2019/12/21 - 2019/12/22
1位(同エリア3件中)
のまどさん
西アイルランドにあるウワバミの実家で過ごすクリスマス。2019年はその前に南部を周ろうということになり、ウワバミのチョイスでダブリンから交通の便が良いウォーターフォードとコークへ。
ウォーターフォードは小規模な街ですがヴァイキング入植以来アイルランドの要になった土地です。地の利から度重なる外国人の侵略によって発展した一方で、守り抜いた信仰心を中世博物館の展示で痛感できます。時間があれば他の博物館も見学したかった。名産品クリスタルの工場見学もお勧めです。
2019年で一番の思い出は日本で開催されたラグビーワールドカップ。日本対アイルランド戦の大勝負で決定力を発揮した日本は素晴らしかったのですが、春先のシックスネーションズからアイルランドは残念ながら弱かった。
「これでようやく僕は日本でアイスランド人に間違われることはなくなるね(=アイルランドの認知度が上がった)」とウワバミが冷笑していましたが、アイルランドチームとサポーターは日本人に好印象を残せたと思います。
ラグビーの試合で歌われるのは国歌ではなく「Irelands' Call」。Youtubeで見つけたのまどのお勧めは歴史的な試合。イングランド国歌に始まりアイルランド国歌に続いて応援歌、しかもフランスのテレビ局放送と、初っ端からマニアックに行きます。
https://www.youtube.com/watch?v=_6_UsZtHiXU
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
去年のクリスマスの話です。
ブリュッセル空港ではロボットに見送られ、 -
ピークシーズンなので早朝のライアンエアに搭乗。
アイリッシュ海上空で、のまどが自宅のガスの火を消し忘れたかもと言い出したことで一悶着を起こしましたが、温めたなめこ汁を食して鍋を洗った記憶が無事に蘇りました。(←なかなかコワい話) -
バス747エアポートリンクに乗るとすぐ後ろに日本人女性3人。日本から丁寧に包装された便座カバーをクリスマスプレゼントに持ってきたという話を盗み聞きして不覚にも笑ってしまったが、ダブリンヒューストン駅到着。(この場を借りてごめんなさい)
-
隣接のThe Galway Hookerでまずはギネスで乾杯。泡がこれくらい引くまで待つんです!それがおいしさの秘訣です。
-
2年前のクリスマスイヴにどこも店が閉まっていたので、まさにここでのまど1人でローストビーフを食べてウワバミ実家に着いたところ胃の内容物が消化しきれていないのに夕食もローストビーフでした(←個人的な体験より)。
-
ここの食事は重いことは身に沁みて分かっているのでサンドウィッチを買って車内で食べることにします。(でも、本物のアイルランド料理のおいしさは保証できます。)
-
ウォーターフォード行き電車。定刻通り発車。
-
ウォーターフォード着。まずは駅舎で歌うチャリティ合唱団に寄付します。前回の旅行記でも書きましたが、アイルランド人の慈善慈愛精神は心から尊敬しています。
-
駅を出てすぐに見えるこの石碑。アイルランドの国技ハーリングのレンジェンドの記念碑ですが、ここは隣県キルケニーでライバルのウォーターフォードに見せつけるのを目的にして建てられたようです(←期待に応えてマニアック)。
-
駅から徒歩1分のトリーシーズ・ホテル
https://www.treacyshotelwaterford.com/?utm_source=mybusiness&utm_medium=organic -
心落ち着く古しきゆかしきアイルランドのホテル。
-
陽の光があるうちに街の中心に。ヴァイキングの夫婦像(?)。ウォーターフォードは9世紀にヴァイキングが入植したことで始まります。
-
1170年レンスター王Diarmait Mac Murchada(拙片仮名訳:ダーモット・マクマロー)なる生粋のアイルランド人が当地を奪還しようと試みるも失敗に終わり、翌年1171年にはノルマン支配下の英国プランタジネット朝ヘンリー2世の手に落ちてしまいます。
-
のまどはスマホをホテルに置き忘れていたのでウワバミが何を意図してこの像を撮ったのか失念しましたが、中央広場はクリスマスマーケットが立っていて賑わっていました。
-
どうしても立ち寄りたかったのはクリスタルの店。クリスタルはウォーターフォードの名産品。ウィキペディアを調べてみると、1947年にチェコ移民によって創業され、現在は2015年にフィンランドの企業に買収されて今に至ると。純アイルランド企業ではないけれど、怪しい新興アジア企業に買収されずに済んで何より。
-
工場見学もできますが、目的は遅ればせながらウワバミ母の誕生日プレゼントを買うこと。花瓶などの大物もあるのですが、小さなペンダントにしました。
包装してくれた女性の「このペンダントの行き先はアイルランド国内なのですね。あなたのお義母様はさぞ素晴らしい方なのでしょう。」という純粋な善意の言葉に対して、「はいと言う他にどのような答えがあるのでしょうか」と口先に出かかったのを堪えて「はい、義母は心から贈り物を喜んでくれると思います」という言葉に留めました。(全て拙訳)
私は日本とそれ以上にアイルランドで猫を被って良い人を演じています。
ちなみにウワバミ母はいたく気に入っていました。 -
ヴァイキング三角広場(The Viking Triangle)に建つレジノールドの塔とヴァイキング船。塔はノルマン朝の支配下で建てられ、鋳造所、刑務所など色々な機能を果たして、現在は博物館になっています。特筆すべきは英国失地王として(だけ)名の知れるジョンが訪問したこと。
-
イチオシ
『竜退治の剣(The Dragon Slayer Sword:拙訳)』
-
全長23メートル、1本木を使った作品は2017年に公開された現代アーティストの作品のようですが
http://www.munster-express.ie/entertainment/behold-the-city-dragon-slayer/ -
タペストリーのようにこの街の歴史を叙述しています。
-
ホテルに戻り、レストランの予約時間まで運動することにします。プールはアイルランドらしく元気な子どもたちで溢れていたので中年は遠慮して、ジムで地元の大人たちとしばし汗を流します。
そして時間通りにお店へ。
https://www.facebook.com/SheehansRestaurant -
予約する前にウワバミが「ウォーターフォードは海から近いから魚料理はイケるはず」と押していたのですが、所詮はいちげんさん。盛り付けは良くても魚は恐らく冷凍。
白ワインはイタリアっぽいものでまあまあ。 -
賞賛すべきはチーズケーキ。のまどにとってこの手のものは辛めのリキュールとともにいただくものなので(←悪弊の賜物)、3匙ほどに留めましたが、なるほど濃厚です。ウワバミは帰郷を実感して喜んできました。(注:欧州内でも各国で乳製品の味は異なるようです)
-
イチオシ
腹ごなしに歩きます。屋外なのですがガラス天井の下でライトアップされてしかも鏡が取り付けられているというなかなか手の込んだ演出。緑のポストはサンタさん専用です。
-
もちろん夜の散歩はパブ探しのためです。ウワバミに導かれるがままに名店ジンジャーマンで。
https://m.facebook.com/pages/The-Gingerman-Bar/235441649868705
クリスマス当日は全国津々浦々の店が閉まるので、すごい賑わいです。 -
エネルギーが充満しすぎていたので場所を変えることにします。
19世紀に建てられた時計台はネオゴシック様式。 -
ホテル近くのパブに場所を変えてThe Grattan Bar。なかなか静かで我々向きのお店でした。FEXITについては帽子の画像のコメントを参照してください(詳細割愛)。
-
スミスウィックス。
ウォーターフォードの人はあまり口を動かさずにしゃべるためその訛りはアイルランドで一番難解。
のまどの掛かりつけのイギリス人整体師は奥さんがウォーターフォード出身なのでこの地に来るそうですが、パブでの会話がたまに全く理解できないそうです(言葉が英語だということは確からしいです)。ウワバミも同じことを言っています。 -
翌朝。朝食はなかなか立派な料金だったのでスキップして不思議なオブジェを通り過ぎて
-
イチオシ
ヴァイキング三角広場にある中世博物館を見学。
http://www.waterfordtreasures.com/medieval-museum
アイルランド黎明期よりウォーターフォードの歴史が詳細に説明されています。
まずはヴァイキングの入植。光の差し方が見事です。 -
最たるものが主にフランスから輸入されたワイン。百年戦争の際にはスペイン・ポルトガル産に切り替わったというのは興味深い。この甕は何と我らが居住国はブリュージュからもたらされたもの。
-
海から入り江を経た河岸にあり地の利が良かったため入植地として発展していきました。交易で行きかう船に積まれた商品に課税することで利益を得ていきました。
-
このブローチは22カラットの金。12世紀のドイツ人が持ち主らしいが何故この地に?
-
1250年頃に琥珀で造られたロザリオ。ヴァイキングと入れ替われるようにノルマンに支配された英国が覇権を握った間も人々はカトリック信仰を捨てなかった。ただでさえ食糧事情が悪いのにハンセン病、ペストの流行など祈らなくてはならないことが多かったのだろう。
-
フランス、アミアンからもたらされた巡礼者の勲章。イエズス・キリストを導き、その後斬首された洗礼者ヨハネを表しています。
-
バラ戦争で英国全土が赤か白に分かれて血みどろの戦いが繰り広げられていた1461年にエドワード4世から送られた剣。
-
この帽子はヘンリー8世が特別栄誉を表してウォーターフォードに寄贈したものです。ヘンリー8世と言えば自身が離婚したいがために英国教会という信仰宗教を立ち上げて、妻や愛人に次々に姦通罪を着せてロンドン塔に送って斬首させたという目立った経歴の持ち主なので、どれだけ市民に歓迎されたのでしょうか。
私見として日本の歴史教科書でも有名なヘンリー8世には英国人らしい気質があった、と現在コロナ禍ブレグジットで揺れる彼の国の実情を見ながら思う。 -
1593年と記されたエンブレムは印象に残ったのですが何を意味するのか失念。
-
アイルランド史上で最も悪名高いオリバー・クロムウェル。チャールズ1世に仕え、カトリックが嫌いという感情によって、既に支配下にあって国際法上保護の対象にあったアイルランド人が信頼できないとレッテルを貼り残虐な殺戮を行った。
1650年、侵略に備えてウォーターフォードの僧侶は法衣を箱に詰めて聖堂の地下に埋めた。聖堂は焼き払われ僧侶は弾圧されたが、法衣は地下で眠り続けた。 -
イチオシ
123年の時を経て、カトリック教会が聖堂の廃墟を撤去した際に箱が見つけられた。中には無傷の法衣。
-
イチオシ
フィレンツェで絹が織られ、ブリュージュで刺しゅうが施されて船で運ばれてきた法衣。
-
ヨーロッパの卓越した技術とアイルランド人の強い信仰心の結晶が侵略者に打ち勝った。
-
それを死守した僧侶たちの英知と苦悩に涙が出ます。
-
コンビニの役割を果たしているス―パーCentraでブランチを買ってコーク行きのバスに乗ります。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (2)
-
- salsaladyさん 2020/12/22 09:32:00
- 英国失地王?
- ☆久し振りにヨーロッパからの通信?を興味深く拝見~(動画は仏蘭西語!)
☆最近、図書館がcloseしている為、リクエストで色々な本を要求してスカーレットその後を執筆したものを読んでいますが。。。オハラの故郷アイルランドが出てきて、その成り立ち(中世より搾取され続けた苦難の歴史)を初めて知るわけで。。。
☆英吉利に行ったのは最初のヨーロッパ訪問だけなので既に40年近く前、ダイアナ妃の結婚式の頃の街中が旗で祝われていると思いきや『RENT』の家家が目立つ寂しさ~
☆大英帝国とイギリスとは同意語では無いと言った留学生の言葉、何かと気にかかる。
☆取り敢えず、世界の何処かで無事に2021年を迎えましょう。~see you~
- のまどさん からの返信 2020/12/23 04:13:44
- Re: 英国失地王?
- 毎度ご丁寧に読んでいただき、ありがとうございます。
私は帝国主義、植民地支配に反対なのでアイルランドに媚びて歴史は繰り返すとブログでイギリスをぶった切った翌日、変異ウィルスで物流さえ滞りあわや食糧難が叫ばれる同国を今不憫に思っています。そして、ベルギーにも影響が出ているので対岸の火事ではない。
ニュースに気を揉む中、エリザベス女王の94歳とは思えないかくしゃくとした立ち姿や現代の鉄の女メルケルの熱意溢れた国会演説に救われる気分にさえなります。
今年は狭い拙宅でクリスマスも年末年始も自粛して過ごし、年が明けたらブレグジットに振り回されることになるので、今のうちに怒涛の勢いで旅行記を書き綴ることが束の間の楽しみです。
ご家族揃って健やかに新年を迎えられますように。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
のまどさんの関連旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
ウォーターフォード(アイルランド) の人気ホテル
アイルランドで使うWi-Fiはレンタルしましたか?
フォートラベル GLOBAL WiFiなら
アイルランド最安
545円/日~
- 空港で受取・返却可能
- お得なポイントがたまる
2
44