ブータン'19②～ブムタンの寺院群

2019/04/27 - 2019/05/05

2019年の改元に伴う10連休の超大型連休は、アジアの国をひとつひとつ巡っていきたいという私の志向と、以前から行きたかったという妻の希望を結びつけて、ブータンを訪れることにしました。　

公定料金制度という独特の価格設定や、ガイド、ドライバーと常に同伴して観光するという旅行規則など、ブータン観光には他の国では見られない独自のルールが存在します。そのため、普段のアジア周遊とは相当趣きの異なる旅行となりました。そういった特殊性にも触れつつ、GWの８泊９日におよぶブータン観光の旅行記を、４回にわたってまとめていきたいと思います。

２回目はパロから国内線で移動したブムタン地方の観光について書いていきます。

　4月27日(土)15:00関空→19:05バンコク/ドンムアン
　　　　　　 タイライオンエアー、バンコク泊
　4月28日(日)06:50バンコク/スワンナプーム→08:50パロ
　　　　　　 Druk Air、ティンプー観光、ティンプー泊
※4月29日(月)10:20パロ→10:55ブムタン、Druk Air
　　　　　　 ブムタン観光、ブムタン泊
※4月30日(火)ブムタン観光、トンサ泊
　5月01日(水)トンサ観光、プナカ泊
　5月02日(木)プナカ観光、パロ泊
　5月03日(金)パロ観光、パロ泊
　5月04日(土)11:00パロ→15:10バンコク/スワンナプーム
　　　　　　 Druk Air、バンコク泊
　5月05日(日)05:55バンコク/ドンムアン→13:45関空
　　　　　　 タイライオンエアー

※１ドル＝113.5円で、計算しています。
※１バーツ＝3.8円で、計算しています。
※１ニュルタム＝1.7円で、計算しています。

ブータン'19①～バンコク経由でティンプーへ
https://4travel.jp/travelogue/11493906
ブータン'19②～ブムタンの寺院群
https://4travel.jp/travelogue/11496959
ブータン'19③～トンサ・ゾンとプナカ・ゾン
https://4travel.jp/travelogue/11499216
ブータン'19④～タクツァン僧院とブータン旅行の値段
https://4travel.jp/travelogue/11501006

エリア ブムタン地方周辺(ブータン)

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: レンタカー 徒歩
• 旅行の手配内容: その他

３日目。
朝食後、パロ空港に向かいました。飛行機で、ブータン西部のパロから中部のブムタン地方に飛ぶことになっています。ブムタンには古い寺院が多くあるということから、妻の希望で、国内線で移動するスケジュールを組むことになりました。

ホテル プンツォ ペルリ ホテル

飛行機での移動となるため、昨日からのガイド、ドライバーとは空港でお別れしました。

パロ空港 (PBH) 空港

パロからブムタンまでは車だと９時間かかるそうですが、飛行機だと30分で済みます。この短いフライトのうちに、白い雲のすきまから、かすかにヒマラヤ山脈が見えました。

小さな飛行機がブムタンの空港に着きました。首都ティンプーですら地方都市といった趣きだったのですが、実際の地方都市であるブムタンは本当にゆったりとした田舎でした。

奥の建物が空港のターミナルです。ターミナルという言葉が適切なのかという感じですが、X線検査装置などがきちんと置かれていました。多くのアジアの空港に行ったなかでも、もっとも鄙びた空港だと思います。

空港では新たなガイドとドライバーに出迎えられました。昨日にティンプーを発って、車でブムタンまでやってきたそうです。ガイドさんは、若い女性です。夫婦揃って、美人だという感想で一致しました。ドライバー君は少しやんちゃな感じの30代の青年でした。今後５日間にわたって、この２人と一緒にブータンを旅することになります。滞在期間中、ずっとガイド、ドライバーと行動を共にする。ブータン旅行の大きな特徴ですね。

写真は、ブムタン最初の観光地、空港近くのケンチョスム・ラカンです。

ケンチョスムラカン 寺院・教会

ガイドさんとドライバー君には、国内線でブムタンに向かうプランを選ぶ旅行者は珍しいと言われました。

次に、タムシン・ゴンパ。(表記はガイドブックに従います。以下同。)

タムシン ラカン 寺院・教会

古い壁画が、有名だそうです。

こういう穏やかな景色の中を、車は走っていきます。

クジェ・ラカン。ブムタンを代表する名刹、といっていいのだと思います。

クジェ ラカン 寺院・教会

表紙写真もクジェ・ラカンから、です。

牧歌的、ですね。

そういう田園風景のなか、一軒家に入っていきます。昼食をここで食べます。

ブータン家庭料理。４人で一緒に食べましたが、まだ関係がぎこちなく、そんなに会話が続きません。ちなみに、我々はほぼ英会話ができないのですが、予算の関係で、英語ガイドを選んでいます。この先、ガイドさんとドライバー君に、我々の幼稚な片言英語を我慢強く付き合ってもらうという形で、コミュニケーションが図られることになります。

ブータンの焼酎、アラを飲みました。何杯かおかわりをしたので酒が好きだと思われたようです。この先も、酒を勧められる機会が多くありました。

食事をした一軒家が丘の上にあり、次の目的地であるジャンパ・ラカンの全景が見えました。

ジャンベ ラカン 寺院・教会

ジャンパ・ラカン。

ガイドさんは仏教徒です。行く先々の寺院で参拝し、マニ車を回します。民族衣装のキラが様になっています。

続いて、ワンデュ・チョリン御殿。一部、工事中でした。

ワンデュ チョリン御殿 城・宮殿

改装中なのですが、古い色合いのくすみに味わいがあります。

そして、ジャカル・ゾン。ブムタン地方のゾンです。

ジャカル ゾン 城・宮殿

ガイドさんはゾンに入るときに、たすきのような布をかけて正装します。ラチュというそうです。

ガイドさんはなるべくわかりやすく解説をしようとして、できるだけゆっくりと英語をしゃべってくれます。私はそれでもあまり理解できなかったのですが、妻は頑張って聞き取ろうとしていました。

寺院観光が終わり、ビール工場に向かいました。ブムタンではレッドパンダという銘柄のビールを作っています。ジャガイモの産地でもあるので、手製のポテトチップをつまみに、冷たい地ビールを飲みました。この濃厚なビール、非常においしかったです。なお、旅行会社に支払った旅行代金に含まれていたのか、ビール代金は請求されませんでした。

ブムタン ブルワリー 観光名所

ブムタン地方の繁華街・チャムカルです。商店街らしきものを見て、さすがに街があるのだなと、ほっとしたものでした。

繁華街を見下ろす高台にあるミハム・ゲストハウス。本日の客は、我々2人だけでした。

部屋の広さは、十分。４月下旬ですが、少し肌寒いので暖房がついています。

夕食。なんとなく、毎回同じようなものがでてくるなあという気分になってきています。

４日目。
朝食。実は起床後、水道管の故障により水道が使えなくなっていました。これがブータンの地方都市かと焦りましたが、同時に、そういうところに来たのだと思わないといけないのだろうとも覚悟しました。ただ、さすがに、ライフラインに問題が発生したのはこの時だけでした。

宿泊しているミハム・ゲストハウスのすぐ上が、ロダク・カルチュ・ゴンパという寺院だったので、朝食後の空き時間に観光に行ってきました。

ロダク カルチュ ダツァン 寺院・教会

かなり広い寺院でした。

ロダク・カルチュ・ゴンパからは、商店街のチャムカルを見下ろすことができました。

本日の観光のスタートです。まずは車で、キキ・ラを通りました。ラとは、峠を意味します。

ちなみに、観光ルートはおおよその訪問場所をメールで事前に決めていて、さらに行きたい場所があれば、当日にガイドさんに依頼することにしていました。訪問希望地は「地球の歩き方」に載っている寺院をピックアップしただけなのですが、我々が思っていた以上に、ブムタン地方のページには観光地としてマイナーな寺院が載っていたようで、この日のドライバー君は、寺院までの行き方を道行く地元民に聞いていくということを何度も繰り返すことになりました。

寺院観光の前に、織物の土産物屋さんに立ち寄りました。

ソクメド イーシェ ハンディクラフト 専門店

織物作業も見学できます。

最初の寺院のズンゲ・ラカン。どこにあるのかと迷った挙句、土産物屋のすぐ隣にあったのでした。

続いて、これまた行くのに迷ったタカル・ナクツァン。何人かに行き先を尋ねてようやく道を見つけられたので、車を降りてガイドさんに従ってつり橋を渡ります。

タカル・ナクツァン。中には入れませんでした。

タカル ナクツァン 建造物

ガイドさんはティンプー在住で、ブムタンの織物を土産に買って帰りたいということで、先ほどの土産物屋に戻りました。ガイドさんに触発され、妻も織物を買います。カード払いが可能でした。織物という共通の趣味もあり、あまり言葉が通じないものの、妻とガイドさんは、女性同、だんだん仲良くなっていきます。

ソクメド イーシェ ハンディクラフト 専門店

続いて、ニマルン・ダツァン。この寺も道が分かりにくかったです。

ニンマルン ダツァン 寺院・教会

人里離れた山奥というイメージの立地でしたが、立派な建物が立っていました。

続いて、パンテ・ゴンパ。

この日に訪れた観光地は、ガイドさんも初めて行く寺院があったようで、後学のためにスマホで撮影していることもありました。ブムタン地方で訪れた寺院の多くは、観光客がほとんどいない静かな寺院でした。

昼食です。客は我々だけでした。

ブムタンは今回の訪問地の中でも、首都ティンプーから一番離れていました。この先、車はルートを西に取り、少しづつ都会に戻っていきます。後から振り返ってみると、都市部から遠く離れたブムタンがもっとも静寂な地域でした。ブータンのイメージに合致する静けさと、古い寺院を求めるのであれば、観光ルートにブムタンを含めてみるのもよいのかもしれません。ただし、国内線を利用すると追加料金がかかることになりますが。

車はブムタンを西進し、トンサに着きました。博物館見学をする予定だったのですが、開館時間に間に合わず、翌日まわしとなってしまいました。

トンサ国立博物館（タ ゾン） 博物館・美術館・ギャラリー

博物館に入れなかったためか、ガイドさんから、トンサの街でアラを飲まないかと誘われました。当然、喜んでついていきます。

この日のアラは卵入りでした。日本の卵酒をイメージすれば間違いないかと思います。酒のつまみもあったので、結構飲みました。たどたどしい英語ではあるものの、いろいろと会話もできました。この店では、酒はコミュニケーションの手段として役に立つものだなあと実感したものです。

トンサのホテルは、博物館からもほど近いヤンキル・リゾートです。ブータンでは合計５つのホテルに泊まったのですが、フリーwifiが機能してくれたのはここだけでした。ブータンで確実にネット環境を確保したいのであれば、有料でレンタルwifiを用意する必要があるようです。私はメールチェックのためノートパソコンを持参していたのですが、ほぼ無用の長物と化していました。

また、ブータンは標高が高かったため、ちょっとしたことで息苦しくなり、高山病っぽい気分に陥ったことが何度かあったということを付記して、次回に続きます。