細野高原の広大なすすき野原 2018 ～海と黄金の輝きを満喫～（伊豆稲取）

2018/10/21 - 2018/10/21

細野高原の秋は、標高400m付近から標高821mの三筋山（みすじやま）の山頂までの約125haという広大な一面のすすき野原になります。その規模は箱根仙石原にある「すすき草原」の７倍もあります。

昭和期まで日本各地では茅場として利用される草原が多くありましたが、茅葺屋根や農耕用牛馬の飼料の需要が少なくなり、茅場の多くが放棄されるようになりました。
しかし、細野高原では地域住民の手により、毎年山焼きが行われ、数百年の間すすきの草原が維持されてきました。
山焼きをすることによって害虫の駆除や周辺の木々の侵入を防ぎ、湿原とすすき野原の雄大な自然が維持されてきました。

さらに細野高原では、三筋山の頂上付近から眼下に広がるすすき野原と、その先に広がる相模湾と伊豆諸島を一度に眺めることができ、「海すすき」と呼ばれる素晴らしい絶景が楽しめます。
2018年の「秋のすすきイベント」は、10月10日～11月9日に開催されています。

今日は伊豆稲取駅から季節運行の路線バスに乗ります。
細野高原の入山料は600円。トイレ、遊歩道、頂上付近までの無料シャトル便、散策マップ、ガイドによる案内、太平洋が見渡せる絶景ポイント等、念入りに整備されています。
広大なすすき野原を通る遊歩道からは、青空と紺碧の海をバックに黄金に輝くすすきの景色を堪能できます。
秋の花であるヤマトリカブト、ヤマラッキョウ、リンドウなども楽しめます。

なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・東伊豆町観光協会「稲取細野高原 秋のすすき」
・ユーラスエナジー「プロジェクト実績、ユーラス河津ウインドファーム」
・静岡県景観まちづくり課「観光地エリア景観計画：細野高原、平成29年3月」

エリア 稲取温泉(静岡)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス JRローカル 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

朝日に輝く相模湾（早川付近の車窓）

川崎から東海道線普通電車に乗り、熱海へ向かっています。

相模湾に浮かぶ釣り船が絵になります。

巨大なコンテナ船（伊豆大川付近の車窓）

熱海から伊豆急直通の電車に乗り換え、海を眺めています。

スーパービュー踊り子号（伊豆大川）

反対列車の交換待ちで現れたのは特急「スーパービュー踊り子」。

紺碧の海原（伊豆北川付近の車窓）

伊豆諸島の車窓案内

片瀬白田－伊豆稲取間では、海上がよく晴れていると車窓から伊豆諸島の島々が見られます。

窓の下に島の形を表したシールが貼られています。

くっきりと見える伊豆大島

片瀬白田－伊豆稲取間は海岸際を走るので、海の絶景が5分ほど見られます。

隣は利島・鵜渡根島・新島（片瀬白田－伊豆稲取間）

伊豆稲取駅に到着

ここは静岡県賀茂郡東伊豆町稲取です。

「知られざる絶景散歩、海すすき黄金の海原」（ポスター）

細野高原では2018年10月10日～11月9日に「秋のすすきイベント」が開催されています。

限定20食「おまかせ丼」（伊豆稲取駅前）

昼食は食事処「まると水産」で新鮮な地魚をいただきます。

伊豆稲取駅バス停

イベント期間中の土休日に、伊豆稲取駅前より細野高原行きの路線バスが運行されています。

駅前の観光案内所にて往復乗車券1,000円を購入しバスに乗ります。

風車の並ぶ三筋山（バス車窓）

三筋山の中腹にススキの細野高原があります。

細野高原バス停

バスは伊豆稲取駅から細い山道を上がり、30分で到着。

最終バスは16:00発です。

細野高原散策マップ

受付で入山料600円を支払います。

散策ルートは、「①イベント広場」からシャトル便（無料）に乗り一気に「⑤三筋下」へ上がります。
「三筋山山頂」と「おすすめ絶景ポイント」をめぐり、「⑤三筋下」から「⑥⑦⑧すすき遊歩道」3km45分を下り、「①イベント広場」へ戻って来ます。

スタンプラリーを完遂すると記念品の絵葉書がもらえます。

では、出発します。

一面すすき野原

イベント広場

山全体がすすき野原になっています。

東伊豆町と河津町境界に位置する三筋山山頂付近には、ユーラスエナジー社の河津ウインドファーム（大規模風力発電所）10基（16,700kw）が稼動しています。

シャトルのりば（イベント広場）

標高400mのイベント広場から標高800mの三筋下まで、シャトル便が10分で送迎してくれるのでとても便利。

すすき野原と伊豆諸島の眺望（三筋下から南東側）

シャトル便は三筋山の山頂近くに到着。

常駐しているガイドさんから、まわりの景色と散策ルートの説明を聞きます。

稲取の町（三筋下から南東側眺望）

天城連峰（三筋下から北側眺望）

奥側の山は、左から尖ってる万三郎岳（1406m）、馬の背（1325m）、富士山のような万二郎岳（1299m）です。

手前には伊豆ハイランドの別荘が並んでいます。

三筋山の山頂までの道（三筋下）

山頂まで歩いて約15分。途中に絶景ポイントがあるので登ります。

ススキを通して眺める太平洋の相模湾

ありました！「絶景ポイント」

広大な太平洋と空が目の前に見えます。

小さなこどもが嬉しくて寝転がって遊んでいます。

素晴らしい絶景にうっとり･･･

空から海までのグラデーションが何とも言えません。

三角形の島は利島（としま）です。

三筋山の頂上

360度の視界を独り占めできます。

では、三筋下まで戻ります。

すすき遊歩道（三筋下）

三筋下からすすき野原を通りイベント広場まで下るなだらかな遊歩道3kmが整備されています。

では、散策開始。

青空に背伸びするススキ

斜面に萌え立つススキ

ヤマトリカブト

秋の花が咲いています。

紫色のヤマラッキョウ

美しいカーブを描く遊歩道

すすき野原

頭を垂れるススキ

青空が似合うススキの穂

急斜面を染める黄金色のススキ

原野のようなススキの群落

箱根の「仙石原すすき草原」と比べ、７倍の広さがあります。

草地に輝くススキ

きらきら光るススキの穂

すすき野原のど真ん中を歩いてます

風になびくススキ

ススキの向こうは青い海

紫色のアザミ

可愛らしいリンドウ

リュウノウギク

斜面を埋める白いススキ

平坦な部分が広がる細野高原

中腹に平らなところがあります。

まさにススキの軍団

山を覆うススキ

カヤ（ススキ）を採る茅場として最適な場所だったのです。

黄金色に染まるススキ

山焼きの防火帯作り

翌年２月に行う山焼きの火が周辺に広がらないように、草原の境界に沿って幅９ｍほどの草を刈って準備しています。

山焼きにより害虫の駆除と周りからの木々の侵入を防止し、新しく生えるススキの茅場を維持しています。

全国の他の地域ではカヤの需要がなくなり、多くの茅場が放棄され、雑木林になっています。

赤い実のガマズミ

すすき野原に立つ風車群

風車はジェット機が飛んでいるようにも見えます。

青い海と空に映えるすすき野原

海すすきと呼ばれています。

黄金色に染まるすすき野原

前日に家内が訪れた時の写真です。

お近くの方はまだ間に合う「海すすき」を見に行きませんか。