2019/12/22 - 2019/12/24
1位(同エリア26件中)
のまどさん
「コークにはヤシの木さ生えてんべか?」
学生時代1年ほどこの地に留学したウワバミに家族はきいたそうです。熱帯植物の栽培は無理ですが、確かに西アイルランドと比べると2‐3度気温が高く感じます。
コークはアイルランド第2の都市。ヨーロッパとアメリカ大陸の物流拠点として栄え、イングリッシュ・マーケットはその一端を担っていました。アイルランド東部はイギリスの支配下で繁栄していたことが分かります。聖フィンバール聖堂はプロテスタント英国教会の投資でかなり細部まで凝っています。
クリスマス時期のアイルランドは色々な施設が閉まっているので要注意ですが、ホテルもレストランも少し下調べをすれば満足度が高いところを当てられます。
今回のBGMはアイルランドの人気クリスマスソング『Fairytale of New York』。作曲当時から歌手の現在に至るまで濃いエピソード満載ですが、日本語ウィキペディアの「成功を夢見てニューヨーク市へやってきたアイルランド移民の男女が一時は成功するが(1番の歌詞)、共に夢破れて年老いて互いに相手を罵りながらも相手を愛している(2番の歌詞)というクリスマスを歌い上げる。」という美しい文章をそのまま引用しておきます。
発音というより発声方法が何とも露骨ですが、飾り気のない率直な歌と伝統楽器で奏でられる音楽でアイルランドの大衆文化を紹介したいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=j9jbdgZidu8
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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バスの中でサンドウィッチとともにビール。車窓には晴れた冬の緑が広がり、気持ち良くなって爆睡。起きるとウワバミから「きれいな景色だったのに寝るなんてもったいない」と叱咤された。確かに。
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港町コークはアイルランド第二都市。人々の気質も大阪に似ていて陽気で自信家とのこと。
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バスターミナル。
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ブラックフライデーのセール期間中に予約したアンバサダーホテル。おっと、現在は名前が変わってアドレスホテルとなっています。
https://www.theaddresscork.comThe Address Cork (formerly Ambassador Hotel & Health Club) ホテル
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4トラでも利用されている方がいるので、安心してお勧めできます。
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小高い丘の上にあるので徒歩で特に雨が降ると上り下りが大変ですが、部屋から町全体を見渡せます。他に誰もいないジムで運動し、サウナも貸切。
宴会上ホールには「XX家クリスマスパーティー」との表示。アイルランドでは家族の恒例行事でホールを貸切ることがよくあるそうです。少子化とは無縁の健全な国です。 -
街に下りて夕食前にまずは1杯。入った店は確かOld Oakだったと思う。
https://www.facebook.com/oldoak
ギネスと双璧をなすスタウトビールのビーミッシュはコークで生まれました。 -
夕食は目星をつけていた円明園。
https://yuanmingyuan.ie
クリスマス前だから一応予約しましたが、到着時にお店が名前を把握しておらず、また空いている席が多かったので必要なかったかもしれません。でも念を入れるに越したことはありません。 -
中華料理にはうるさいのまど。ウォックとチップスなんて言語道断。頼んだのは牛肉のオイスターソース炒めと野菜炒め。中華料理の命は火力とスピード。トリップアドバイザーで上位を獲得しているだけのことはあってサービスも一流。しかも安い。大満足。
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食後はもちろんパブへ!ウワバミの学生時代を追想すべくThe Oval。
https://www.corkheritagepubs.com/pubs/the-oval/ -
サイトの説明によるとケルト-中華式の建築物らしいが他に聞いたことないぞ。
天井の折衷的照明や -
ぼかしを入れて撮ったビーミッシュはロマンチックに見えますが、
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店内は溢れんばかりの人。タイミングよく開いたテーブルに移ります。日本での満員電車のいす取りゲームで鍛えられた勘がこういうところで生かされます。ウワバミはよほど感慨深いのか周りの年齢層に圧倒されたのか黙りこくっているのでビーミッシュが進んでしまいます。
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ホテルに戻ります。ライトアップがきれいです。
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中のデコレーションも。
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ホテルのバーでもう1杯。これも貸切というのは寂しいな。
バーテンのおじさんが聞き上手で話に花が咲く。お隣ケリー州出身だけどずっとコーク在住らしい。 -
翌朝、コークの大通りオリバー・プランケット通り。アイルランドでは大体のお店が12月24日から26日まで閉まるのでクリスマス前滑り込みの買い物客で賑わっています。
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イングリッシュ・マーケット。
https://www.corkcity.ie/en/english-market/english-market-home/ -
随分と小ぎれいですが、1788年創設。支配者のイギリス人あるいはプロテスタント信者が利用する市場として発展し、干し肉やバターなど当時の高級食品がアメリカ大陸にまで輸出されたようです。
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これが当時の名残であろう名物スパイス・ビーフ。中は真っ赤。アイルランド人は生肉など食べないけど、どうやってこれをを食すのだろう。
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典型的なクリスマスの食材、七面鳥。ハロウィンのカボチャのように恐らくはアメリカに移民したアイリッシュが持ち込んだ食文化でしょう。
ここで売られていた高級食材は庶民のカトリック信者には手が出せなかったため、1840年に別の場所にアイリッシュ・マーケットを作ったようですが、「貧民市場」と揶揄されるほど品質は雲泥の差だった。 -
悲しいかなアイルランド。イギリスの進入をもろに受けた東部の方が厳しい自然条件故に外敵の侵入を防げた西部よりも遥かに金回りが良かったことがこういうところに見て取れます。
魚介。 -
名産品カキです、カキ。日本にも生食用に輸出されているようです。
ナポレオン戦争、ジャガイモ飢饉、アイルランド独立運動、二つの大戦と歴史的局面を乗り切ったのに1980年にガス爆発の大火事により大半が焼けてしまい、現在の姿は復元されたもの。 -
イチオシ
お次は聖フィンバール聖堂。プロテスタント教会は入場料を徴収することが多いようです。私はお金を払ったことを全く覚えていませんが。
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イチオシ
聖堂の公式サイトには2020年で創立150周年と謳っているので疑って見たところ、やはり原型は7世紀に建てられた修道院。
https://corkcathedral.webs.com -
ステンドグラスは合計74枚使われていて、神と賢者、愚者を描いて教義を表しているようです。
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もともとこの聖堂はコーク出身の7世紀の聖人フィンバールを祀って建てられたのでカトリックだった。
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12世紀にノルマン人によって破壊されたと言われ、16世紀にプロテスタントが再建を始めた。1870年はプロテスタント教会として始まった年。
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カトリックよりプロテスタントの方が布教活動に積極的だというのが持論。これも2年前、ダブリンのクライスト・チャーチでクリスマスの礼拝が始まる前に特別にしかも無料で入れてもらった際の話。
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後部席に座っていたおじいちゃん鉄に話しかけられて(教会で人と話をすることを生きがいにしているのだろう)鉄道談義で盛り上がってしまい、気が付いたら礼拝者に囲まれていた。
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「是非礼拝にご参加ください。大歓迎ですよ」とお誘いを受けたが、「電車の時間が迫って来ましたので」とお暇させてもらった。(←個人的な体験その2より)
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極度乾燥しなさいの着想元になったアサヒスーパードライ。どうも、辛口に当たる英語の形容詞が思い浮かばない。
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聖堂を振り返る。確かに細部まで凝っていて遠くからでも見栄えがします。
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イチオシ
アイルランドらしい、今にも雨が降りそうな曇天と寒そうに流れる黒い川とともに。
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「あれは大学の校舎だった」とクレーンが撤去作業に当たる建物を指さしてウワバミが驚嘆の声を挙げる。その横顔は寂しい。いつでもどこでもこんな風にして時代は変わっていくものだ。
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お昼はベジタリアンレストラン。
https://izz.ie
健康志向が流行って近年ヨーロッパでは肉の消費量が減っていますが、菜食に代わっても食べるボリュームは変わらないでしょう。 -
中心街に戻ります。アートなのか廃墟なのか微妙なところ。
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2階建バスに乗って郊外の 城に。(写真は帰りに撮ったもの)
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静かな河畔。流れているのはリー川。コークもウォーターフォードも海に面しているのではなく、入り江のさらに奥の川沿いにあるのが興味深い。
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見えてきました、お目当てのブラックロック城。敢えて黒岩城とは訳さないでおきますが、確かに黒っぽい石が使われています。16世紀建立。
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んで、閉まっていた。Googleにも城のサイトにも23日に閉まっているとは書いていなかった。息巻くウワバミの横でアイルランドではありうると思う私。
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しょうがないから隣接カフェに入る。やっぱり家族連ればかり。キャロットケーキにはカスタードとホイップクリーム。これも気に入ったようです。
私はマキアート。 -
ウワバミはビール。
ホテルに戻り、カロリー消化のための運動。 -
ホテルから坂を少し下ったところにあるスペイン風料理。
https://www.facebook.com/stlukeswinetaverncork/
どれもニンニクたっぷりでガーリックバターブレッドが添えられているのがアイルランド流のアレンジ。ボリュームほどよく、意外にもワインがおいしかったです。 -
お隣のパブJohn Henchy & Sonsで1杯。マーフィーも忘れてはならないスタウトビール。
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ホテルの部屋からの夜景。こんな景色を独占できるのならば坂の上り下りなどなんてことない。
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鉄道駅まで近道を発見。
正式な駅名はコーク・ケント駅。イースター蜂起で英軍に立ち向かったコークの活動家トーマス・ケントを記念しています。 -
イチオシ
カマ発見。この蒸気機関車「エンジン36号」は1847年にリヴァプールの設計者たちによって手掛けられて、1874年までコーク=ダブリン間を走り続けたようです。駅舎は1893年にできたので機関車の方が古い。
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サンドウィッチを買って鉄道に乗り込みます。
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乗り換え後、目的地の遥か手前で下車すると迎えが来ていた。のまどは案の定全く段取りを知らされていませんでした。
そこからウワバミ兄の家で一族郎党17人の宴に連行されました。これは前もって知らされていましたが。 -
ウワバミ谷戸での家族団欒を終えて12月27日帰国の途に着きました。
今回帰りの便はエアリンガスだったのでフィッシュ&チップスが食べられると期待していましたが、ウワバミ母が昼食に豪華な肉料理を振舞ってくれたのでまたもお預けに。サイダーで締めくくり。ハイネケンなんて飲みませんよ。 -
夥しい星条旗の数。これほどまでに道標がないと迷って国に帰れない国民がいるんですね(←んな訳ない)。
あるいは新天地を目指すアイリッシュの希望の光なのか。オーストラリアが強制移住を余儀なくされた地であるのに対して、アメリカは自らの意思で貧困を脱出する夢を抱いて渡った人が大多数。今も憧れる若者は多い。 -
飛行機のドアに描かれたシャムロックに「また来年も来るね」と約束したのだが、今年はベルギーの我が家で過ごす年末年始。
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年の瀬の今、絶対にコロナに罹患しまいと心に誓う。
そして切に願うのはこの10ヶ月以上世界中で奮闘している医療従事者が休息できる時間が少しでもありますように。彼らが休まる時間が少しでも長ければより多くの命が救われるはず。どうか一刻も早くこの禍が終息しますように。 -
最後はアイルランド通(←あくまで自称)が持ち帰ったお土産。ショートブレッドはバラマキ土産。あと天然材料の基礎化粧品、特に海藻入りがお勧めです。
2021年、皆様におかれましては自由に旅行できる日が1日でも早く来ますように。
<完>
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この旅行記へのコメント (2)
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- salsaladyさん 2021/03/25 09:22:33
- When all our dreams come true~
- ☆酔っ払いのやけ酒クリスマス~クリスマスはso happyなの?
☆後半!イギリスのリバーダンスのリズムが救い~矢張りpowerfullが良いよ!
- のまどさん からの返信 2021/03/27 04:54:22
- RE: When all our dreams come true?
- 最近「庭の千草」という歌を知り、原曲はアイルランド民謡のThe last rose for summerであることも知りました。19世紀に訳された日本語の歌詞はかなりの妙訳だと思うのですが、それを英語に逆翻訳したPlants in the gargenには拍子抜けしてしまいました。
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