2万年前氷河期の大規模な埋没林が見学できる「地底の森ミュージアム」へプチトリップ

2021/12/05 - 2021/12/05

2021年12月5日の日曜日，昨年来の青森津軽方面のドライブ旅行に大活躍している我家の愛車 日産オレンジnote が定期点検の時期を迎えたので入庫しに日産ディーラーへ出向きました．担当者から点検作業は2時間弱かかるとのこと，それではこの待ち時間にディーラーから歩いて10分弱の場所にある2万年前の氷河期の大規模な埋没林が見学できる「地底の森ミュージアム」仙台富沢遺跡保存館へ行くことにしました．
ここは地元仙台では有名な旧石器時代・縄文時代の遺跡ですが，今回，みさぱぱは初訪問となりました．とても見応えがあり良かったです．
ちなみに「地底の森ミュージアム（仙台市富沢遺跡保存館）」は仙台市地下鉄南北線 長町南駅 下車 徒歩5分ほど場所にあります．

エリア 仙台(宮城)

• 旅行の満足度: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 自家用車 徒歩

ディラーに車を預けて妻と二人で10分ほど歩くと「地底の森ミュージアム（仙台市富沢遺跡保存館）」に到着しました．大通りに面しているマンションに隣接する住宅地にある公園を抜けて歩くと大きな屋根の建物が見えて来ました．地上からでは分かりませんが楕円形の建物です．駐車場もありました．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

地底の森ミュージアムの正門です．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

建物入口から下り階段を降りて行きます．この下りの理由は後ほど理解できました．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

階段を降りきったところにある吹き抜けのエントランスホールです．前方にある出入口から建物内部へ入ると左手に受付がありました．入場料は大人460円でした．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

入場チケット購入後，来た方向を振り返るとこんな感じです．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

地下展示室への薄暗い通路を奥へ歩いて行くと，突然視界が開けて広い空間が現れ，目の前いっぱいに埋没林が現れました．これは凄いです！

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

こんなに大規模な埋没林とは！
この場所でこんなにたくさん埋没していた木が見つかったんですね．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

それにしても良く残っていたなぁというのが素直な感想です．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

建物の壁を厚くすることで地下水の影響を極力抑え，埋没していた木に含まれている水分を特殊な薬品に置き換えて防腐処理をしている旨の説明が書いてありました．貴重な太古の文化財を未来に残すことはそれなりの財源と適正な保存処理が必要なんですよね．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

良く見ると小さなパネルが所々に置かれています．何でしょう？

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

旧石器人の焚き火の跡です．しかしよくもまぁこんな状態で残っていたのか？本当に不思議です．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

そしてその焚き火の跡の周囲にある小さな穴（ポット）がありました．石器材料の石が入っていたそうです．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

焚き火の跡の周辺にある石器を埋めた穴(ポッド)です．なぜ穴を掘り，石器を埋めたのか？理由は未だに謎だそうです．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

埋没林は帯状に分断されていました．何だろう？と思って眺めていたのですが，1階展示室の説明で分かりました．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

ん？これは何？シカのうんちがあった場所らしいです．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

化石になったシカのふんがあった場所(白色プレートの左側の黒い部分)です．実物は展示室にあるとのことです．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

地下水が染み出ているのか？水が溜まっている所もありました．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

ホント見事に木が残っています．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

現在の地表面から埋没林のある地層までの深さを表しているゲージです．そうです，建物に入場するとき階段を降りてきた理由は埋没林は地上から5mほどの地下で見つかりました．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

5メートル下にある最下層の旧石器時代→縄文時代→弥生時代→現代の順に層が重なっているようです．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

この辺りは縄文時代から弥生時代にかけての地層になります．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

5メートル下の最下層が旧石器時代，2万年前の氷河期時代の地層で，この層に埋没林があります．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

突然，周囲が暗くなってきました．地下展示室の壁に何か景色のようなものた投影されはじめました．氷河期のこの周辺の様子を再現した映像を壁面に投影しているようです．スライド映像と動画と合わせて10分ほどのコンテンツです．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

焚き火の跡がある場所がライトアップされます．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

大きなスクリーンで上映が始まりました．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

2万年前のある日の風景（この遺跡から想像できる）を旧石器人の活動を交えながら紹介する映像のようです．なにしろ焚き火の跡があるので想像をかき立てられますね．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

旧石器人が狩りを終えて，火をおこして焚き火をしながら夜を過ごす...という映像でした．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

スクリーンの映像から...旧石器時代の人たちが日をおこして焚き火を始めます．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

地下展示室の出口から振り返ると大型スクリーンにはまだ上映が続いていました．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

埋没林のある地下展示室から1階展示室へ傾斜角12度の登りスロープが60m続きます．丁度，地下展示室を反時計周りに進みます．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

スロープの所々(左側)にいくつか小さな展示がり，その一つ，焚き火跡の周りにあった小さな穴(ポッド)の説明がありました．実際に穴の中に入っていた石器も一緒に展示されていました．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

石器の材料になる珪質頁岩(Siliceous Shale)です．砕くと簡単に鋭角が出来やすいので石刃には最適です．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

奥の右側の所で登りのスロープが終わります．右側は地下展示室を上から眺めることができるスリットがあります．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

富沢遺跡の発掘の経緯と様子がパネルで展示されていました．
この富沢地域のかなり広範囲にわたり埋没林が発見されたことが分かります．埋没林にある帯状は弥生時代以降の田んぼのあぜ道みたいですね．このパネルの地図で確認すると「地底の森ミュージアム」はそのうちのほんの一部だけみたい...これはホント凄いわ．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

1階展示室には階段を登ります．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

1階展示室です．思っていたよりも広かったです．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

1階展示室の入口付近です．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

展示室に入ってすぐ左側にシカの剥製？がありました．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

壁に2万年前までの人類の進化と広がりを表した世界地図がありました．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

人類の頭蓋骨の進化を見る展示です．頭蓋骨の高さは身長に合わせているようです．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

北海道産の黒曜石の原石がありました．ガラス状で鋭角に割れるので石刃や矢じりなどに利用されています．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

1階展示室の順路最後に2万年前の氷河期のこの辺りの様子を再現したホログラムがありました．氷河期にはここ仙台の地は現在よりも平均気温が7～8℃も低く亜寒帯性の針葉樹林に広く覆われていたそうです．奥に見えるピラミッドのような山は太白山(標高320m)でしょう．ちなみに太白山は安山岩質溶岩が固まったもので(柱状節理も観察できる)，溶岩がドーム状に膨れ上がったものと推測されています．頂上まで登山ができます．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

1階展示室を出ると展望ラウンジです．東側がガラス張りになっていて，外の景色を一望することができます．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

左側に氷河期の森を再現したフィールドがあり散策することができます．
正面絵の裏手に外への出入口があります．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

よくある顔の部分がくり貫いてある記念撮影パネルです．もちろんみさぱぱも撮ってもらったのですが，写真は恥ずかしいのでご勘弁を (^^;)

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

展望ラウンジのカウンターの奥に地底の森ミュージアムの埋没林と標高の地層の層序関係を説明する模型がありました．埋没林のある層を仙台平野の基礎になっている砂礫層に突き刺さるように厚さ80cmの止水壁で囲っています．すごいですね．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

建物から出ると氷河期の森を再現したフィールドがあります．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

説明パネルがあります．発掘調査で分かった地形や植物にもとづいて，草原，沼・湿地を再現し，そこへ約90種類の植物を植えて，氷河期の様子を再現した旨の説明が書いてありました．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

氷河期の森を復元したと言われても...植物にあまり関心がないみさぱぱは特に感じることはありませんでした(^^;)

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

池もありました．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

何か希少価値のある水辺に生える植物を栽培しているようです．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館

住宅地の中なので，木々の間からマンションの建物が見え隠れしています．氷河期の様子を再現したと言われてもねぇ...興醒めはやむを得ませんね．　
さて氷河期の森の散策を終えて，12時頃に地底の森ミュージアムを出てディーラーへ愛車を引き取りに戻りました．
今回は「地底の森ミュージアム」初訪問で2時間弱の見学でしたが，とても見応えのある埋没林で大変満足しました．

地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館