2020/02/28 - 2020/03/02
23位(同エリア263件中)
のまどさん
あっという間に欧州で猛威を振るうようになったコロナウィルスが四六時中報道される中、フランスに小旅行に出かけました。この2週間後に国境を越えた移動を禁止するロックダウンが始まりました。
ウワバミがサプライズで企画したのはジャンヌ・ダルクの生まれ故郷を巡る旅。フランスを救った英雄である少女を輩出した村は所縁の建物だけでなく、素敵な宿やレストランがありました。行きと帰りには我々にとってなじみの街に寄りました。
今回のBGMは「聞かせてよ、愛の言葉を」。旅行記のテーマと全く関係ないですが、泊まった宿で聴きたいと思った一曲です。1930年代の録音は最初のフレーズから心を鷲掴みにされます。敢えて紹介するとすれば武満徹が戦時中にこの曲を聴いて作曲家を目指す決心をしたというエピソードがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=QN2o_MS-kn4
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
フランスに出かける際(※平時)は時間を稼ぐために半ドンでベルギーから国境を越えてすぐのシャルルヴィル・メジエ(Charleville-Mézières)に一泊するのが決まりになっています。
投宿するのはだいたいペリカン・ホテル。
https://www.hotel-pelican-charleville.com
何度も泊っているのですが、チェックインの度に「のまどという名前がデータベースに登録されているのに驚いたわ!」と宿主が宣う。一方、我々は彼女に孫がいることを記憶している。
アルデンヌ博物館に行きます。 -
シャルルヴィル・メジエはイタリア・ロンバルディアのマントヴァ領主シャルルが1606年に開きました。
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その後、太陽王ルイ14世がフロンティア守備のために支配し、マスケット銃の生産が盛んになりました。
写真は薬局ですが。 -
1815年フランスの混乱期にプロイセン王国に略奪されました。さほど歴史は長くない小さな街ですが、多国に支配されました。
写真は謎の楽団。 -
因みにフランスで最も寒い都市だそうです。
また人形劇が有名です。 -
ということでデュカル広場の飲み屋でシャルドネを嗜み、時間に合わせて移動しました。
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人形劇のカラクリ時計。見ているのは我々のみ。内容も「えっ!これだけ」と驚くほどの短さ。訪問してがっかりだったハーメルンを下回りました。劇場で上演されるものはきちんとしていると思いますが。
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気を取り直してシャンパンで乾杯。
やはり広場に面したレストラン、ル・コンセプト。
https://www.facebook.com/Bar-à-vin-le-Concept-913492095448330/photos -
こってりしたフランス料理がお洒落に盛り付けられていておいしかった。隣接のワインバーは行きつけですが、満員だったので他のお店へ。
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締めに私はカクテル、ウワバミはビール。ビールはベルギーのものでフランスでは割高ですが^^
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翌朝、ペリカンホテルの朝食後、駅裏の道を散歩します。今日もムーズ川が滔々と流れています。
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集合住宅にアートな絵画という不思議な光景。
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今回の旅はウワバミのサプライズ企画。車中爆睡から目覚めるとこの村に着いた。
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この村にはフランスの救世主ジャンヌ・ダルクの生家があるんです。記念館に入れないので無料で家を見学できたのですがお金を払って記念館の展示品が見たかった。
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ジャンヌは推定1412年英仏が激戦を繰り広げた百年戦争の最中、黒死病の影響から立ち直れないフランスのこの小さな村で有力農民の娘として生を受けた。
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採光のほとんどないじめじめした石造りの家で15世紀の農民がどのように暮らしていたのか全く想像できないにせよ、フランスの窮地を救った聖女の生家が恐らく当時のまま保存されていて訪問できることをありがたく思います。
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続いてはジャンヌが洗礼を受けた聖レミ教会へ。
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洗礼台。激動の時代に生まれたジャンヌの信仰心はさぞ強固なものだったのでしょう。幼少期に親英派ブルゴーニュに対抗する農民の抵抗を目撃したようです。
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あるいは不安定な社会情勢故に文盲の少女は信仰を深めていったのかもしれません。13歳の時に父親の農地で聖人の声を聞き、その美しさに見惚れながら戦地に赴く令を受けたと証言しました。
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ホテルのチェックインは夕方5時。時間があるのでボワシェヌ・バシリクへ。ここはかなり重たい雰囲気がありました。
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親戚の伝手を使ってフランス王シャルル7世に謁見したのはジャンヌ17歳の時。家来に紛れて変装していたのを初対面で見抜いたというのは有名なエピソード。王に信頼されたジャンヌはイギリス軍の攻め際に合っていたオルレアンの奪還という偉業を果たしました。
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ジャンヌはがたいが良く、短髪で常に甲冑を纏っていたようです。しかし、コンピエーニュで敵軍英国軍とブルゴーニュ派によって囚われ、神の名を語った女性であるがために侮辱された後、火刑という極めて残虐な方法でわずか19年の生涯を閉じました。
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英国が黒焦げになった少女の遺体を灰になるまで再度焼いたのは女性に負かされたというジェンダーバイアスの敗北感を拭うためでしょう。
紳士の国を名乗る資格を問いたいところですが、彼女を裏切った同胞フランス人も同罪です。誰も救おうと立ち向かわなかったにも関わらず死後に聖人認定。 -
ホテル近くに戻ってジャンヌに乾杯。
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通常の精神の持ち主にはない超越した集中力があったように思われるのですが、ジャンヌが一途に神を信じていたからこそ、無教育の少女が国軍を率いて領地を奪還したという奇跡を起こしたのでしょう。
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幼い頃からこの地で培われた豊かな感受性と敬虔な信仰心。彼女がここで生を受けていなければ今日ヨーロッパ文化の中心を担うフランスという国は存在しなかったかもしれません。
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時間になったのでチェックイン。ホテルと言うよりB&B。
http://www.leclosdomremy.fr -
外観から一味違うと思って中に入ると19世紀にタイムスリップしたよう。館の歴史を尋ねると「19世紀にナポレオン三世が愛人と過ごしたそうよ」と。上品なマダムが声を潜めて愛人maîtresseと発言した瞬間、私は柄にもなく恥ずかしさから視線を床に落とした。
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高い天井の寝室。至る所に配置されたアンティーク家具が古の生活を再現しています。一方、バスルームはリフォームされていて快適。
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聖レミ教会向かいのレストランは満員で断られたので村にあるもう1軒La Marmiteへ。B&Bのマダム曰く予約は不要のようですが、ここを逃すと食べ損ねるので早めに入店しました。
https://www.lamarmite88.fr/carte-du-menu/?utm_source=Google&utm_medium=My%20Business&utm_campaign=Menu
まずはやっぱりシャンパンで。 -
前菜のサーモン。ゆずのジュレなど凝った添え物が視覚と味覚を楽しませる。
ウワバミが挨拶に来たシェフに私が日本人であることを伝えると(まさに蛇足)、シェフが見せたいものがあると言ってキッチンからネットで取り寄せた日本製のごま油の瓶を持って私に使い方を尋ねた。
「ごま油は韓国料理でよく使われます。フランス料理では生魚に使われるようですが、私は牛肉やゴボウを炒めて香りを出す方が効果的だと思います。」と言ったつもりが完全には伝わらなかっただろう。私のフランス語がこの先上達する見込みはない。 -
私が頼んだリードヴォー。料理人の魂を感じる逸品。
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ウワバミが頼んだのはカモだったかな。
ほぼ100%地元のお客さん。レストランはカジュアルな雰囲気なのに盛り付けがとってもおしゃれ。これだけ野菜が彩り豊かに盛り付けられているのは健康的。 -
デザート。フルーツが入ったあっさりしたものを頼むようにしている。
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本当はウワバミ同様にチーズ盛り合わせを食後酒のつまみにしたいのですが、ボリュームが半端でない。
メインに合わせた赤ワインはハーフボトルにしたので、気分上々コニャックで締めます。お会計も嬉しい金額。フランス語の肝試しに田舎に来る価値は十分あります。 -
村にバーはないのでB&Bに戻ります。明かりを落とした館の中は背筋が伸びるとともに心落ち着きます。ここで生活してきた人々が幸せ時間を過ごしたことをほろ酔いながらも感じます。
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外は雨でジョルジュ・サンドの『アンディアナ』に出てきたサロンを思い出しました(詳細忘却)。
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持ち込んだワインを部屋で堪能します。館の雰囲気や外の新鮮な空気がメドックの美味を引き立てます。2015年は当たり年です。
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翌朝、村を発ちます。バシリクにお別れ。
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遅めの昼ご飯に立ち寄ったコメルシー(Commercy)駐車場付近の不思議な銅像。
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コメルシー城はポーランド王を退位するも娘がフランス王ルイ15世に嫁いだことからロレーヌ公となったスタニスラス・レスチンスキーの所有でした。
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聖パンタレオン教会。
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足早にさっと見学しました。
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カフェ・ドゥ・マルシェは見てくれの通り、客層はWorking class(←拙訳省略)。英語、通じないだろうな。それでも家族連れが寛げるように店の気配りがあったり、刺青のお兄ちゃんが生まれて間もない赤ちゃんを抱っこする風景に平和を感じた。
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メニューは口頭での説明のみ。一番軽そうだった火が通ったタルタルステーキ。ウワバミはレバーステーキ。生のジャガイモを揚げた自家製フリッツと新鮮なサラダ。フランスの庶民の味を楽しめました。そしてやはり驚くほどの安さ。
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ベルギーに戻る前にもう一泊。温泉の街、アムネヴィル(Amnéville)。ここも定番です。入浴後、お昼が想定外にこってりだったのでメキシコ料理屋でタコス。
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おしまいにジャンヌ・ダルク土産。行ってみて良かったです、ドンレミ・ラ・プセル。現在、ワクチン接種が順調に進みつつあるベルギーとフランス。自由に越境できるようになるのはもうすぐかもしれません。
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この旅行記へのコメント (2)
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- salsaladyさん 2021/05/11 09:03:33
- "聞かせてよ~愛の言葉を”
- ☆ヴォートゥルボー~ジュブゼーム~仏蘭西語で唄ったこともあるけど~
☆日本人の感性とフランス人のそれとは。。。あり得ない(ただ想い出として)
☆いつか、自然に口をついて愛の言葉が出てきますように。。。
- のまどさん からの返信 2021/05/12 05:50:57
- RE: "聞かせてよ?愛の言葉を”
- 愛の言葉でした。どうもシャンソンというと美輪さんの歌声が思い出され。日本語に訳すと毒々しい歌詞はあの方ほどの個性がないと歌い込めないのかもしれません。
苦手なフランス語ですが日本語と結びつかないので、地名をカタカナにするのに違和感があります。
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