丹沢はその昔海からやって来た！の証拠を見つけに

2018/09/28 - 2018/09/28

丹沢周辺の山々は今も年間数ミリ程度の隆起を続けている場所。理由は伊豆弧の島々が日本列島にどんどんぶつかって来ているからです。
つまり、この辺りはその昔は海の真ん中にあったんですね。だからこんな山の中で、海底の火山活動の痕跡を見つけることができるんです。
今日はマグマが地下深くで圧力と熱によって変成した岩石、花こう岩。海の中に流れ出た溶岩が固まった跡、枕状溶岩などなど、散策しながら観察をしてきました。

エリア 丹沢・大山(神奈川)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 2.0
• 交通: 2.0

• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩

おはよー富士山。
新松田の駅からの眺め。

暑いくらいの快晴です。今日は新松田からバスで西丹沢大滝キャンプ場を目指します。

バス道の脇の道しるべ。畔ヶ丸方面に沢沿いの林道を行きます。

早速露頭を発見。花こう岩の層です。この辺りは、丹沢層群(堆積岩)を貫く丹沢深成岩体(マグマが固まったもの)が見られる所とのことです。

苔むした岩が転がる沢。この辺りの沢は断層に沿って出来ているそうです。

苔むした岩の向こう側の岩は白くキラキラしています。

沢の水がきれいなのもあるけれど、川底も白い岩なので更にきれいに見えるのね。きっと。

道の脇の崖崩れ。林道もかなり荒れています。
丹沢は鹿が増えすぎて下草だった笹がなくなり、土壌が流出しやすくなっているそうです。

きれいな花こう岩。深層岩。マグマが地下深いところでゆっくり結晶化した特徴として、粒子が大きくなっています。黒い鉱石は角閃石。白い鉱石は斜長石。石英。

沢の岩の様子。

かじかカエル。鼻が尖っています。

結晶の粒子が大きく、ごま塩お握りの様です。石英が少ないトーナル岩です。

沢の流れがきれい。岩が白いです。この辺りの花こう岩はカリウムの含有が少ないので白いのだそうです。(カリウムが多いと赤みを帯びる)

川底の砂も白っぽい。

沢の回りには苔が沢山生えています。触るとふかふか。

この辺りは、海からの風が山にあたり沢山雨を降らせます。まさに、枯れることのない神奈川の水瓶。

捕獲岩。

捕獲岩。花こう岩の中にぼんやり黒い斑点。溶岩に取り込まれた岩石が溶けて再結晶しました。

捕獲岩。赤丸のところが、溶岩の中に取り込まれた岩石。

捕獲岩。黒い石がマグマに取り込まれた岩石。

これが真砂土？花こう岩は風化が進むと脆く崩れやすくなるそうです。広島の土砂災害で有名になりました。

沢の中に岩盤が露出しています。

下(岩石)ばかり見ていたけど、見上げれば秋の青空。

紅葉にはちょっと早かったですね。

白い石の河原。まだ花こう岩質の地質が続いているようです。

白い河原を左手に見ながら、中川温泉方面へ下っています。

岩石の色が変わってきました。丹沢層群と丹沢深成岩帯の境付近でしょうか？マグマの陥入で周りの岩石が変成した様です。(川に流れ込む沢沿いの崖にて)

マグマの陥入の痕跡。

川の岩が黒っぽくなってきました。

枕状溶岩の露頭。中川温泉の近くの沢にて。

枕状溶岩が地下で潰されてちょっとひしゃげています。

赤丸のところが枕状溶岩。赤い線のところには急冷相(チルドマージン)も見えています。溶岩が海水で急激に冷やされて膜状に固まった跡ですね。

角閃石のきれいな結晶を発見！

結晶のスケールを500円玉と比べます。

中川温泉近くのつり橋。この下の河原で枕状溶岩が見られました。

中川温泉の源泉。ぬるめのお湯でした。(手を浸けただけ…次回はどっぷり全身浸かりたいです)

バス停付近から山肌を見ると、大規模な崩落の跡が！バス停の側には土石流があったとの記録の碑がありました。

結晶片岩。以前は、近くにザクロ石が見られたそうですが、今は土砂に埋もれてしまったとか…残念です。

帰路のバス停。

なぜか野生の雉がウロウロ。逃げません！危ないよ～(>_<")

バスで谷峨駅まで来ました。

谷峨駅からの眺め。

御殿場線で帰ります。