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皆様こんにちは。ウォータースポーツカンクンの店長吉田です。<br /><br />無事、シティより戻り、昨日はチチェンイッツア遺跡&amp;グランセノーテのアテンドに出てまいりました。<br /><br />シティと違い湿度も気温も高いカンクンは、空港に降り立つとその独特な空気の匂いとじっとまとわりつく熱気に、あー故郷に戻って来たな、、、という意識を強くします。カンクン在住15年。。。早いもので体は既にこの土地に馴染んでしまっているようです。<br /><br />ちなみに、シティの8月は既に最高気温も25度前後、朝晩は15度前後ととても過ごしやすく湿度の低い気候は大変過ごしやすいのは言うまでもありません(まぁ、2100mの高地ですから空気が薄いのは言うまでもありませんけど。。。)<br /><br />そんな店長吉田は、今回テオティワカン遺跡や人類学博物館のアテンドを経て、新たに導入するプエブラ&amp;チョルーラの視察も含めて、ちょっとした小旅行に出てまいりました。そんなところで、店長日記スタートです(笑)<br /><br /><br />メキシコシティの夏は短い。5月を迎えるころから気温が上がり6月にはすでにそのピークを越えている。8月は既に秋の気配、気温もルチャの試合が終わるころには13度にまで下がり、皆厚手のオーバーオールやらフリースを着込んで背をかがめながら帰路を行く。<br /><br />ここの所、シティ出張ではもっぱらルチャリブレ観戦がボクの息抜きになっている。これまでは、街の馴染みとまではいかないまでも日本食の暖簾をくぐって、大将相手にたわいもない日常を語り合ったりしていたのだけれど、如何せん金がかかる(笑) <br /><br />日本で立ち寄る居酒屋程度の金額で済まされないのが海外の日本食、どうしたって食材にしろ鮮度にしろ、適わない日本の味に、近いというだけでついつい足が運んでしまう自分の心の弱さにカツを入れる為でもあるのだが、本物とはやはり違うなんとなく日本、、、という虚実入り混じる世界に出入りしていると、いつの間にか本物がどういうものなのかが分からなくなってくる。。。その為に本物の日本食ってのもシティにはあるのだが、そこは別次元の世界だ(笑)<br /><br />ま、時々はいい。けれど、毎回というわけにはいかないし、そんな自分の中にある真理を見極める目というものを、アジャストするには、何でもいいから本物に触れる事というのが、大切なボクの信条。文化と歴史の中心にあるメキシコシティにおいてなら、このメキシコにあるメキシコの本物に触れるのが、一番手軽で安上がりな正攻法であるのは間違いない。<br /><br />それが街のタコス屋でも歴史あるカンティーナでも、頻繁に開催される街角のゲリラライブでも、退役軍人協会が奏でるローラーオルガンだっていい。。。とにかく、意識して本物を感じる事が大切で、その一つのきっかけと手段としてのルチャリブレという位置づけもあったりする。<br /><br />もともとプロレスは好きだったというのもある、でも、感じる為にはこちらも真剣になることが大切で、中途半端に本物を見たところで真理は見えては来ない。それでは、なんとなく日本食を食べていても、それがどうして本物の日本食とは違うのか、、、そこが感覚以上に理解出来ないのと同じことになる。なんとなく本物を感じるということと、本気で本物を知るという事はまるで違う事なのだから。<br /><br />僕が何故プロレス好きなのか。。。そんなことはどうでもいい事かもしれないけれど、メキシコでは国民的な支持を受けているボクシング同様に人気を博している興行であることは間違いない。<br /><br />そんなボクシングも好きな僕がルチャリブレも好きなのは、ファイトが好きだからだと思われるかもしれないけれど、ボクのボクシング好きとルチャリブレ好きは丸で相反する形で内在をしている。<br /><br />リアルファイトであるボクシングの面白さは言わずもがな。。。だ。ここに何か説明を加える必要はないだろう。男と男(最近は女子ボクシングもあるけど)が、真剣勝負でリングで戦うボクシングに、人は強いものが必ず勝つという現実を見る。あらゆるスポーツと言われる競技が、このフェアな精神の前提にあり、野球にしろサッカーにしろ、そこに特別なチームや贔屓の選手を応援するという要素が生まれてくる。<br /><br />しかし、人生はそこまでシビアじゃぁない。人間も僕くらいの歳になってくると、いろいろと経験もすれば失敗も繰り返し、実は人生にはグレーな部分というものの比率がとても多い事に気が付く。強い人間が必ず勝つわけでも、逆に弱い人間が必ず負けるわけでもない、、、それが人生であることを人生の中でそれなりに経験してくれば、強い者が必ず勝つというフェアな世界が心地よいばかりでない事にも気が付いてくる。<br /><br />どこかの本で読んだことがある。<br /><br />綺麗ごとの価値を妄信することによって支えられるジャンルの世界とは違い、ルチャリブレという世界は、一般的な権威に頼らない世界だと。<br /><br />勝者は強者ではなく、敗者は弱者ではない。そもそも、そんな事はどうでも良い見方が出来るのがルチャの醍醐味であり、いわば、見る者によって千差万別の見方が存在するのがルチャリブレだと。<br /><br />ルチャリブレを見ていていつも感じることがある。<br /><br />それは、ルチャリブレを観戦する時には、自分の目を基準にせざるを得ないという事だ。テクニコと言われる善玉と、ルード(悪玉)の図式は存在していても、それがそのまま結果に結びつくわけでもなく、観衆は、その時々の展開で応援の矛先をころころと変えたりもする。<br /><br />それは、一体このドラマがどこに帰着するかを見守るショーを見る人間の感覚であって、スポーツとしての観戦とはどこか違っている。<br /><br />だからこそ、ルチャリブレのファンは自分の見方というものを大切にしている。そこに答えがないのなら、自分で答えを見つけ出す必要があるのがこのルチャの面白さでもある。特定の選手のファンであるとか、どこそこのチームのファンであるといったレベルの話ではなく、自分の見方、自分の筋というものを大切にしているのが、ルチャリブレファンだという事なのだ。<br /><br />だからこそ、ルチャリブレはどのような見方をするのも正しいと言われる。<br /><br />正々堂々の対決が、虚実入り混じる駆け引きによって成り立っているとしたら、ジャンルを妄信する、例えば、ボクシングのようなスポーツでは問題になるが、ルチャリブレのファンの中では一つの可能性として見えているわけで、その可能性を含んだ上で、ルチャリブレというものを観戦するというのが、ルチャリブレの核心であり真理だと僕は考えている。<br /><br />長くなるのでこの辺りはまた別の機会に書くとして、一つだけ、人生というのは白黒はっきりした世界ではないと先に書いた。ダーティーな王者もいれば、善玉の人気を凌駕するほどのルードもいる。でも、そのどちらも輝いているということだ。<br /><br />その様々な側面、千差万別に光を放つミラーボールのような輝きは、すべての階層や人種の垣根を越えて、平等に各自の胸の中に、生きる勇気を与えてくれる。。。これが、何故、このメキシコで、下町の庶民に根付いたルチャリブレが人気であるかの理由の一つでもあるのだと僕は思う。<br /><br />さて、前置きが長くなってしまった。<br /><br />そんな僕は今回、チョルーラとプエブラに視察に出かけて来た。といっても、もう何度も足を運んでいる土地だ。メキシコの地方都市に行くと思うのは、どこへ行っても、当然だが、スペイン統治の過去の歴史が重く先住民の生きた軌跡に圧し掛かっているという重い現実だ。<br /><br />どの町も、先住民が営んだ都市の上に建てられていて、どの町の地下にも先住民の遺跡が眠っている。スペインの行った破壊工作は徹底したもので、その大量虐殺の事実も含めて歴史書に暗い影を残している。その暗い影と、明るく愉快なメキシコ人気質という相反する対比が、シンメトリックに美しい対比を生み出している。<br /><br />時に残虐な犯罪がニュースになっても、何故かメキシコ人はそこに笑いを見出そうとするのは、過去に受けた植民地時代の深く長く重く苦しい歴史がDNAとなり、それでも前向きに生きようという生きる為の処世術なのかもしれない。このメキシコの明るさの裏にある、明るさの分だけ深く暗い影のある世界観を見るたびに思う。<br /><br />明るさの中にやぼったさのある、それでも目いっぱい派手なプエブラのタラベラ焼き。メキシコのカトリック教会の、決してセンスが良いとはいえない派手なウルトラ・バラロックと呼ばれるメキシコならではのド派手な様式。。。ノルテーニョの着こなしで一般的な、柄物に柄物を合わせるファッションセンス。。。そのどれもが、裏に乗り越えなくてはいけない大きな闇というものを抱えているように思える。<br /><br />サント・ドミンゴ教会の、あまりにド派手な金襴を極める様式美も、ここまで徹底して極める事で何かを忘れさせる意図があったような気がして仕方がない。ここまで、宗教と言うものに、人間臭さを感じさせる教会を僕は他に知らないからだ。神聖で厳格で貴意の高い神という存在が、これほどまでにどろどろとした人間の愛欲入り混じる、格式というものをはるかに超越したカタチとして示現することに僕は驚きを隠せない。<br /><br />だからこそ、僕はこのサントドミンゴ教会が好きだ。ノルテーニョの柄物に柄物を合わせるファッションに通じるユーモアがそこにある。暗さを覆い隠す、その裏にある何か?!を圧倒的なド派手さで一瞬にして忘れさせてくれるからだ。だからこそ、この教会に参拝する度に僕はカトリックでもないのに、「いるはずのない神に祈る。」。。のだ。<br /><br />ネットで目にし、テレビは4Kの美しい映像でみるだけでは得る事の出来ない、この空間に自分の肉体を置く事で、自分の魂に響く何かを、、、得ること、得られること。そこにこの場所まで行く意味がある。空気、香り、決して映像では得る事の出来ない、自分の時間を共有するというその行為と意味に、その真理がある。是非、ご自身の心に感じてみて欲しいと思います。<br /><br />さて、プエブラの街は広い。サンミゲルデアジェンデのように一角が歴史地区として保全されているのと違い町全体が歴史地区のような街である。このプエブラで、初代第一帝政のアウグストゥス・イトゥルヒデ皇帝が、メキシコ独立戦争の勝利を示すコルドバ条約の調印を行い、その記念として修道尼が生み出した、この時期だけしか味わう事が出来ないメキシコ独立の象徴的料理「CHILE EN NOGADA」が生まれた街でもあり、また、メキシコの心の味とも言われる「MOLE(モレ)」の発祥の地でもある。<br /><br />この街に来て僕が絶対に味わうのは、もちろん、モレだ。美味いメキシコ料理が集まるメキシコシティでも味わう事が出来ない美味いモレがここには溢れている。シティなら、世界ベストレストラン100に毎年10位以内でランクインするPUJOLというメキシコ料理の最高級レストランで、仕込んでから4年から5年以上経過するという熟成モレが必ず供されるのだけれど、その美味さに匹敵するモレにこの街では気軽に出会えたりする。<br /><br />僕が好んで行くエリア、それが骨董街であるフロッグ地区だ。ここにボクの一番のお気に入りのモレを食べさせてくる店がある。美術商の仕事をしていた時代、僕はイギリスやヨーロッパの骨董屋周りをよくやっていた。その雰囲気を味わえる場所でもあるから、僕はこの場所が好きだと言うのもある。観光地ならではの、ありきたりのお土産を、あきもしないでその器に書かれる都市名だけが違うだけの似通ったものを、値段だけで売りつけてくるような店は一つもない。<br /><br />まぁ、ここがメキシコであるが所以で第三国であるが故、あまり良いモノを骨董的には見つけられないという難点はあるけれど、雰囲気を味わい、ボク自身の過去を心地よく思い出すにはとても良い空間がそこにはある。<br /><br />そうだ、このフロッグ地区に行って、空いていれば必ず立ち寄る立ち飲み屋があるんだ。今日はそこも紹介しよっか。<br /><br />PASITAというバーがある。パシータを知らずしてプエブラを語る事なかれ、、、とまで言われる歴史あるカンティーナ(バー)だ。<br /><br />創業はなんと1916年。Emilio Contreras Aicardo氏によってオープンしたとある。入ると分かるが、1916年から時が止まったように、その佇まいは変わらない。。。刻んだ歴史の長さだけ、背景にあるストゥールに飾られる様々な小物に、世代に分け隔てなくその時代の想い出を提供してくれる。<br /><br />こういう店は良い。甘いリキュールはプエブラ産だ。干しブドウを蒸留して造ってあり、ベースのショット($30ペソ)を注文すると、そこにチーズとドライフルーツ(干しブドウ)を楊枝にさしたものを入れて出してくれる。<br /><br />このPASITAというリキュールが店名になった店だが、そもそもPASITAって甘いリキュールがメキシコでも有名になったのは、街角ごとに販売店を置いた事があるそうだ。5番通りのパシータ、2番通りのパシータといった具合に、1950年代に店舗を増やしていったらしい。それは、この20度というちょっと強めのリキュールをショットで飲んだあと、無事に家までたどり着けるようにという配慮からだったという。<br /><br />そんなPASITAを、もっとも有名にしたキャンペーンが「ショット100杯飲んだら無料かつ、1000ペソの賞金を差し上げます」というものだったそうだ(汗)<br /><br />今ではとても考えられない危険なキャンペーンだが、ずいぶんと長く続けていたらしい。そして、長い歴史の中で、この100杯を達成したのはただ一人、EL Petereteという人物だったそうだ。その後、93杯まで達成した青年がいるそうだが、直後に意識を失い(当然だわ(汗))、赤十字に救急搬送され、それを機にこのキャンペーンは中止になったそうだ(笑) ってか、メキシコって、むちゃくちゃなキャンペーンをやるのは、今でも変わらない。今でも地方のカンティーナに行くと、電気ボックスなるバッテリーに電極をつないで両端を握り、何ボルトまで耐えられるかという危険な余興があったりするけど(ボクの知り合いにこいつで10段階の8までいって、感電したツワモノがいます(苦笑) 本人曰く、5段階を超えたあたりから手が電極から離れなくなって、声も出せずに頭を振ったがそれが大丈夫と取られて8まで行ってしまったということでした。。。髪の毛逆立って周りがストップしたから助かったと言っていた(汗))<br /><br />さて、このPASITA。もっとも歴史あるカンティーナの一つで、プエブラの名士と言われる人々は皆必ずやってきているという場所。壁にはメキシコの有名人の色紙やサインも色あせて飾られています。。。<br /><br />こんな店に、自分が爺さんになった時、20歳になった孫と一緒にやって来て、そこに自分がやってきた時代をそれぞれ見ることが出来たらそれは素敵な事だなと考えたりする。<br /><br />こうやって、思い出をつないでいけることって素晴らしい。自分が死んでも、きっと残り続けるであろう店があること、そこにまた通ってくれる孫や子孫がいること。。。なんというかな、ボクは墓参りなんて退屈な儀式よりか、こうやって、自分の先祖が立ち寄って思い出を刻んだ店に、ふと、足を運んで、その都度、すこしだけ思い出してくれた方がずっといいなんて考えたりする。不謹慎かもしれないけど(^^;<br /><br />さて、今では20種のカクテルを一杯30ペソから提供している。そんなここの親父が、また良い味を出している、その息子がまたサポートで次の代を引き継ぐべくカウンターに親子で立っている。こうやって歴史は引き継がれ、そして、思い出も生き続けていく。。。<br /><br />どう? あなたも、この店に自分の想い出と言う足跡を残してみませんか?!<br /><br />さて、そんなPASITAで、調子に乗って3杯もショットを飲み干したボクは、一本お土産でPASITAを購入して(一本220ペソ)、すぐ近くにある目的のモレの店へと向かった。SACRITSTIAというブティックホテルにあるレストランだ。今の時期は、独立記念日限定のCHILES EN NOGADAも出している。600gもある巨大なCHILES EN NOGADAは流石に手に余ることもあり、当初の目的のモレを注文、舌鼓を打った。<br /><br />このエリアは週末がフリーマーケットも開かれるので賑やかでおすすめだ。平日は開いている店も少なくてそれはそれでボクは好きなのだが、せっかくならこのエリアの醍醐味を目いっぱい感じられる週末に訪れたい。週末だと、この店では生の演奏などが入って、そう、ボクが以前来た時には美しい歌声を奏でる歌姫の本当に美しい美声に酔いしれたのを思い出す。<br /><br />この店特性のワインも安くてお土産におすすめだ。店名と同じSACRITIAというブランドでテンプラニーリョのスペイン産だよ(2018年8月現在一本$280ペソ)<br /><br />それにしても、プエブラという町を美しく楽しい町だと感じるのは、歴史が実際に生きている実感を肌で感じながら、その実Pasitaのマスターの作るショットや街角のレストランで食べるモレは、決して観光客の為の演出ではない本物の歴史であるからなのだろうと、、、思う。<br /><br />さて、こんなプエブラをどうやってツアーに仕上げるか。。。また、ちょっと考えてみようか。乞うご期待?!(^^)<br /><br />皆様の素敵な一日を願って<br /><br />店長吉田より<br />

■メキシコシティ発■ プエブラの街に歴史を見る。。。モレにタラベラに、聖ドミンゴ教会とPASITA。。。ついでにルチャリブレのはなし By ウォータースポーツカンクン店長吉田

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2018/08/27 - 2018/08/27

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watersportscancun

watersportscancunさん

皆様こんにちは。ウォータースポーツカンクンの店長吉田です。

無事、シティより戻り、昨日はチチェンイッツア遺跡&グランセノーテのアテンドに出てまいりました。

シティと違い湿度も気温も高いカンクンは、空港に降り立つとその独特な空気の匂いとじっとまとわりつく熱気に、あー故郷に戻って来たな、、、という意識を強くします。カンクン在住15年。。。早いもので体は既にこの土地に馴染んでしまっているようです。

ちなみに、シティの8月は既に最高気温も25度前後、朝晩は15度前後ととても過ごしやすく湿度の低い気候は大変過ごしやすいのは言うまでもありません(まぁ、2100mの高地ですから空気が薄いのは言うまでもありませんけど。。。)

そんな店長吉田は、今回テオティワカン遺跡や人類学博物館のアテンドを経て、新たに導入するプエブラ&チョルーラの視察も含めて、ちょっとした小旅行に出てまいりました。そんなところで、店長日記スタートです(笑)


メキシコシティの夏は短い。5月を迎えるころから気温が上がり6月にはすでにそのピークを越えている。8月は既に秋の気配、気温もルチャの試合が終わるころには13度にまで下がり、皆厚手のオーバーオールやらフリースを着込んで背をかがめながら帰路を行く。

ここの所、シティ出張ではもっぱらルチャリブレ観戦がボクの息抜きになっている。これまでは、街の馴染みとまではいかないまでも日本食の暖簾をくぐって、大将相手にたわいもない日常を語り合ったりしていたのだけれど、如何せん金がかかる(笑) 

日本で立ち寄る居酒屋程度の金額で済まされないのが海外の日本食、どうしたって食材にしろ鮮度にしろ、適わない日本の味に、近いというだけでついつい足が運んでしまう自分の心の弱さにカツを入れる為でもあるのだが、本物とはやはり違うなんとなく日本、、、という虚実入り混じる世界に出入りしていると、いつの間にか本物がどういうものなのかが分からなくなってくる。。。その為に本物の日本食ってのもシティにはあるのだが、そこは別次元の世界だ(笑)

ま、時々はいい。けれど、毎回というわけにはいかないし、そんな自分の中にある真理を見極める目というものを、アジャストするには、何でもいいから本物に触れる事というのが、大切なボクの信条。文化と歴史の中心にあるメキシコシティにおいてなら、このメキシコにあるメキシコの本物に触れるのが、一番手軽で安上がりな正攻法であるのは間違いない。

それが街のタコス屋でも歴史あるカンティーナでも、頻繁に開催される街角のゲリラライブでも、退役軍人協会が奏でるローラーオルガンだっていい。。。とにかく、意識して本物を感じる事が大切で、その一つのきっかけと手段としてのルチャリブレという位置づけもあったりする。

もともとプロレスは好きだったというのもある、でも、感じる為にはこちらも真剣になることが大切で、中途半端に本物を見たところで真理は見えては来ない。それでは、なんとなく日本食を食べていても、それがどうして本物の日本食とは違うのか、、、そこが感覚以上に理解出来ないのと同じことになる。なんとなく本物を感じるということと、本気で本物を知るという事はまるで違う事なのだから。

僕が何故プロレス好きなのか。。。そんなことはどうでもいい事かもしれないけれど、メキシコでは国民的な支持を受けているボクシング同様に人気を博している興行であることは間違いない。

そんなボクシングも好きな僕がルチャリブレも好きなのは、ファイトが好きだからだと思われるかもしれないけれど、ボクのボクシング好きとルチャリブレ好きは丸で相反する形で内在をしている。

リアルファイトであるボクシングの面白さは言わずもがな。。。だ。ここに何か説明を加える必要はないだろう。男と男(最近は女子ボクシングもあるけど)が、真剣勝負でリングで戦うボクシングに、人は強いものが必ず勝つという現実を見る。あらゆるスポーツと言われる競技が、このフェアな精神の前提にあり、野球にしろサッカーにしろ、そこに特別なチームや贔屓の選手を応援するという要素が生まれてくる。

しかし、人生はそこまでシビアじゃぁない。人間も僕くらいの歳になってくると、いろいろと経験もすれば失敗も繰り返し、実は人生にはグレーな部分というものの比率がとても多い事に気が付く。強い人間が必ず勝つわけでも、逆に弱い人間が必ず負けるわけでもない、、、それが人生であることを人生の中でそれなりに経験してくれば、強い者が必ず勝つというフェアな世界が心地よいばかりでない事にも気が付いてくる。

どこかの本で読んだことがある。

綺麗ごとの価値を妄信することによって支えられるジャンルの世界とは違い、ルチャリブレという世界は、一般的な権威に頼らない世界だと。

勝者は強者ではなく、敗者は弱者ではない。そもそも、そんな事はどうでも良い見方が出来るのがルチャの醍醐味であり、いわば、見る者によって千差万別の見方が存在するのがルチャリブレだと。

ルチャリブレを見ていていつも感じることがある。

それは、ルチャリブレを観戦する時には、自分の目を基準にせざるを得ないという事だ。テクニコと言われる善玉と、ルード(悪玉)の図式は存在していても、それがそのまま結果に結びつくわけでもなく、観衆は、その時々の展開で応援の矛先をころころと変えたりもする。

それは、一体このドラマがどこに帰着するかを見守るショーを見る人間の感覚であって、スポーツとしての観戦とはどこか違っている。

だからこそ、ルチャリブレのファンは自分の見方というものを大切にしている。そこに答えがないのなら、自分で答えを見つけ出す必要があるのがこのルチャの面白さでもある。特定の選手のファンであるとか、どこそこのチームのファンであるといったレベルの話ではなく、自分の見方、自分の筋というものを大切にしているのが、ルチャリブレファンだという事なのだ。

だからこそ、ルチャリブレはどのような見方をするのも正しいと言われる。

正々堂々の対決が、虚実入り混じる駆け引きによって成り立っているとしたら、ジャンルを妄信する、例えば、ボクシングのようなスポーツでは問題になるが、ルチャリブレのファンの中では一つの可能性として見えているわけで、その可能性を含んだ上で、ルチャリブレというものを観戦するというのが、ルチャリブレの核心であり真理だと僕は考えている。

長くなるのでこの辺りはまた別の機会に書くとして、一つだけ、人生というのは白黒はっきりした世界ではないと先に書いた。ダーティーな王者もいれば、善玉の人気を凌駕するほどのルードもいる。でも、そのどちらも輝いているということだ。

その様々な側面、千差万別に光を放つミラーボールのような輝きは、すべての階層や人種の垣根を越えて、平等に各自の胸の中に、生きる勇気を与えてくれる。。。これが、何故、このメキシコで、下町の庶民に根付いたルチャリブレが人気であるかの理由の一つでもあるのだと僕は思う。

さて、前置きが長くなってしまった。

そんな僕は今回、チョルーラとプエブラに視察に出かけて来た。といっても、もう何度も足を運んでいる土地だ。メキシコの地方都市に行くと思うのは、どこへ行っても、当然だが、スペイン統治の過去の歴史が重く先住民の生きた軌跡に圧し掛かっているという重い現実だ。

どの町も、先住民が営んだ都市の上に建てられていて、どの町の地下にも先住民の遺跡が眠っている。スペインの行った破壊工作は徹底したもので、その大量虐殺の事実も含めて歴史書に暗い影を残している。その暗い影と、明るく愉快なメキシコ人気質という相反する対比が、シンメトリックに美しい対比を生み出している。

時に残虐な犯罪がニュースになっても、何故かメキシコ人はそこに笑いを見出そうとするのは、過去に受けた植民地時代の深く長く重く苦しい歴史がDNAとなり、それでも前向きに生きようという生きる為の処世術なのかもしれない。このメキシコの明るさの裏にある、明るさの分だけ深く暗い影のある世界観を見るたびに思う。

明るさの中にやぼったさのある、それでも目いっぱい派手なプエブラのタラベラ焼き。メキシコのカトリック教会の、決してセンスが良いとはいえない派手なウルトラ・バラロックと呼ばれるメキシコならではのド派手な様式。。。ノルテーニョの着こなしで一般的な、柄物に柄物を合わせるファッションセンス。。。そのどれもが、裏に乗り越えなくてはいけない大きな闇というものを抱えているように思える。

サント・ドミンゴ教会の、あまりにド派手な金襴を極める様式美も、ここまで徹底して極める事で何かを忘れさせる意図があったような気がして仕方がない。ここまで、宗教と言うものに、人間臭さを感じさせる教会を僕は他に知らないからだ。神聖で厳格で貴意の高い神という存在が、これほどまでにどろどろとした人間の愛欲入り混じる、格式というものをはるかに超越したカタチとして示現することに僕は驚きを隠せない。

だからこそ、僕はこのサントドミンゴ教会が好きだ。ノルテーニョの柄物に柄物を合わせるファッションに通じるユーモアがそこにある。暗さを覆い隠す、その裏にある何か?!を圧倒的なド派手さで一瞬にして忘れさせてくれるからだ。だからこそ、この教会に参拝する度に僕はカトリックでもないのに、「いるはずのない神に祈る。」。。のだ。

ネットで目にし、テレビは4Kの美しい映像でみるだけでは得る事の出来ない、この空間に自分の肉体を置く事で、自分の魂に響く何かを、、、得ること、得られること。そこにこの場所まで行く意味がある。空気、香り、決して映像では得る事の出来ない、自分の時間を共有するというその行為と意味に、その真理がある。是非、ご自身の心に感じてみて欲しいと思います。

さて、プエブラの街は広い。サンミゲルデアジェンデのように一角が歴史地区として保全されているのと違い町全体が歴史地区のような街である。このプエブラで、初代第一帝政のアウグストゥス・イトゥルヒデ皇帝が、メキシコ独立戦争の勝利を示すコルドバ条約の調印を行い、その記念として修道尼が生み出した、この時期だけしか味わう事が出来ないメキシコ独立の象徴的料理「CHILE EN NOGADA」が生まれた街でもあり、また、メキシコの心の味とも言われる「MOLE(モレ)」の発祥の地でもある。

この街に来て僕が絶対に味わうのは、もちろん、モレだ。美味いメキシコ料理が集まるメキシコシティでも味わう事が出来ない美味いモレがここには溢れている。シティなら、世界ベストレストラン100に毎年10位以内でランクインするPUJOLというメキシコ料理の最高級レストランで、仕込んでから4年から5年以上経過するという熟成モレが必ず供されるのだけれど、その美味さに匹敵するモレにこの街では気軽に出会えたりする。

僕が好んで行くエリア、それが骨董街であるフロッグ地区だ。ここにボクの一番のお気に入りのモレを食べさせてくる店がある。美術商の仕事をしていた時代、僕はイギリスやヨーロッパの骨董屋周りをよくやっていた。その雰囲気を味わえる場所でもあるから、僕はこの場所が好きだと言うのもある。観光地ならではの、ありきたりのお土産を、あきもしないでその器に書かれる都市名だけが違うだけの似通ったものを、値段だけで売りつけてくるような店は一つもない。

まぁ、ここがメキシコであるが所以で第三国であるが故、あまり良いモノを骨董的には見つけられないという難点はあるけれど、雰囲気を味わい、ボク自身の過去を心地よく思い出すにはとても良い空間がそこにはある。

そうだ、このフロッグ地区に行って、空いていれば必ず立ち寄る立ち飲み屋があるんだ。今日はそこも紹介しよっか。

PASITAというバーがある。パシータを知らずしてプエブラを語る事なかれ、、、とまで言われる歴史あるカンティーナ(バー)だ。

創業はなんと1916年。Emilio Contreras Aicardo氏によってオープンしたとある。入ると分かるが、1916年から時が止まったように、その佇まいは変わらない。。。刻んだ歴史の長さだけ、背景にあるストゥールに飾られる様々な小物に、世代に分け隔てなくその時代の想い出を提供してくれる。

こういう店は良い。甘いリキュールはプエブラ産だ。干しブドウを蒸留して造ってあり、ベースのショット($30ペソ)を注文すると、そこにチーズとドライフルーツ(干しブドウ)を楊枝にさしたものを入れて出してくれる。

このPASITAというリキュールが店名になった店だが、そもそもPASITAって甘いリキュールがメキシコでも有名になったのは、街角ごとに販売店を置いた事があるそうだ。5番通りのパシータ、2番通りのパシータといった具合に、1950年代に店舗を増やしていったらしい。それは、この20度というちょっと強めのリキュールをショットで飲んだあと、無事に家までたどり着けるようにという配慮からだったという。

そんなPASITAを、もっとも有名にしたキャンペーンが「ショット100杯飲んだら無料かつ、1000ペソの賞金を差し上げます」というものだったそうだ(汗)

今ではとても考えられない危険なキャンペーンだが、ずいぶんと長く続けていたらしい。そして、長い歴史の中で、この100杯を達成したのはただ一人、EL Petereteという人物だったそうだ。その後、93杯まで達成した青年がいるそうだが、直後に意識を失い(当然だわ(汗))、赤十字に救急搬送され、それを機にこのキャンペーンは中止になったそうだ(笑) ってか、メキシコって、むちゃくちゃなキャンペーンをやるのは、今でも変わらない。今でも地方のカンティーナに行くと、電気ボックスなるバッテリーに電極をつないで両端を握り、何ボルトまで耐えられるかという危険な余興があったりするけど(ボクの知り合いにこいつで10段階の8までいって、感電したツワモノがいます(苦笑) 本人曰く、5段階を超えたあたりから手が電極から離れなくなって、声も出せずに頭を振ったがそれが大丈夫と取られて8まで行ってしまったということでした。。。髪の毛逆立って周りがストップしたから助かったと言っていた(汗))

さて、このPASITA。もっとも歴史あるカンティーナの一つで、プエブラの名士と言われる人々は皆必ずやってきているという場所。壁にはメキシコの有名人の色紙やサインも色あせて飾られています。。。

こんな店に、自分が爺さんになった時、20歳になった孫と一緒にやって来て、そこに自分がやってきた時代をそれぞれ見ることが出来たらそれは素敵な事だなと考えたりする。

こうやって、思い出をつないでいけることって素晴らしい。自分が死んでも、きっと残り続けるであろう店があること、そこにまた通ってくれる孫や子孫がいること。。。なんというかな、ボクは墓参りなんて退屈な儀式よりか、こうやって、自分の先祖が立ち寄って思い出を刻んだ店に、ふと、足を運んで、その都度、すこしだけ思い出してくれた方がずっといいなんて考えたりする。不謹慎かもしれないけど(^^;

さて、今では20種のカクテルを一杯30ペソから提供している。そんなここの親父が、また良い味を出している、その息子がまたサポートで次の代を引き継ぐべくカウンターに親子で立っている。こうやって歴史は引き継がれ、そして、思い出も生き続けていく。。。

どう? あなたも、この店に自分の想い出と言う足跡を残してみませんか?!

さて、そんなPASITAで、調子に乗って3杯もショットを飲み干したボクは、一本お土産でPASITAを購入して(一本220ペソ)、すぐ近くにある目的のモレの店へと向かった。SACRITSTIAというブティックホテルにあるレストランだ。今の時期は、独立記念日限定のCHILES EN NOGADAも出している。600gもある巨大なCHILES EN NOGADAは流石に手に余ることもあり、当初の目的のモレを注文、舌鼓を打った。

このエリアは週末がフリーマーケットも開かれるので賑やかでおすすめだ。平日は開いている店も少なくてそれはそれでボクは好きなのだが、せっかくならこのエリアの醍醐味を目いっぱい感じられる週末に訪れたい。週末だと、この店では生の演奏などが入って、そう、ボクが以前来た時には美しい歌声を奏でる歌姫の本当に美しい美声に酔いしれたのを思い出す。

この店特性のワインも安くてお土産におすすめだ。店名と同じSACRITIAというブランドでテンプラニーリョのスペイン産だよ(2018年8月現在一本$280ペソ)

それにしても、プエブラという町を美しく楽しい町だと感じるのは、歴史が実際に生きている実感を肌で感じながら、その実Pasitaのマスターの作るショットや街角のレストランで食べるモレは、決して観光客の為の演出ではない本物の歴史であるからなのだろうと、、、思う。

さて、こんなプエブラをどうやってツアーに仕上げるか。。。また、ちょっと考えてみようか。乞うご期待?!(^^)

皆様の素敵な一日を願って

店長吉田より

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  • プエブラの街は歴史がそのまま現代に生きる街。ここでプエブラの会戦が行われ、メキシコ独立のコルドバ条約の調印が行われ、アウグストゥス1世が戴冠し、CHILES EN NOGADAが生み出され、美味しいモレが作られる、、、そんな街。。。

    プエブラの街は歴史がそのまま現代に生きる街。ここでプエブラの会戦が行われ、メキシコ独立のコルドバ条約の調印が行われ、アウグストゥス1世が戴冠し、CHILES EN NOGADAが生み出され、美味しいモレが作られる、、、そんな街。。。

  • サント・ドミンゴ教会は、外から見るととっても地味だが中に入ると豪華絢爛を通り越した超ウルトラバロック様式によって飾られている。

    サント・ドミンゴ教会は、外から見るととっても地味だが中に入ると豪華絢爛を通り越した超ウルトラバロック様式によって飾られている。

  • 天蓋を埋め尽くす聖者たちの姿も金襴尽くしだ。。。行き過ぎたバロック様式をウルトラバロックと称するわけだが、メキシコの文化や歴史と重ねると分かりやすいかもしれない。

    天蓋を埋め尽くす聖者たちの姿も金襴尽くしだ。。。行き過ぎたバロック様式をウルトラバロックと称するわけだが、メキシコの文化や歴史と重ねると分かりやすいかもしれない。

  • 16世紀から17世紀に描かれたという宗教画。今につながる現代絵画も、この宗教画からスタートしている。ルネッサンスに始まる宗教画の美術絵画化の影響を見て取ることが出来る。<br /><br />この時期に、宗教を視覚的に教え諭すことが目的の宗教画というものが、美的意識をもった絵画の為の美術へと変化した。。。そういう見方をすると、この時代から宗教画も崇拝の対象から一種の美術鑑賞へと変化をしていったことが分かる。

    16世紀から17世紀に描かれたという宗教画。今につながる現代絵画も、この宗教画からスタートしている。ルネッサンスに始まる宗教画の美術絵画化の影響を見て取ることが出来る。

    この時期に、宗教を視覚的に教え諭すことが目的の宗教画というものが、美的意識をもった絵画の為の美術へと変化した。。。そういう見方をすると、この時代から宗教画も崇拝の対象から一種の美術鑑賞へと変化をしていったことが分かる。

  • スペインが行った残虐な虐殺が、特に徹底的に行われたのがプエブラだ。人口が10分の1にまで減ったと言われるこの地に、何故、ドミニク教会がこれほどまでに壮大な、いやらしさを通り越した徹底したバロック様式で飾り付けることにしたのか。。。

    スペインが行った残虐な虐殺が、特に徹底的に行われたのがプエブラだ。人口が10分の1にまで減ったと言われるこの地に、何故、ドミニク教会がこれほどまでに壮大な、いやらしさを通り越した徹底したバロック様式で飾り付けることにしたのか。。。

  • その闇の深さを、ボクはここに立つたびに感じて仕方がない。

    その闇の深さを、ボクはここに立つたびに感じて仕方がない。

  • プエブラの伝統工芸であるタラベラ焼きも、16世紀から17世紀のものだという。その時代から、ほぼ一貫して変わらない製法で焼成される焼き物は、街で買うものとまったく同じである事に驚かされる。。。ここにもまた歴史が生きている。。。

    プエブラの伝統工芸であるタラベラ焼きも、16世紀から17世紀のものだという。その時代から、ほぼ一貫して変わらない製法で焼成される焼き物は、街で買うものとまったく同じである事に驚かされる。。。ここにもまた歴史が生きている。。。

  • 宗教と並行して、ここプエブラには庶民の歴史も生きている。フロッグ地区には骨董街があり、週末は賑やかなフリーマーケットが開かれる。<br /><br />その一角に1916年創業のカンティーナ「PASITA」がある。

    宗教と並行して、ここプエブラには庶民の歴史も生きている。フロッグ地区には骨董街があり、週末は賑やかなフリーマーケットが開かれる。

    その一角に1916年創業のカンティーナ「PASITA」がある。

  • 店内は1916年操業して以来ほとんど変わっていないそうだ。<br /><br />ストゥールに飾り付けられた長い歴史の間に積み上げられた小物類に、訪れる人々の懐かしい想い出が重なる。。。<br />

    店内は1916年操業して以来ほとんど変わっていないそうだ。

    ストゥールに飾り付けられた長い歴史の間に積み上げられた小物類に、訪れる人々の懐かしい想い出が重なる。。。

  • 1916年創業時の写真。当時は街角ごとにこうした直営店があったそうだ。20度という強めのショットを飲んだお客さんが無事に家までたどり着けるようにという配慮からだったという。。。<br /><br />それにしても、全く同じ建物だ(笑)<br />

    1916年創業時の写真。当時は街角ごとにこうした直営店があったそうだ。20度という強めのショットを飲んだお客さんが無事に家までたどり着けるようにという配慮からだったという。。。

    それにしても、全く同じ建物だ(笑)

  • 1925年当時の店内。これまたまったく同じだ(笑)<br /><br />当時、ショット100杯飲んだら飲み代無料に、更に1000ペソの賞金!という恐ろしいキャンペーンをやって有名になったんだとか。<br /><br />因みに、メキシコのカバディートというショットグラスは1オンス44mlなので、100杯と言ったら4.4リットルに相当する。つまり、750mlのボトル6本を飲み干す計算だ。。。<br /><br />ちなみに、102年の歴史でこの100杯ショットを達成したのはたった一人だけらしい。93杯までいった27歳の青年は、直後意識不明になり赤十字に救急搬送された。。。それが二番目の記録だそうだ。<br /><br />ただし、これがきっけでキャンペーンは終了したと言われている。そりゃそーだ(^^;

    1925年当時の店内。これまたまったく同じだ(笑)

    当時、ショット100杯飲んだら飲み代無料に、更に1000ペソの賞金!という恐ろしいキャンペーンをやって有名になったんだとか。

    因みに、メキシコのカバディートというショットグラスは1オンス44mlなので、100杯と言ったら4.4リットルに相当する。つまり、750mlのボトル6本を飲み干す計算だ。。。

    ちなみに、102年の歴史でこの100杯ショットを達成したのはたった一人だけらしい。93杯までいった27歳の青年は、直後意識不明になり赤十字に救急搬送された。。。それが二番目の記録だそうだ。

    ただし、これがきっけでキャンペーンは終了したと言われている。そりゃそーだ(^^;

  • これが、PASITAのボトル。昔のボトルが並べてあるけれども、現代の瓶とデザインと容量は同じ。。。<br /><br />しかし、このボトルを6本飲み干すってのは、、、ちょっと無理だな(苦笑)<br />

    これが、PASITAのボトル。昔のボトルが並べてあるけれども、現代の瓶とデザインと容量は同じ。。。

    しかし、このボトルを6本飲み干すってのは、、、ちょっと無理だな(苦笑)

  • これが、PASITAのショット。甘いレーズンで作ったリキュールに、チーズとレーズンのピンチョスが添えられる(ってか、入ってる(^^)<br /><br />度数は20度。とっても甘い。。。<br /><br />一杯30ペソ。

    これが、PASITAのショット。甘いレーズンで作ったリキュールに、チーズとレーズンのピンチョスが添えられる(ってか、入ってる(^^)

    度数は20度。とっても甘い。。。

    一杯30ペソ。

  • 味のある親父さんは、丁寧にメニューについて答えてくれる

    味のある親父さんは、丁寧にメニューについて答えてくれる

  • 13種類のメニューがある。PASTITAをベースにしたものがほとんど。全部試したくなるが、結構強いので注意(笑)

    13種類のメニューがある。PASTITAをベースにしたものがほとんど。全部試したくなるが、結構強いので注意(笑)

  • 平日は空いているので、こうやってカウンター越しに親父に質問しながらショットを楽しめるのだけれど、週末はフリーマーケットが立ち、沢山の観光客もやってくるので、この店も結構な渋滞をする。。。<br /><br />立ち飲みという気軽さも手伝って、完全な流れ作業になってしまう事も。。。<br /><br />フリーマーケットはおすすめなので、週末にこのエリアには来たいが、PASITAは平日に来たい。。。うーーん、難しい選択だな(汗)<br /><br />

    平日は空いているので、こうやってカウンター越しに親父に質問しながらショットを楽しめるのだけれど、週末はフリーマーケットが立ち、沢山の観光客もやってくるので、この店も結構な渋滞をする。。。

    立ち飲みという気軽さも手伝って、完全な流れ作業になってしまう事も。。。

    フリーマーケットはおすすめなので、週末にこのエリアには来たいが、PASITAは平日に来たい。。。うーーん、難しい選択だな(汗)

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