2008/08/01 - 2008/08/05
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SamShinobuさん
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真夏の暑い盛りに、クライアントを大連にお連れすることになった。と言うのも、この1ヵ月ほど前、新橋にある行きつけの中華料理店で、クライアントと飲んでいた時のことだ。大連出身の女店主から、「夏に一時帰国するから二人で遊びに来て」と誘われた。酒の席のざれ言をクライアントが本気にするとまずいので、それとなく彼女を諭した。すると彼女は、「いいえ本気ですよ。よかったら本当に来てください。大連を案内しますよ」と言う。クライアントは思いがけない話の展開に、興味津々な様子で身を乗り出している。それならばと、急遽スケジュールを調整し飛行機とホテルをおさえて、この日に至った訳だ。
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2008.8.1
今回の宿はラッフルズ系のスイスホテル(SWISSOTEL HOTEL)。ホスピタリティのしっかりしたホテルだったが、現在は中国系資本のスイッシュホテル(SWISH HOTEL)に変わり、残念なことに評判は悪くなった。 -
ホテルのロビー
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ホテルの部屋からの眺め。
労働公園が目の前に広がっている。クライアントは朝の散歩を日課にしていると聞いたので、公園に隣接しているホテルを選んだ。 -
ホテルの部屋からの眺め。
正面にある低層階が黒い建物は、今夜予約しているレストラン、万宝海鮮舫だ。 -
ホテルのロビーラウンジで、先に帰省していた中華料理店の女店主Cさんと合流。今日と明日の2日間、大連を案内してくれることになっている。
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ロシア風情街
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ロシア風情街の突き当たりにある1900年竣工の初代大連市役所。その後、満鉄本社を経て、初代ヤマトホテルとなる。閉めてから久しく、今は朽ち果てていくのをただ待っているだけのようだ。
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その隣にある金帆賓館。ホテルとしては営業していなさそう。部屋に人影は見えるが、老朽化した建物の正面玄関はロックされている。
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ロシア風情街は観光地化してしまったが、その裏にはかつてロシア人が暮らしていた町が残っている。1890年代に建てられた大連でもかなり古い家が連なる。ロシアが大連から出て行った後は、終戦まで多くの日本人も住んだ。
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建物の傷みは激しいが、所々直しながら住み続けているのだろう。
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左側は病院だ。古い建物をそのまま使っているようだが、ここで診てもらうの、ちょっと怖いな。
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この住居も大昔、日本人が住んでいたらしい。
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万宝海鮮舫
接待用としても有名な、大連でもトップクラスの高級海鮮料理店。宿泊しているスイスホテルから歩いてすぐ、ケンピンスキーホテルの隣にある。 -
入店すると、大勢の店員さんがお出迎えしてくれる。ここのスタッフは総勢700人いるらしい。そりゃ、どう見たって店員さん有り余ってるよね。
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宮殿を思わせるエントランスは、ピカピカ眩しくて、なんともバブリー。
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席に着く前に、1階の生け簀で料理の食材を決める。
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海に囲まれた大連なので、魚介の種類も豊富だ。好きな海産物を選んで、それぞれの調理法を伝える。
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鮑、これ間違いなく美味いやつだ。
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広い店内を通って、予約していた個室に通される。
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室内もゴージャス。頼んだ料理が運ばれてくる。
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帆立。ニンニクたっぷりで旨い。
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鮑。鮮度抜群で柔らかな食感の身は、噛むほどに旨味が溢れ出す。
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これは何の魚だったかな。丸揚げ甘酢あんかけは見た目も美しい。
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新鮮な海の幸にクライアントも満足してくれた。
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この後飲みに行ったはずだが、写真は残っていなかった。
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2008.8.2
労働公園 -
労働公園。朝の散歩。正面はテレビ塔。
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中国人は全員が健康オタクなので、公園に集まっては様々な運動をしている。
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太極柔力球。太極拳の論理を球技に融和させたスポーツ。競技と演舞がある。
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太極剣
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太極扇
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現代風ダンス
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散歩した後は、ホテルブュッフェで朝食。
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大連駅。1937年に竣工。満鉄建築課の太田宗太郎が、上野駅をパクって設計した。確かによく似ている。
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大連駅の脇の地下道を抜ける。
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すると、快速軌道電車の大連駅が見えてきた。
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快軌3号線は途中開発区を経て、金石灘へ。終点の金石灘までは50分くらいだった。
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金石灘に着いた。金石灘は比較的新しい海洋リゾートだ。
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タクシーを3時間貸しきった。陽気なドライバー。
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観光地だけあって、派手な観光馬車が並んでいた。
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風光明媚な海岸が目の前に広がる。
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美しい海と空。
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かなり暑いので、泳いでいる人もいる。
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まさに絶景としか言いようがない。
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強い陽射しの下で海を見ていたら、ビールが飲みたくなってきたぞ。
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漁家味道。ここで昼食。
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水槽には活きのいい魚やエビが泳いでいる。
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殺菌消毒してラップされた食器。
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さあ、何を食べようか。
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帆立、海老、イカがどっさり入ってピリ辛なこの料理、美味しかった。
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Cさん、さすが地元だけあって、いい店を知っている。
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鮮明な色の野菜炒め。
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蝋人形館。館内は撮影禁止だったので写真はないし、残念なことに記憶も全くない。入館料は30元(500円)だった。
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中華武館
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ここでは拳法を習っている子供たちの武術ショーがある。
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子供とは思えないほど見応えのあるショーだ。
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時々ヒヤリとする場面もあるが、それもご愛敬。
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入館料は100元(約1700円)。
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快軌3号線で大連に戻る。
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車窓の風景。
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大連市内に戻ってきた。湯本という日式温泉。ここは入浴とマッサージがセットになった店で、客の大半が日本人だ。そのため日本語も通じるし、大連の駐在員にはとても人気がある。成分表もあり本物の温泉だ。温泉に浸かった後、マッサージをしてもらって、いい気持ち。
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シャングリ・ラ ホテルの広東料理「香宮」
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帆立、海老、イカのピリ辛炒め。やはり大連はシーフードが一番だ。
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この貝、美味かったな。
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Cさん、2日間ありがとう。彼女のおかげで、クライアントも終始ご機嫌だった。
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2008.8.3
旅順、203高地
大連の旅行会社に案内を依頼した。このころ軍港のある旅順は外国人の立ち入りがまだ制限されており、旅行者は旅行会社に連れて来てもらわなければならず、見学できる所も限られていた。 -
203高地から旅順港を臨む。
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日清戦争において、たった一日で旅順港を陥落させた乃木希典は、その手腕を買われて、日露戦争でも再び旅順要塞の攻略を命じられる。しかしロシア軍はこっそりと歴史上類を見ない難攻不落の大要塞を築いていた。
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そのため要塞の奪取は熾烈を極め、死屍累々の死体の山が積み重なっていた。日本側は計15,400名の戦死者を出して、ついにロシア要塞は落ちた。決戦となった203高地では、乃木大将の次男の保典も戦死している。
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山頂に建つ慰霊碑は、後に乃木大将がこの山に散らばる銃弾を拾い集めて鋳造した。乃木大将が名付けた爾霊山(にれいさん)とは、203に掛けているだけでなく、あなたの霊の山と言う意味もあり、乃木大将の様々な思いが伝わってくる。それに203を中国語で「アーリンサン」と言うが、爾霊山も同様に「アーリンサン」と読める。乃木大将、ネーミングセンス抜群過ぎでしょ。
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ついに旅順要塞を陥落させた乃木大将は、水師営という村でロシアのステッセル将軍と会見を行う。
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その時の様子を、係の女性が中国語でずっと説明してくれるが、ほとんど聞き取れないのが残念。
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当時の写真が掲示されている。
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1905年1月、乃木大将とステッセル将軍の会見後に撮られた写真。この写真を見てまず驚くのは、壮烈な死闘を繰り広げた敵同士が、まるで友人との記念撮影のように写っていることだ。普通、降伏した側の帯剣は決して許されないが、乃木大将は敗軍の将の名誉のために、これを許している。
ステッセル将軍が、この戦争で2人の息子を失った乃木大将に弔意を示すと、乃木は「私の家は武士の家系なのです。ですから二人の息子は死に場所を得て、これぞ武士の面目と喜んでいるでしょう」と言ったらしい。まさに「昨日の敵は今日の友」、互いの健闘を讃えあった会見だったと、当時日本では絶賛されたようだ。
しかし僕は乃木の心中を慮ると、切なくならざるを得ない。だって自分の作戦でこれだけの兵隊を死なせてしまったのだから、息子の死を悲しむ素振りなんて絶対見せられなかったんじゃないかな。
明治天皇から自決することも禁じられた乃木は、それからは学習院長として幼き昭和天皇の養育を託されることになる。そして明治天皇が崩御すると、乃木は後を追って自刃(切腹)したと言われているが、僕は乃木が二人の息子を死なせてしまった時から、ずっと死に場所を探していたんじゃないかと思っている。
その死に場所だった自宅のあった所に、後に乃木坂と乃木神社が出来て、そしてその約100年後に乃木坂46が誕生する。んっ? -
鮮鮮餃子
旅行会社のガイドに連れて来てもらった。 -
餃子専門店だけあって、餃子の種類が豊富。
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餃子一皿の量が半端ない。色々な餃子が食べたかったので、つい頼みすぎてしまった。
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星海広場
総面積110万平方メートルで、アジア最大面積だそうだ。 -
暑くて、木陰に避難している人たち。
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広場周辺に建ち並ぶ高級マンション。
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1000人の足跡のレリーフ。大連市100年記念として造られた。
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クライアントが焼肉を食べたいというリクエストにお答えして、天津街の日式焼肉店「同心園」へ。
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日式と言いつつ、肉をハサミで切るのは韓国じゃん笑。
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肉の味は申し分がなかった。
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友好広場にある大連名物、球形のモニュメント。1996年に真珠を模して造られたそうだが、夜になると光り輝いてキレイ。何よりもこういう目立つものがあると、タクシーで走っている際など目印になるので助かる。
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ライトアップされた大連賓館。僕の大好きな旧ヤマトホテルだ。
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2008.8.4
労働公園からリフトに乗って、緑山の山頂に建つテレビ塔に向かう。 -
テレビ塔展望台からの眺め。360度、街を一望できる。
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帰りもリフトで下山。まんまスキー場のリフトなので、下に雪がないと何となく怖い。
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大連名物、美人婦人警官の交通整理。ここからだと美人かどうかは不明だが。
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大連森林動物園
何故動物園に来たのか、よく覚えていないが、きっとクライアントのリクエストだったのだろう。中国に来たのだからパンダは見ておかないといけないとか、そういう話になったんじゃないかな。午後からタクシーでやってきた。入園料は、120元(約2000円)だ。 -
ラクダに乗って写真をどうぞ。
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広大な敷地に、動物達ものびのびしている。ていうか、あまりの広さに驚いてひっくり返りそうになった。一日で全て回るのは無理そうだ。
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キリンにその辺の葉っぱをあげる少女。
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サイ、こっちに来なサイ。
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熊も生き生きいている。
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ツキノワグマの集団。
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ライオンも檻ではなく、放し飼い状態。
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虎も凛々しい。この虎に餌をあげることもできる。生きた鶏を買って、投げ入れるのだ。見ていると結構エグイ。
もっと珍しい動物もいたかもしれないが、突然動物園に行こうということになったので、何の予備知識もなかった。それにあまりにも広すぎて、肝心のパンダに行き着けなかったら笑えない。そこで改めて地図を見てパンダのいる場所を確認したら、目が点になった。 -
何とパンダに会うには、ロープウエイで山を越えなければならなかったのだ。
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パンダ、いたー!
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可愛い顔してる。
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たれぱんだ。
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クライアントもパンダに会えて喜んでいた。
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人が少ないので、ゆっくり見ることができる。
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背中が痒いのかな。
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活発に動き出したぞ。
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ここに何頭のパンダがいたのか覚えていないが、みんなとても元気だったのは記憶に残っている。
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何度も中国に行っているのに、パンダを見たのは後にも先にもこの時だけだ。
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レッサーパンダもいた。ジャイアントパンダは、中国語で大熊猫。レッサーパンダは、小熊猫という。レッサーには小型のという意味があるので、小さいパンダとはそのままの意味。でも大小の問題以前に、パンダとレッサーパンダって全然似てないよね。レッサーパンダはどちらかというと、アライグマとかフェレットに近い気がする。それにレッサーパンダの方が熊猫という名前から想起されるイメージにピッタリだ。それもそのはずでジャイアントパンダが発見される前は、レッサーパンダがパンダと呼ばれていたそう。だから熊猫はもともとレッサーパンダのことだった。
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風太君のように立つ姿は、なんとも愛くるしい。でもレッサーパンダが後ろ脚ですくっと立ち上がるのは、実は相手を威嚇するポーズだそうだ。「ボクの方が本家本物のパンダなんだぞー」と立ち上がって抗議しても、全然怖くないので、「ヤダー、可愛い〜!」としか言ってもらえない。
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市内に戻ってきた。
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皇城老媽。港湾広場にある有名火鍋店。
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美味そうな牛肉。
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これは羊肉かな。
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活きのいいエビ。
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アヒルの舌。酒のつまみ系だが、当時の僕は食べられなかった。多分クライアントのリクエストで注文したんだと思うが、このエイリアンみたいな形状、凄いな。
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火鍋屋のテーブルから港湾広場が見渡せる。中国に来たら、やはり一度は火鍋を食べたいものだ。
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2008.8.5
大連周水国際空港。
13時15分大連発全日空NH904は、17時5分に成田空港に到着。
今回大連行きのきっかけとなったCさんには、現地でいろいろお世話になった。ささやかな恩返しのつもりで、そのあと彼女の店を映画の打ち上げや会社の宴会で使わせてもらったり、お客さんも紹介した。今でもたまに店にお邪魔すると、そのことをとても感謝される。でも僕の方こそ、あの時2日間も付き合ってくれて有り難かったし、何よりクライアントが喜んでくれたのが一番だった。彼女の何気ない一言から大連旅行が決まり、風光明媚な金石灘や英霊が眠る203高地を訪れたり、或いは突然パンダを見に行くことになったりして、何とまあ世の中には不思議な縁があるものだと思った。
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この旅行記へのコメント (2)
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- tadさん 2021/02/28 20:46:31
- 素晴らしい旅行記です!
- 素晴らしい旅行記です!
- SamShinobuさん からの返信 2021/05/12 18:07:58
- RE: 素晴らしい旅行記です!
- ありがとうございます!
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