2019/04/07 - 2019/04/07
7位(同エリア102件中)
かっちんさん
片上鉄道(かたかみてつどう)は、岡山県備前市の片上駅と久米郡柵原町(現美咲町)の柵原駅(やなはらえき)33.8kmを結んでいた同和鉱業(現:DOWAホールディングス)の鉄道路線です。
柵原鉱山で産出される硫化鉄鉱を瀬戸内海の片上港まで輸送する目的で建設され、吉井川の川舟(高瀬舟)に代わるものでした。
昭和6年(1931)に全線が開通し、鉱石輸送だけでなく、戦前生まれの元国鉄の旧型気動車による旅客営業も行われ、平成3年(1991)まで営業していました。
鉄道廃止後は、吉ヶ原駅(きちがはらえき)周辺に「柵原ふれあい鉱山公園」が設けられ、使われていた車両が動態保存されています。
平成4年(1992)、有志により「片上鉄道保存会」が設立され、鉄道遺産と呼べる動態保存車両の保守・管理と、軌道・保安設備などの整備を行っています。
毎月第1日曜日には車両の展示運転が行われ、体験乗車ができます。
吉ヶ原のある岡山県久米郡美咲町は、11年前に始めた「卵かけご飯」が町のヒットとなり、「卵」のことを大切な地域の宝である「子ども」に例えています。
2019年3月10日には、「リレー方式で卵をパスした最多人数」を競う競技で、「ギネス世界記録 353人」を達成しました。
生卵をスプーンで運んでいく競技が、町民の一致団結力をさらに高めたと言えます。
今日は展示運転される4月第1日曜日(4/7)。津山駅から中鉄北部バスに乗り「吉ヶ原」へ向かいます。
訪れた日は満開となった桜並木を走る片上鉄道を見ることができました。
名物の「卵かけご飯」は近くにある店「らん」でいただきました。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・片上鉄道保存会HP「自己紹介」「展示運転のご案内」「保存車両図鑑」「黄福柵原駅 開業日の記録」
・ウィキペディア「同和鉱業片上鉄道」
・保存車めぐりの記録「美咲、クモハ73-383 旧吉ヶ原駅前」
・たまごかけごはんの店~らん~柵原店のHP
・MISAKI YELLOW HAPPY PROJECT「たまごで町おこし」
・美咲町産業観光課「美咲町初 ギネス世界記録を更新」
・未確認”鉄道”研究室「運賃の推移と比較、付表-2:国鉄の運賃の推移」
- 旅行の満足度
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
片鉄ロマン街道
「片鉄ロマン街道」は片上鉄道の廃線跡を利用した片上から吉ヶ原まで約34kmのサイクリングロードです。 -
片上鉄道沿線図
片上鉄道は、赤穂線西片上駅近くの片上から、山陽本線和気(わけ)を経由し、吉井川沿いに吉ヶ原(きちがはら)、柵原(やなはら)までの路線でした。 -
高下行きのバス(津山駅)
津山駅前から吉ヶ原へ向かう路線バスは、昼から夕方にかけて5本だけ。
これから、11:50発の高下(こうげ)行きに乗ります。 -
吉井川
バスは吉井川沿いを走ります。 -
吉ヶ原上之町バス停
昼食をとるため、吉ヶ原の入口でバスを下車します。
津山駅から30分ほどのところで、ここは岡山県久米郡美咲町吉ヶ原です。 -
たまごかけごはんの店「らん」
美咲町出身で明治時代を代表するジャーナリスト岸田吟香が「たまごかけごはん」を愛好し日本に広めた説があることと、町内に西日本最大級の養鶏場があることから、「たまごかけごはん」の町おこしが始まりました。
「らん」の営業日は土日・祝日の11:00~17:00。元祖「食堂かめっち」の姉妹店です。
今日は片上鉄道の展示運転日なので、店内は混みあってます。 -
卵かけごはん(らん)
本来、「卵かけごはん定食(600円)」には、黄ニラ水餃子も付いているのですが、すでに売り切れ。
卵かけごはん、味噌汁、漬物のセットを450円で食べさせてもらいます。
新鮮で濃厚なうみたて卵をかき混ぜて熱々ごはんにかけ、5種類のたれを少しづつかけて味わいます。 -
5種類のたれ(らん)
タレは、黄にら、しそ、ねぎ、ごま、海苔など。
5種類のたれを卵かけごはんにかけた味を楽しみました。 -
吉ヶ原の町並み
卵かけご飯に満足し、「柵原ふれあい鉱山公園」へ向かいます。
この辺りは、なまこ壁と蔵飾りの残る町並みが少しだけあります。 -
蔵飾りのこて絵(吉ヶ原)
漆喰で作られたレリーフの「こて絵」。 -
漆喰壁のこて絵(吉ヶ原)
立身出世の「鯉の滝登り」ですね。 -
サイクリング(吉ヶ原)
「片鉄ロマン街道」を走ってきた若者たち。
では、黄福柵原(こうふくやなはら)駅付近から「柵原ふれあい鉱山公園」に入ります。 -
桜の咲く軌道を軽快に走る気動車(展示運転区間)
気動車は昭和27年(1952)10月に片上鉄道に入線した「キハ303」。
昭和31年(1956)にはディーゼル化。43年(1968)に液体変速機が取り付けられるまで、ギヤチェンジしながら走っていました。
もともとは、昭和9年(1934)川崎車輌でガソリンカーとして製造された「旧国鉄最初の量産型内燃動車 キハ41071」です。 -
黄福柵原駅が終点(展示運転区間)
動態保存車両の展示運転は、「柵原ふれあい鉱山公園」内にある「吉ヶ原駅」と「黄福柵原駅」間、約400mを往復しています。
以前は黄福柵原駅の130m手前に折り返し地点があったのですが、線路を延伸し平成26年11月2日に黄福柵原駅が新駅として開業しました。
黄福柵原駅を命名したのは柵原小学校の生徒たち。美咲町の町おこし「黄福物語」と、かつての片上鉄道の終点「柵原駅」にちなんだ駅名です。
柵原駅は、黄福柵原駅より約1km先にありました。 -
流線形のキハ702(黄福柵原駅)
キハ702は、昭和11年(1936)川崎車輌で製造された国鉄の量産型大型気動車、キハ07形(キハ075)です。
客貨分離の目的で昭和42年(1967)に国鉄から購入。
20mの長い車体に、3つの扉を持ち、ラッシュ時には輸送力を発揮しました。
正面6枚窓の美しい流線形と洗練された容姿です。 -
「片鉄 こんにちは令和号 2019」(黄福柵原駅)
前面に新元号のヘッドマークを取り付けています。 -
手こぎ列車(黄福柵原駅)
子どもたちはこちらの車両に興味がありますね。 -
満開の桜並木を走る気動車(展示運転区間)
列車は黄福柵原駅から吉ヶ原駅に戻ります。 -
通り過ぎると・・・(展示運転区間)
後面は「片鉄 さようなら平成号 2019」。
改元を直前に控えた新旧ヘッドマークです。 -
吉ヶ原駅に停車する昭和の車両たち
大勢の見学者が訪れています。
左側のディーゼル機関車はDD13-551は、旧国鉄の入替用機関車を本線重量貨物用に設計変更して、昭和40年(1970)に日本車輌で新しく製造されました。
計5両が導入され、それまでのSLが全廃されました。 -
踏切小屋(展示運転区間)
踏切には踏切警手(踏切保安係)が常駐し、列車が近づくと遮断機を手動で下げます。 -
踏切警手(展示運転区間)
踏切警手は、遮断機の上げ下げと、遮断機が下りたことを白っぽい手旗(フライキ)を振って列車の運転士に合図します。
今では自動化による無人踏切が増え、有人踏切は珍しい光景です。 -
懐かしい国電73系(吉ヶ原駅前)
この車両は昭和59年に広島県の可部線を引退後、広島市の模型店で展示されていたもので、店主が亡くなったことで遺族が処分を検討、それを聞きつけたファンにより引き取られ、仮置きされています。
前面の顔だけですが、貴重な車両です。 -
尖がり屋根の駅舎(吉ヶ原駅)
昭和6年開業時からの吉ヶ原駅舎は、国の登録有形文化財に指定されています。 -
イチオシ
旅情たっぷりの駅(吉ヶ原駅)
客車は、昭和22年に日本車輌で製造された国鉄の代表的な旧型客車として有名なオハ35形(オハ351227)を、昭和56年(1981)に購入し改造した「ホハフ3002」です。 -
乗客で満員の展示運転列車(吉ヶ原駅)
13:08発は黄福柵原駅手前にある「本線折り返し」行きです。
片上鉄道保存会の1日会員(300円)になれば、展示運転列車に何度でも乗車できます。 -
イチオシ
前方よ~し、出発進行(展示運転区間)
踏切が閉まり、令和号が桜に染まる軌道を走ります。 -
石造りの改札口(吉ヶ原駅舎)
では、駅舎内部を見学します。 -
展示運転列車の時刻表(吉ヶ原駅舎)
10:00~15:00まで30分間隔で運転します。 -
昭和40年代の旅客運賃表(吉ヶ原駅舎)
片上鉄道「美作飯岡駅」からの運賃表で、片上鉄道線内の運賃と和気から国鉄連絡の運賃が記載されています。
片上鉄道線内の最低運賃が30円。
年代を推定してみると昭和44~49年のいずれかと思えます。
和気から隣の熊山までの国鉄運賃を計算してみると30円(熊山までの運賃120円から、和気までの片上鉄道分90円を引き算)。和気から熊山間のキロ程は現在も同じとして4.6km。
国鉄運賃が30円だった時代を調べてみると、昭和44年5月10日(1969)改定で1~5km区間、昭和49年(1974)10月1日改定で1~3km区間になった経緯があり、ここから年代を推定しました。 -
広いテーブルのある出札口(吉ヶ原駅舎)
現在は1日会員券(300円)を発売しています。 -
手荷物小荷物取扱所(吉ヶ原駅舎)
宅急便がなかった昔の有人駅には鉄道で荷物を送る取扱所がありました。 -
さっきの列車が戻ってきました(吉ヶ原駅)
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キハ303の2段式窓(吉ヶ原駅)
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キハ303の運転台(吉ヶ原駅)
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車庫には大きな2枚窓の気動車(吉ヶ原駅)
昭和28年(1953)宇都宮車輌で新製された、自社発注の気動車キハ312。
基本設計は国鉄キハ41000形に準じていますが、すっきりした外観の張り上げ屋根、乗務員室扉の設置、そして正面の大きな2枚窓など、随所にオリジナルの要素が加えられています。
当初は機械式変速のガソリンカーでしたが、キハ303と同様の改造を受けました。 -
今も現役のような鉄道の駅(吉ヶ原駅)
美咲町と片上鉄道保存会の活動により保存・維持されています。 -
イチオシ
発車を待つ昭和の気動車(吉ヶ原駅)
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イチオシ
ポツンと佇む小さな踏切小屋(展示運転区間)
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踏切の作業(展示運転区間)
ハンドルを何回も回し、ワイヤーで連動した遮断機を下ろしています。 -
旗を振り列車に遮断機閉の合図(展示運転区間)
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エンジン音を響かせ走行(展示運転区間)
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ちらほらと花吹雪・・・(展示運転区間)
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吉ヶ原駅構内
列車が吉ヶ原駅に戻ってきました。 -
竪坑櫓のレプリカ(柵原ふれあい鉱山公園)
柵原鉱山の鉱石採掘の資材の揚げ降ろしと人員昇降を担ってきた藤原人材竪坑設備のレプリカです。 -
力強い軌陸車(黄福柵原駅)
軌道(線路)と道路の両方を走ることのできる軌陸車(きりくしゃ)。
軌道の上を走るときは車輪を下ろし、保線作業が行えます。 -
イルカのような顔付きのキハ702(黄福柵原駅)
今日は展示運転の出番が無いようです。 -
桜並木を走るキハ303(展示運転区間)
ヘッドマークは「ふるさと」に変わっています。 -
イチオシ
ややっ、タブレットの引き渡し(本線折り返し地点)
折り返し地点で引き返すとき、信号掛からタブレットを受け取ります。
列車が2本同時に走ることはないのですが、本格的な運用です。 -
最終列車は2両連結(展示運転区間)
キハ303とキハ702です。
これは予想外の出来事です。 -
なぜか逆戻り(展示運転区間)
2両連結の列車は途中で停車し、キハ702を先頭にして後進します。
今日は出番が無かったので、運転の調子を確認しているようです。 -
出目金みたいなキハ702(展示運転区間)
下から見上げると、愛嬌のある顔立ちです。 -
次はポイントの切り替え(展示運転区間)
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今日の最終列車が前進(展示運転区間)
吉ヶ原駅へ向かって動き出します。 -
イチオシ
動態保存車両が勢揃いした吉ヶ原駅構内
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ドアが3つある気動車(吉ヶ原駅)
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気動車3両が仲良く車庫へ(吉ヶ原駅)
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吉ヶ原駅前のバス停
本日の展示運転は無事終了し、15:54発のバスで津山へ帰ります。
帰りのバスはなぜか満席。午前中に岡山方面からやって来た見学者も乗っています。
片上鉄道はかっちんの現役時代に訪れたことが無かったのですが、国鉄時代初期の気動車たちが美咲町と保存会の皆さんにより守られていることに感動しました。
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この旅行記へのコメント (3)
-
- 横浜臨海公園さん 2019/06/16 11:45:54
- 運賃表
- かっちんさま、こんにちは。
旅行記を拝見させて頂きました。
片上鉄道は廃止後も地元から愛され、保存に向けて努力されている姿勢は頭が下がる思いがします。
さて、乗車券の運賃表ですが、小生の考えでは、昭和46年(1971年)運賃改定以降の表記だと思います。
その根拠となるものとして、横浜市内着の表示が見られますが、横浜、京都、神戸、札幌は、昭和46年(1971年)運賃改定時に市内制度が導入され、それ迄、201km以上は、横浜・新横浜間表記だった券面が横浜市内に変更(事実上は戦争中の廃止の復活)されましたので、たぶん、昭和46年(1971年)~昭和49年(1974年)の間の物と考えて良いと思います。
横浜臨海公園
- かっちんさん からの返信 2019/06/16 21:26:59
- Re: 運賃表
- 横浜臨海公園さま
こんばんは。
横浜市内に着目したことで、さらに年度が狭まりました。
豊富な知識を組み合わせると、解析力がアップしますね。
横浜臨海公園さんからコメントが来るなと予想していました。
ありがとうございます。
かっちん
- 横浜臨海公園さん からの返信 2019/06/17 11:53:57
- 運賃表
- かっちんさま、こんにちは。
更に運賃表の仔細を拝見した処、広島は昭和47年(1972年)9月の運賃改定時に北九州などと共に市内制度が導入され、当該運賃表には市内となっていない事から、更に期間が狭められるのではないかと思いました。
因みに、距離通算は、国鉄私鉄通しです。
横浜臨海公園
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