2019/08/04 - 2019/08/04
742位(同エリア1683件中)
円蔵さん
わたくし、あまりテレビを見ないもので。
でも、一応気になるのは録画って感じの生活です。
それで、しばらく撮り溜めてた番組を見てみると。
なんとまぁ、素敵な場所を訪れておりました。
すぐにググってみた江之浦測候所です。
芸術家、杉本博司さんが造られた美術館・・
いえ、偏に美術館とは言い切れない場所。
測候所と言う名の通り、夏至、冬至。
秋分、春分の日の出に合わせて、太陽が差し込む場所が計算されて造られておりました。
- 旅行の満足度
- 4.5
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-
江之浦測候所。
ここは完全予約制です。
サイトからの予約と、当日は電話にて予約を受け付けているそうです。
午前、午後の部に分かれておりまして。
円蔵はサイトでの予約を致しましたが、
送迎バスか自家用車でもチケットは違います。
杉本博司さんが確か美術館の人の密集率を気にされてたとか。。
違ったらごめんなさい。
でも、その密集率を考えての完全予約制となっている筈です。
故に。。多くても30名?位しか一度に訪れる事は出来ないのかと思われます。
送迎バスはJR東海道線の根府川駅から出てまして。
ここ、無人駅なのですがパスカードをピピっとやると
「江之浦測候所」と書かれたプレートを持ったバスの運転手さんが待っております。
あ!!予約する時に乗車するバスの時間も指定します。
午前で3便。
運転手に名前を告げてバスに乗車。
多分ですが、マイカーで行かれる方も江之浦測候所の駐車場に車を入れる時に名前を聞かれてた気がします。
駅からは徒歩で45分と書かれてました。
円蔵、散歩大好きなので一瞬考えましたが、バスの車内から道を見てて
やめて良かったと思いました笑
歩道のない山道をずっと登る感じです。
それなので、散歩が好きな方も徒歩で行くのはオススメ出来ません笑 -
バスを降りると坂道を登って一旦「待合棟」って所に集合します。
私がのったバスは5・6名しか乗ってませんでした。
この後、測候所内をぐるぐると歩きましたが、本当に人が居ないってこんなにも素敵な事なのかって感じられました。
バスから降りた方達全員が待合棟に集合すると。
そこで、パンフレットと注意事項を告げられます。
江之浦測候所には様々な物が展示されておりますが、全て何も書かれておりません。
それはパンフレットを見て下さいって言うことと。
立入禁止区域があり、そこの手前には止め石が置かれているので。
それ以上向こうには行かないで。
と言う事を告げられます。
まず、展示物に何も表示されていない事の素晴らしさ。
説明のプレートが、いかに景観を損ねているのかがわかります!!
そして、順路はありませんって言われますが。
その順路が無いって事も、本当に重要なんだなって思えます。
立入禁止区域もロープとか「進入禁止」って書かれてません。
以上の事が「無い」ってだけでも、どれだけゆっくり見れる事か。
様々な制約が当たり前の様になっている現代の様々な場所。
ここを訪れると、それがどれほど窮屈なものかわかります!
そうだ!!杉本博司さんが写真家って事もあるのかな?
全てにおいて撮影はOKです -
さて、それでは歩いてみましょう。
ここは明月門。
実は、最初バスを降りた場所から待合棟に行く途中にあります。
私は一旦戻って最初にこの門を見ました。
入場するとシールを貰えます。
そのシールを見える場所に貼っておけば、何度でも測候所に出入りが出来ます。
明月門は鎌倉の明月院の門です。
関東大震災の時に半壊し、そのあと色々な所をめぐり。
今はこちらに落ち着いているそうです。 -
門をくぐる事も出来ますが。
私はその横にある道に進んだのです。
ちょっと暗くて見えないかな?
伽藍道と書かれています。
この様に洒落っ気のある場所が非常に多い!!
なぜこの伽藍道に来たかった言うと。。
一番見たかった石がここにはあります。
私、石の事はホントわかりませんが。。
ここは石のテーマパークと言って良いんじゃないかって位に杉本博司さんが収集された石が展示されております。 -
この石をめっちゃ見たくて。
法隆寺 若草伽藍礎石
この礎石は創建当時のものらしくて。
聖徳太子も見たのでは?と言うとっても歴史ロマンチックな礎石なのです。
形も面白いですよね。
テレビで言っていましたが、台形の様になってて重さを一点で支える様な造りになっているらしいです。
後世の礎石は横に広がり、力を横に逃がす作りになっているそうです。 -
次に見たのは
この石、割れてますよね。
実はこれの向こうに石舞台と言われる能舞台があります。
その能舞台への橋掛かりなのですが。
一枚岩で重さは23トンあるらしく。
ここで割れたおかげでクレーンで持ち上げる事が出来てここに展示する事が出来たそうです。
これが割れて居なかったら。
ここで目にする事はなかったのでしょうね -
この位置には意味がありまして。
冒頭でも書きましたが、ここは夏至や冬至。秋分や春分の日の出に合わせて造られております。
先程の割れた石の橋掛かりも実は春分、秋分の日の出が直線上に見える作りになってます。
ちょうどこの林の向こうには海が広がって水平線が見えるのですが。
そこから伸びる日の出ラインを見ることができるそうです。
しかし!
その日の予約はめっちゃ人気だそうですよ。
そして、左手にちょっと写っている石は。
なんと、室町時代の京都「渡月橋」の礎石です。
現在よりも100メートル程上流にあったそうで昭和37年に川床から発見されたそうです。 -
そして、おそらく一番人気な場所。
左側の錆びている部分 「冬至光遥拝隧道」ここが素晴らしくて
ここは冬至の日の出に合わせて造られております。
隧道なので中を歩く事も出来ますし。
ご覧の通り手すり等はありませんが、先端に近い部分まで上を歩いて行く事が出来ます。
造船の時に用いられる鉄を使っています。
右側の舞台は
光学硝子舞台
実際に演じられる事も有るそうです。
こちらは立ち入り禁止となっておりますが。。
ここもね~~~魅力的なんですよ~ -
光学硝子舞台に近づいてみます。
光学硝子って。
成形されてカメラのレンズになるガラスです。
それが一面に敷き詰められてて。。
一体幾らするんだ!?って思っちゃう笑
あいも変わらずフィルムで撮ってて。
しかも露出があっていないのでめちゃくちゃな写真になっちゃっておりますが、表面が波打ってます。
成形された後にコンベアに乗るらしいのですがその時に付く波々をそのまま使われているとか。 -
いやぁ、これは水平に撮りたかった笑
ここは先程の錆びてる部分、隧道の上を歩いて先端近くまで。
そこにはポツンと止め石が置かれております。
他に何もありません。
何という見せ方なのでしょう!!!
感動に値します!! -
隧道の上から。
振り返ってみると、ここは
古代ローマ円形劇場が。
実際にラツィオにある古代劇場を実測して造られているそうで。
能舞台を見る客席という事で各席にナンバリングされておりました。
また、確か現代人に合わせて1段1段が少し高めに造られているって。 -
そして、光学硝子舞台を横から見てみますが。
この造り、何処かで見たことがありますよね?
あの清水寺と同じ懸け造りとなっております。 -
さてと。。。。
ホントに素晴らしい場所なのですが。
一つだけ辛い事がありました。
円蔵が訪れた日、猛暑だったのですが。
オープンワールドなので暑いのです!!笑
最初に集合した待合棟、それともう一つ100メートルギャラリーって場所だけが空調が効いた空間となってます。
勿論、日陰の場所もあります。
自販機も設置されております。 -
暑くっても。。
空調の効いた空間に居るなんて事は出来ない円蔵。
この石は水の都 ヴェネツィアのカナルグランデにあった商館のファサードに嵌め込まれていたものだそうです。
今では外に持ち出す事が出来ない代物らしく。
カナリ昔に持ち出された物らしいですね。 -
現在は隧道の上にあります。
ここをくぐると円形劇場にいけます -
もともとはみかん畑だった場所。
斜面に造られております。
むこうにニョキっと突き出てる部分が隧道です。
この様に緑の中にあるのです。 -
ちょっと暑いので。
100メートルギャラリーの中へ。
正式には「夏至光遥拝100メートルギャラリー」
ここは夏至の日の出の時に太陽がこのギャラリーを抜ける様に造られております。
そして海抜100メートルの位置に100メートルの長さを造られたそうです。
こちらには杉本博司さんが撮影された海景シリーズが展示されておりますが。
なんだろうね、やっぱり本物の写真を見ると自分が撮っている写真なんて一眼レフなんて使わなくて携帯カメラでも十分だなって思えて来ます。
言葉とか無しに、写真で語ってるって。
そういうショックと刺激を受けた100メートルギャラリー。
次は少し離れた所にある竹林へと向かいます。 -
竹林へ向かう途中。
隧道の入り口を発見!!!
今は人のシルエットが見えちゃってますが。
冬至の日はこの隧道の向こうに太陽が見える筈です!
故に、めっちゃ混む場所らしいです -
隧道入り口にある円形石舞台
ここは京都市電の敷石を放射状に組み合わせてます。 -
隧道に入り。
ちょうど真ん中位に井戸があります。
採光の為の穴から光が差し込む訳ですが。
「光り井戸」となっているこの井戸の中には。
また贅沢に砕かれた光学硝子が敷き詰められておりました。
そして、写っておりませんがこの井戸も室町時代の物。 -
この塀は土を固めて作る版築と言う工法だそうで、訪れた事は無いのですが法隆寺の塀もこれと同じ物が現存してるみたいですね。
-
雨聴天(うちょうてん)と言う茶室がありますので。
そちら方向へ -
もうね、何やってんだよ俺!!って思える位に悔しいのですが。
この茶室が「雨聴天」で。
ここの軒がトタンで造られて居るのです。
もともと、ここはみかん畑と書きましたが。
その時にあったみかん小屋のトタン屋根を再利用して。
そのトタンに当たる雨の音を聴く為に
「雨聴天」と言う名前にしたそうですが。
実は雨樋がなくて、トタンに当たる雨の音よりも屋根を伝った雨が地に落ちる音が大きくて、トタンの音が聞こえにくいって聞きました笑
何やってんだよって言うのは、そのトタン屋根の写真を撮って居なかったんです -
茶室の踏み石ですが。
なんと、これも光学硝子。
しかもヒビが入ってしまったものを敢えて使っているらしいですが。
もうね、表面の波と言い真ん中に入っているヒビと言い、生き物ですよこれは!! -
ちょっと寄り道をしましたが。
これでも竹林方面へ向かっております。
そして。。
今でもまだ進化していると言うか、これから造られる部分も多くあるそうで。
竹林も最近開放されたみたいです。
見えて居るのは竹林への道と100メートルギャラリー -
竹林は小道を進んで行きます。
今回、戴いたパンフレットを見ないで。
知識よりも自分の五感で楽しもうと思ったのです。
それで帰宅してからパンフレットを見てみると。
なんと、竹林へ行く道にも様々な展示物が有った事をしる笑
でも良いのです!
また行く口実でもあるし、敢えて説明文を掲示されていない杉本博司さんの気持ちを組んで。 -
竹林地区に、もともとミカン畑にあった道具小屋がそのまま残されてる場所があります。
そこは化石窟となってて、収集された化石が古き道具と共に展示されている面白い空間。 -
古い小屋なので空調もありません。
虫もガンガン飛んでおります。
それが良いのです!! -
麦わら帽子とか、ヤカンとか壁にかけられてました。
実際に使われていた、みかん畑独特の道具も有るので。
探してみたら如何でしょうか。
僕は分かりませんでしたが笑 -
竹林の中にあるオブジェ
平均曲率が0でない定数となる回転面。
ってパンフレットに書かれてますが、最初から最後まで全くわかりません!!!笑 -
日陰によって少しだけ涼を得る事が出来ましたよ。
-
竹林を一周すると先程の道具小屋に戻ってきます。
そこにあったドライミルクの缶。
多分、いや絶対にこの缶て見たことある!
なんだか懐かしいとか思っちゃいました。
ちなみに、最初に説明を受けますが。
竹林方面は多少離れているので、ここだけで30分は余裕で使っちゃいます。
見学時間は多くて2時間半なので、行かれる時は時間を見て行かれた方が良いですね。 -
みかん畑の名残が残ってる!!
これモノレールって言うの?
一本のレールの上を跨いでるやつ! -
ここ、ガチでミツバチの巣がありました!
中央右の木の中に巣がありました。
わたくし。。。おそるおそる写真を撮りました笑 -
再び戻ってきたぁ!
隧道が上の方に見える~~ -
光学硝子舞台
この組み方を見てると、京都に行きたい!!!って思ってしますのです。 -
円形劇場
ここで帰宅のバスの1便の出発時間が来ました。
バスは45分間隔で出ております。
暑いけどまだ帰りたくない。
そう思って1便は見送り。
根府川駅への帰宅のバスは特に時間の指定をしないで大丈夫です。
発車時刻にバス乗り場に行けばOK。 -
ちょうどフィルムが切れたので。
モノクロにしました。
水平線と止め石
これだけ見晴らしが良いのに人が居ない。
いえ、見学されてる方はいらっしゃるのですが。
密集率の低さ、これって相当重要だと思います。 -
隧道の中の井戸。
-
この塀は明月門の脇に有るものですが。
竹で造られてます。
この塀を作れる職人がもう少ないらしいですね。 -
根府川は小田原と熱海の間にあります。
実は12時頃までしかこちらに居る事は出来ないので。
帰りがけに熱海か小田原で海鮮モノを戴いて行こうと思っておりました。
根府川駅に到着して、最初にきた列車(熱海行きか東京方面行き)その最初に来た列車に乗ってどちらかに行こうと思っておりましたが。
想像以上の猛暑にやられて。
海鮮モノよりも帰宅してシャワーだ!
って思ってしまった円蔵は最初に来た東京方面行きに乗って。
帰宅してしまいました。
季節が落ち着いたら必ず再訪しようと思います!!
かなり、かなりオススメです。
では!!!
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