2019/07/30 - 2019/08/01
34位(同エリア1291件中)
かっちんさん
淡路島は瀬戸内海の東部に位置し、瀬戸内海では最大面積の島です。
平成10年(1998)明石海峡大橋が完成し、本州と淡路島のアクセスが画期的に変わりました。
今回の淡路島の旅は孫たち家族とともに休暇村「南淡路」に3日間泊まり、「吹き戻しの里」、「沼島の鞘型褶曲(ぬしまのさやがたしゅうきょく)」、「鳴門のうず潮」を訪れます。
「吹き戻しの里」には、昔お祭りの夜店で売っていた「紙のピーヒャラ(吹き戻し)」の玩具工場があり、現在では国内で製造される吹き戻しの80%がここの製品です。
淡路島北部の本四仁井の近くに「吹き戻しの里」があり、工場見学と吹き戻しの製作体験ができます。
沼島は淡路島南部にある島で、中央構造線の南側に位置し「三波川帯」の結晶片岩類でできていて、島の周囲に奇岩が見られ、特に鞘型褶曲(さやがたしゅうきょく)は地球内部の自然現象を表しています。
鞘型褶曲は、地殻変動による上下逆向きの流れの中で、流れの方向に円筒状に伸び、断面が木の年輪のように楕円状の模様(同心円状)を示した地層の曲がりです。
平成6年(1994)に発見された「沼島の鞘型褶曲」。肉眼で顕著に観察される例は非常に珍しく、3次元的にも観察でき、約1億年前の沈み込み帯内部の流動方向がわかる貴重な資料です。(*6)
見学は沼島の漁師さんが案内する「おのころクルーズ」を利用します。
鳴門海峡は、瀬戸内海側と太平洋側の干満の差による「潮流の段差」と、場所による流れの速度差から「うず潮」が発生します。
その様子は大潮のときに顕著に現れ、訪れた日がちょうど大潮の時だったので海の自然現象が実感できます。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・吹き戻しの里HPとパンフレット
・淡路ごちそう館御食国「淡路産玉ねぎのご紹介」
・休暇村南淡路HP
・*1 沼島総合観光案内所よしじん「沼島の遊ぶ・歩くを紹介」
・*2 地質学雑誌、前川寛和著他「兵庫県南端部、沼島に分布する三波川変成岩類から発見されたさや状褶曲」Vol.107,No.3,2001
・*3 沼島中学校HP、2001年度沼島を知る活動、自然史調査班「沼島はどのようにしてできたか」
・*4 偲フ花「沼島:鞘型褶曲」
・*5 大阪府立大学ハーモニー博物館、前川寛和著「沼島のさや褶曲-動く大地の痕跡-」
・*6 日本列島ジオサイト地質百選Ⅱ「南あわじの鞘型褶曲」、オーム社、平成22年5月25日
・南あわじ市商工会青年部「いぶし瓦の銀さん」
・淡路島発うずしおクルーズのパンフレット
・CEF南あわじウインドファームHP
・ウィキペディア「淡路島」「明石海峡大橋」「野島断層」「国衙」「淡路国」「大鳴門橋」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- 高速・路線バス 船 新幹線 JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
明石海峡大橋
明石海峡大橋は、明石海峡に架けられた神戸市垂水区東舞子町と淡路市岩屋を結ぶ世界最長(全長3,911m)の吊り橋です。
橋には国道28号(神戸淡路鳴門自動車道)が通り、高速舞子から淡路島、四国へ向かう高速バスが走ってます。 -
本四仁井
高速舞子から高速バス「舞子-福良(ふくら)線」に乗り、14分で「本四仁井(ほんしにい)」に到着。 -
淡路瓦をデザインしたバス停の歩道(本四仁井)
淡路島にある活断層「野島断層」をイメージできます。 -
「吹き戻しの里」までの案内図
「本四仁井」から「吹き戻しの里」までは、坂道を下り徒歩20分。
コミュニティバスが走っていますが、運行頻度が少ないです。 -
出た~「トラ」
歩道の脇に、干支の置物が飾られています。
個人の作品のようです。 -
高速道「神戸淡路鳴門自動車道」
先ほど、通ってきた高速道です。 -
「吹き戻しの里」に到着
ここのキャラクター、福を招く「ふく猫」がいます。
「吹き戻し」で遊び、「福戻し」しています。 -
黄色と青色の建物(吹き戻しの里)
入場料は500円。
工場見学だけでなく、吹き戻し6本を製作体験ができます。
最初に製作体験から始めます。 -
吹き戻しの部品(製作体験)
部品は、筒の部分の「紙管」と、伸び縮みする部分の「頭」があります。
「紙管」の材料は中芯原紙とポリエチレンフィルム。
「頭」の材料はグラシン紙とステンレス線と押さえ紙を使います。
では、自分の好きな色・模様の部品を6本分選びます。 -
巻き癖をつける作業(製作体験)
「頭」に巻き癖をつけるため、線の入った側をしごき針に当てゴシゴシ擦ります。 -
巻き癖のついた「頭」(製作体験)
この丸まった頭と紙管の先をセロテープで接着すると完成です。 -
完成品の試し吹き
紙管に「プーッ」と息を吹き込むと、丸まった頭に空気が入り「スルスルスルッ」と伸びます。
初めて遊ぶ孫は面白くて何回何回も繰り返します。 -
イチオシ
ウラ技「先端がブルブル震える」
先端の部分を3cmほど爪でのばしてバネの巻き癖を取ってしまうと、吹いたときに先の部分がブルブル震えだします。
これは誰でも喜びます。
係りのお姉さんから、吹き戻しの頭が真上に伸びる「なんでやねん!」のウラ技も教えてもらいました。 -
イチオシ
スペシャル吹き戻し「王冠」
製作体験の後は、非売品のスペシャル吹き戻しで遊びます。
孫の頭には大きすぎますが、王冠から飛び出る様子が見えます。 -
ハート型
全部のピーヒャラを飛び出させるには肺活量が少々不足。 -
初日の出
これを被って鏡を見れば、初日の出の気分になります。
蟹にも見えますが足の数が多すぎます。 -
ジャンケン・ピーヒャラ
ちょっと吹けばチョキ。思いっきり吹いてパー。
吹くぞと見せてグー。
2人で遊べるピーヒャラです。 -
ギネス世界記録「世界最大人数 同時10秒吹き」
2009年7月19日に、「吹き戻し」を765人で同時に10秒間吹いたという記録により、ギネス世界記録に認定されました。 -
本四仁井バス停
吹き戻しの里で十分遊び、これから高速バスで南淡路の福良へ向かいます。
ピーヒャラは、昔お祭りの出店でよく見かけましたね。 -
玉ねぎ小屋(西淡三原付近の車窓)
瀬戸内海特有の温暖な気候と風土で育つ「淡路島産玉ねぎ」は、「甘い・やわらかい・みずみずしい」と全国的にも有名です。
淡路産は「早生(わせ)」「中生(なかて)」「晩生(おくて)」の3種類があります。
7月の時期は、5月から7月にかけて出荷される新玉ねぎと呼ばれる「中生」と、6月下旬から翌年3月頃まで出荷され最もポピュラーな「晩生」。
「晩生」は玉ねぎ小屋に吊り下げられ自然の風を利用してゆっくり乾燥した玉ねぎです。 -
今晩の宿「休暇村南淡路」
高速バスは終点の福良に到着。
福良港から高台に佇む休暇村の建物が見えます。
宿にお迎えの車を頼んでいたので、10分ほどで行けます。 -
夕食バイキング
淡路近海の新鮮な魚を使った料理、和洋約60種類が並びます。
特産の玉ねぎもあります。
オープンキッチンは日替わりメニューで、串揚げです。 -
翌朝の大鳴門橋
部屋の窓から鳴門海峡の大鳴門橋が眺められます。 -
沼島へのルート
2日目は沼島(ぬしま)の鞘型褶曲(さやがたしゅうきょく)を見に行きます。
ルートは福良~国衙(こくが)間が淡路交通の島内路線バス、国衙~沼島汽船場前が南あわじ市コミュニティバスを利用します。
沼島へは、事前予約した「沼島おのころクルーズ」の周遊漁船が沼島汽船場前(土生港、はぶこう)まで迎えに来てくれます。 -
国衙バス停
国衙(こくが)からは市コミュニティバス「南北幹線」11時11分発に乗ります。
地元の人が利用するバスなので、小さなマイクロバスです。
「国衙」とは、日本の律令制において国司が地方政治を遂行した役所が置かれていた区画を意味しますが、それらの遺跡はまだ見つかっていません。 -
玉ねぎ小屋(バス車窓)
小屋に玉ねぎが吊り下げられています。 -
沼島汽船場
「沼島おのころクルーズ」は、沼島の漁師さんが自らの漁船で沼島をぐるっと一周して案内してくれます。
家族5名いたので、1人2,500円、沼島までの往復として1,000円プラスの料金です。
事前予約制で、12:30に沼島汽船場から出発します。
船頭とガイドの若い漁師2人が、船上で奇岩や沼島の歴史などを案内してくれます。 -
沼島の案内図
漁船は沼島港に立ち寄り、岩の見栄えや順番を考慮し、島を女まわり(左まわり)で一周します。
鞘型褶曲(さやがたしゅうきょく)は島の北端(地図では左)にあり、通常海上から見学するのですが、特別に上陸し近くで見させてもらいます。
鞘型褶曲は引き潮の時しか見ることができず、今日は昼12時頃が引き潮にあたります。 -
斜めの地層(クルーズ)
沼島は、中央構造線の南側に位置し「三波川帯」の結晶片岩類でできていて、これらは約1億年前の中生代に比較的高圧の条件で生じた変成岩です。
沼島の岩石は太平洋プレートとユーラシアプレートのぶつかり合うところでできたと考えられ、それが海上に隆起し姿を現したものと考えられています。(*3) -
おのころクルーズの案内
漁師のガイドさんから、島の地質や岩礁の名前、沼島の歴史・伝説などを丁寧に説明してもらいます。 -
南端の三ヶ崎を通過(クルーズ)
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方向の異なる地層(クルーズ)
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青磯(クルーズ)
青い石でできており、青岩とも呼ばれています。 -
下立神岩(クルーズ)
下立神岩(しもたてがみいわ)は上立神岩より高かったと言われており、安政元年(1854)の大地震と津波によって真ん中から折れ、それらの岩が重なって、中心に穴が空いた状態になっていました。
しかし、これも昭和9年(1934)の室戸台風の直撃を受け、現在では巨大な根っこの姿を見せています。 -
屏風岩(クルーズ)
高さ80mの屏風岩です。 -
神秘的な海の色と穴口(クルーズ)
屏風岩の断崖の下に洞穴があり、深さは50m余り。
海の色は神秘的な「深藍色(ふかきあいいろ)」。 -
褶曲の地層(クルーズ)
屏風岩の穴口そばに褶曲があります。
湯葉の断面みたいな模様ですね。
褶曲は地殻変動による圧力で地層が曲がることです。(*6) -
屏風岩(クルーズ)
横に積み重ねたような地層もあります。 -
岩礁「平バエ」(クルーズ)
「ハエ」とは岩のことを表しています。
毎年、旧暦の3月3日に海上安全と大漁を祈願する平バエ祭が行われ、漁師の乗った漁船が「平バエ」を3回まわります。 -
上立神岩(クルーズ)
高さ30mを誇る上立神岩(かみたてがみいわ)です。
国生み伝説によれば、「いざなぎ」と「いざなみ」の神が、天の浮き橋から天の沼矛(あめのぬぼこ)を指し降ろして青海原(あおうなばら)を「こをろこをろ」とかき混ぜ、矛先からしたたり落ちた潮が積もって島となり、この上立神岩に降り立ったと言われています。 -
鞘型褶曲近くで待機する漁船
鞘型褶曲(さやがたしゅうきょく)周辺は暗礁や浅瀬があり近づきにくい場所なので、少し離れたところで船をとめて海の中にドボンと入ります。
膝くらいまでの水に浸かりながら上陸します。 -
イチオシ
宝石のような美しい浜
-
これが「鞘型褶曲」
約1億年前の地球のシワが残る珍しい岩石で、昔の地殻内部の動きがわかる世界的にも貴重なものです。
平成6年(1994)に発見され、引き潮の時にしか姿を現しません。(*1)
波打ち際にある約4m四方の岩石の数ヶ所で「鞘型褶曲」が確認できます。(*6) -
イチオシ
同心円状の「鞘型褶曲」
今から9200万年前、沼島がまだプレート沈み込み帯(深さ30km)にあったころ、沈み込むプレートの運動によってつくられたものです。
地層に力が加わり褶曲すると、一般に岩石のかたさは一様でないので、引きずられる程度が大きい箇所が部分的にでき、さらに変形が進行すると、さやの様な形をした同心円状の構造ができます。(*5) -
上から見た「鞘型褶曲」
上面の「引き伸ばし線構造」に対してほぼ垂直な面に「鞘型褶曲」が観察されます。(*2)
満潮時は白い貝殻の付いた部分まで海水が上がり、ほぼ隠れてしまいます。 -
年輪のように見事な「鞘型褶曲」
断面が木の年輪のように、楕円状の模様です。
上下逆向きの流れの中で、流れの方向に円筒状に伸びたものが「鞘型褶曲」、断面は金太郎飴のように切っても切っても同じ同心円状になります。(*6) -
らんらんバス
約1時間強の「沼島おのころクルーズ」を終え、土生の沼島汽船場前からコミュニティバスで帰ります。
バス側面の「いぶし瓦の銀さん」は、南あわじ市の地場産業の1つである瓦の鬼瓦をモチーフにして誕生したキャラクターです。 -
夕食に鱧湯引き
休暇村2泊目。
夕食バイキングに、夏の味覚「鱧(はも)湯引き」を追加しました。
新鮮な鱧を骨切り後、湯通しで花のようにひらいた身を酢味噌、梅肉でいただきます。 -
鳴門海峡の案内図
淡路島3日目は、福良港から「鳴門のうず潮」を見に行きます。 -
本日のうずしお期待度
10:10~12:10に出航する観潮船の期待度が大(◎)なので、10:10の日本丸に乗船します。 -
絵柄の異なる乗船券
乗船券を4人分購入したところ、全部違う絵柄です。
券売機にセットするロール紙はあらかじめ印刷されているのですね。
乗船料金は2,000円。所要時間は60分。 -
乗船する「日本丸」
日本を代表する練習用帆船のレプリカ船で、700名乗れます。 -
鳴門海峡に架かる堂々たる「大鳴門橋」(観潮船から)
福良港を出航し、10分後に大鳴門橋が見えてきます。
橋の下には白波が立っています。 -
うず潮(観潮船から)
出航して20分後に大鳴門橋の下に到着。
うず潮があちらこちらに発生しています。
遠くに見える風車群は、淡路島に立つ「CEF南あわじウインドファーム」の15基の風車。 -
イチオシ
海峡に発生する段差(観潮船から)
大鳴門橋を境に瀬戸内海側と太平洋側の干満差が大潮時に最大1.5mもありはっきりした段差が確認できます。
今日8/1はちょうど大潮の日。太平洋側が干潮間近なので、瀬戸内海側(播磨灘が満潮)から太平洋側へ向かって、勢いよく潮が流れ込んでいます。 -
イチオシ
うず潮の流れを楽しむ船(観潮船から)
四国の鳴門側から来ている観潮船です。 -
海峡に咲く「うずの花」(観潮船から)
海峡の中心部はとても速い流れが生まれ、両沿岸部は緩やかな潮流になります。
2種類の流れの速度差により回転力が生まれ、うずが発生するのです。 -
ぐるぐる回る四国の観潮船(観潮船から)
大鳴門橋の下で我々の船もうず潮に乗り、20分程うず潮を見ながら楽しめました。
この後、淡路島とお別れし新大阪へ向かいます。 -
昇降式ホーム柵(JR大阪駅)
JR西日本では最近当たり前になったホームの設備です。
列車の種類によりドアの位置が異なるため、長いロープを昇降させてホーム柵にしています。 -
珍しい新幹線特急券(車内券)
帰りは家族と共に新大阪から新幹線「のぞみ」自由席に乗りました。
車内検札で差額料金を払いました。
ついついうっかりしてました。ジパング割引の特急券は「ひかり・こだま」しか乗れないことを。
でも、珍しい特定特急券を目にしました。
淡路島では、懐かしいピーヒャラを作り、地球内部と潮流の自然現象を見ることができました。
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