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「Welcome to Barberyn resort」<br /><br />(ウェルカムトゥー・バーベリンリゾート)<br /><br /> 鼻先に甘い香りを感じる。その白い蓮の花の茎の先には眩いオレンジ色のサリーを着た可愛らしいスリランカの女性が微笑みながら立っていた。<br /><br />そっと彼女が僕の鼻先に差し出す白い蓮の花は、思ったよりも爽やかな甘さで、その爽やかさを帯びた甘さが僕の鼻の奥を優しく包み込んだ。それはゆっくりと寝不足と緊張で倒れてしまうそうな僕の身体に染み渡り、ほんの少しだけ身体の疲れを癒してくれる気がした。<br /><br />彼女はそっと僕の右手にその白い蓮の花を手渡すと、こちらです、と言うかのように右手でチェックインフロントを指し示した。<br /><br />潮の匂いを含んだ柔かな風がどこからともなくフロントで佇む僕の頬を打った。この風の行くヘを阻む僕の反対側の遠くの先に青い海が広がっているのが見える。どうやらロビーを含むこの建物全体が横に吹き抜けになっているようで、時折ビュッと強い海風が建物全体を通り抜けるのを感じる。天井もまた所々吹き抜けになっているようで、その隙間から差し込む朝の強い日差しが真っ白な壁に反射して優しい光の色に姿を変える。まるで空間全体を包み込み部屋の色彩を1トーン上げているようだ。それに所々に飾られた極彩飾の熱帯の花々が香り立ち、辺り一面を覆う真っ白な壁をキャンバスとして絵画のように佇んでいる。<br /><br />でも今ここで僕が感じている”美しい”という感覚にはまだ何か足りないようだ。<br /><br />僕はロビーの遠くの先に見える海が波打つ姿を見つめた。大きく羽ばたく波が勢いよく落下し砂浜を叩く。そして波が波をさらっていく。そしてまた羽ばたく。その繰り返される姿を背景に耳の奥には羽ばたき打つ波の姿に呼応したリズムもまた繰り返し刻まれた。<br /><br />波が羽ばたく音、波が砂浜を叩く音、波が波をさらう音。そしてまた波が羽ばたく音。月のリズムを反射する海の音が僕の中で鳴り響いた。<br /><br />波のリズムを合わせるように、チチチとチュチュチュと動物達が鳴き声がホテルの庭でこだまする。鳥なのかリスなのか、波のリズムを背景に、時折ビュッと通り抜ける風の音に乗せられて彼らの歌声が僕の元にも届けられる。<br /><br />ここには多くの自然の音が存在する。自然の音色が存在する。ここでは色は目に見えるものだけではなく、聞こえるものとしても存在しているのか。ただこうしてロビーに立っているだけでもとても心が穏やかになって行くのが分かった。<br /><br />(来て良かった。)<br /><br />着いて間もなく僕は既にそんな気持ちになっていった。東京で耳を澄ましても聞こえてくる音は車が走る音や街行く人の雑踏ばかり。僕の身体もそんな音を遮断しようと耳に意識を向けることは決してなかった。でも美しい自然の音が広がるこの場所では、身体もその音色を捉えようと意識が、耳が、勝手に音に向いていくのを感じる。耳で捉えた音が耳の奥にまで響き渡り優しく脳の中で反響するような。自然の音色がこんなに心穏やかにしてくれるのだと始めて知った気がした。<br /><br />ホテルは目に映る景色と鼻を包む香りと、そして耳に聞こえる音色で僕を出迎えてくれた。<br /><br /><br />スリランカ・アーユルヴェーダ紀、こちらに書いています。<br /><br />https://21emon.com/2016/05/17/ayurvedainsrilanka6/<br /><br />

アーユルヴェーダ in スリランカ 〜人生を変える医療~

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2016/08/01 - 2018/08/21

163位(同エリア250件中)

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AOZORAKAKERU

AOZORAKAKERUさん

「Welcome to Barberyn resort」

(ウェルカムトゥー・バーベリンリゾート)

鼻先に甘い香りを感じる。その白い蓮の花の茎の先には眩いオレンジ色のサリーを着た可愛らしいスリランカの女性が微笑みながら立っていた。

そっと彼女が僕の鼻先に差し出す白い蓮の花は、思ったよりも爽やかな甘さで、その爽やかさを帯びた甘さが僕の鼻の奥を優しく包み込んだ。それはゆっくりと寝不足と緊張で倒れてしまうそうな僕の身体に染み渡り、ほんの少しだけ身体の疲れを癒してくれる気がした。

彼女はそっと僕の右手にその白い蓮の花を手渡すと、こちらです、と言うかのように右手でチェックインフロントを指し示した。

潮の匂いを含んだ柔かな風がどこからともなくフロントで佇む僕の頬を打った。この風の行くヘを阻む僕の反対側の遠くの先に青い海が広がっているのが見える。どうやらロビーを含むこの建物全体が横に吹き抜けになっているようで、時折ビュッと強い海風が建物全体を通り抜けるのを感じる。天井もまた所々吹き抜けになっているようで、その隙間から差し込む朝の強い日差しが真っ白な壁に反射して優しい光の色に姿を変える。まるで空間全体を包み込み部屋の色彩を1トーン上げているようだ。それに所々に飾られた極彩飾の熱帯の花々が香り立ち、辺り一面を覆う真っ白な壁をキャンバスとして絵画のように佇んでいる。

でも今ここで僕が感じている”美しい”という感覚にはまだ何か足りないようだ。

僕はロビーの遠くの先に見える海が波打つ姿を見つめた。大きく羽ばたく波が勢いよく落下し砂浜を叩く。そして波が波をさらっていく。そしてまた羽ばたく。その繰り返される姿を背景に耳の奥には羽ばたき打つ波の姿に呼応したリズムもまた繰り返し刻まれた。

波が羽ばたく音、波が砂浜を叩く音、波が波をさらう音。そしてまた波が羽ばたく音。月のリズムを反射する海の音が僕の中で鳴り響いた。

波のリズムを合わせるように、チチチとチュチュチュと動物達が鳴き声がホテルの庭でこだまする。鳥なのかリスなのか、波のリズムを背景に、時折ビュッと通り抜ける風の音に乗せられて彼らの歌声が僕の元にも届けられる。

ここには多くの自然の音が存在する。自然の音色が存在する。ここでは色は目に見えるものだけではなく、聞こえるものとしても存在しているのか。ただこうしてロビーに立っているだけでもとても心が穏やかになって行くのが分かった。

(来て良かった。)

着いて間もなく僕は既にそんな気持ちになっていった。東京で耳を澄ましても聞こえてくる音は車が走る音や街行く人の雑踏ばかり。僕の身体もそんな音を遮断しようと耳に意識を向けることは決してなかった。でも美しい自然の音が広がるこの場所では、身体もその音色を捉えようと意識が、耳が、勝手に音に向いていくのを感じる。耳で捉えた音が耳の奥にまで響き渡り優しく脳の中で反響するような。自然の音色がこんなに心穏やかにしてくれるのだと始めて知った気がした。

ホテルは目に映る景色と鼻を包む香りと、そして耳に聞こえる音色で僕を出迎えてくれた。


スリランカ・アーユルヴェーダ紀、こちらに書いています。

https://21emon.com/2016/05/17/ayurvedainsrilanka6/

旅行の満足度
5.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
25万円 - 30万円
交通手段
タクシー 飛行機
旅行の手配内容
個別手配
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