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 漠然と「インド」と言う国への興味を持つ様になったのは高専に入学した頃だった。当時、電車通学に掛かる1時間30分の時間を持て余していた私は、その時間を活用し人生初の読書を始めた。そこで出会ったのがOL旅人の「たかのてるこ」さんの旅行記本であり最初の著書である「ガンジス河でバタフライ」。この本を読み終えた時、インドという国への不思議な憧れが芽生えた。<br /><br /> 時は流れて21歳の夏休み。私はついに憧れのインドへ向かうことになる。高専在学中にインドへの憧れの熱は上がったり下がったりを繰り返していたが、再び私のインド熱を爆発させたのは「就職活動」であった。<br /><br /> 私が就職内定した企業は、売上の半分以上を海外で稼ぐ会社であった。内定者の殆どは「海外大好き!」という大変グローバル意識の高い人間達だった。選考過程では英語での面接が2度あり、そんな会社であるが故に一度内定者懇親会に顔を出せば、「この前上海の学会でさぁ~」とか、「ケニアでボランティアをしていた時にね~」等の話題があちこちで飛び交っており、皆私より一枚も二枚も上手に感じた。人一倍負けず嫌いな私は、彼らと同じ様な「勲章」が、何か一つ欲しくなったのである。短絡的な私はその勲章がインド旅行の末にあると考えたのである。<br /><br />  旅行の期間は2012年8月17日から9月3日の18日間とし、目一杯のバイト休みを取る事にした。そして一人では心細かったので、同い年の友達を連れていく事にした。彼はあまり英語は話せないが、どうせインドの公用語はヒンディー語であり英語のスキルなどあまり関係ない様に思った。出発2か月前に格安旅行会社で往復5万3千円の航空券を入手し、在日インド大使館でビザを発給してもらった。そして書店へ直行し、「地球の歩き方インド編」を手にした。<br /><br /> 「必要なものはバザールで買える。荷物の多さと楽しみは反比例する」という地球の歩き方の忠告に従い、荷物は本当に必要最低限とした。かくして男2人のインドへの旅が始まったのである。

新千歳発デリー行き (MERCY HOSPITAL経由) [1/15] 新千歳空港~IGI国際空港

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2012/08/17 - 2012/08/17

964位(同エリア1825件中)

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17

Yohei

Yoheiさん

 漠然と「インド」と言う国への興味を持つ様になったのは高専に入学した頃だった。当時、電車通学に掛かる1時間30分の時間を持て余していた私は、その時間を活用し人生初の読書を始めた。そこで出会ったのがOL旅人の「たかのてるこ」さんの旅行記本であり最初の著書である「ガンジス河でバタフライ」。この本を読み終えた時、インドという国への不思議な憧れが芽生えた。

 時は流れて21歳の夏休み。私はついに憧れのインドへ向かうことになる。高専在学中にインドへの憧れの熱は上がったり下がったりを繰り返していたが、再び私のインド熱を爆発させたのは「就職活動」であった。

 私が就職内定した企業は、売上の半分以上を海外で稼ぐ会社であった。内定者の殆どは「海外大好き!」という大変グローバル意識の高い人間達だった。選考過程では英語での面接が2度あり、そんな会社であるが故に一度内定者懇親会に顔を出せば、「この前上海の学会でさぁ~」とか、「ケニアでボランティアをしていた時にね~」等の話題があちこちで飛び交っており、皆私より一枚も二枚も上手に感じた。人一倍負けず嫌いな私は、彼らと同じ様な「勲章」が、何か一つ欲しくなったのである。短絡的な私はその勲章がインド旅行の末にあると考えたのである。

旅行の期間は2012年8月17日から9月3日の18日間とし、目一杯のバイト休みを取る事にした。そして一人では心細かったので、同い年の友達を連れていく事にした。彼はあまり英語は話せないが、どうせインドの公用語はヒンディー語であり英語のスキルなどあまり関係ない様に思った。出発2か月前に格安旅行会社で往復5万3千円の航空券を入手し、在日インド大使館でビザを発給してもらった。そして書店へ直行し、「地球の歩き方インド編」を手にした。

 「必要なものはバザールで買える。荷物の多さと楽しみは反比例する」という地球の歩き方の忠告に従い、荷物は本当に必要最低限とした。かくして男2人のインドへの旅が始まったのである。

旅行の満足度
4.5
観光
4.5
交通
4.5
同行者
友人
一人あたり費用
10万円 - 15万円
交通手段
徒歩 飛行機
航空会社
ピーチ航空 中国東方航空
旅行の手配内容
個別手配

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  •  いよいよインドへ向かう日がやってきた。朝8時50分に新千歳空港に到着、今回一緒に旅をする友達と落ち合う。ここから関西国際空港へ向かうべくpeachの搭乗手続きを行う。peachの場合、出発の30分前には自動チェックイン機で搭乗手続きを完了させなければならない。ジェットスターやエアアジアもそうだが、LCCは1分でもチェックインが遅れたら絶対に乗れないので注意が必要なのだ。ともあれ無事に9時25分に新千歳空港を出発した飛行機は、11時25分に関西国際空港に到着した。

     いよいよインドへ向かう日がやってきた。朝8時50分に新千歳空港に到着、今回一緒に旅をする友達と落ち合う。ここから関西国際空港へ向かうべくpeachの搭乗手続きを行う。peachの場合、出発の30分前には自動チェックイン機で搭乗手続きを完了させなければならない。ジェットスターやエアアジアもそうだが、LCCは1分でもチェックインが遅れたら絶対に乗れないので注意が必要なのだ。ともあれ無事に9時25分に新千歳空港を出発した飛行機は、11時25分に関西国際空港に到着した。

    明石海峡大橋 (淡路島側) 名所・史跡

  •  我々が取得したインドへの格安航空券は、関西国際空港~ニューデリーIGI空港往復で52,200円。チケットを取得する段階で出発する空港を成田にするか関空にするか選べたのだが、ジェットスターを利用して成田へ行ってもpeachを利用して関空へ行っても、金額的にはほぼ同じという事で、個人的に好きなpeachを利用し関空へ飛び、そこからインドへ出発することに決めた。<br /><br /> 関西国際空港のグローバルデータの窓口で、事前に予約しておいたWi-Fiを受信するUSBを受け取った。これでインドにいる最中でも気軽にインターネットを利用する事が出来る。昼ごはんはすき家で牛丼を食べた。これが恐らく日本出発前の最後の食事となるだろう。東日本大震災の節電の影響なのか、店内のウォーターサーバーから出てきた水がびっくりするほど温かった。

     我々が取得したインドへの格安航空券は、関西国際空港~ニューデリーIGI空港往復で52,200円。チケットを取得する段階で出発する空港を成田にするか関空にするか選べたのだが、ジェットスターを利用して成田へ行ってもpeachを利用して関空へ行っても、金額的にはほぼ同じという事で、個人的に好きなpeachを利用し関空へ飛び、そこからインドへ出発することに決めた。

     関西国際空港のグローバルデータの窓口で、事前に予約しておいたWi-Fiを受信するUSBを受け取った。これでインドにいる最中でも気軽にインターネットを利用する事が出来る。昼ごはんはすき家で牛丼を食べた。これが恐らく日本出発前の最後の食事となるだろう。東日本大震災の節電の影響なのか、店内のウォーターサーバーから出てきた水がびっくりするほど温かった。

    関西国際空港 空港

  •  今回我々がインド往復に利用するのは中国東方航空である。名前の通り中国系の航空会社で、航空連合(アライアンス)ではスカイチームに属している。1988年に解体された中国民用航空総局の上海管理局を引き継いで誕生した航空会社で、日本16都市を含む世界151の都市に就航する大きな航空会社である。<br /><br /> 関空~デリーの往復航空券が52,200円(燃油サーチャージ込)と心配に値するほど激安で、JALの直行便を利用する場合の約半額であった。中国東方航空のハブ空港は上海浦東(プートン)国際空港で、我々もそこでトランジットしインドの首都デリーへ向かうことになる。

     今回我々がインド往復に利用するのは中国東方航空である。名前の通り中国系の航空会社で、航空連合(アライアンス)ではスカイチームに属している。1988年に解体された中国民用航空総局の上海管理局を引き継いで誕生した航空会社で、日本16都市を含む世界151の都市に就航する大きな航空会社である。

     関空~デリーの往復航空券が52,200円(燃油サーチャージ込)と心配に値するほど激安で、JALの直行便を利用する場合の約半額であった。中国東方航空のハブ空港は上海浦東(プートン)国際空港で、我々もそこでトランジットしインドの首都デリーへ向かうことになる。

    関西国際空港 空港

  •  国際線チェックインは人生で2回目だったので緊張した、前回は大人達が手取り足取り教えてくれたが今回は自分で行わなければならない。その時の記憶を思い出しながら「中国東方航空」と書かれたチェックインカウンターへと向かう。カウンターで対応してくれたのは日本人だった。航空券が破格に安いだけあり、どの様な接客を受けるのか大いに心配だったが、トラブルもなく荷物を預けられ一安心した。

     国際線チェックインは人生で2回目だったので緊張した、前回は大人達が手取り足取り教えてくれたが今回は自分で行わなければならない。その時の記憶を思い出しながら「中国東方航空」と書かれたチェックインカウンターへと向かう。カウンターで対応してくれたのは日本人だった。航空券が破格に安いだけあり、どの様な接客を受けるのか大いに心配だったが、トラブルもなく荷物を預けられ一安心した。

    関西国際空港 空港

  •  今回の旅の全財産は10万円分の日本円と作りたてのVISAカードである。地球の歩き方によれば、インドの都市部なら大抵どこにでも両替所が有り日本円の両替も可能との事だった。お金はしっかり小分けにして所持している。優しそうなイミグレーション職員に見送られ、無事日本を出国した。

     今回の旅の全財産は10万円分の日本円と作りたてのVISAカードである。地球の歩き方によれば、インドの都市部なら大抵どこにでも両替所が有り日本円の両替も可能との事だった。お金はしっかり小分けにして所持している。優しそうなイミグレーション職員に見送られ、無事日本を出国した。

    関西国際空港 空港

  •   煌びやかな免税店を冷やかしつつロビーのベンチで一息つく。隣に座っている同い年くらいの2人組の話がふいに耳に入ってくる。「中国東方航空って、着陸の時の衝撃音が半端無いらしいよ。ケツが破壊する程すごいダメージが来るらしい。」「えー!マジかよー?」彼らも恐らく同じ便に乗るのだろう。恐るべし中国東方航空。

      煌びやかな免税店を冷やかしつつロビーのベンチで一息つく。隣に座っている同い年くらいの2人組の話がふいに耳に入ってくる。「中国東方航空って、着陸の時の衝撃音が半端無いらしいよ。ケツが破壊する程すごいダメージが来るらしい。」「えー!マジかよー?」彼らも恐らく同じ便に乗るのだろう。恐るべし中国東方航空。

    関西国際空港 空港

  •  上海行きの便は37番搭乗口からの出発と言う事だった。関空は広大なため、我々が居る中間駅から先端駅へウイングシャトルで移動する必要があった。ウイングシャトルは広い関空内を移動する無人の車輪式モノレールで「ゆりかもめ」に似ている。シャトルに乗り込み扉が閉まった瞬間、未知の大国インドへ向かうプレッシャーがまた一段と大きくなり、3週間後に無事にまたこのシャトルに戻ってこられるのか、心臓がドキドキし始めた。<br /><br />  少しずつ陽が傾いてきた。搭乗ゲートの前にある売店で、日本でする最後の買い物を済ませエコノミー搭乗の案内を待つ。程なくして搭乗が開始され、多くの中国人・日本人と共にカウンターへ並んだ。この時点でインド人は一人も見られなかった。再びパスポートとチケットを見せて、ボーディングブリッジへ足を踏み入れた。

     上海行きの便は37番搭乗口からの出発と言う事だった。関空は広大なため、我々が居る中間駅から先端駅へウイングシャトルで移動する必要があった。ウイングシャトルは広い関空内を移動する無人の車輪式モノレールで「ゆりかもめ」に似ている。シャトルに乗り込み扉が閉まった瞬間、未知の大国インドへ向かうプレッシャーがまた一段と大きくなり、3週間後に無事にまたこのシャトルに戻ってこられるのか、心臓がドキドキし始めた。

      少しずつ陽が傾いてきた。搭乗ゲートの前にある売店で、日本でする最後の買い物を済ませエコノミー搭乗の案内を待つ。程なくして搭乗が開始され、多くの中国人・日本人と共にカウンターへ並んだ。この時点でインド人は一人も見られなかった。再びパスポートとチケットを見せて、ボーディングブリッジへ足を踏み入れた。

    関西国際空港 空港

  •  16時50分、我々を浦東へと運んでくれるボーイング737-800に搭乗。CAは男性の方も三分の一程度おり、一目で中国人と分かる凛々しい顔つきで、ドラマに登場しそうなイケメン揃いだった。機内は甘い香りが仄かに香っており、中国らしい古箏や二胡を使ったBGMが流されており、普段 音楽に癒される事などあまり無いが、本能的に安心感を感じる空間だった。自席を見つけて着席すると、目の前のポケットには「安全須知」と書かれたパンフレットが入っており、それがセーフティマニュアルである事が分かった。<br /><br /> 「?方?情 August」と書かれた機内誌を読むも、記事の見出しなら何となく内容を類推出来るが、本文になるとちんぷんかんぷんだ。それでもマンションの広告やトヨタ車の広告を眺めているだけでも面白く、機内食が運ばれてくるまでの数十分を潰した。事前評判通り、東方航空のシートには個人用のモニターが無かった。関空~上海間なら、2時間程度の短い飛行時間なので退屈もしないが、そこからデリーまでの6時間のフライトだとかなり退屈しそうだ。

     16時50分、我々を浦東へと運んでくれるボーイング737-800に搭乗。CAは男性の方も三分の一程度おり、一目で中国人と分かる凛々しい顔つきで、ドラマに登場しそうなイケメン揃いだった。機内は甘い香りが仄かに香っており、中国らしい古箏や二胡を使ったBGMが流されており、普段 音楽に癒される事などあまり無いが、本能的に安心感を感じる空間だった。自席を見つけて着席すると、目の前のポケットには「安全須知」と書かれたパンフレットが入っており、それがセーフティマニュアルである事が分かった。

     「?方?情 August」と書かれた機内誌を読むも、記事の見出しなら何となく内容を類推出来るが、本文になるとちんぷんかんぷんだ。それでもマンションの広告やトヨタ車の広告を眺めているだけでも面白く、機内食が運ばれてくるまでの数十分を潰した。事前評判通り、東方航空のシートには個人用のモニターが無かった。関空~上海間なら、2時間程度の短い飛行時間なので退屈もしないが、そこからデリーまでの6時間のフライトだとかなり退屈しそうだ。

  •   17時45分、機内食が運ばれてくる。イケメンCAから「ビーフ?オア◯◯?」と聞かれるも後者を聞き取れず、仕方なくビーフをオーダー。出された料理はすき焼き風の御膳だった。食べてみるとすき焼きはトロトロとした独特のタレがかけられており、中々美味だった。味付けは日本のとはどことなく異なっていたが全く支障がなかった。ご飯もアツアツで美味しい。

      17時45分、機内食が運ばれてくる。イケメンCAから「ビーフ?オア◯◯?」と聞かれるも後者を聞き取れず、仕方なくビーフをオーダー。出された料理はすき焼き風の御膳だった。食べてみるとすき焼きはトロトロとした独特のタレがかけられており、中々美味だった。味付けは日本のとはどことなく異なっていたが全く支障がなかった。ご飯もアツアツで美味しい。

  •  一通り食べ終えると、前方では食器の回収がもう始まっている。約2時間のフライト、あまり悠長にご飯を食べている暇は無さそうだ。私も急いで食べ終え、間もなくすると着陸態勢に入るとのアナウンスが流れた。だんだんと高度を下げてゆく飛行機。眼下には広大で黒茶色の荒野が広がっており、真下の海もまた同じ色で、数えきれ無い程の小さな船がその上に浮かんでいた。途端、頭の中では中島みゆきの「荒野より」が再生され始め、正に雰囲気と合致していた。荒野を暫く飛行すると、明らかに周囲との調和を描いている近代的なマンション群や倉庫群が現れ始めた。社会主義国家の様な同一のデザインのマンションが延々と続く景観は圧巻で、暫く窓から目を離す事が出来なかった。

     一通り食べ終えると、前方では食器の回収がもう始まっている。約2時間のフライト、あまり悠長にご飯を食べている暇は無さそうだ。私も急いで食べ終え、間もなくすると着陸態勢に入るとのアナウンスが流れた。だんだんと高度を下げてゆく飛行機。眼下には広大で黒茶色の荒野が広がっており、真下の海もまた同じ色で、数えきれ無い程の小さな船がその上に浮かんでいた。途端、頭の中では中島みゆきの「荒野より」が再生され始め、正に雰囲気と合致していた。荒野を暫く飛行すると、明らかに周囲との調和を描いている近代的なマンション群や倉庫群が現れ始めた。社会主義国家の様な同一のデザインのマンションが延々と続く景観は圧巻で、暫く窓から目を離す事が出来なかった。

  •  18時20分、上海浦東空港へ到着した。着陸の衝撃は思っていたよりも静かで全く問題なかった。飛行機はボーディングブリッジへは接続せず、バス移動でターミナルへ護送されるとの事だった。降り立った上海は、大阪のムシムシした体に纏わりつく様な暑さでも、北海道のカラリとした乾いた暑さでもなく、赤外線照射の様に、ジリッと肌を焼く様な暑さであった。<br /><br /> バスに揺られて巨大空港の敷地内を移動した。上海浦東国際空港は上海市内から南東に30㎞ほど離れた1999年開港の比較的新しい空港であり、中国東方航空以外に上海航空や中国国際航空のハブ空港でもある。

     18時20分、上海浦東空港へ到着した。着陸の衝撃は思っていたよりも静かで全く問題なかった。飛行機はボーディングブリッジへは接続せず、バス移動でターミナルへ護送されるとの事だった。降り立った上海は、大阪のムシムシした体に纏わりつく様な暑さでも、北海道のカラリとした乾いた暑さでもなく、赤外線照射の様に、ジリッと肌を焼く様な暑さであった。

     バスに揺られて巨大空港の敷地内を移動した。上海浦東国際空港は上海市内から南東に30㎞ほど離れた1999年開港の比較的新しい空港であり、中国東方航空以外に上海航空や中国国際航空のハブ空港でもある。

    上海浦東国際空港 (PVG) 空港

  •  「我々は中国に一旦入国する事になるのか?それとも乗継ならその必要は無いのか?」機内で一方的に入国カードを渡されたが、我々はまだ何も書いていない。前を歩く人波に付いて様子を伺っていると、どうやら前方に入国審査があるらしい。皆それぞれの手にパスポートと入国カードを準備している。我々も急いで入国カードを記入し入国審査の列に並ぶ。かなりの数のカウンターが有り、その中の一つに並ぶ。「工作員」と書かれた レーンがある。工作員と言うと日本人的には北朝鮮による拉致を想像してしまいがちだが、どうやら中国語では単に「スタッフ」と言う意味で一般的に使われているらしい。

     「我々は中国に一旦入国する事になるのか?それとも乗継ならその必要は無いのか?」機内で一方的に入国カードを渡されたが、我々はまだ何も書いていない。前を歩く人波に付いて様子を伺っていると、どうやら前方に入国審査があるらしい。皆それぞれの手にパスポートと入国カードを準備している。我々も急いで入国カードを記入し入国審査の列に並ぶ。かなりの数のカウンターが有り、その中の一つに並ぶ。「工作員」と書かれた レーンがある。工作員と言うと日本人的には北朝鮮による拉致を想像してしまいがちだが、どうやら中国語では単に「スタッフ」と言う意味で一般的に使われているらしい。

    上海浦東国際空港 (PVG) 空港

  •  イミグレの審査官に入国カードを提出する。「你好(ニイハオ)」と声をかけられ、私もひきつった顔で応対する。イミグレでは自動顔認証システムを用いて本人確認を行っているらしく、私も無事撮影されパスポートを返された。時刻は19時20分、我々のデリー行きの飛行機が出発するのが21時05分。入国ゲートの目の前にあるファミリーマート(中国では全家と書く)に感動したり、サントリーのウーロン茶やプリッツが売られる自動販売機に感動したり、予想以上に近代的な浦東空港内を探索し、時間が迫ってきたところで出国ゲートへ向かう。1時間足らずのの中国滞在だったが、これでパスポートに中国のスタンプが増えると思うと得をしたような気がする。

     イミグレの審査官に入国カードを提出する。「你好(ニイハオ)」と声をかけられ、私もひきつった顔で応対する。イミグレでは自動顔認証システムを用いて本人確認を行っているらしく、私も無事撮影されパスポートを返された。時刻は19時20分、我々のデリー行きの飛行機が出発するのが21時05分。入国ゲートの目の前にあるファミリーマート(中国では全家と書く)に感動したり、サントリーのウーロン茶やプリッツが売られる自動販売機に感動したり、予想以上に近代的な浦東空港内を探索し、時間が迫ってきたところで出国ゲートへ向かう。1時間足らずのの中国滞在だったが、これでパスポートに中国のスタンプが増えると思うと得をしたような気がする。

    上海浦東国際空港 (PVG) 空港

  •  21時00分、何を聞かれるでもなく無事に出国審査を終え、出発ゲートの前でしばし日記を描きながら休憩した。イミグレの中国人の審査官達は、私語をする事も無く、至って真面目に淡々と仕事に従事していた。スタンプの押し方も丁寧だし、パスポートの返却も放って返す様な事も無かった。アジア人の特徴なのか、中国人は実直で勤勉で真面目な印象を受けた。<br /><br /> 搭乗口の周りには日本人や中国人、そしてそれをはるかに超える数のインド人も集まっていた。日本人同士のカップルや、いかにもバックパッカーと言う青年達、女子だけの5人衆など、色々な日本の若者が居た。皆それぞれに背景や目的があってインドを目指しているのだろう。しかし離陸予定の15分前になっても搭乗のアナウンスが流れてこない。どうやら我々の搭乗予定の便は遅れているらしい。周りの人もイライラしている様子だ。出発予定時刻になってようやくゲートの前に遅れの理由を書いた紙が張り出された。書かれた漢字の意味から推察するに、要は機材繰りの影響で出発が遅れるらしかった。

     21時00分、何を聞かれるでもなく無事に出国審査を終え、出発ゲートの前でしばし日記を描きながら休憩した。イミグレの中国人の審査官達は、私語をする事も無く、至って真面目に淡々と仕事に従事していた。スタンプの押し方も丁寧だし、パスポートの返却も放って返す様な事も無かった。アジア人の特徴なのか、中国人は実直で勤勉で真面目な印象を受けた。

     搭乗口の周りには日本人や中国人、そしてそれをはるかに超える数のインド人も集まっていた。日本人同士のカップルや、いかにもバックパッカーと言う青年達、女子だけの5人衆など、色々な日本の若者が居た。皆それぞれに背景や目的があってインドを目指しているのだろう。しかし離陸予定の15分前になっても搭乗のアナウンスが流れてこない。どうやら我々の搭乗予定の便は遅れているらしい。周りの人もイライラしている様子だ。出発予定時刻になってようやくゲートの前に遅れの理由を書いた紙が張り出された。書かれた漢字の意味から推察するに、要は機材繰りの影響で出発が遅れるらしかった。

    上海浦東国際空港 (PVG) 空港

  •  21時30分、25分遅れでの搭乗手続きが始まった。機材の変更に伴い座席番号も変わり、スタッフが手書きで一人一人のチケットに新しい番号を書き入れていった。経営破綻後のJALが経費削減の為に、その日の搭乗人数に応じて機材を急遽変更する事があると聞くが、今回もそのような理由による機材変更だろうか。<br /><br /> 機内では、先程乗ってきた便と同様、いかにも中国チックな音楽が心地よく流れており、赤と青の格調高そうなシートが我々を迎えた。デリーのインディラガンジー国際空港(以下IGI)到着予定はインド時間の午前1時10分。これから6時間近くのフライトになる。インド到着後は、真っ暗闇を外に出る訳にもいかないので、そのまま夜が更けるまで空港で仮眠する予定だ。早く機内食を食べて青島ビールでも飲みながら寝てしまいたかった。それにしても、今朝新千歳を出てから関西~浦東と移動尽くしの1日だった。そしてまたデリーに向けて移動を始めようとし ている。<br /><br /> 23時30分、待っていた機内食を載せたカートが前方から近づいてきた。あらゆる国籍・宗教の人間が搭乗している為か、人によって食べる事が出来る食事は異なる。当然イスラム教徒は豚肉を食べず、ヒンディー教徒は牛肉も食べない。私たちは何を食べるのだろうか?向こうからやってきたCAは盛んに前方の客に「ビジ?」「ビジ?」と聞いている。何の事かと思っていたら「ベジ?」「ノンベジ?」とベジタリアンかどうかの確認をしているらしい。インド人たちはマサラカレーを選んでいるらしくだんだんと前方から近づいてくる香辛料の匂い。「いよいよ初マサラか?」と思っていたら、否応なしに私のテーブルに置かれたのは変哲の無い中華風の魚料理だった。何故だろう…東洋人だから?それとも単純に数が足りなくなったから?と疑問に思いながらもあっと言う間に完食。味付けも絶妙で旨い。デザートとして付いていたスイカは、少々ぼけていたが美味しかった。

     21時30分、25分遅れでの搭乗手続きが始まった。機材の変更に伴い座席番号も変わり、スタッフが手書きで一人一人のチケットに新しい番号を書き入れていった。経営破綻後のJALが経費削減の為に、その日の搭乗人数に応じて機材を急遽変更する事があると聞くが、今回もそのような理由による機材変更だろうか。

     機内では、先程乗ってきた便と同様、いかにも中国チックな音楽が心地よく流れており、赤と青の格調高そうなシートが我々を迎えた。デリーのインディラガンジー国際空港(以下IGI)到着予定はインド時間の午前1時10分。これから6時間近くのフライトになる。インド到着後は、真っ暗闇を外に出る訳にもいかないので、そのまま夜が更けるまで空港で仮眠する予定だ。早く機内食を食べて青島ビールでも飲みながら寝てしまいたかった。それにしても、今朝新千歳を出てから関西~浦東と移動尽くしの1日だった。そしてまたデリーに向けて移動を始めようとし ている。

     23時30分、待っていた機内食を載せたカートが前方から近づいてきた。あらゆる国籍・宗教の人間が搭乗している為か、人によって食べる事が出来る食事は異なる。当然イスラム教徒は豚肉を食べず、ヒンディー教徒は牛肉も食べない。私たちは何を食べるのだろうか?向こうからやってきたCAは盛んに前方の客に「ビジ?」「ビジ?」と聞いている。何の事かと思っていたら「ベジ?」「ノンベジ?」とベジタリアンかどうかの確認をしているらしい。インド人たちはマサラカレーを選んでいるらしくだんだんと前方から近づいてくる香辛料の匂い。「いよいよ初マサラか?」と思っていたら、否応なしに私のテーブルに置かれたのは変哲の無い中華風の魚料理だった。何故だろう…東洋人だから?それとも単純に数が足りなくなったから?と疑問に思いながらもあっと言う間に完食。味付けも絶妙で旨い。デザートとして付いていたスイカは、少々ぼけていたが美味しかった。

  •  食後のドリンクが給仕され始める。「Beer, please」と言うと当然の様に「TSINGTAO」とラベルされた缶ビールが渡された。だが全く冷えていない。やれやれと思いながらもアルコール度数4.8%のビールを飲み干す。冷えていない為か気が抜けていて、飲み会の翌日に残ったビールを飲んでいる様な感覚だった。<br /><br />  25時35分、我々を乗せた便は25分遅れでニューデリーIGI(Indira Gandhi International Airport)空港のターミナル3に到着した。アナウンスによると外気温は31度との事だった。日本人と中国人、そして大量のインド人に混じって入国審査へ向かった。機内で渡された入国カードを地球の歩き方掲載の見本に従って丁寧に記載した。滞在先の住所を書く欄があったのだが、私たちは泊まるホテルを一切決めていなかった為埋めることが出来ず、一か八か地球の歩き方の「記入例」に書かれていた、実在するかどうかも分からないホテルの名前を書いておく事にした。

     食後のドリンクが給仕され始める。「Beer, please」と言うと当然の様に「TSINGTAO」とラベルされた缶ビールが渡された。だが全く冷えていない。やれやれと思いながらもアルコール度数4.8%のビールを飲み干す。冷えていない為か気が抜けていて、飲み会の翌日に残ったビールを飲んでいる様な感覚だった。

      25時35分、我々を乗せた便は25分遅れでニューデリーIGI(Indira Gandhi International Airport)空港のターミナル3に到着した。アナウンスによると外気温は31度との事だった。日本人と中国人、そして大量のインド人に混じって入国審査へ向かった。機内で渡された入国カードを地球の歩き方掲載の見本に従って丁寧に記載した。滞在先の住所を書く欄があったのだが、私たちは泊まるホテルを一切決めていなかった為埋めることが出来ず、一か八か地球の歩き方の「記入例」に書かれていた、実在するかどうかも分からないホテルの名前を書いておく事にした。

    インディラ ガンディー国際空港 (DEL) 空港

  •  イミグレには、「そんなに必要か?」と思う程の多くのインド人審査官が詰めており、「ナマステ」と言いながら書類を提出した。何か聞かれたらどうしよう…とビクビクしていたが、結局でたらめを書き連ねた滞在先について何も聞かれずにスルー出来た。無事に到着した荷物を引き取り、近くにあった両替所でレートが良いのか悪いのかも分からないまま、とりあえず1万円だけ両替してみた。<br /><br /> 地球の歩き方によると「インドでは、ボールペンでメモ書きがあったり、折れてくしゃくしゃになったお札は使えるが、破れたお札だけは価値が無いと見なされる。破れたお札はババ抜きの様に混ぜて流通されており、何も知らない観光客はババを引かせる標的にされやすい。両替所の前でいちいち確認するべき。」と書かれていたのを思い出し、カウンターの横で丁寧に一枚一枚数える。10,000円が6,500ルピーになった。レートは1.53。<br /><br /> 到着ロビーはとっても簡素な物だった。多くの日本人が事前にホテルのピックアアプサービスを頼んでいた様で、どんどん自動ドアの向こうの世界に消えてゆく中、我々はそれをひたすら見送っていた。時折開かれる「外界への扉」の隙間からは、深夜にも関わらず大勢のインド人タクシードライバー達が今か今かと旅行者を待ち構えている様子が見て取れた。<br /><br /> 航空券を持たない人が空港内に入る為にはドアの前の屈強な兵士達に入場料を払う必要があると言う。全ての国際線が発着するこのIGIターミナル3は2010年に新設されたばかりで、以前から問題視されていた「悪質な客引き」から利用客を守ろうと言う配慮からこの様な仕組みを作ったらしい。以前のターミナルは薄暗い中に無数の客引きインド人がワラワラしており、 降り立ってすぐの日本人達は言葉巧みに彼らに騙され、悪徳旅行会社やらぼったくりホテルへ連れ去られて行ったのだと言う。<br /><br /> 特にする事も無く、とりあえず到着ロビーの売店をウロウロしたり、時折すれ違う大きな機関銃を持った兵士にビビったり時間を潰す。そして空いて居そうなベンチを確保した。ここが今日の寝床になる。パソコンを起動しグローバルデータでレンタルしてきたUSB型のモバイルデータ通信端末を起動する。通信は成功。やれやれと一息つき、今日あった出来事をFacebookに投稿して就寝する。IGIの到着ロビーには、誰でも使えるラウンジもあるが、この先いくらお金がかかるかも知れないし、ここは我慢と言い聞かせる。空港内はクーラーがガンガンに聞いているせいで少し肌寒かった。明日からいよいよ本格的な旅が始まる。

     イミグレには、「そんなに必要か?」と思う程の多くのインド人審査官が詰めており、「ナマステ」と言いながら書類を提出した。何か聞かれたらどうしよう…とビクビクしていたが、結局でたらめを書き連ねた滞在先について何も聞かれずにスルー出来た。無事に到着した荷物を引き取り、近くにあった両替所でレートが良いのか悪いのかも分からないまま、とりあえず1万円だけ両替してみた。

     地球の歩き方によると「インドでは、ボールペンでメモ書きがあったり、折れてくしゃくしゃになったお札は使えるが、破れたお札だけは価値が無いと見なされる。破れたお札はババ抜きの様に混ぜて流通されており、何も知らない観光客はババを引かせる標的にされやすい。両替所の前でいちいち確認するべき。」と書かれていたのを思い出し、カウンターの横で丁寧に一枚一枚数える。10,000円が6,500ルピーになった。レートは1.53。

     到着ロビーはとっても簡素な物だった。多くの日本人が事前にホテルのピックアアプサービスを頼んでいた様で、どんどん自動ドアの向こうの世界に消えてゆく中、我々はそれをひたすら見送っていた。時折開かれる「外界への扉」の隙間からは、深夜にも関わらず大勢のインド人タクシードライバー達が今か今かと旅行者を待ち構えている様子が見て取れた。

     航空券を持たない人が空港内に入る為にはドアの前の屈強な兵士達に入場料を払う必要があると言う。全ての国際線が発着するこのIGIターミナル3は2010年に新設されたばかりで、以前から問題視されていた「悪質な客引き」から利用客を守ろうと言う配慮からこの様な仕組みを作ったらしい。以前のターミナルは薄暗い中に無数の客引きインド人がワラワラしており、 降り立ってすぐの日本人達は言葉巧みに彼らに騙され、悪徳旅行会社やらぼったくりホテルへ連れ去られて行ったのだと言う。

     特にする事も無く、とりあえず到着ロビーの売店をウロウロしたり、時折すれ違う大きな機関銃を持った兵士にビビったり時間を潰す。そして空いて居そうなベンチを確保した。ここが今日の寝床になる。パソコンを起動しグローバルデータでレンタルしてきたUSB型のモバイルデータ通信端末を起動する。通信は成功。やれやれと一息つき、今日あった出来事をFacebookに投稿して就寝する。IGIの到着ロビーには、誰でも使えるラウンジもあるが、この先いくらお金がかかるかも知れないし、ここは我慢と言い聞かせる。空港内はクーラーがガンガンに聞いているせいで少し肌寒かった。明日からいよいよ本格的な旅が始まる。

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