４歩つまづき典獄署(チョノクソ)送り 韓国 龍仁　

2017/09/23 - 2017/09/25

「予もいづれの年よりか、片雲の風に誘はれて、漂泊の思ひやまず」(芭蕉)
2017年　韓国、龍仁

　〇　2017年9月23日（土）　　広島→ソウル
　〇　2017年9月24日（日）　　ソウル→龍仁→城南→ソウル
　〇　2017年9月25日（月）　　ソウル→広島

エリア その他の観光地(韓国)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.0
• ホテル: 3.5
• グルメ: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 高速・路線バス タクシー 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

年を取ると足が弱る。
弱ってくるから歩かねばならぬ。
歩くために旅に出る。
我ながら完璧な三段論法である。
今回の旅は、弱ってきた足腰に、鞭を入れるべく、龍仁のチャングムパークの南側を攻略しようというテーマである。
エアソウルの格安チケットを手に入れて、広島空港から飛び立った。

今回のホテルは、ソウル駅前のK-POPホテルである。
窓の上にヒルトンホテルが見えるという、ヒエラルキー丸出しのホテルである。
「山の上に登るエネルギーを使わなくて済むもんね。」と強がりを言いながら部屋に入るが、足腰に鞭を入れるのがこの旅の目的では？
その辺は、経済の原理・原則の前にかき消されてしまうものなのである。

ジヨソウル駅 ホテル

荷物を置き、大好きな『ホソバンカルビ』へ直行する。
炭火で焼くスタイルなので、お肉が美味しいし安い。
お肉がある間は、野菜のお代わりも、どんどん持ってきてくれる。
最後にサービスの冷麺も出て、足腰を締めあげる代わりに、ベルトを緩めてしまう。

ホソバンカルビ ユッケチョンムン 焼肉

体中からニンニクの匂いが漂い始めたので、大学路へミュージカル『あなただけOnly you』を見に行く。
おばちゃん役のマシンガントークがすごい。
エアコンが暑い、寒いと、世界共通の夫婦の重要対立点が描かれ、大笑いするが、ストーリーには感動して泣き泣きになってしまう。
年を取ると、涙腺も緩むものなのである。

大学路から南に降りると東大門に着く。広蔵市場が目の前だ。
5000ウォンでオレンジを３つ絞ってもらう。
今日一日が、パーフェクトに過ぎて行ったので、財布のひもも緩んでしまったのである。

広蔵市場 市場

よし、今日は締めていこう。
江南にある南部バスターミナルから、龍仁の白岩(ベガン)市外バスターミナルへ、高速バスで１時間(7000ウォン)。
韓国らしい色のインテリアで統一されたバスに乗る。
シートベルトも締めていこう。

南部市外バスターミナル バス系

白岩市外バスターミナルに到着した。
チャングムパークへは、目の前の村営バス105番に乗る。(10:20,13:00,15:40)
白岩の村は、リンゴやブドウの産地のようで、路上のおばちゃんからリンゴを買う。
カゴに5個入っていたが、多いので２個にしてもらう。
主婦は締まっているのである。

チャングムパーク(旧MBCドラミア)まで、8キロほどだ。
村営バスなので、村々を巡りながらトコトコ走り30分。
チャングム(大長今)パークに着いた。
実は、昔一度ここに来ている。
その時はまだ韓国初心者だったので、不本意だがツアーのマイクロバスで連れて行ってもらったのだ。

龍仁大長今パーク (旧龍仁MBCドラミア) テーマパーク・動物園・水族館・植物園

「お父さん、写真撮ってあげる。」
賢明な読者ならば、私の写真がここまで一枚もないことに気づかれただろう。
妻はこの後の、台湾・花蓮の旅から、写真に目覚めたので、この旅までは、私の写真を撮ってやろうという気持ちは、１ミクロンもなかったのである。
なので、今回の旅で、私の写真はこの１枚。貴重品である。
ありがたく拝見していただきたい。

ここから後は、妻の世界なので、妻の言葉でお送りしたい。韓ドラファン以外には共感を得られない写真コメントが続くが、ご容赦願いたい。

「キム　スヒョン様！　私また会いに来ました！」

「ハン　ガインって、私に似てる？　似てると思うのよ。　うん、きっと似てる！」
はい、はい、ポーズがね。

「チョノクソ(典獄署)だ！　以前来たときは、ここが建設中だったのよね。あっ！」
石畳につまずき、ケンケンして典獄署送り。
『しめしめ、このまま牢獄に置いて帰ってもいいな…』
「悪いことを考えているでしょ？(怒)」
『ギクッ！　女の勘は鋭い…』

「オクニョがここで、囚人たちにおにぎりを配っていたのよ。チン　セヨンって、私に似てる？　似てると思うのよ。　うん、きっと似てる！」
はい、はい、ポーズがね。

この写真は妻が撮ってくれたものではなく、自撮り写真。

「役所のシーンでよく使われるところだ～」

「ここは、おばさんが密談をさせる食堂ね。」

「陶器や鉄を作っていたファギトガムのセットだ。釜が爆発するのよ。」

「先週、オクニョで攻防戦をしていた場所だわ。」

「ここに満州族の兵が押し寄せてくるのよ。買ったリンゴ食べる？」
ズボンでごしごし、カリッとな。
歯ぐきから血が…　まだ出ない。
歯ぐきはまだ引き締まっているようだ。

「妓楼として使われる屋敷のセットね。夜、提灯が点くときれいなのよね。」

「昨夜もここで王さまが悩んでた。かわいそうな王様…」

チャングムパークの南側は以上である。
北側は以前回ったので、この１枚だけ載せる。
帰りのバスも少ない(12:28,15:08,17:48)のでタクシーを呼んでもらい、白岩バスターミナルまで帰る。
コール料を含めて12,500ウォンだった。
白岩から、江南の南部バスターミナルまで１時間かけて戻ってきた。
(1329バス。30分に一本程度ある)

そう言えば、リンゴ1個しか食べてなかったので、南部バスターミナルでキンパプをつまむ。
今日、何日？　24日？　じゃあ、ここから45分ほど地下鉄に乗ると、牡丹民俗市場、別名『四九市』がある。行ってみる？
「異議な～し。」
市場と聞くと、頬が緩む夫婦なのである。

盆東線の牡丹駅５番から出ると、すぐ市場である。
韓国最大の露天市場で、四と九の日に開かれる。
イカのチヂミ(6,000ウォン)を注文したが、美味しかった～。
素焼きのアーモンドを買って、ここでも財布のひもが緩む。
写真はこの一枚。
この市場、写真を撮りにくいのだ。
市場に入るとすぐ犬鍋屋が並んでいて、犬の背開きがぶら下がっている。
市場の奥にはペット用の犬売り場があり、仔犬一匹千円くらいだ。
でも、売れ残って大きくなったらどうするんだろう？　きっと…
ディープな在来市場なのである。また行きたい。
(最近、犬肉屋、犬鍋屋は閉めさせられたらしい…)

夕食はソウル市内に帰り、広蔵市場で野菜ビビンパを注文。
〆にカルグクスをおまけで出してくれた。

広蔵市場 市場

夜は、『シロアムサウナ』で垢すりをしてもらう。
初めて来たときは、システムが解らず、パンツの紐を締めたり、緩めたりしたものだが、今は余裕だ。
同じ湯船にギリシャ人がいたので、
「昔、アテネに行ったことあるよ～。今度は広島にも来てね～」と話を締めくくる。

シロアムサウナ 温泉

さあ、５時半起きで、広島に帰ろう。
「帰ったら、午後から仕事に行こうかしら。」
お願いだ。そのニンニク臭い体で行くのはやめてくれ。
職場の入り口を閉められるぞ～

仁川国際空港 (ICN) 空港