2019/05/15 - 2019/05/18
454位(同エリア898件中)
ちゃおさん
徳島日和佐にある医王山薬王寺。全くその名の通り、ここは厄除け、薬師如来を祀るお寺である。大きな多宝塔は町のどこからでも眺められ、それは海から帰ってきた漁船員が日和佐の港に入った途端に目に飛び込むものだろう。赤と白、二色に塗られた多宝塔は、高野山にある同様のものと同じくらいに大きく、印象的だ。その多宝塔は本堂の横手にあり、ここでは瑜祇塔(ゆぎ)と呼ばれている。その意味する処は、胎蔵界、金剛界の両界曼荼羅を解説する瑜祇経によるものと言われ、この御堂の中は胎内くぐりができるとのことだが、今日は時間がなくて、オミットされた。
この寺の歴史も古く、行基の開基とされていて(行基は八十八ケ寺の多くを開基した)、弘法大師との所縁も深く、歴代天皇はこの寺に勅使を派遣して厄除け祈願をし、土御門上皇などは自ら参詣に訪れたという。それはこの直前の承久年間、鎌倉親政に反対する朝廷方が幕府転覆の乱を起こし、乱は惜しくも敗れ、その時の三上皇はそれぞれ遠島になり(後鳥羽上皇は隠岐の島、順徳上皇は佐渡島)、土御門上皇もこの地、阿波に遠流された一環の中での出来事だったと思われる。
この寺は又四国八十八景にも選ばれていて、確かに高台にあるお寺の境内から眺める阿波の海と日和佐の港は風光明媚であり、同行の参詣者も皆、見とれていた。以前来た時は、前方の小山に見える日和佐城まで行ってみようと、車を途中まで走らせたが、いずれ行ってもそれは現代の観光城、行っても意味はないかと途中で引き返し、徳島へ向かって北上したが、今は勿論そんな時間も無く、先刻やって来たバイパスのトンネルを再び通り抜け、阿南に出て、更にその先小松島にやってきて、その郊外にある恩山寺に向かった。今日の札所、打ち止めのお寺だ。
- 旅行の満足度
- 5.0
PR
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
ちゃおさんの関連旅行記
徳島市(徳島) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
6