イカリア島で温泉体験

2010/06/19 - 2010/06/22

気軽な海外渡航がまだまだ先になりそうなので、旅の計画を練るかわりに
私が好きなギリシャを多くの方に知って欲しいなと、
旅行記や口コミが少ない所をピックアップして紹介することにしました。

今回は北東エーゲ諸島のイカリア島です。
2013年製作の映画「ハッピー・リトル・アイランド」（現代：LITTLE LAND）は日本でも公開され、話題になりました。
ギリシャ危機でアテネに見切りをつけた若者が、自営での暮らしを目指してイカリア島に渡り、島の住人に学びながら前へ進もうとするドキュメンタリー。「ハッピー」と呼ぶにはほろ苦い内容の映画ですが、舞台となったイカリア島は長寿の島としても取り上げられました。

エリア その他の観光地(ギリシャ)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: タクシー 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

私がイカリア島を訪れたのは2010年。
長寿の島であるとは知らず、長い旅（ギリシャだけを2ヶ月周遊しました）の折り返しに、疲れを取るべく温泉を目指して向かった場所です。
イカリア島は高度ラジウムを含む温泉地として有名で、国内外から湯治客がやって来ます。

アテネから飛行機でイカリア島入り。滞在は港がある町アギオス・キリコスにしました。

イカリア島空港 (JIK) 空港

町と同じ名前の教会、アギオス・キリコス。


アギオス・キリコスから温泉施設があるテルマという村へは徒歩で行けます。25分。
テルマ（Θέρμα）は英語の「thermo」から想像出来るように、温泉の意味を持ちます。

当時、テルマには二つの温泉施設がありましたが、私が向かったのは、島で知り合ったサヴァスが働く施設。
「スピレオ」＝cave（ほら穴、洞窟）という意味で、背後の岩が確かにそんな感じですね。

「スピレオ」にはハマム（サウナ）とジャクジーがあり、利用料はそれぞれ3ユーロと4.5ユーロ。
「ハマムは今、natural temperatureだけどOK？」「OK！」
湯治目的なので管理のために個人別のカードを作成しますが、この日はカードが切れてしまったので、サヴァスがメモしておくとのこと。

カードは翌日の訪問時に頂きました。
同姓同名が多いギリシャ。識別のため、父親の名前も記載します。
小さい紙片は利用時のチケットです。

ロッカーとシャワー・ブースがある休憩スペース。
シャワー・ブースで水着に着替えたら中へ。

入って左手に浴槽（プール）。

サヴァスが「ハマムに案内するから」って言っていたのに、私は勝手に浴槽に入ってしまい、「違う、違う！最初にハマムだよ」と連行されました　笑

左奥がハマムの入り口。右がジャクジー。
ハマムで汗を出したらシャワーで流し、浴槽orジャクジーにつかるというプロセスです。

ハマムの中には年配の婦人、若い女性、中年男性の、三人の先客が座っていました。
互いが知り合いというわけではないようです。
「ヤー・サス」と挨拶して、私も座りました。
すぐに汗が出て来ました。顔も体も、文字通り汗が流れます。
ひゃあ～

年配の婦人が出て行くと、温度が急上昇！
あ、natural temperatureから上昇したのか。
暑いし汗ダクなんですが、とにかく気持ち良い～！

ハマムにいる時間はサヴァスがちゃんと計っていて、知らせに来てくれます。
それを知らずに出たのですが、丁度良いタイミングでした。

一度シャワーを浴びて、ジャクジーへ。こちらは20分間、サヴァスが計ります。
他に利用者がいないので一人占めでした。
通常の浴槽にも少し入り、終了。到着からはトータルで90分程。
本当は最後に出た後はシャワーを使わず、湯分を落とさないそうですが（肌に良い成分を残すため）、髪がぐちゃぐちゃだったので、サッと流しちゃいました。

建物の外で風に吹かれます。
スピレオのそばからテルマの村を見るとこんな景色。

翌日は海辺で温泉に入れる場所を探しに行きました。
アギオス・キリコスの海沿いの道を、テルマとは反対方向に30分。

地味に看板があります。

海岸に下りて勘を頼りに歩いていきます。

湯気のようなものを発見。
近づくと、茶色く色づいた（何かが付着？）石がある場所で、泡がポコポコしています。

海水に手を入れてみると、お湯だ～！温泉だ～！かなりの熱さです。
管理されていない、というか完全にほったらかしなので（笑）、日本の露店風呂のような情緒はありませんが、紛れもなく温泉です。
夕方、再度来ることにしました。

19:00過ぎ。再びやって来た海岸温泉。誰もいません。

暮れてきた空を眺めながらのんびり温泉につかりたいところですが、丁度良い湯加減の場所がなかなか見つかりません。
「熱い！」「冷たい！」と一人で騒いでウロウロ。
ようやく落ち着ける場所を見つけ、「ふわぁ～」　大満足。
海は東南方向なので、夕陽が沈む様子を見ることが出来ないのが残念です。


イカリアでの温泉体験。その後は、自分で触れても気持ち良いくらい肌がすべすべになりました。
代謝が良くなり、細胞が生まれ変わったことを実感。
年齢と共に体がお疲れモードになって来たのでｗ、またイカリア島でリフレッシュしたいです。

おまけ：
「蝋で固めた翼で飛翔するイカロスは、太陽に近づき過ぎて蝋が溶け、墜落した」というギリシャ神話。
そのモニュメントです。

モニュメントがある港には、ギリシャ語で「ようこそイカリア島へ」の文字が書かれています。