18年4月8日の日曜日、先輩隊員の方から今日カーニバルのパレードがあると電話を戴き、急遽デボン・ハウス(Devon House)に駆け付け、パレードを見た。世界三大カーニバルと云われるリオ(Rio de Janeiro)、ヴェネツィア(Venezia)、トリニダード・トバゴ(Republic of Trinidad and Tobago)のカーニバルには及ばないだろうが(どれも参加したことないが)、大音量のソカ(soca：トリニダード・トバゴ発祥の音楽)に乗って、多くのグループがカラフルな衣装に身を包んで踊り歩き、いかにもカーニバルっぽかった。<br /><br />そもそもカーニバル(Carnival：謝肉祭)はカソリック系の宗教行事で、俗ラテン語のcarnem(肉を)levare(取り除く)に由来するように、復活祭(Easter)前の四旬節(Lent)の断食に入る前に肉に別れを告げる宴で、仮装したパレードや菓子や花を投げる行事などが行なわれてきたのだが、現代では宗教的な背景のない単なる祝祭をもカーニバルと称するようになった。<br /><br />カリブ海地域では、上に書いた世界三大カーニバルの一つのトリニダード・カーニバルが有名で、首都ポート・オブ・スペイン(Port of Spain)で毎年2月から3月にかけての時期、四旬節が始まる灰の水曜日(Ash Wednesday)の前週に行われている。18世紀の終わり頃、ヨーロッパのカーニバルの習慣が当時の宗主国のフランス人によってトリニダード島にもたらされたもので、島民は一年をかけてカーニバルの準備をすると云われている。<br /><br />ジャマイカでは、40年代にUWI(the University of the West Indies)が出来た時、トリニダード・トバゴからの学生を中心に東カリブ海諸島出身者の間で大学のキャンパスで始められたが、カーニバルは一般的には無名であり、興味のあるものはトリニダード・カーニバルに出演したり、参加したりしていた。しかし、89年、この年は前年大被害をもたらしたハリケーン・ギルバート(Hurricane Gilbert)とこの年の2月に行われた総選挙の影響で多くの人がトリニダード・トバゴへ足を運べず、代わりにジャマイカで小さなイベントを行った。そんな中、トリニダード・カーニバルでも活躍していたジャマイカ音楽史に多大なる貢献を果たしたパイオニア/レジェンドであるバイロン・リー(Byron Lee)が、ジャマイカ・カーニバルを提唱。そして90年4月、多くの批評家に失敗するだろうと云われたにも関わらず、バイロン・リー＆ザ・ドラゴネアーズ＆フレンズ(Byron Lee & The Dragonaires & Friends)によるジャマイカ初のカーニバルは大成功。そしてそれから28年、カーニバルは今やジャマイカ最大のイベントとなった。<br /><br />ジャマイカ・カーニバルは、トリニダード・カーニバルと競合しない日程で、かつ四旬節を避けたので、イースター後に行われる。準備自体は1月から始まるが、祭りとしては毎年イースターサンデー(Easter Sunday)から次の日曜までの8日間で、最終日にパレードが行われる。パレードは2018年はソブリン・センター(Sovereign Centre)をスタートし、ホープ・ロード(Hope Road)、レディー・マスグレーブ・ロード(Lady Musgrave Rd)、オックスフォード・ロード(Oxford Road)、ナッツフォード・ブールバード(Knutsford Blvd)、トラファルガー・ロード(Trafalgar Rd)、ウォータールー・ロード(Waterloo Rd)、コンスタント・スプリング・ロード(Constant Spring Rd)、ハーフウェイツリー(Half Way Tree)などを通り、最後にエマシペーション・パーク(Emancipation Park)だったようだ。なお、祭りには多くの東カリブ海のバンドと歌手も参加しており、バルバドス(Barbados)やトリニダード・トバゴなどのアーティストの公演が見ることができる。また、オーチョリオス(Ocho Rios)など他のジャマイカの町でも行われている。事前に各チームのショップで衣装を購入し、パレードに参加することもできるそうだが詳細は不明。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.2021077311295616.1073743718.100001801017376&type=1&l=72e6652a51<br /><br />パレードを待つ間、デボン・ハウス(Devon House)のアイスクリーム屋(I-Scream)でアイスを食べたが、その話はまた別の機会に。<br /><br />以上

キングストンカーニバル(Carnival, Kingston)

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2018/04/08 - 2018/04/08

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18年4月8日の日曜日、先輩隊員の方から今日カーニバルのパレードがあると電話を戴き、急遽デボン・ハウス(Devon House)に駆け付け、パレードを見た。世界三大カーニバルと云われるリオ(Rio de Janeiro)、ヴェネツィア(Venezia)、トリニダード・トバゴ(Republic of Trinidad and Tobago)のカーニバルには及ばないだろうが(どれも参加したことないが)、大音量のソカ(soca：トリニダード・トバゴ発祥の音楽)に乗って、多くのグループがカラフルな衣装に身を包んで踊り歩き、いかにもカーニバルっぽかった。

そもそもカーニバル(Carnival：謝肉祭)はカソリック系の宗教行事で、俗ラテン語のcarnem(肉を)levare(取り除く)に由来するように、復活祭(Easter)前の四旬節(Lent)の断食に入る前に肉に別れを告げる宴で、仮装したパレードや菓子や花を投げる行事などが行なわれてきたのだが、現代では宗教的な背景のない単なる祝祭をもカーニバルと称するようになった。

カリブ海地域では、上に書いた世界三大カーニバルの一つのトリニダード・カーニバルが有名で、首都ポート・オブ・スペイン(Port of Spain)で毎年2月から3月にかけての時期、四旬節が始まる灰の水曜日(Ash Wednesday)の前週に行われている。18世紀の終わり頃、ヨーロッパのカーニバルの習慣が当時の宗主国のフランス人によってトリニダード島にもたらされたもので、島民は一年をかけてカーニバルの準備をすると云われている。

ジャマイカでは、40年代にUWI(the University of the West Indies)が出来た時、トリニダード・トバゴからの学生を中心に東カリブ海諸島出身者の間で大学のキャンパスで始められたが、カーニバルは一般的には無名であり、興味のあるものはトリニダード・カーニバルに出演したり、参加したりしていた。しかし、89年、この年は前年大被害をもたらしたハリケーン・ギルバート(Hurricane Gilbert)とこの年の2月に行われた総選挙の影響で多くの人がトリニダード・トバゴへ足を運べず、代わりにジャマイカで小さなイベントを行った。そんな中、トリニダード・カーニバルでも活躍していたジャマイカ音楽史に多大なる貢献を果たしたパイオニア/レジェンドであるバイロン・リー(Byron Lee)が、ジャマイカ・カーニバルを提唱。そして90年4月、多くの批評家に失敗するだろうと云われたにも関わらず、バイロン・リー＆ザ・ドラゴネアーズ＆フレンズ(Byron Lee & The Dragonaires & Friends)によるジャマイカ初のカーニバルは大成功。そしてそれから28年、カーニバルは今やジャマイカ最大のイベントとなった。

ジャマイカ・カーニバルは、トリニダード・カーニバルと競合しない日程で、かつ四旬節を避けたので、イースター後に行われる。準備自体は1月から始まるが、祭りとしては毎年イースターサンデー(Easter Sunday)から次の日曜までの8日間で、最終日にパレードが行われる。パレードは2018年はソブリン・センター(Sovereign Centre)をスタートし、ホープ・ロード(Hope Road)、レディー・マスグレーブ・ロード(Lady Musgrave Rd)、オックスフォード・ロード(Oxford Road)、ナッツフォード・ブールバード(Knutsford Blvd)、トラファルガー・ロード(Trafalgar Rd)、ウォータールー・ロード(Waterloo Rd)、コンスタント・スプリング・ロード(Constant Spring Rd)、ハーフウェイツリー(Half Way Tree)などを通り、最後にエマシペーション・パーク(Emancipation Park)だったようだ。なお、祭りには多くの東カリブ海のバンドと歌手も参加しており、バルバドス(Barbados)やトリニダード・トバゴなどのアーティストの公演が見ることができる。また、オーチョリオス(Ocho Rios)など他のジャマイカの町でも行われている。事前に各チームのショップで衣装を購入し、パレードに参加することもできるそうだが詳細は不明。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.2021077311295616.1073743718.100001801017376&type=1&l=72e6652a51

パレードを待つ間、デボン・ハウス(Devon House)のアイスクリーム屋(I-Scream)でアイスを食べたが、その話はまた別の機会に。

以上