2017/05/17 - 2017/05/17
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Muffinさん
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千葉県印西市を中心に里山の自然観察、歴史探訪活動をしている印西ウェットランドガイドの里山散策会に参加してきました。
長かった海外赴任生活を終えて日本で何をしたいかといえば、自由に自然の中を歩き回ることが一番で、この散策会はまさにぴったり!
花や鳥などに詳しいメンバーの方々に教えていただきながら、小学生が初めて見るものに感動するのと同じ気持ちで充実した1日でした。
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本日の散策会 地図
千葉県北総部、利根川・手賀沼の南に位置する印西市。東京都の境の江戸川と成田のちょうど中間点ぐらいですが、風景の様子や生活圏は成田に近いような気がします。 -
本日の散策会 地図 拡大
往路:
羽田から直通の成田スカイアクセス線が通る北総線の千葉ニュータウン中央駅に集合。
ニュータウン地区から在来地区の浦部谷津田の田園地帯を歩いて、昔ながらの印西の中心地、JR成田線 木下駅や手賀沼に近い松山下公園を目指します。
復路:
古い歴史を持つ宝珠院観音堂(光堂)と泉倉寺を見学、在来地区を通ってニュータウンへ。
旅行記中に出てきた市内の地名は緑色の文字で表記されています。
全行程 6時間 12km -
9:30 北総線千葉ニュータウン中央駅 集合
メンバーの方がフィールドスコープをセットして待っていました。
夕方になると駅周辺の街路樹には数百と思える鳥の鳴き声が聞こえてきますが、何の鳥なのかそれまで知りませんでした。
スコープの中には高層マンションの高いところにとまっている小鳥がはっきりと見えました。ヒヨドリだったか、メジロだったか…。
みなさん、年配の方々ですが元気いっぱいです。
この重いスコープを三脚付きで担いでこれからの12kmを歩き続けたり、長いレンズを付けたカメラを抱えたり、走り回って虫取り網を巧みにさばいたりしていました。千葉ニュータウン中央駅 駅
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10:00 出発
コースの概要の説明と準備体操を終えて出発!
総勢30名ほどで、半分ぐらいは団体のメンバーさん達です。
歩きながらお話ししていてわかりましたが、散策好きでもそれぞれ好きな分野は違っていて、虫好きな人、花好きな人、鳥好きな人、地層好きの段サー、双眼狂、郷土史好き…etc. 現役時代は教鞭を執っていた方も多く、各分野のエキスパートです。
歩きながら何か珍しいものが見つかるとそれぞれの講義が始まる贅沢な時間。そして自由で楽しいグループでした。
街路樹はケヤキとカシの木。その違いも知らなかったなぁ。 -
ピンクの小花のシロツメグサ?
?今まで気にもとめていなかったけど可愛いじゃないか! -
駅北口のマンション群の中を通る遊歩道
外側を車で通り過ぎることはあっても、こんな小径があるなんて気がつかなかった。
多くの人が住んでいるのに意外と静かで、緑たっぷりです。 -
遊歩道は地下道になっているところもありました
近隣の小学生が描いたカラフルな地下道。
手賀沼水系の川を覆った車道との中間にさらに遊歩道ができていて、所々こういったアップダウンの道なりになっています。
なにげない道の高低差にも訳がある…地学の先生だった段サーメンバーのおかげです。 -
新興住宅街の中の公園に大きな調整池がありました
ニュータウン建設計画の初めから保存が決められていたそうで、手賀沼水系の池です。利根川から木下方面へ通っています。
アヒルのようなダミ声の鳥の鳴き声が聞こえてきました。姿は見えませんがオオヨシキリだそうです。ウグイスの仲間で姿を間違えられやすいが、口の中が赤いと。
口の中が見えるぐらい近くで見てみたいな。 -
遊歩道脇のヤマモモ
少しだけ白い花を残している。 -
虫博士が目ざとくヒロウドハムシの幼虫を見つける
遠くから見れば保護色なのに、歩きながら「あの茎に…」「あの葉の裏に…」と見つけ出すのは、まるで”ウォーリーを探せ”のような凄技でした。
近くで見ると…いつもなら飛びのいてパニックになるところですが、意外と可愛い顔をしています。
どんな成虫になるのだろう?と調べても出てこなかったのですが、ハムシは甲虫のようです。 -
調整池を囲む、木刈 浦幡新田公園に入りました
公園内には房総で言い伝えられている龍伝説を象徴するものが散りばめられていました。 -
住宅街の普通の公園にも様々な植物が植えられているわけで…
ひとつひとつ説明を聞いたのに、メモを取っていないものは後から写真を見ても見当もつきません。これをきっかけに小さな植物図鑑を買いましたが、調べる手がかりのために植物の特徴を探すのも慣れないとなかなか難しいものです。
…というわけで、この木は何枚も写真があるのにちっとも名前が思い出せない。 -
シャリンバイ
公園花として珍しいものではないようですが、今まで気づいていたかな?
名前がいいじゃない! 車輪梅。
車輪のスポークのように分枝しています。大島紬の染料になるそうです。 -
青い実をつけたヒイラギナンテン
複数の樹木検索サイトでやっと辿り着いた!
冬になれば実は赤くなるかと思ったら、それはナンテンの方でした。 -
クワの赤い実
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エゴの木にエゴノネコアシアブラムシが卵を産み付けた虫こぶを見せてもらう
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白い花の中に黒い影のような実に見えるものが虫こぶの痕
エゴノネコアシアブラムシの卵を産み付けられたことでエゴの木の芽が変形してバナナの房のようなコブになります。春になって孵化したアブラムシが虫こぶを破って出てきた後のもの。 -
こんな水もなくジメッとしただけの土の上に数え切れないほどのクマムシやみじんこがいるらしい
乾いていても2ヶ月はじっとしていられるそう。
知らないで踏んでいたかも。どうなっちゃうのかな? -
公園内の調整池の形は龍の姿のよう
調整池の縁には虎・鷹…などの動物の名が付いた石碑が9体立っています。調整池の形が龍のようで、伝説の龍の体は目が馬、角が鹿というように9つの動物から象られているのでその部分に石碑が立っていました。
昔からこの地域には龍が降り立ったという伝説があり、地名や寺名に龍という字が入るところがいくつかあります。 -
在来地区に入る
公園を出てニュータウン木刈と在来地区の浦幡新田の境目。
以前はニュータウンと在来地区の境目は道を隔ててはっきりとわかりましたが、近年在来地区にも新しい住宅が広がって見た目の境界は曖昧になってきています。ここはまだ昔ながらの風景が残っていました。 -
ヒメウラナミジャノメ(蝶)
蛇の目模様の斑点があり、イネ科の植物の周りに集まってくる里山の象徴的な蝶。
実は子供の頃から虫が大の苦手で、捕まえるどころか側に飛んできただけで逃げ出す体たらくですが、こうしてじっくり(安全な位置で)見てみるとちょっと可愛いかも。紋付の羽織を着ているような…。
ささっと虫取り網を振って捕まえる虫博士たちのフットワークも見事ですが、瞬時に見極めてスラスラ名前が出てくるのもスゴイ!みなさんが見てから外に放しました。 -
台地を降りて田んぼに出る。浦幡新田。
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田んぼと里山の斜面の間に浦部川が流れる
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浦部「谷津田」
いろいろなところで「谷津」「谷津田」という地名がありますが、この日に地形的な意味がある言葉だと知りました。
”谷地にある田んぼ”という意味で、特に霞ヶ浦・北浦流域に1000箇所以上あるそうです。
谷に水田がありその真ん中には川が流れ、谷津田の入り口に集落がありました。谷を囲む雑木林のの上の台地は畑や草原。こちらでは昔は将軍家の馬の放牧場(ゆえに隣市にはJRA競馬学校があります)、現在はニュータウンが作られています。
水の循環に則った生活で、台地や斜面の雑木林の地下水がため池に蓄えられ、田んぼで利用され、川へ流れ込み、湖に流れる。また集落の人は山(里山)に入って落ち葉や間伐材などの資源を使うために定期的に手入れをしてきたので、独特な生態系が保たれてきました。
環境の変化が激しい現代で”里山観察”が大切であることがわかりました。 -
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田んぼの中を流れる浦部川
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振り返ると台地の上にニュータウン
先ほど歩いてきた公園のある住宅街が見えます。
田んぼの一番奥の1枚分は今でも残る鴨場です。今は鉄砲は使えませんが、江戸時代の最盛期は捕獲量全国1位を誇っていました。 -
みなさーん、ここにもいますよー
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シロシタホタルガの幼虫
おぉ、草間彌生 作のような…。
毛虫という呪縛から逃れられずブレブレですが美しかったです。 -
里山の雑木林
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ウシガエルが鳴いている
長い間おなじみの声だと思っていたら今話題の厄介な外来種でした。 -
田んぼと里山のへりを歩いていく
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トビがはるかかなたの空で舞っている
実際にもこのような豆粒のような影ですが、鳥博士は尾の形、回り方でびしっと見極めます。 -
このスコープ+三脚セットはかなり重いはず。担いだままで12km走破。すごいなぁ。
私は最近肩がきつくて一眼を首に下げるのすら断念しかけてます(笑)。 -
キンラン(金蘭)
ラン科キンラン属。可憐です。 -
?? メモがないと途端にわからなくなり…。可愛いと思って撮ったはずなのになぁ。
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今度はサシバが飛んでいました(豆粒以下です。でも鳥博士は「あれはサシバだ」と)
田んぼのカエルを狙って降りてくる里山の鳥ですが、近年は姿を見かけるのも難しくなっているようです。 -
田植え直後の頃
どういうわけか田植えから刈り込みまでの色が変わっていく田んぼをぼぉっと見るのが好きで、時々出かけて行っては眺めております。 -
カラスビシャク
柄杓の形をした茎が目立ちます。サトイモ科の芋の部分はつわりの生薬として使われるので、戦後直後は農家の現金収入源としてよく植えられていたそうです。 -
もうすぐ紫陽花の梅雨が来る
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ウグイスカズラの赤い身。ビーズみたい。
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ハンショウヅル
…音だけ聞いた時には意味がわからなかったけれど、後で調べてみれば「半鐘蔓」。
あぁ、なるほど。昔の人は小さな野の花にも風流だ。 -
そろそろお昼。先に見える松山下公演の野球場で1時間のお昼休みになります。
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振り返って、今まで歩いてきた台地の谷間の田んぼ
松山下公園 公園・植物園
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13:00 お昼ご飯を終えて午後の部をスタート
先に見える里山まで同じあぜ道を戻り、折れてV字に割れた里山の上を登っていきます。 -
あぜ道の脇に積み上げられた土には貝が混ざっている
この辺り一帯の木下貝層 * に含まれる化石で、道路整備の時にその貝層の土が持ってこられたものでした。
*この日初めてこの一帯は地学的に有名な貝層があることを知りました。JR成田線・木下駅近くの旧印旛高校跡の公園はよく保存されて見学しやすくなっています) -
行きにきたあぜ道を折れて、台地の上を目指します
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どこでも見かけるヒメジョオンも今日はなんとなく綺麗に見える
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イノシシがいそうだよね
実際にこの辺の畑は多大な被害を受けているようです。 -
あれっ?ちゃんと石段が整備されている!
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石段の上には宝珠院観音堂(光堂)
薄暗く苔むす森の中の小さな観音堂で、室町時代に建立された国の重要文化財です。
ご開帳は33年に一度。この日は堂内の見学ができました。
千葉県印西市小倉1138
http://www.city.inzai.lg.jp/0000004863.html -
観音杉
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由緒ある古刹で現在まで唯一残っている観音堂(光堂)
正面・側面とも三間の方形、茅葺き屋根、両開きの桟唐戸 *。内部は奥の内陣、手前の外陣の二重構造になっています。
*桟唐戸(さんからと):縦横に框を組み、間に薄い板を入れた扉。禅宗様、大仏様建築に用いられた。上部に装飾を入れたものが多い(コトバンクより) -
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小さな観音堂は4-5人はいるといっぱいになる
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両開きの桟唐戸
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茅葺き屋根
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見事な彫刻
堂には左甚五郎作といわれる竜の尻尾が欄間にあるという民話がありますが真偽のほどはわかりません。
外観は禅宗様らしく非常に質素な印象を受けましたが… ? -
内部は極彩色で、光堂の名前の由縁になっています
竜の尻尾があるという堂内。体は日光の東照宮にあり、秋の収穫の時に体がやってくるという言い伝え。 -
薄暗くてちょっと怖い感じだなと思ったら…
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昔、藁人形を打ち昔込んでいた釘の跡が残っていました
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泉倉寺
光堂を出て、近くにあるお寺に移動してきました。
元々は和泉村と小倉村であった地名をとって泉倉寺と名付けられたお寺です。
西に10kmほど離れた龍腹寺は元々ここにありましたが、小田原の北条氏に日本初の焼き討ちにされ(1507年)、のちに再建されて泉倉寺と改名されました。
江戸期に建てられた本堂は昭和40年代に改築されて堂々とした佇まい。光堂と同じ方形ですが、光堂の方が古いものです。
延命地蔵菩薩坐像は県の重要文化財で、上野寛永寺にあった井伊直弼の妻の時念仏が寄贈されたもの。天台宗では寛永寺に次ぐ地位があるお寺だそうです。
千葉県 印西市 和泉971
https://maruchiba.jp/sys/data/index/page/id/7327 -
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ご住職の急用でお話がなくなり、外からだけの参拝となりました
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小倉地区に残る道標
西:浦部村 13町20間(印西市浦部。散策してきた田んぼの辺り)
南:武西(印西市武西。千葉ニュータウン中央駅南側。東京電機大キャンパスの辺り)
戸神(印西市戸神。千葉ニュータウン中央駅南側。東京電機大と東京基督教大のキャンパスに挟まれた辺り)
東:千葉本町 8里5町、
佐倉街 6里1町
北:和泉村(印西市和泉。光堂東側、千葉ニュータウン中央駅北側企業区の北側)
亀成村(印西市亀成。松山下公園の北側) -
ニュータウンに向かって在来地区の小倉の中を歩いていきます
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庚申塚
車道の脇に大事に守られた石塔群。築山、羽黒山などの文字がありますが、庚申信仰について初めて聞くことばかりで、何を意味するのか理解できておりません。
この後、あちこちの散策会に参加するようになってから庚申塚が郷土史の理解に重要だとわかってきました。これからの課題です。 -
みざる、きかざる、いわざるの彫り物
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農家が経営する直売所の脇になぜか積み上げられているイノシシの頭蓋骨
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ニュータウンとの境目に出てきました
地盤が固いため、金融関係企業の電算センターが集まっています。 -
ニュータウンまであともう一歩。でも新しい戸建てが増えて、町の雰囲気は全く変わらなくなってきました。
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千葉ニュータウンに入りました
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15:30 北総線 千葉ニュータウン中央駅
朝出発した駅に戻り、解散。
すてきな1日でした。千葉ニュータウン中央駅 駅
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