カンクン旅行記(ブログ) 一覧に戻る
皆様こんにちは。ウォータースポーツカンクンの店長吉田です。警戒レベルは4段階中3のオレンジのままのカンクンですが、だんだんとホテルもレストランもツアーも再開をし始めています。昨日は、ジンベエの催行元よりツアー再開の連絡が入りました。そういう意味では、弊社でもセーリングチャーターは再開を事実上していますが、乗員制限が規制されていますので、例えば、セーリングなら4名~5名、ジンベエの船も4名~5名という感じでゆとりのあるものになっています。<br /><br />観光客が少ないお陰でジンベエも多数回遊しているようで、人間に邪魔されずに自由に生き生きと捕食をしているようです。そういう意味では、今年のシーズンはかなり穴場という事になりそうですが、毎回書いていますように、未だカンクンを含めてメキシコの感染者の増加は過去最大を更新する状態で、決して警戒レベルが下げられる状況ではありませんので、是非来てください!!とは言えないのが辛いところです。<br /><br />ところで、ニュースではゴジラ砂雲というサハラ砂漠の砂が偏西風に乗ってメキシコやアメリカに流されてくることがニュースになっています。まー、そのせいで視界や景色がブロックされると言う事で、環境的にはネガティブな話なのですが、砂雲によって太陽光にハーレーションがかかり、朝日など幻想的な景色を見る事も出来るとかで、結構無理やりな肯定論なんですが、表題の写真はそんな中、スタッフの岡が撮影して来たものになります。未だ、パブリックのビーチは閉鎖されたままなので、気ままに写真を撮りにいける状態ではありませんが。<br /><br />また、今回ドスオホスのもう一つのセノーテに岡が状況視察に家族で出かけて来ましたので、その動画を以下に添付します。人が全然いないので、貸切状態になるのがやはりポイント高いですが、個人でレンタカー等で行く方が、今はいいと思います。出来るだけ他人と接触しないような移動を心掛けないといけません。<br /><br />http://youtu.be/evBuEumCsWg<br /><br /><br />さて、それでは、本日もメキシコのコロナ感染状況からご報告です。<br /><br /><br />【メキシコ合衆国 感染状況】<br /><br />感染者総数 196,847名 (前日比+6,288名/ 前週比+36,547名)<br />死亡者数 24,324名 (死亡率14%) (前日比+793名/ 前週比+5,067名)<br />回復者数 149,318名 (新規回復者数 前日比+4,330名)<br /><br />【キンタナロー州 感染状況】<br /><br />感染者数 3,142名<br />死亡 534名<br />回復者 1,739名<br /><br />【内訳】<br />カンクン市 感染者数 1951名 死亡 406名 回復 1217名<br />プラヤデルカルメン 感染者数 470名 死亡62名 回復 254名<br />コスメル 感染者数 80名 死亡 16名 回復 42名 <br />トゥルム 感染者数 50名 死亡 4名 回復 13名<br /><br />メキシコは、新規感染者と回復者の差も未だ感染者の方が一日あたり1,211名増加している状態ですが、昨日は新規感染者が6000名突破と過去最大を記録し、拡大に歯止めがかかっていない状態です。死者も一日800名弱と拡大を続け、グラフを添付しますが、全くピークアウトをしていません。このような状況にも関わらず、アメリカを主要国とする航空便が昨日は62便到着をし、着実に街そのものは活気を取り戻し始めています。<br /><br />心配の種は尽きませんが、これからの経過を見ながら、我々も来る再開の日に向けて準備だけは整えておこうと思います。<br /><br />それでは、今日も店長日記いってみようか。<br /><br />最近のボクは何をしているかと言えば、先日のブログでも書いたように先古典期に関する文献を読み返して知識の再構築をしたり、メキシコで作られる様々な工芸品についての調査をしたり、メキシコ料理にインスパイアされる創作料理を作ってみたり、、、業務が再開した時に、今まで以上にコアなご案内が出来るようにアップデートを続けている。幸い、興味深い発掘が続いている事もあって、今まで行ったことがある方にも再度ご案内しても興味深く、逆に二度目だからこそより楽しめる案内が出来るように思う。<br /><br />半面、HPの方はほとんどいじっていないので、何だか弊社のHPはレトロの香り漂う、手作り感一杯の雰囲気のまま、まるで時間が止まってしまったかのようだ(笑) けれど、ボク自身はこの感じがすごく好きなので、あえて手を加えて最新の見栄えのする格好の良いファショナブルでハイセンスな(この語調に漂うレトロ感もいいだろ(笑))、作りに刷新しようとはあまり考えていない。<br /><br />時間があるのだから、いじったらいいのにと思うかもしれないが、それはまたボクの趣味とは違うビジネスライクな話で、やはり、メインは、どこか泥臭い手作り感一杯のページだと思っているし、逆に言えば、これがウチの個性だと主張したい(笑) <br /><br />何故って、そう、今ボクの趣味と書いたが、ウチの会社はどちらかというと、ボクの趣味の延長のような会社だからだと思う(笑)<br /><br />この辺りについて、今日はちょっと思った事を書いてみたい。<br /><br />ボクは元々美術関係の仕事をしていたと以前も書いた。芸術と言われる美術品の売買に携わっていた。最初にかかわったのが日本の縄文土器や弥生式土器、勾玉に銅鐸といった日本のプリミティブアートで、これもまた考古好きであった趣味の延長みたいになっているけれど、当時はそこまで意識はしていなかった(笑) <br /><br />発掘品に金銭的な価値が付き、研究に回される前にコレクターに流れるというのは違和感があるかもしれないけれど、現代のような研究発掘ではない盗掘によって市場に出ることが多かった時代に、流出した品々を真贋を含めて見極めて集めていくのも、実は大事な仕事で、だからこそ(個人の家などに)埋もれていた発掘品が(金銭的な価値に背中をおされて)世に出てくるなんて事も起こったりするので、一概に否定は出来ない部分がある。<br /><br />実際、大学の考古研究室が上位の顧客だったりもしていた(大学も研究にも予算が付くので、重要だと思われる発掘品はいろいろな流通網を通じて手に入れている) だから、これはとても重要な発掘品だとなれば、研究室にまず話を流し、金銭的に難しい場合はコレクターにわたってしまう前に、しばらくの間貸し出すなんてことも実際やっていた。そもそも、持ち主が特定されていれば、何かの時には連絡も出来るし、保管場所が研究室か個人宅かの違いという事になる。<br /><br />さて、こうした美術品というのは、高額なものが多いが、高額になればなるほど贋作の比率も増えていく。蒐集家にとっては、如何に偽物をつかまされないか、、、が一番重要なポイントになるわけだが、面白いのは発掘品にも贋作があるということだ。これは後世の複製品で既に100年以上経過しているものなども含めている。すべてが現代の複製品じゃないところに、発掘品の贋物の難しさがあったりする(笑)<br /><br />例えば、宇宙人をモチーフにしているとしてミステリー雑誌なんかでも有名な遮光器土偶というものがあるけれど、あれもほぼ贋物ばかりで、ホンモノはまず存在していない。ボクは1度だけ本物に出会ったことがあるけれど、本物だと当時で1500万くらいしていた(今はもっとすると思う)<br /><br />そんなに値段がするから偽物も出てくるわけだ。本物を見分けるには本物を見る事だが、博物館に展示してあるものも偽物だったりするから注意が必要だったりする。土偶を見極めるポイントは、いろいろあるのだけれど、例えば、一番のポイントは完全な状態では出土しないというのがある。そう、必ず、右足なり左足なり、どこかの部位が欠損した状態で発掘されるという事だ。<br /><br />これは、宗教的な意味合いで埋める時に恐らく何かしらの理由で欠損させて埋めていたからで、完全な姿で出土する事は、その意味合い上まずありえない。それが、例えば、完品だったりすると、おかしいと思うわけだ。真贋を見極めるポイントというのは、こうしたちょっとした事の積み重ね。<br /><br />ただ、知識に偏り過ぎると逆に騙される。贋作を作る作者も研究をしているから、どこを鑑定士が見るかという情報を細かく調べ上げて、そこの部分は絶対に外さないように作ってくる(笑)<br /><br />知識豊富なコレクターが、自信満々に持ってきた発掘品が後世の模造品だったという事が何度もあったけれど、知識に走りすぎると本筋を見逃してしまう事も良くある話で、その辺りの加減が重要だったりする。<br /><br />だからこそ、実は感覚というものは非常に重要だ。最初に見た時に感じる違和感とか、ホンモノだけが放つ雰囲気を感じ取る感性、、、これは経験がものをいう。<br /><br />例えば、一度、長岡周辺の新潟県からしか出土しない有名な火焔土器が持ち込まれた時に、あの独特の火焔の鶏冠状把手に、その造形の取り方に違和感を覚えて、大学の考古室に測定をしてもらったことがあった。結果はやはりクロで、上と下で完全に時代が異なっていたなんて事があった。<br /><br />これも感覚の問題で、縄文人が作り上げた造形と、後世の人間が真似をして似せて作ったものというのはやはり違うのだ。ちなみに、こういう偽物が出てくるということからも分かるように、火焔土器は、縄文土器の中でも最高峰の価格で取引されている。造形上の問題から壊れやすいこともあり、一部修復が入っていたりして完全なものはほとんどないし、修復されているものが普通なのだけれど、状態の良いもので2500万くらいしていた。土器に何千万とかおかしな話だと感じるかもしれないけれど、買うのはコレクターばかりでなく博物館が買い上げてくれることも実際多い。<br /><br />あと、日本人よりこうしたプリミティブアートに関しては、外人の方がセンスに敏感で、欧州のノーベル物理学賞を受賞した博士に納品したこともあった。ただ、個人的にも日本の考古品については流出をさせない事を趣旨にしているので、問題がないものに限られたけれども。<br /><br />その見る者を魅了する造形美は、日本人より異国の人間の方がより鮮明に感じるのかもしれない。想い出としては、バックトゥーザフューチャーやアダムズファミリーで有名なクリストファーロイドや、プリティウーマンのリチャードギアに収めた事もあることかな。クリストファーロイドなどは、考古学に造詣が非常に深くかなりインテリだった。リチャードギアはリムジンで美人モデルを何人も引き連れてやって来て何だかイメージ通り?!だったけれど(苦笑)<br /><br />さて、何の話だっけ(苦笑)<br /><br />そうそう、HPの話だった(苦笑)<br /><br />趣味の延長みたいな会社という事を書いたのだけれど、どのようなものでもそれなりの金額を出すレベルになると、ネットなどで軽々しくは買えなくなるわけで、誰から買うかという信用がとても重要なファクターになっていくという話だ。<br /><br />例えば、ボクは最近ビリヤードを趣味にしているから、その道具であるキューの話で言えば、有名なところでは、ジョージ・バラブシュカや、ザンボッティ、バートシュレーガーあたりが巨匠として有名だけれど、これがまた偽物だらけだったりする。<br /><br />だからネットオークションなんかでは、まずこういう大物は買わないし、また、知識が薄い業者からも買わない。もし、買うとしたら知識が豊富な信用のおける店でしか買わないというのは、誰でも同じだと思う。<br /><br />それが、ツアーとなると値段比較になるのはどうしてなのか? また、煌びやかな表面ばかりで魅せるHPが何故ウケるのか、、、それは、結局のところ、そこまでこだわっている人が少ないからだと言う事と、残念ながら、結局値段で図る程度の内容しか期待されていないという事なのではないかと思うのだ。<br /><br />ビリヤードのキューだって、メーカーが生産ラインに載せて大量に作り出す工業品のようなキューが、結局一番売れているのと一緒で、ライトなユーザーに訴求をするマーケティングがベースにあるからこういう状況になっているようにも感じている。<br /><br />けれども、そうしたライトユーザーばかりをターゲットにする会社ばかりじゃぁ、つまらないだろ(笑) ボクみたいに、こだわりが強くて、せっかくなら、いろいろと体系的に沢山の事を吸収したいと考えるお客さんに、満足をしてもらえる会社が、カンクンじゃぁゼロってんでは、面白くもなんともない。<br /><br />HPでも書いているけれど、そもそもボクがこの会社を立ち上げたのは、そんなボクのこだわりに見合う会社がなかったからだ。だから、自分で作ってしまえと考えた。ま、だから、趣味の延長だと言っているんだけども(笑)<br /><br />そういうこだわりのある人にとっては、あまりHPの出来栄えなど意味がなくて、どちらかと言うと書かれている中身に意味を見出すのは、今ブログを読んで、そうそうと頷いているあなたになら分かるでしょう(笑)<br /><br />派手さがまったくなくて、素人然とした作りなのだけれど、そこがまた味になって、店主の個性が主張されていて、更に書いてある内容が、深い知識に裏打ちされたこだわりの深い愛に満ち溢れているというのが、玄人好みでボクは好きなHPのスタイルだから、もうこれも単なるボクの趣味だな(笑)<br /><br />まぁ、視覚的に視聴者に訴えるというのが時代に添った最先端の流行だから、そこに乗っからないとこれからのビジネスは立ち行かないと、焦らされている人、凄く多いんじゃないかと思うけど、それ、ボクに言わせると完全にマインドコントロールされているからね(笑) いやいや、そうやって焦らすこと、不安に感じさせて行動を起こさせるマーケット心理学なんてものを、実にうまく利用して自分たちのビジネスに生かしているビジネスモデル、、、本当に多い。<br /><br />人間は他人から教わったことはすぐに忘れるという話を以前のブログでしたけれど、逆に、人の心理として人間は他人の意見に簡単に左右されるというものもある。<br /><br />特に日本の方は、ハウツー本が大好きで、これはこうでなきゃだめだという話が好きだったりする。例えば、ワインなら、肉には赤、魚には白。このセオリーを外すのはダメだと。寿司屋に行っていきなり赤身を注文するのは素人だ、、、とかね。すると、何というか、すし屋に行っていきなり赤身を注文したり、シーフードなのに赤ワインを注文する事が、出来なくなるでしょう?!<br /><br />葉巻にブランデーやチョコレートというものもある。すると葉巻とワインは合わせちゃダメとか。<br /><br />で、天の邪鬼な人は、そんなの自分が美味いと思えばそれでいいんだから、他人にとやかく言われないよ。。。という人もいる。けれど、ボクはこれも間違っていると思っている。<br /><br />何故なら、ハウツー本に書かれている事って、やっぱり真理をついているからで、ボクが考える一番の問題は、その一般的に言われている常識というものを自ら検証もしないで頭から否定したり受容したりすることが間違っているよという話なのです。<br /><br />教科書に書かれていることを、そのまま丸暗記しても付け焼刃にしかならないわけで、何故、赤ワインとシーフードはダメなの?!、どうして、すし屋にいっていきなり赤身はダメなの?!なんていう話を聞いたら、実際にいろいろと自ら興味をもって試してみることが大事だという事なんです。実際、ボクはやはりすし屋に行ったら、赤身から手は出さないし、やっぱり、シーフードにはシャルドネやソーヴィニヨンブランを合わせることが多い。これは、結果的にいろいろ自分でやってみた経験から、美味しく食べるには、やっぱりセオリーに添った方が良かったなという経験です。もちろん、状況によつては寿司に赤ワインなんてこともやるけどね(笑)<br /><br />例えば、そうだなソーテルヌにカレーが合うというのを例に話をしてみようか(笑)<br /><br />これはやってみると分かるけれど、カレーはカレーでもバーモンドカレーやインスタントのカレーでやっても全然旨くない。でも、これも一番肝心なことを誰も書いてなかったりするから、誤解が広がる。カレーとソーテルヌは合うという部分だけで、インスタントカレーとソーテルヌあわせて、全然旨くねーじゃんとなった時に、そこで終わると、好き嫌いの話で終わってしまう。<br /><br />だからまず、何故、ソーテルヌにカレーが合うと言われているかを考えないといけない。<br /><br />例えば、今回、ボクは牛タンシチューを仕込んだのだけれど、ルーも小麦粉からブラウンソースを作り、タンを処理した後、赤ワインでデグラッセし、炒める野菜も蒸らしながら丁寧に炒めて、もう丸一日かけて丁寧に仕込んだタンシチューと、ソーテルヌが異常にマッチして感激したのだけれど、カレーもそういう意味で、ちゃんとスパイスから仕込んだ本格的なカレーにはやはり合うよという事が分かってくるわけです。<br /><br />そもそも、日本のカレーは甘みが強いから、ソーテルヌのような甘いワインは当然喧嘩してあわないってことも分かるわけで、こうして経験に裏打ちされた知識というものが積み重なっていく。<br /><br />また、もう一つ例を出すと、赤ワインで室温がいいというのがあるけれど、ボクはこっちでは赤ワインは冷やしている。それって、セオリーと違うんじゃないの?!と思うかもしれないけれど、赤は室温というのは冷涼なヨーロッパの話だから、カンクンのような高温多湿の場所だと事情は異なりますよという話なんです。<br /><br />葉巻もそうだね、高温多湿のカンクンだとどんな高価なヒュミドールを使っても、もう全然効き目がない(苦笑) あんなのこっちでは金の無駄。だから、ジップロックに入れて冷蔵庫に入れておく方がいいという話を聞いて、実践したらすごくいい(笑) お金もかからないしね。<br /><br />こうした事も全てセオリーなりを自分なりにいろいろと検証し実践し体験をしたから言えることで、その上で、例えば、権威ある意見とたとえ見識が異なったところで、それはそれでいいんじゃないですか?ボクは、ワインと葉巻、合うと思っているのでと堂々と言えるようになるわけです(笑)<br /><br />恥ずかしいとも思わないし、まして、時代についていけないですよ!なんて脅かされても、別に気にもしないし、焦らないようにもなる(笑)<br /><br />だから気を付けるべきは、様々な意見やセオリーや脅し(笑)が巷に溢れているけれども、何事も無秩序に受け入れてしまったり、否定してしまうと、どっちも思考が停止してしまう危険性があるという事なんですね。<br /><br />経験に裏打ちされていない知識だけの行動は、コントロールされやすい。この人が言うんだから間違いがないという潜在意識への働きかけが、最近は本当に巧妙なので注意しないといけない。そうして、いつの間にか、行動が予測しやすい方向へとバイアスをかけられ、富の集中というものが起こっていくわけだからね。<br /><br />なんだか、今日は話がそれることが多いな(苦笑)<br /><br />さて、ボクはそういうこだわりが強いので、HPも派手で高級な雰囲気に溢れるページより、派手さはまったくなくても、記事で読ませる作りを意識している。<br /><br />一般的に、高額な商品を扱っているのに、そんな素人みたいなページじゃ不信感を抱かれるんじゃないか?!と思うかもしれないけれど、何度も書くけれど、それなりの金額を出すレベルになると見かけより中身、その店がどれくらい深い知識と歴史と研鑽と実績をもっているかの方が大事になる。<br /><br />だから、いくら派手で見た目ゴージャスなページになっていても、販売価格に裏付けのない、、、言ってみれば、内容だけをマネして、市場価格をベースに値付けをしているだけの店とは、その選択する側の視点が違うということだ。<br /><br />では、中身も濃くて、HPもゴージャスで立派なら、完璧じゃないか?!と思いますか?!<br /><br />それって、考え方としては間違っていないのだけれど、まるで贋物製作者がホンモノにこだわりすぎて、結果的に違和感を生み出すように、バランスというものはやはり大事で、完全無比の会社になってしまうと、思いっきり敷居が上がって親しみがなくなってしまうと思わないか(笑)<br /><br />ホームページが壮麗で美しい仕上がりというのは、もちろん悪い事ではないけれど、ウチみたいなコンセプトが崇高な(自分で言うと恥ずかしいな(苦笑)会社で、更にHPも完璧だと、お客さんが委縮してしまう。<br /><br />そもそも、最初の印象で、きっと高いんだろうなというイメージを持たれてしまうと、気楽さもなくなる。そういう高級ブランド路線というのもあるのかもしれないが、それはやはりボクの趣味じゃない。<br /><br />手作り感が一杯の武骨で不器用なページなら、どこか安心感というか、完全無比ではない部分に、客としても同等に立ち会える、ほど良い敷居の高さが生まれるのではないか。それが親しみという奴ではないかと感じている。敷居も高く、店のコンセプトも崇高で、スノッブな店なんて、なんかいやらしくて嫌だしな(笑)<br /><br />だから、ウチはコンセプトは崇高だが、店の敷居は目いっぱい低いというバランスでやっているつもりなのだ。それに、敷居が高い店だと、何かを聞くにも、問い合わせる内容も考えないと相手にされないんじゃないかとか、いろいろと面倒なことを考えて、結局別の会社に問い合わせたりしてしまうけれど、知識が豊富なのに敷居が低ければ、気になる事を聞いて見ようかなと気軽さも生まれるように思うのだ。<br /><br />意識レベルの問題としても、高そうなページだと値段が高くても当然という印象になるけれど、シンプルで手作り感一杯のページで値段が高いのは、そこに中身が伴っていれば良心的という印象を、ボクなら持つ。<br /><br />高級感を出したいからとブランド品のように目いっぱい高級にしてしまうと、「高い=それだけコストもかけているから高くなっている=別に他とそれほど変わらないのに値段だけ高い」というイメージになりかねない。<br /><br />それよりも、「不器用なページ=ページにコストがかかっていないけれど、書かれている内容はこだわりがいきわたっている=値段は高いけれど、その価格は良心的なのでは」というイメージが大切だと考える。<br /><br />ここを周りは誤解しているように思うのだ。<br /><br />高い商品を売るのだから、立派で高級そうなページを作ろうとする。けれど、世界的に認知されているようなブランドメーカーならまだしも、知名度など皆無に等しい零細企業が、ページだけ高級感一杯にしてしまうと逆に下手な警戒心を生むだけだろう。<br /><br />もちろん、素人作りのページは逆に、こんなページの会社大丈夫か?!と警戒される可能性もある。だからこそ、内容が重要になる。<br /><br />内容もないのに、ページも安っぽいのでは、イメージ通りになってしまうけれど、イメージギャップが大きいほど、お客さんのサプライズと期待は大きくなるのだから、「高級なページ=高級な商品」や、「素人臭いページ=本当に素人みたいな内容」というのではなく、「素人臭いページ≠内容は玄人以上」、というギャップでお客さんのハートをぐっと動かす方が、個人的にはちょっと楽しいと感じてしまうのだ。<br /><br />当たり前だけど、逆に、「ページが素人臭いのに≠値段だけ高級な商品」という負の巨大ギャップは最悪であることは言うまでもない(笑)<br /><br />でも、実際の話、例えば、ボクらツアーの会社で言えば、どこまでをこだわりと言うのかで、挑む姿勢も違ってくる。実際のところ、内容をアップデイトするより、HPを表面的に美しく楽しそうにイメージ操作をする方が楽で簡単だ。だって、それは誰にでも出来る事だから。。。<br /><br />でも、誰にも出来ない部分にこそ、差別化があるわけで、その差別化の部分、弊社で言うと、ガイディングに対するこだわりの深さを、内容をしっかり見てもらって精査をしてもらう事が大事だとボクは考えている。<br /><br />いつも書いていることだけれど、ガイディングについて、遺跡を案内するにあたって詳しく解説をするという事は、見えるものを細部にわたって表面的に説明をする事ではない。<br /><br />例えば、ククルカンのピラミッドを見た時に高さが30mで、一辺55mで体積は24000m3、、、作られた年代はベースとなる神殿は古典期の時代だが、現在のカタチになってのは西暦1100年頃。一年に二度、秋分の日と春分の日に階段の横に影でククルカンが降臨する現象が起こる。当時のマヤがいかに精緻な暦を知っていたかを物語っている。。。<br /><br />これを聞いたら、へーとしか思わない。それ以上の感慨がわかない。結果、そうかそんな凄いピラミッドなんだし、世界遺産で有名だから、写真を撮っておこう、こんなところに行って来たという証拠を残しておこうという想い出の写真まではいくが、そこから先の続きがない。もちろん、それは旅の楽しみとして間違ってはいないし、ボク自身、それで全然いいとも思う。<br /><br />ただ、こういう視点で行くと比較をする対象がなくなり、値段優先になっていくのも自然の成り行きだ。そうして、価格比較で少しでも安いツアー会社にお客さんが多く流れることになる。<br /><br />キューでもプロダクションメーカーが作る派手で見栄えのする大量生産の工業品のキューと同じで、実際一番売れるのはそういう商品なのだし、それはそれでいい。基本的にはそこまでこだわりがないのだし、見た目が良くて、使い心地も癖もなく品質も作りもしっかりしていれば、普通の人は満足してしまうというのだから別に問題はない。<br /><br />けれど、何かが足りないと、感じる人種がいる(笑)<br /><br />また、そういう趣向がない人でも、ちょっと興味を持つと、今使っている工業品にどこか不満を感じるようになってくる。何故だろうと、自問をすると、その理由は、自分の使っている製品が大量生産の工場で機械的に生産された工業品であり、手のぬくもりや人の感性を感じる芸術品でも美術品でもないからだという結論に達する。<br /><br />まぁ、ちとマニアックな話だけれど、ボクはそういう、こだわりのある人にフォーカスしている。<br /><br />ガイディングは芸術と、そのコンセプトは変わらない。どこで参加しても同じではない。一点もの、二つと同じ想い出のないお客様の特別な時間の為に、体系的な解説を通じて人生をより彩豊かなものに変えてくれるガイディング。それは芸術でありアートだと考える。安物の大量生産された工業生産品とは違う。<br /><br />二つと同じものを作らないデビット・キケルやエドウィン・レジス(故人)のように、一回一回をこだわりで埋め尽くす。キューなんて単に球を撞く道具じゃないかという人は、それでいい。けれど、そのキューを目の前に置いて酒の肴に出来るかどうか、、、そこにこだわりの違いがある。<br /><br />ガイドを受けて一日を終えた後、聞いた話を反芻しながら、その一日の体験を振り返って想い出を肴に酒を飲む。写真をとったら満足して、もう明日の予定で頭が一杯、旅が終わってから何年もたって写真を見返して、あー、こういう所にも行ったなぁという単なる事実の蓄積ではなく、写真を見返す時にはいつでも感動をしたあの一瞬を思い出すメモリー。。。<br /><br />それが、一期一会を大事におもてなしをする結果生まれるものであり、体系的に心に残る解説を受けるカスタムであるが故の価値であり、そんな最高の想い出を肴に飲むことが出来る、味わえる最高の贅沢なのだとボクは伝えたい。<br /><br />先のピラミッドの例ではないけれど、ボクのガイドでは、ククルカンの神殿の説明をする時には、ではどういう話をしているか。。。<br /><br />一通りのデータの話は当然するが、では、何故、このピラミッドが作られたのか? その歴史を紐解いていくと、マヤにおける祈りの歴史が見えてくる。現在、話題になっている紀元前1000年のアグアダフェニツクスまで遡ることが出来る祈りのカタチが、どのように変化し、何故このような形になったのか。。。その流れを解説しながら、最終的に、降臨現象が何故起こるような形になったのかという真相にまで至る解説をやる。<br /><br />ポイントは、こうした解説は一回聞いただけでは理解が出来ないから、事前に攻略法という予習用の簡単な解説書をお送りして弊社のツアーに参加されるまでに理解を深めておいてもらうこと。もちろん、そんな難しい参考書然としたものではなく、簡単に概略を理解してもらえる言ってみれば、よりその遺跡を楽しむための独自のガイドブックだ。<br /><br />でも、これがまたこのツアーに参加することを特別なものにする演出になる。ウチのツアーに参加するのだという意識を高めておいてもらい、少しだけ勉強をしておいてもらうことで、理解が深まり、より見学が楽しみになる。<br /><br />その結果、参加した遺跡がただ行くのとは違った彩の豊かな探訪に変化するという仕組みだ。<br /><br />こだわりは、遺跡のガイディングだけにとどまらない。見学が終わっても、こだわりの食事がまっている。観光客の為に表面の体裁だけ整えられた、「ただ食べる為の現地料理」とは違う心のこもった温かみのある料理は、こうした文化的な土壌で生み出された一つ一つの料理に歴史的必然を感じ取ることが出来る。その歴史の必然を自らの舌で体験をしてもらうと、今度は旅が立体的な色彩を帯びてくる。<br /><br />また、この歴史的な土壌から密接に関係をしている様々な自然に実際に触れ体験をしてもらう事で、肌で感じる歴史をも経験が出来る。ここも重要なポイントで、ただ連れていかれてここがセノーテですよと説明されて泳ぐのと、しっかりとその歴史的な背景と文化的な関りを自分自身で理解しながら泳ぐのとでは結果も想い出の厚みも全く違ったものになる事は分かると思う。<br /><br />そうして二重にも三重にも重ねられ練られたツアーは、その後の余韻もとても大きなものになる。<br /><br />すると、ホテルに戻って食べる食事も、ただ美味しいではなく、そのおいしさの意味を感じ取り何故おいしいのかが分かるようになり、よりディープに食事を楽しむことが出来るようになる。<br /><br />また、自ら学んだ知識を自らの人生と照らし合わせながら、さまざまに頭を巡る思考を肴においしいお酒が飲めるようになる。<br /><br />また、自らの仕事や趣味や生活に、ツアーで体験した多くの学びがフィードバックされ、人生がよりポジティブに回るようにもなっていく。<br /><br />そうして、人生が充実した楽しいものに昇華していく。。。<br /><br />旅は人を大きく成長させるという。けれど、その為にはしっかりとしたセットアップとアプローチが大切で、それがなければ、ただ行って来ただけの意味しか持たなくなってしまう。<br /><br />目的意識をもつという前提があるからこそ、旅が想い出以上の効果をもたらしてくれる。しっかりとした体験は、人生の厚みを深いものに変えてくれる。そのことは、これまで書いた事でもうしっかりと理解してもらえると思う。<br /><br />芸術的なガイディングの意味はそこにある。だから、大量に連れて行くツアーを弊社では採用していない。更に一組様だけをご案内するプライベートカスタムツアーにこだわるのはそこにある。人生の重さを大切に思っているからこそ、一人一人のお客様との一期一会の出会いを思えばこそだ。<br /><br />ボクはこうしてこれまで沢山のお客様のご案内を通して、ボク自身沢山の感動を分かち合って来た。大グループを率いる仕事では決して体験することが出来ない全てが大切なボクの想い出だ。<br /><br />お客様の想い出と、人生の時間の大切さをボクは誰よりも良く分かっているつもりだ。だからこそ、一人一人のお客様の大切な時間を、共に共有することは特別なのだとボクは思っている。その為の努力は惜しまない。偉そうなことをたくさん書いているかもしれないが、それはボクがそれだけ真剣である事の裏返しだと知ってほしい。きっと、後悔させない素晴らしい時間を、誰にも出来ない素敵な時間を差し上げることが出来ると自信をもっていえるのは、こんな素晴らしい人生をボク自身が歩んでいるからだ。<br /><br />下手で武骨で不器用なホームページだけれど、心意気だけは一流であることを弊社ツアーに感じ取ってもらえたら幸いである。<br /><br />とまぁ、また偉そうなことを書いてしまったけれど、いつになったら再びお客さんをご案内出来るのだろう(涙)<br /><br />早くコロナが収まってくれますように。。。<br /><br />皆様の素敵な一日を願って<br /><br />店長吉田より<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />

【カンクン発】ジンベエ再開にセノーテ近況、ゴジラ砂雲に弊社のこだわりByウォータースポーツカンクン

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2020/06/28 - 2020/06/28

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watersportscancun

watersportscancunさん

皆様こんにちは。ウォータースポーツカンクンの店長吉田です。警戒レベルは4段階中3のオレンジのままのカンクンですが、だんだんとホテルもレストランもツアーも再開をし始めています。昨日は、ジンベエの催行元よりツアー再開の連絡が入りました。そういう意味では、弊社でもセーリングチャーターは再開を事実上していますが、乗員制限が規制されていますので、例えば、セーリングなら4名~5名、ジンベエの船も4名~5名という感じでゆとりのあるものになっています。

観光客が少ないお陰でジンベエも多数回遊しているようで、人間に邪魔されずに自由に生き生きと捕食をしているようです。そういう意味では、今年のシーズンはかなり穴場という事になりそうですが、毎回書いていますように、未だカンクンを含めてメキシコの感染者の増加は過去最大を更新する状態で、決して警戒レベルが下げられる状況ではありませんので、是非来てください!!とは言えないのが辛いところです。

ところで、ニュースではゴジラ砂雲というサハラ砂漠の砂が偏西風に乗ってメキシコやアメリカに流されてくることがニュースになっています。まー、そのせいで視界や景色がブロックされると言う事で、環境的にはネガティブな話なのですが、砂雲によって太陽光にハーレーションがかかり、朝日など幻想的な景色を見る事も出来るとかで、結構無理やりな肯定論なんですが、表題の写真はそんな中、スタッフの岡が撮影して来たものになります。未だ、パブリックのビーチは閉鎖されたままなので、気ままに写真を撮りにいける状態ではありませんが。

また、今回ドスオホスのもう一つのセノーテに岡が状況視察に家族で出かけて来ましたので、その動画を以下に添付します。人が全然いないので、貸切状態になるのがやはりポイント高いですが、個人でレンタカー等で行く方が、今はいいと思います。出来るだけ他人と接触しないような移動を心掛けないといけません。

http://youtu.be/evBuEumCsWg


さて、それでは、本日もメキシコのコロナ感染状況からご報告です。


【メキシコ合衆国 感染状況】

感染者総数 196,847名 (前日比+6,288名/ 前週比+36,547名)
死亡者数 24,324名 (死亡率14%) (前日比+793名/ 前週比+5,067名)
回復者数 149,318名 (新規回復者数 前日比+4,330名)

【キンタナロー州 感染状況】

感染者数 3,142名
死亡 534名
回復者 1,739名

【内訳】
カンクン市 感染者数 1951名 死亡 406名 回復 1217名
プラヤデルカルメン 感染者数 470名 死亡62名 回復 254名
コスメル 感染者数 80名 死亡 16名 回復 42名 
トゥルム 感染者数 50名 死亡 4名 回復 13名

メキシコは、新規感染者と回復者の差も未だ感染者の方が一日あたり1,211名増加している状態ですが、昨日は新規感染者が6000名突破と過去最大を記録し、拡大に歯止めがかかっていない状態です。死者も一日800名弱と拡大を続け、グラフを添付しますが、全くピークアウトをしていません。このような状況にも関わらず、アメリカを主要国とする航空便が昨日は62便到着をし、着実に街そのものは活気を取り戻し始めています。

心配の種は尽きませんが、これからの経過を見ながら、我々も来る再開の日に向けて準備だけは整えておこうと思います。

それでは、今日も店長日記いってみようか。

最近のボクは何をしているかと言えば、先日のブログでも書いたように先古典期に関する文献を読み返して知識の再構築をしたり、メキシコで作られる様々な工芸品についての調査をしたり、メキシコ料理にインスパイアされる創作料理を作ってみたり、、、業務が再開した時に、今まで以上にコアなご案内が出来るようにアップデートを続けている。幸い、興味深い発掘が続いている事もあって、今まで行ったことがある方にも再度ご案内しても興味深く、逆に二度目だからこそより楽しめる案内が出来るように思う。

半面、HPの方はほとんどいじっていないので、何だか弊社のHPはレトロの香り漂う、手作り感一杯の雰囲気のまま、まるで時間が止まってしまったかのようだ(笑) けれど、ボク自身はこの感じがすごく好きなので、あえて手を加えて最新の見栄えのする格好の良いファショナブルでハイセンスな(この語調に漂うレトロ感もいいだろ(笑))、作りに刷新しようとはあまり考えていない。

時間があるのだから、いじったらいいのにと思うかもしれないが、それはまたボクの趣味とは違うビジネスライクな話で、やはり、メインは、どこか泥臭い手作り感一杯のページだと思っているし、逆に言えば、これがウチの個性だと主張したい(笑) 

何故って、そう、今ボクの趣味と書いたが、ウチの会社はどちらかというと、ボクの趣味の延長のような会社だからだと思う(笑)

この辺りについて、今日はちょっと思った事を書いてみたい。

ボクは元々美術関係の仕事をしていたと以前も書いた。芸術と言われる美術品の売買に携わっていた。最初にかかわったのが日本の縄文土器や弥生式土器、勾玉に銅鐸といった日本のプリミティブアートで、これもまた考古好きであった趣味の延長みたいになっているけれど、当時はそこまで意識はしていなかった(笑) 

発掘品に金銭的な価値が付き、研究に回される前にコレクターに流れるというのは違和感があるかもしれないけれど、現代のような研究発掘ではない盗掘によって市場に出ることが多かった時代に、流出した品々を真贋を含めて見極めて集めていくのも、実は大事な仕事で、だからこそ(個人の家などに)埋もれていた発掘品が(金銭的な価値に背中をおされて)世に出てくるなんて事も起こったりするので、一概に否定は出来ない部分がある。

実際、大学の考古研究室が上位の顧客だったりもしていた(大学も研究にも予算が付くので、重要だと思われる発掘品はいろいろな流通網を通じて手に入れている) だから、これはとても重要な発掘品だとなれば、研究室にまず話を流し、金銭的に難しい場合はコレクターにわたってしまう前に、しばらくの間貸し出すなんてことも実際やっていた。そもそも、持ち主が特定されていれば、何かの時には連絡も出来るし、保管場所が研究室か個人宅かの違いという事になる。

さて、こうした美術品というのは、高額なものが多いが、高額になればなるほど贋作の比率も増えていく。蒐集家にとっては、如何に偽物をつかまされないか、、、が一番重要なポイントになるわけだが、面白いのは発掘品にも贋作があるということだ。これは後世の複製品で既に100年以上経過しているものなども含めている。すべてが現代の複製品じゃないところに、発掘品の贋物の難しさがあったりする(笑)

例えば、宇宙人をモチーフにしているとしてミステリー雑誌なんかでも有名な遮光器土偶というものがあるけれど、あれもほぼ贋物ばかりで、ホンモノはまず存在していない。ボクは1度だけ本物に出会ったことがあるけれど、本物だと当時で1500万くらいしていた(今はもっとすると思う)

そんなに値段がするから偽物も出てくるわけだ。本物を見分けるには本物を見る事だが、博物館に展示してあるものも偽物だったりするから注意が必要だったりする。土偶を見極めるポイントは、いろいろあるのだけれど、例えば、一番のポイントは完全な状態では出土しないというのがある。そう、必ず、右足なり左足なり、どこかの部位が欠損した状態で発掘されるという事だ。

これは、宗教的な意味合いで埋める時に恐らく何かしらの理由で欠損させて埋めていたからで、完全な姿で出土する事は、その意味合い上まずありえない。それが、例えば、完品だったりすると、おかしいと思うわけだ。真贋を見極めるポイントというのは、こうしたちょっとした事の積み重ね。

ただ、知識に偏り過ぎると逆に騙される。贋作を作る作者も研究をしているから、どこを鑑定士が見るかという情報を細かく調べ上げて、そこの部分は絶対に外さないように作ってくる(笑)

知識豊富なコレクターが、自信満々に持ってきた発掘品が後世の模造品だったという事が何度もあったけれど、知識に走りすぎると本筋を見逃してしまう事も良くある話で、その辺りの加減が重要だったりする。

だからこそ、実は感覚というものは非常に重要だ。最初に見た時に感じる違和感とか、ホンモノだけが放つ雰囲気を感じ取る感性、、、これは経験がものをいう。

例えば、一度、長岡周辺の新潟県からしか出土しない有名な火焔土器が持ち込まれた時に、あの独特の火焔の鶏冠状把手に、その造形の取り方に違和感を覚えて、大学の考古室に測定をしてもらったことがあった。結果はやはりクロで、上と下で完全に時代が異なっていたなんて事があった。

これも感覚の問題で、縄文人が作り上げた造形と、後世の人間が真似をして似せて作ったものというのはやはり違うのだ。ちなみに、こういう偽物が出てくるということからも分かるように、火焔土器は、縄文土器の中でも最高峰の価格で取引されている。造形上の問題から壊れやすいこともあり、一部修復が入っていたりして完全なものはほとんどないし、修復されているものが普通なのだけれど、状態の良いもので2500万くらいしていた。土器に何千万とかおかしな話だと感じるかもしれないけれど、買うのはコレクターばかりでなく博物館が買い上げてくれることも実際多い。

あと、日本人よりこうしたプリミティブアートに関しては、外人の方がセンスに敏感で、欧州のノーベル物理学賞を受賞した博士に納品したこともあった。ただ、個人的にも日本の考古品については流出をさせない事を趣旨にしているので、問題がないものに限られたけれども。

その見る者を魅了する造形美は、日本人より異国の人間の方がより鮮明に感じるのかもしれない。想い出としては、バックトゥーザフューチャーやアダムズファミリーで有名なクリストファーロイドや、プリティウーマンのリチャードギアに収めた事もあることかな。クリストファーロイドなどは、考古学に造詣が非常に深くかなりインテリだった。リチャードギアはリムジンで美人モデルを何人も引き連れてやって来て何だかイメージ通り?!だったけれど(苦笑)

さて、何の話だっけ(苦笑)

そうそう、HPの話だった(苦笑)

趣味の延長みたいな会社という事を書いたのだけれど、どのようなものでもそれなりの金額を出すレベルになると、ネットなどで軽々しくは買えなくなるわけで、誰から買うかという信用がとても重要なファクターになっていくという話だ。

例えば、ボクは最近ビリヤードを趣味にしているから、その道具であるキューの話で言えば、有名なところでは、ジョージ・バラブシュカや、ザンボッティ、バートシュレーガーあたりが巨匠として有名だけれど、これがまた偽物だらけだったりする。

だからネットオークションなんかでは、まずこういう大物は買わないし、また、知識が薄い業者からも買わない。もし、買うとしたら知識が豊富な信用のおける店でしか買わないというのは、誰でも同じだと思う。

それが、ツアーとなると値段比較になるのはどうしてなのか? また、煌びやかな表面ばかりで魅せるHPが何故ウケるのか、、、それは、結局のところ、そこまでこだわっている人が少ないからだと言う事と、残念ながら、結局値段で図る程度の内容しか期待されていないという事なのではないかと思うのだ。

ビリヤードのキューだって、メーカーが生産ラインに載せて大量に作り出す工業品のようなキューが、結局一番売れているのと一緒で、ライトなユーザーに訴求をするマーケティングがベースにあるからこういう状況になっているようにも感じている。

けれども、そうしたライトユーザーばかりをターゲットにする会社ばかりじゃぁ、つまらないだろ(笑) ボクみたいに、こだわりが強くて、せっかくなら、いろいろと体系的に沢山の事を吸収したいと考えるお客さんに、満足をしてもらえる会社が、カンクンじゃぁゼロってんでは、面白くもなんともない。

HPでも書いているけれど、そもそもボクがこの会社を立ち上げたのは、そんなボクのこだわりに見合う会社がなかったからだ。だから、自分で作ってしまえと考えた。ま、だから、趣味の延長だと言っているんだけども(笑)

そういうこだわりのある人にとっては、あまりHPの出来栄えなど意味がなくて、どちらかと言うと書かれている中身に意味を見出すのは、今ブログを読んで、そうそうと頷いているあなたになら分かるでしょう(笑)

派手さがまったくなくて、素人然とした作りなのだけれど、そこがまた味になって、店主の個性が主張されていて、更に書いてある内容が、深い知識に裏打ちされたこだわりの深い愛に満ち溢れているというのが、玄人好みでボクは好きなHPのスタイルだから、もうこれも単なるボクの趣味だな(笑)

まぁ、視覚的に視聴者に訴えるというのが時代に添った最先端の流行だから、そこに乗っからないとこれからのビジネスは立ち行かないと、焦らされている人、凄く多いんじゃないかと思うけど、それ、ボクに言わせると完全にマインドコントロールされているからね(笑) いやいや、そうやって焦らすこと、不安に感じさせて行動を起こさせるマーケット心理学なんてものを、実にうまく利用して自分たちのビジネスに生かしているビジネスモデル、、、本当に多い。

人間は他人から教わったことはすぐに忘れるという話を以前のブログでしたけれど、逆に、人の心理として人間は他人の意見に簡単に左右されるというものもある。

特に日本の方は、ハウツー本が大好きで、これはこうでなきゃだめだという話が好きだったりする。例えば、ワインなら、肉には赤、魚には白。このセオリーを外すのはダメだと。寿司屋に行っていきなり赤身を注文するのは素人だ、、、とかね。すると、何というか、すし屋に行っていきなり赤身を注文したり、シーフードなのに赤ワインを注文する事が、出来なくなるでしょう?!

葉巻にブランデーやチョコレートというものもある。すると葉巻とワインは合わせちゃダメとか。

で、天の邪鬼な人は、そんなの自分が美味いと思えばそれでいいんだから、他人にとやかく言われないよ。。。という人もいる。けれど、ボクはこれも間違っていると思っている。

何故なら、ハウツー本に書かれている事って、やっぱり真理をついているからで、ボクが考える一番の問題は、その一般的に言われている常識というものを自ら検証もしないで頭から否定したり受容したりすることが間違っているよという話なのです。

教科書に書かれていることを、そのまま丸暗記しても付け焼刃にしかならないわけで、何故、赤ワインとシーフードはダメなの?!、どうして、すし屋にいっていきなり赤身はダメなの?!なんていう話を聞いたら、実際にいろいろと自ら興味をもって試してみることが大事だという事なんです。実際、ボクはやはりすし屋に行ったら、赤身から手は出さないし、やっぱり、シーフードにはシャルドネやソーヴィニヨンブランを合わせることが多い。これは、結果的にいろいろ自分でやってみた経験から、美味しく食べるには、やっぱりセオリーに添った方が良かったなという経験です。もちろん、状況によつては寿司に赤ワインなんてこともやるけどね(笑)

例えば、そうだなソーテルヌにカレーが合うというのを例に話をしてみようか(笑)

これはやってみると分かるけれど、カレーはカレーでもバーモンドカレーやインスタントのカレーでやっても全然旨くない。でも、これも一番肝心なことを誰も書いてなかったりするから、誤解が広がる。カレーとソーテルヌは合うという部分だけで、インスタントカレーとソーテルヌあわせて、全然旨くねーじゃんとなった時に、そこで終わると、好き嫌いの話で終わってしまう。

だからまず、何故、ソーテルヌにカレーが合うと言われているかを考えないといけない。

例えば、今回、ボクは牛タンシチューを仕込んだのだけれど、ルーも小麦粉からブラウンソースを作り、タンを処理した後、赤ワインでデグラッセし、炒める野菜も蒸らしながら丁寧に炒めて、もう丸一日かけて丁寧に仕込んだタンシチューと、ソーテルヌが異常にマッチして感激したのだけれど、カレーもそういう意味で、ちゃんとスパイスから仕込んだ本格的なカレーにはやはり合うよという事が分かってくるわけです。

そもそも、日本のカレーは甘みが強いから、ソーテルヌのような甘いワインは当然喧嘩してあわないってことも分かるわけで、こうして経験に裏打ちされた知識というものが積み重なっていく。

また、もう一つ例を出すと、赤ワインで室温がいいというのがあるけれど、ボクはこっちでは赤ワインは冷やしている。それって、セオリーと違うんじゃないの?!と思うかもしれないけれど、赤は室温というのは冷涼なヨーロッパの話だから、カンクンのような高温多湿の場所だと事情は異なりますよという話なんです。

葉巻もそうだね、高温多湿のカンクンだとどんな高価なヒュミドールを使っても、もう全然効き目がない(苦笑) あんなのこっちでは金の無駄。だから、ジップロックに入れて冷蔵庫に入れておく方がいいという話を聞いて、実践したらすごくいい(笑) お金もかからないしね。

こうした事も全てセオリーなりを自分なりにいろいろと検証し実践し体験をしたから言えることで、その上で、例えば、権威ある意見とたとえ見識が異なったところで、それはそれでいいんじゃないですか?ボクは、ワインと葉巻、合うと思っているのでと堂々と言えるようになるわけです(笑)

恥ずかしいとも思わないし、まして、時代についていけないですよ!なんて脅かされても、別に気にもしないし、焦らないようにもなる(笑)

だから気を付けるべきは、様々な意見やセオリーや脅し(笑)が巷に溢れているけれども、何事も無秩序に受け入れてしまったり、否定してしまうと、どっちも思考が停止してしまう危険性があるという事なんですね。

経験に裏打ちされていない知識だけの行動は、コントロールされやすい。この人が言うんだから間違いがないという潜在意識への働きかけが、最近は本当に巧妙なので注意しないといけない。そうして、いつの間にか、行動が予測しやすい方向へとバイアスをかけられ、富の集中というものが起こっていくわけだからね。

なんだか、今日は話がそれることが多いな(苦笑)

さて、ボクはそういうこだわりが強いので、HPも派手で高級な雰囲気に溢れるページより、派手さはまったくなくても、記事で読ませる作りを意識している。

一般的に、高額な商品を扱っているのに、そんな素人みたいなページじゃ不信感を抱かれるんじゃないか?!と思うかもしれないけれど、何度も書くけれど、それなりの金額を出すレベルになると見かけより中身、その店がどれくらい深い知識と歴史と研鑽と実績をもっているかの方が大事になる。

だから、いくら派手で見た目ゴージャスなページになっていても、販売価格に裏付けのない、、、言ってみれば、内容だけをマネして、市場価格をベースに値付けをしているだけの店とは、その選択する側の視点が違うということだ。

では、中身も濃くて、HPもゴージャスで立派なら、完璧じゃないか?!と思いますか?!

それって、考え方としては間違っていないのだけれど、まるで贋物製作者がホンモノにこだわりすぎて、結果的に違和感を生み出すように、バランスというものはやはり大事で、完全無比の会社になってしまうと、思いっきり敷居が上がって親しみがなくなってしまうと思わないか(笑)

ホームページが壮麗で美しい仕上がりというのは、もちろん悪い事ではないけれど、ウチみたいなコンセプトが崇高な(自分で言うと恥ずかしいな(苦笑)会社で、更にHPも完璧だと、お客さんが委縮してしまう。

そもそも、最初の印象で、きっと高いんだろうなというイメージを持たれてしまうと、気楽さもなくなる。そういう高級ブランド路線というのもあるのかもしれないが、それはやはりボクの趣味じゃない。

手作り感が一杯の武骨で不器用なページなら、どこか安心感というか、完全無比ではない部分に、客としても同等に立ち会える、ほど良い敷居の高さが生まれるのではないか。それが親しみという奴ではないかと感じている。敷居も高く、店のコンセプトも崇高で、スノッブな店なんて、なんかいやらしくて嫌だしな(笑)

だから、ウチはコンセプトは崇高だが、店の敷居は目いっぱい低いというバランスでやっているつもりなのだ。それに、敷居が高い店だと、何かを聞くにも、問い合わせる内容も考えないと相手にされないんじゃないかとか、いろいろと面倒なことを考えて、結局別の会社に問い合わせたりしてしまうけれど、知識が豊富なのに敷居が低ければ、気になる事を聞いて見ようかなと気軽さも生まれるように思うのだ。

意識レベルの問題としても、高そうなページだと値段が高くても当然という印象になるけれど、シンプルで手作り感一杯のページで値段が高いのは、そこに中身が伴っていれば良心的という印象を、ボクなら持つ。

高級感を出したいからとブランド品のように目いっぱい高級にしてしまうと、「高い=それだけコストもかけているから高くなっている=別に他とそれほど変わらないのに値段だけ高い」というイメージになりかねない。

それよりも、「不器用なページ=ページにコストがかかっていないけれど、書かれている内容はこだわりがいきわたっている=値段は高いけれど、その価格は良心的なのでは」というイメージが大切だと考える。

ここを周りは誤解しているように思うのだ。

高い商品を売るのだから、立派で高級そうなページを作ろうとする。けれど、世界的に認知されているようなブランドメーカーならまだしも、知名度など皆無に等しい零細企業が、ページだけ高級感一杯にしてしまうと逆に下手な警戒心を生むだけだろう。

もちろん、素人作りのページは逆に、こんなページの会社大丈夫か?!と警戒される可能性もある。だからこそ、内容が重要になる。

内容もないのに、ページも安っぽいのでは、イメージ通りになってしまうけれど、イメージギャップが大きいほど、お客さんのサプライズと期待は大きくなるのだから、「高級なページ=高級な商品」や、「素人臭いページ=本当に素人みたいな内容」というのではなく、「素人臭いページ≠内容は玄人以上」、というギャップでお客さんのハートをぐっと動かす方が、個人的にはちょっと楽しいと感じてしまうのだ。

当たり前だけど、逆に、「ページが素人臭いのに≠値段だけ高級な商品」という負の巨大ギャップは最悪であることは言うまでもない(笑)

でも、実際の話、例えば、ボクらツアーの会社で言えば、どこまでをこだわりと言うのかで、挑む姿勢も違ってくる。実際のところ、内容をアップデイトするより、HPを表面的に美しく楽しそうにイメージ操作をする方が楽で簡単だ。だって、それは誰にでも出来る事だから。。。

でも、誰にも出来ない部分にこそ、差別化があるわけで、その差別化の部分、弊社で言うと、ガイディングに対するこだわりの深さを、内容をしっかり見てもらって精査をしてもらう事が大事だとボクは考えている。

いつも書いていることだけれど、ガイディングについて、遺跡を案内するにあたって詳しく解説をするという事は、見えるものを細部にわたって表面的に説明をする事ではない。

例えば、ククルカンのピラミッドを見た時に高さが30mで、一辺55mで体積は24000m3、、、作られた年代はベースとなる神殿は古典期の時代だが、現在のカタチになってのは西暦1100年頃。一年に二度、秋分の日と春分の日に階段の横に影でククルカンが降臨する現象が起こる。当時のマヤがいかに精緻な暦を知っていたかを物語っている。。。

これを聞いたら、へーとしか思わない。それ以上の感慨がわかない。結果、そうかそんな凄いピラミッドなんだし、世界遺産で有名だから、写真を撮っておこう、こんなところに行って来たという証拠を残しておこうという想い出の写真まではいくが、そこから先の続きがない。もちろん、それは旅の楽しみとして間違ってはいないし、ボク自身、それで全然いいとも思う。

ただ、こういう視点で行くと比較をする対象がなくなり、値段優先になっていくのも自然の成り行きだ。そうして、価格比較で少しでも安いツアー会社にお客さんが多く流れることになる。

キューでもプロダクションメーカーが作る派手で見栄えのする大量生産の工業品のキューと同じで、実際一番売れるのはそういう商品なのだし、それはそれでいい。基本的にはそこまでこだわりがないのだし、見た目が良くて、使い心地も癖もなく品質も作りもしっかりしていれば、普通の人は満足してしまうというのだから別に問題はない。

けれど、何かが足りないと、感じる人種がいる(笑)

また、そういう趣向がない人でも、ちょっと興味を持つと、今使っている工業品にどこか不満を感じるようになってくる。何故だろうと、自問をすると、その理由は、自分の使っている製品が大量生産の工場で機械的に生産された工業品であり、手のぬくもりや人の感性を感じる芸術品でも美術品でもないからだという結論に達する。

まぁ、ちとマニアックな話だけれど、ボクはそういう、こだわりのある人にフォーカスしている。

ガイディングは芸術と、そのコンセプトは変わらない。どこで参加しても同じではない。一点もの、二つと同じ想い出のないお客様の特別な時間の為に、体系的な解説を通じて人生をより彩豊かなものに変えてくれるガイディング。それは芸術でありアートだと考える。安物の大量生産された工業生産品とは違う。

二つと同じものを作らないデビット・キケルやエドウィン・レジス(故人)のように、一回一回をこだわりで埋め尽くす。キューなんて単に球を撞く道具じゃないかという人は、それでいい。けれど、そのキューを目の前に置いて酒の肴に出来るかどうか、、、そこにこだわりの違いがある。

ガイドを受けて一日を終えた後、聞いた話を反芻しながら、その一日の体験を振り返って想い出を肴に酒を飲む。写真をとったら満足して、もう明日の予定で頭が一杯、旅が終わってから何年もたって写真を見返して、あー、こういう所にも行ったなぁという単なる事実の蓄積ではなく、写真を見返す時にはいつでも感動をしたあの一瞬を思い出すメモリー。。。

それが、一期一会を大事におもてなしをする結果生まれるものであり、体系的に心に残る解説を受けるカスタムであるが故の価値であり、そんな最高の想い出を肴に飲むことが出来る、味わえる最高の贅沢なのだとボクは伝えたい。

先のピラミッドの例ではないけれど、ボクのガイドでは、ククルカンの神殿の説明をする時には、ではどういう話をしているか。。。

一通りのデータの話は当然するが、では、何故、このピラミッドが作られたのか? その歴史を紐解いていくと、マヤにおける祈りの歴史が見えてくる。現在、話題になっている紀元前1000年のアグアダフェニツクスまで遡ることが出来る祈りのカタチが、どのように変化し、何故このような形になったのか。。。その流れを解説しながら、最終的に、降臨現象が何故起こるような形になったのかという真相にまで至る解説をやる。

ポイントは、こうした解説は一回聞いただけでは理解が出来ないから、事前に攻略法という予習用の簡単な解説書をお送りして弊社のツアーに参加されるまでに理解を深めておいてもらうこと。もちろん、そんな難しい参考書然としたものではなく、簡単に概略を理解してもらえる言ってみれば、よりその遺跡を楽しむための独自のガイドブックだ。

でも、これがまたこのツアーに参加することを特別なものにする演出になる。ウチのツアーに参加するのだという意識を高めておいてもらい、少しだけ勉強をしておいてもらうことで、理解が深まり、より見学が楽しみになる。

その結果、参加した遺跡がただ行くのとは違った彩の豊かな探訪に変化するという仕組みだ。

こだわりは、遺跡のガイディングだけにとどまらない。見学が終わっても、こだわりの食事がまっている。観光客の為に表面の体裁だけ整えられた、「ただ食べる為の現地料理」とは違う心のこもった温かみのある料理は、こうした文化的な土壌で生み出された一つ一つの料理に歴史的必然を感じ取ることが出来る。その歴史の必然を自らの舌で体験をしてもらうと、今度は旅が立体的な色彩を帯びてくる。

また、この歴史的な土壌から密接に関係をしている様々な自然に実際に触れ体験をしてもらう事で、肌で感じる歴史をも経験が出来る。ここも重要なポイントで、ただ連れていかれてここがセノーテですよと説明されて泳ぐのと、しっかりとその歴史的な背景と文化的な関りを自分自身で理解しながら泳ぐのとでは結果も想い出の厚みも全く違ったものになる事は分かると思う。

そうして二重にも三重にも重ねられ練られたツアーは、その後の余韻もとても大きなものになる。

すると、ホテルに戻って食べる食事も、ただ美味しいではなく、そのおいしさの意味を感じ取り何故おいしいのかが分かるようになり、よりディープに食事を楽しむことが出来るようになる。

また、自ら学んだ知識を自らの人生と照らし合わせながら、さまざまに頭を巡る思考を肴においしいお酒が飲めるようになる。

また、自らの仕事や趣味や生活に、ツアーで体験した多くの学びがフィードバックされ、人生がよりポジティブに回るようにもなっていく。

そうして、人生が充実した楽しいものに昇華していく。。。

旅は人を大きく成長させるという。けれど、その為にはしっかりとしたセットアップとアプローチが大切で、それがなければ、ただ行って来ただけの意味しか持たなくなってしまう。

目的意識をもつという前提があるからこそ、旅が想い出以上の効果をもたらしてくれる。しっかりとした体験は、人生の厚みを深いものに変えてくれる。そのことは、これまで書いた事でもうしっかりと理解してもらえると思う。

芸術的なガイディングの意味はそこにある。だから、大量に連れて行くツアーを弊社では採用していない。更に一組様だけをご案内するプライベートカスタムツアーにこだわるのはそこにある。人生の重さを大切に思っているからこそ、一人一人のお客様との一期一会の出会いを思えばこそだ。

ボクはこうしてこれまで沢山のお客様のご案内を通して、ボク自身沢山の感動を分かち合って来た。大グループを率いる仕事では決して体験することが出来ない全てが大切なボクの想い出だ。

お客様の想い出と、人生の時間の大切さをボクは誰よりも良く分かっているつもりだ。だからこそ、一人一人のお客様の大切な時間を、共に共有することは特別なのだとボクは思っている。その為の努力は惜しまない。偉そうなことをたくさん書いているかもしれないが、それはボクがそれだけ真剣である事の裏返しだと知ってほしい。きっと、後悔させない素晴らしい時間を、誰にも出来ない素敵な時間を差し上げることが出来ると自信をもっていえるのは、こんな素晴らしい人生をボク自身が歩んでいるからだ。

下手で武骨で不器用なホームページだけれど、心意気だけは一流であることを弊社ツアーに感じ取ってもらえたら幸いである。

とまぁ、また偉そうなことを書いてしまったけれど、いつになったら再びお客さんをご案内出来るのだろう(涙)

早くコロナが収まってくれますように。。。

皆様の素敵な一日を願って

店長吉田より







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  • 感染者数は増加の一途。。。未だピークアウトの気配はなし。

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  • 一日の感染者数も過去最大を更新し続けています。。。ついに6000名突破。。。

    一日の感染者数も過去最大を更新し続けています。。。ついに6000名突破。。。

  • 死亡者数も未だピークアウトせず、一日800名~1000名と高い水準で推移しています。

    死亡者数も未だピークアウトせず、一日800名~1000名と高い水準で推移しています。

  • 新規感染者VS回復者でも一日1200名の増加です。

    新規感染者VS回復者でも一日1200名の増加です。

  • プラヤ方面で弊社ご案内で好評を頂いている地元タコス屋も、ここオープンエアーな屋台調なのに、こうしてソーシャルディスタンスマークが設置してあります。<br /><br />でも!! 見たら分かると思いますが、80cmくらいしか離れていないので、正直「全く意味がない」です。<br /><br />ここがメキシコの怖さです(汗)

    プラヤ方面で弊社ご案内で好評を頂いている地元タコス屋も、ここオープンエアーな屋台調なのに、こうしてソーシャルディスタンスマークが設置してあります。

    でも!! 見たら分かると思いますが、80cmくらいしか離れていないので、正直「全く意味がない」です。

    ここがメキシコの怖さです(汗)

  • 意味をなさないソーシャルディスタンスマークのバッテンですが、ここは屋台調で窓もなく、密閉空間ではないところが救いです。<br /><br />

    意味をなさないソーシャルディスタンスマークのバッテンですが、ここは屋台調で窓もなく、密閉空間ではないところが救いです。

  • それに、やはりというか、全くお客さんがいません。この為、具材も通常は30種類くらいあるのですが、20種類弱と少なめ。

    それに、やはりというか、全くお客さんがいません。この為、具材も通常は30種類くらいあるのですが、20種類弱と少なめ。

  • ですが、手捏ねの生地といい、具材の味わいと言い(ボリュームも空いている所為もあるのか増えています(笑))、さすが、人気のタコス屋は一味も二味も違う旨さは健在です。<br /><br />お客様をご案内出来る日がいつくるのかなぁ。。。

    ですが、手捏ねの生地といい、具材の味わいと言い(ボリュームも空いている所為もあるのか増えています(笑))、さすが、人気のタコス屋は一味も二味も違う旨さは健在です。

    お客様をご案内出来る日がいつくるのかなぁ。。。

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