2020ダナンからサイゴンへ　南部海岸５泊６日の旅③―進退窮まるも何とかクイニョン脱出、ニャチャンへ

2020/02/02 - 2020/02/02

今日はクイニョンからニャチャンへ向かう。

昨日クイニョンへ来た時も、10分待ったくらいであっさり
バスに乗ることができたので、今日も同じように行くだろ
うと、いささかのんびり構えていた。

エリア ニャチャン(ベトナム)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• ホテル: 4.0
• グルメ: 2.0
• ショッピング: 4.0
• 交通: 2.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 高速・路線バス タクシー 徒歩 飛行機
• 航空会社: ベトナム航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

恒例の朝の女子アナチェック in ベトナム。

求人票には「容姿不問」と書かれていのだろうか。

かわいいっすね。

ホテルのすぐ近くに客の来ないカフェがあった。

軒先の犬にカメラを向けると・・・

ギャンギャン吠えてきやがった。るせえんだよ。

Ｕターンして海へ行くことにする。

海辺には朝の散歩に興じる人たちがいた。

泳いでいる人たちもいた。冷たいと思うけど。

水浴びをしている人たちを撮ったらなぜかモノク
ロになっていた。

海沿いを歩いていたら、いつの間にか昨日入った
カフェのところまでやってきた。

まだ始まったばかりで店員は食事中だったが、昨日
の女の子が「カフェスダー（コーヒー、ミルク、冷
たい）？」と聴いて来たので、うんとうなづき席に
ついた。

アイスコーヒー1杯、17000ドン。

小銭がなかったので、20万ドン紙幣で支払い、釣りを
確認もせずに財布に押し込んで外に出た。

するとすぐに女の子が追いかけてきて、「さっき渡し
たお金見せて」と言ってきた。ぼくは、財布から受け
取ったお金をそのまま見せると、「渡すの少なかった
みたい」と言って紙幣を何枚か足してぼくに渡した。

いくら少なかったのか、いくら足してくれたのかもわ
からないまま、お金を再び財布に戻した。

ベトナムでは珍しいことである。

100％シミが取れるらしい。奥さん、いかがです？

宿近くのバインミー屋でバインミーをひとつ。

ここも鉄板でパンを挟んで焼いていていた。

パンの表面がパリパリでうまかった。

9時半にチェックアウト。

女の子が中国製のお菓子をくれた。

英語のコミュニケーションはうまくいかなかったけど、
安くていい宿だった。

歩いてバスターミナルへ。

すぐ近くにあるバス会社へ行き、「ニャチャン」とい
うと「ノーティケットゥーニャチャン」と言われた。

ニャチャンへのバスチケットがない・・・？　まずい
いかもしれない。

ターミナル内のチケット売り場へ行っても売り切れて
いた。

道路を渡ってさっきのバス会社へ再び行って、「明日
は？」と尋ねたが、明日もなかった。

人気路線なのか？　それともテトだから？　クイニョ
ンなんて人の少ないところなのに。

ヤバいことになってきた。どうするか、とにかくクイ
ニョンを脱出しなければ。

サイゴン行きのバスに乗るか、最悪飛行機しかない。

再び切符売り場に戻ると、おばちゃんが声をかけてきた。
「ニャチャン」というと「ついておいで」と手招きして
外に出た。おばちゃんはミニバスを指さし、そこにいた
男に何か言っていた。ガタイのごつい半グレのような男
だった。

「ニャチャン？」と聞くと手をパーにして左右に回した。
ダメということか？　あなたに捨てられたらあたしはと
すがるような気分で一緒に車のところに行った。

車には車掌役のもう一人若い男がいて「ニャチャン？」
と聞くと頷き、中を指さした。バックパックを叩くと、
「後ろに入れろ」と後部ドアを開けてくれた。運賃を聞
くと２本指を出した。20万ドンか。

一番後ろの席に座らされた。ふうー、何とかニャチャン
へ行けそうだ。

出発を待っていると、さっきの半グレ男が後部ドアを開
け、手に持った30万ドン分の紙幣を振っていた。何だよ
２０万じゃないのかよ。しかし、相手は言葉の通じない
ヤバそうな半グレ、黙って30万ドン出した。手持ちのベ
トナムドンはもう数万しか残っていない。

10時40分にバスは出発。このバスもご多分に漏れず、
途中で荷物を受け取り、途中停車しては渡していた。

４人掛けのシートに５人が押し込まれ、互いに顔を見
合わせ苦笑いしながらバスはすっ飛ばしていく。

クイニョンを出て約４時間。車は大きな町に入った。
どうやらニャチャン市内に入ったようだ。

客が一人二人と降りて行く。車掌が「どこで降りる？」
みたいなことを聞いて来たので、ニャチャンの地名
で唯一知っている「チョーダム（ダム市場）」と答
えると、なぜかニャチャン駅前で降ろされた。まあ、
こっちの方が都合はいいのだが。

バスを降りると、日差しはクイニョンよりもさらに
強く感じた。でもちょうどいい陽気かもしれない。

鉄道駅は外国人が多くいるエリアからは離れている
ので、とりあえず海がある方に歩いて行くことにした。

駅前のタイグエン通りから、レタントン通りを目指し
て歩いた。カラッとした陽気なので、汗もそんなにか
かない。

レタントン通りに入ると、ファッション関係の洗練
された店が増えてきた。

フンヴォン通りまで行くつもりだったが、その手前
のグエンティエントゥアット通りを右折した。

通りを歩いていると、旅行代理店の店先に「外幣
換銭」の漢字が。とりあえず飛び込んで、昼寝中
の親父を起こして両替。

その少し先にShome Hotelというミニホテルが
あったので、入った。１階（ベトナムではＧ階
となる）のブティックの奥にレセプションがあ
り、少年が一人で留守番をしていた。外国人旅
行者が多いこともあって、英語が堪能で、チェ
ックイン手続きはスムーズにできた。１泊20万
ドンというので、２泊分支払い部屋に入った。

シンプルで清潔な部屋である。

外に出て少し歩いただけで、おびただしい数のロシア
人と韓国人がいるのが分かった。

白人系はほとんどがロシア人、東洋系は韓国人だった。

スーパーの中のベトナム人店員は普通にロシア語を話し
ていた。

ロシア人向けの旅行会社もあった。

ダラット行きVIPで26ドル、サイゴン行き65ドル。米ド
ルだとしたらずいぶん高いな。

なぜこんなに多くのロシア人がここに集中するように滞
在しているのだろう。ロシア人のビーチ好きは聞いたこ
とがあるが、なぜベトナムのニャチャンなのか。地理的
に近いロシアの極東地区から来ているのだろうか。

フンヴォン通りにあるシンツーリズムに行き、サイ
ゴン行きのバスを4日出発で予約した。

シンツーリズムは主に外国人旅行者を相手にしてる
旅行会社で、昔はシンカフェと名乗っていた。

ベトナムの各観光地へ行くバスを運行していて、好
きなところで降りられるオープンチケットというの
も販売している。

4日発、399000ドン（約2000円）。

バスの予約をした後、近くのメチャンコーヒーとい
う名のカフェへ。

フィルターと氷とお茶が運ばれてきた。昔ながらの
スタイル。

フィルターからコーヒーがカップに落ちたところで
氷を投入。ある程度氷が溶けるまでしばし待つ。

その間、バスチケットをもう一度取り出して見てい
たら、大変なことに気が付いた。

4日出発？　あかんやん、4日はサイゴン発つ日やん。
もう飛行機飛んでしもてるやん。

何でこんなことになっているのだろう。パスポート
に挟んでいたＥチケットを取り出すと、確かに4日
午前6時発の便である。5日まで休みを取っておいて、
なんで4日発なんかにしていたのだろう。あほなこ
としてるわ、おれ。

コーヒーを飲み終え、シンツーリズムへ行き、3日
出発に変更してもらった。

本当なら、明日はファンランへ日帰りで行くつもり
だったが、行けなくなってしまった。2日分支払っ
たホテル代の1泊分を返してもらわないと。

ポーナガル遺跡へ行くために、海沿いを歩いて行く
ことにした。

もうビーチの端から端まで高層ホテルがずらりと並
んでいる。

昔はビーチの端まで来ると安そうな食堂やカフェが
あったのだが、そんなものはもう既になくなっていた。

イェルシン通りまで来ると普通のベトナム人の生活が
あった。

それにしても遠い。もう30分以上歩いている気がする。
ポーナガルってこんなに遠かったっけ？

ようやく川の河口にある丘の上にポーナガールが見
えた。

河口にはたくさんの漁船が停泊していた。

偽扉を模した入口から磁気でできた入場チケットを
通して中に入る。

入って正面には八角形の柱列が左右6本ずつ主祠堂に
向かって続いている。

実際にはこの上に木造の舟形屋根があったらしい。

この遺跡群の中でもっとも古い建造物である。

柱列の奥には主祠堂へ上る階段があるが、人間工学
を無視した急傾斜で、人が上ることを想定している
とは思えない。

遺跡群がある丘の上へは左側に作られた階段を上る。

ポーナガール遺跡群は大小5つの建物が残っている。

そのほとんどはここ20年の間に修復されたものである。

大きなものは主祠堂と隣の副祠堂である。

主祠堂は偽扉と屋根の4隅に尖塔を持つ典型的なチャン
パの建造物である。

内部にはリンガとヨニが安置されていた。

リアリティがあってちょっと恥ずかしい。

昔は主祠堂の中にはシンプルな造りの女神像が安置
されていたのだが、なぜかリンガとヨニに置き換わ
っている。

隣の副祠堂は前房が長く、主房は四角錘の屋蓋を持つ
独特のものである。

前房の屋根の部分に彫られた神。ドゥルガーだろうか。

長い前房の奥にリンガとヨニが安置されていた。

女の子がリンガ（男性器）に向かってお祈りをしている。

何とも言えない光景である。

あまり見ない形だ。

小さなお堂には入口に字喃（ちゅのむ）の看板が掲
げられ、ベトナム風に変えられていた。

神様も完全にベトナム風になっていた。

ここにもやっぱりお祈りをする人がいた。

砂岩の壁にはチャンパ文字で碑文が彫られていた。

形は東南アジア各国の文字と共通して丸っこい。

チャンパ文字は現在解読されており、彼らの宗教
生活や社会構造を知るうえで重要な手掛かりを与
えている。

ポーナガールは８~13世紀にかけて建立されたと
されている。

日本の奈良時代から鎌倉時代にかけてである。

奈良の天平文化が花開いた時代で、唐招提寺や薬
師寺が建てられた頃と同時代に順次大小数基の宗
教施設がここに建てられて行った。

雅楽のひとつ、林邑楽を伝えたチャンパの僧、仏
哲がインドのバラモン僧、菩提とともに来日した
のもこの頃である。

また、インドネシアのジャワ島に興ったシャイレ
ーンドラ朝がボロブドゥールの造営を始めたのも
この頃である。

アジアに紀元後発生した王国は数百年経つと共通
してこのような建造物を建てる力を有するように
なるようだ。

ポーナガールはヒンドゥの女神、バカヴァティ
（シヴァ神の娘）とチャンパの神、ヤーン・ポ
ー・イヌー・ナガルを一つにしたものを祀って
いたという。

従来は木造建築であったが、２度にわたってインド
ネシアのシュリーヴィジャヤ王国軍の攻撃を受け、
灰燼に帰してしまった。それ以降、石造建築にとっ
てかわられるようになった。

チャンパは沈香（じんこう）の輸出や中継貿易で潤
っており、周辺国からその富をたびたび狙われた。

10世紀まではインドネシアが、10世紀以降はアンコ
ールやベト族の王朝に侵略され、略奪を受けている。

見物を終えて、外に出た。ホテルまで歩いて帰るに
はあまりに遠いので、タクシーを使うことにした。

遺跡前には緑のメイリンタクシー１台とタンフンタ
クシーという地元のタクシーが３台止まっていた。

どっちでもいいかと、タンフンタクシーに乗った。
韓国騎亜自動車製の軽自動車で、運転手は若いデブ
男だった。

行き先を何といえばいいかわからなかったので、
「フンヴン通りまで」と告げた。

走り出すとメーターに他社のと同様「HELLO」と
出て、すぐに「50」の文字が出た。

「50？　初乗り５千ドンか？　クイニョンでも８
千だったのにずいぶん安いな」と思ったものの、特
に何も疑わなかった。

一旦ビーチ沿いの大通りに出て、すぐに右折して
街の中に入った。どこでもいいので、メーターが
500となったところで停めてもらった。

５万ドン出すとデブが「違う違う、おーすんまん」
という。「おーすんまん？　なんだそれ」ともう
一度５万ドンをだすと「おーすんまん」を繰り返す。

「５万じゃねーか、何言ってんだ」というとデブ
はメーターのボタンを押して「500000」という
表示を出した。「50万ドンだと？　ふざけんな！」
と言っても「おーすんまん」を繰り返した。あ
っ、こいつおれを韓国人だと思って韓国語で
「50万」と言っているつもりなのか。「50万」
は「おーしっ（ぷ）まん」なんだよ。こいつら
韓国人旅行者を食い物にしてやがんな。

ドアを開けようとしたが、開けられない。いや
だから50万なんてありえねーしと思うけど最初
に確認しなかった自分がバカだったのでここは
もう払うしかないのかもしれない（ノリ突っ込
まない漫才byぺこぱ）。なんせ、メーター表示
がそうなっているから警察に訴えたところで埒
が明くとは思えないし。

悔しいが50万支払って外へ出た。

そういえば、この会社のタクシー、歩いていた
らよくクラクションを鳴らしたりして注意を引
いていたな。
遺跡の出口で客引きをしていたのもそういうこ
となのか。

タクシー代に50万ドンも払ってしまい、憤懣や
るかたない思いで、ホテル近くの食堂でチキン
炒飯を食べた。ひどい味だ。

カチューシャトゥールさんもロシア人たちで大盛
況だ。

宿に戻り、フロントの男の子に「明日サイゴンへ
行かなきゃならなくなったので、１泊分返金して
くれる？」「いやあ、ボクの一存ではそれはでき
ないんです」。何でだよ、カネ受け取って処理し
たのきみまろ？　じゃなかった、君だろ？
「明日ボスが来るんで、その時に話します」。
何だかもう、うまくいかねえなあ。どの宿もカネ
払ってんのに領収書を渡さないし。税金をごまか
そうとしてんのかなあ。　　

砂浜へやってきた。

母娘が座り込んで何かやっている。スコップがあ
るから貝でも採っているのだろうか。

ビーチがライトアップされ、スタジアムのように
照らされている。

母娘も買えるようだし、ぼくも宿へ帰るとするか。

宿近くの小さなスーパーで少し買い物をした。

サイゴンでは買い物をする時間がないかもしれない
ので、自分用の物を少し。

こんなところで、予定が全然こなせないことが判明し、
ベトナムの旅はなかなかうまく行かないなあと再認識。
まあ、全部自分の確認ミスなんだが。

明日はもうサイゴンに行かなければならない。