりも近所で仕入れた魚介類と地ワインが旅の良い締めくくりになりました。

長時間の運転が苦手な我々は思い入れのあるブールジュに立ち寄ってから帰宅します。ここの聖堂とホテルは最高です。レストランはイマイチでしたが、翌朝新鮮な地元の食材を市場で仕入れることができ、気分良く帰途に着きました。

エリア その他の観光地(フランス)

• 旅行の満足度: 4.0
• ホテル: 4.0
• グルメ: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 旅行の手配内容: 個別手配

曇り空。今夜は嵐になる予報でワイナリーでは早く宿泊先に向かった方がいいとの忠言をもらったので、沿岸に車を走らせます。途中、ナルボンヌのスーパーで食材を買います、

海に来ました♪沿道には常にワイン畑が見えるのが嬉しいです。

２泊するのはこちら。カルカソンヌ滞在中に割引キャンペーンを見かけてポチッとボタンを押しました。地中海っぽいピンク色のヴィラもどきがなんとも写真映りがいいのですが、着いて早々渡されたのがフランス語で滔々と描かれた歓迎の一文もない規則文。

学校の夏休みが終わったばかりなので宿泊客はほぼ退職したシニアのよう。しかもドイツ語、オランダ語、垢抜けないスイスやベルギー訛りのフランス語が聞こえる。

我々に当てがわれた部屋。２部屋あって、キッチンもまあまあでコンクリの小庭と物干し縄もある。中年２人が過ごすには問題ないけど、バカンスシーズン真っただ中家族で泊まるにはさぞ狭いだろう。

本当のヨーロッパ生活を知らない我々の落ち度かもしれないが、タオルもベッドシーツもなし。部屋は１０時チェックアウトの前に自分で掃除。ネットが通じないのは致命的。しかも治安上の理由で外出時には手動でシャッターを下ろすようにと。

Booking.comのレビューでこき下ろしたところ（←常套手段）、「コロナ禍の人手不足のせいで」と自己防衛の反論。コロナは己の怠慢に好都合な言い訳だろ、上等！！

嵐の前の海を見ておきます。泳いでいる人がいました。と言っても波が高いので浮かんでいるだけでしたが。

拙夕飯。備えつけのガラスのまな板が苦手なのでサラダとラタトゥイユの野菜は厚切り。後は買った食材を温めて食べます。

夜はかなり風音がしました。

翌朝、幸いにも嵐は去ったようで朝食後はナルボンヌのカルフールにタオルとシーツを買いに行きます。これで半日潰れました。カルフール自体は金回りが良いようでなかなかの品揃えでしたが。

この辺りの海岸線は入り組んでいて地図を見るだけで楽しくなります。
せっかくなので近くの町、グルイサン（Gruissan）を少し散策してみることにします。

こじんまりとしてなかなか上品な町でした。塔に上るのは断念。

猫ちゃんもゆっくりとしていました。

曇り空の下、海辺なので湿度があります。正午を過ぎているので魚市場は閉まっていました。ああ、シーツとタオルの件がなかったら立ち寄れたのに。魚を調達して料理してみたかったな。

せめて雨に降られずに散策できてよかったということにしてみましょう。

３０分ほど海水浴。今日も波が高いので泳げませんでしたが。その後はリゾートのプールで。貸し切りでこれ（だけ）はよかった。

温泉プールボルネオに行ってみました。が、がっかり。利用客の１人が信じられないほどマナーが悪いことをしていました。この手の施設はドイツの方が５枚は上手です。

さて、夕飯の支度。魚市場を逃し、スーパーの魚は血が回っていて、仕方なくリゾート近くの期待値低めのレストランに腹をくくって入ろうとしたのですが、どうも気になった「魚貝ありまっせ」と看板を出しているワインバーに藁にもすがる思いで入る。

ここがどんぴしゃだった。注文して10分後に取りいくと通りすがりの人に羨ましがられたほどの華やかなラッピング。

きりっと冷えた地元のワインも付けてもらった。

後は無言で食するのみ。ウワバミが海の幸を好み、貝を取り出したりエビの殻をむく作業を厭わないことは本当に恵まれている。

食後は今夜もカオール。あれ、土産に持って帰るのでは？

翌朝、無事に掃除を終え、罰金として引かれることなくデポジットを全額返金してもらい（当然だ！）、「ご満足していただけましたか」との問いにぶっきらぼうに「Oui」とだけ答えて喜んでヴィラを去ります。

思いのたけを晴らすべく朝っぱらワイナリーに立ち寄ろうと思いましたが、これから６時間運転するウワバミの猛反対にあい（当たり前だ）、諦めます。

一路、ブールジュまで。

フランスは高速道路が有料ですが、なぜかA75は無料。

しかも起伏に富んだ地形が織りなす景色が素晴らしい。

途中見晴らし台があったのですが、残念ながら通り過ぎてしまいました（写真は車中から）。

ロングドック、我々にとって車で南下するのはかなり至難だけど、また来ます。

だいぶ北上して、虹が見えました。

ブールジュに到着。以前泊まったクリスティナ・ホテル。この角度から撮ると団地のようですが、

中はこの通り、一押しです。今回の旅は宿泊先に恵まれなかったので一層快適。前回より滞在時よりリフォームしたようです。
https://www.le-christina.com/en/

短い滞在時間の中でも是非立ち寄りたいのが大聖堂。

13世紀建立の聖堂はフランスの大聖堂の中で一番気に入っています。正面のこの構えも中も荘厳である一方、静かに見学できるのが居心地いいのです。

シャンデリアが灯されていて良い雰囲気に酔っているのも束の間、出口を出ると映画『羅生門』並、傘も役に立たないほどの大雨。他の見学客とともに中に留まろうと頑張ったのですが、職務に忠実な係員に追い出され、かろうじて雨を凌げる場所で鮨詰め。雨は止む気配がありません。

そのうち一組一組諦めて大雨の中に繰り出すのを「Bonne chance！」と見送る連帯感が生まれながらも我々も意を決して雨の中レストランを探しに行きます。

この手の街は金曜日には予約が必要なようで、にべもなく数件断られた後、ホテル近くのレストランが「9時くらいに来てくれたら席があるよ」と。

嬉しくなって着替えてミネルヴォワを飲んで時間が経つのを待ちます。

時間になったのでレストランに行きます。デザートを頼んだのが正解だった。昔、この場所にはボリュームたっぷりの地元の料理を出す店があり、伝票の安さに驚いたものです。その店がなくなったことが悲しくなりますが、予約なしで受け入れてくれたことをありがたく思いましょう。

翌日、兼ねてから買い物してみたかった市場。一路ベルギーの自宅に帰るので思う存分できます。

広々としているのが良いです。アルジェリア人の青果店では果物、中国人のおじいちゃん屋台でハヤトウリや野菜、後はエスカルゴや朝食用のキッシュなど早足で買い付けることができました。

ブールジュ、いつも立ち寄るだけですが我々にとって居心地がいいんです。いつか旅行記を上げられれば。

今回は帰宅します。

この旅行記へのコメント （2）

• salsaladyさん 2022/04/01 09:21:37

  典型的なおフランス❣

  ☆久しぶりに拝見～いきなりのブーイングが聞こえそうですが。。。ナルボンヌ❓どこか懐かしい響きに思えて。。。（30数年前訪れた南仏地方ではありませんか？）
  
  ☆ベルギーにお住いのノマドさん&うわばみ氏にとって、見せかけの上品さより実を伴わないhospitalityに納得がいかなかったご様子！ワインに溺れるしかないわね。
  
  ☆記憶では、イタリアに近い雰囲気がラフな地方だと思えましたが、気持ちよく過ごせましたか？には正しく”None!"と答えるべきでしたね。日本の昔の公営住宅みたいに移転するときに大枚を捕られる不安が後に訪れる客にも要求されない様に～see you～

  のまどさん からの返信 2022/04/02 05:44:31

  Re: 典型的なおフランス❣

  お久しぶりです、salsaladyさん。
  
  拙毒舌ブログ（今回は輪が掛かっていた）からナルボンヌ御訪問をご回想いただけて幸いです。日本から訪れる方はどれくらいいるのかしらと思って投稿しましたが、やはりローマの爪痕がくっきり残っている名所なんですね。
  
  どちらかと言えば山派の我々にとって海岸リゾートは世界中どこもぼったくりとは無縁で済まないと思えてしまいます。
  
  フランス人はヨーロッパの中でクセが強い国民であることは確かです。でも、やはりワインは世界最高峰、食事も脂っこさを厭わなければ素晴らしいので、小国ベルギーの脱出先にはもってこいです。今もノルマンディーで飲食を堪能しています。
  
  昨今私もあまり4トラにログインしていないのですが、いつまた日本に行けるか分からないので、お花見や隠れ家のアフタヌーンティーなど楽しんで拝見しています。