2018/05/11 - 2018/05/12
77位(同エリア315件中)
古川大輔さん
伊勢神宮には、年に数回、足を運んでおります。
距離の割に、なかなか中身の濃い鉄道の旅が楽しめるルートでもあり、独特なワクワク感があります。
「この列車は、四日市~津駅間におきまして、JR線とは別の、伊勢鉄道の線路を走行します。ジャパンレールパス、フルムーンパスなどの企画乗車券で、四日市から先へお越しのお客様は、伊勢鉄道の乗車券が別に必要です」
「この列車は、JR線です。近鉄線ではございません。お間違いのないようご注意下さい」
「名古屋行きの特急が参ります。先程、発車しました、大阪上本町行き特急とは、号車番号が大きく異なりますので、ご注意下さい」
どれも、三重県下の鉄道事情を象徴する案内です。
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通常、東京、名古屋、四日市方面から津、伊勢、南紀方面へJRで行く場合、特急「南紀」や快速「みえ」を利用するのが一般的ですが、これらの列車は、四日市(正確には河原田駅)~津駅間で、伊勢鉄道伊勢線の線路を走行します。従って、これらの列車では数回、前述のようなアナウンスが繰り返され、名古屋駅ホームでは、自動放送でも案内されます。
指定席券売機等で、写真のような乗車券を購入する場合で、津駅まで指定席券や特急券を購入しない場合、最終下車駅を入力する必要がありますが、この際、「つ」一文字では、自動で候補駅名は表示されないので、「つ」→表示、と操作が必要で、さらに、伊勢鉄道経由の場合は、筆頭に出てくる「津」ではなく、となりの「伊勢鉄道津」を選択しなければなりません。 -
平成30(2018)年5月11日(金)
のぞみ247号 名古屋 行き
東京 17:41.00 発 (14番線)
品川 17:46.50 着 17:48.25 発
熱海 18:17.30 通過
豊橋 19:02.40 通過
名古屋 19:21.35 着 (17番線)
次発 19:33 発 (13番線)
快速 みえ 23号 伊勢市 行き -
快速「みえ」23号 伊勢市 行き
キハ75形 2両編成
名古屋 19:33.25 発 (13番線)
笹島信号場 19:27.20 着 19:28.15 発
桑名 19:55.25 着 19:58.40 発
四日市 20:08.25 着 20:09.05 発
鈴鹿 20:16.40 着 20:17.15 発
津 20:30.55 着 (2番線) -
快速「みえ」使用車両のキハ75形気動車は、特急「南紀」に使用される特急車両のキハ85形気動車と同じ足回りになっています。
運行速度、停車駅も、一部が伊勢鉄道伊勢線の中瀬古に停車するほかは、基本的に特急「南紀」と同じで、これについては、主要駅停車タイプの近鉄乙特急よりも最小限に絞られています。しかし、単線区間が大部分を占めるため、特急「南紀」を含め、信号待ちによる運転停車をする列車もあり、時間帯により、所要時間は前後します。
とはいえ、その運行速度は、近鉄特急と同等の120キロで、乗り心地を考慮したゆとりダイヤの近鉄に対し、より速達性重視のダイヤが組まれているため、不利な線路状況であることを感じさせません。 -
平成30(2018)年5月12日(土)
近鉄線 特急 名古屋 行き
松阪 20:29.20 発 (6番線)
22000系4両+22600系2両=6両編成
(乗車車両は4号車、22000系側)
伊勢中川 20:35.25 着 20:37.10 発
津 20:46.55 着 20:47.35 発
白子 20:56.25 着 20:57.05 発
四日市 21:08.10 着 20:09.25 発
桑名 21:20.10 着 21:20.55 発
近鉄名古屋 21:38.40 着 (5番線)
次発 21:54 発 (JR名古屋 14番線)
のぞみ62号 東京 行き -
こちらは後部2両の22600系
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今回の組み合わせは、新世代の高性能特急車両同士の併結のため、時速130キロでの営業運転に対応する強力編成です。
22600系は、2009年に登場した、汎用特急の最新型で、足回りは21020系「アーバンライナー・ネクスト」と共通、車体のデザインは、22000系をほぼ踏襲しています。
22000系は、初めて登場した時からは25年ほどになりますが、この車両から、性能面、デザイン面ともに大きく近代化され、現在まで受け継がれています。
両者とも、高速性能が非常に高く、営業最高速度は在来線最高の130キロながら、性能に大幅なゆとりがありますので、高速走行時の快適性は抜群で、高速域での加速のレスポンスも非常に強く感じます。
営業最高速度は、ブレーキ性能によって変わりますが、それぞれの世代において、より高い高速性能を持たせている点は、以前の、初代ビスタカー10000系より受け継がれる近鉄特急の伝統の一つでもあります。その一番の理由は、大阪線の急勾配区間においても、安定した高速走行を実現することにありますが、結果として、ゆとりある運転や快適性にも、この性能が大きく貢献していると言えるでしょう。 -
こちらは22000系と30000系「ビスタカーEX」の合体、連結部
そして、近鉄の伝統として最も注目すべきは、その車両運用の柔軟性で、まさに鉄道のプロフェッショナル集団としての自信と誇りを感じさせます。世代も性能も大きく異なる2形式、時には3形式が連結され、一つの列車として走ることも普通の光景です。
近鉄特急は、アーバンライナーや伊勢志摩ライナー、しまかぜなどの固定編成を除く、いわゆる「汎用特急車両」は、新旧、性能の差異に関わらず、連結(併結)運転が可能です。
22000系や22600系には、写真のように性能の異なる旧型車との連結時に、各種性能を、相手側に合わせる読替装置を搭載しています。この場合の両者の営業最高速度は、旧式車両側に合わせて120キロになります。
運転士は、たまたまその時、先頭になった車両の運転台で、全く質の異なる車両もコントロールすることになるため、技術的に調整が図られていても、毎回、違うクセはあると思われます。特にブレーキ操作時のショックの伝わり方など、乗り心地にこだわる近鉄ゆえ、繊細な気配りが求められ、各車両の特性を把握している必要があります。合理化と自動化で安全対策が図られる昨今、近鉄の運転士のプロ意識と信頼される運転技術は、賞賛に値すると思います。 -
これら近鉄特急の汎用車両は、レール間の幅が異なる南大阪線系統の路線を除き、全ての車両が、全域で運用されます。たくさんの異なる編成を合体させて、最大10両まで連結することがあり、時には、そのまま1つの列車として、時には、途中で切り離して別の行き先の列車にするなど、必要に応じて、実に効率よく運用されています。
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さらに、近鉄の車両運用を語る上で見逃せないポイントがもう一つあります。
名古屋線、大阪線、山田線が集まる伊勢中川駅付近では、名古屋線~大阪線、名古屋線~山田線、大阪線~山田線と、全ての路線同士で方向転換せず直通運転できる三角線が形成されています。
しかし、仮に1つの車両を、名古屋→大阪→賢島→名古屋と走らせた場合、名古屋を出発した時と、名古屋に戻った時では、車両の向きが真逆になってしまいます。
無作為に向きが変わってしまうのは、サービス、メンテナンス面など、何かと問題があり、特に近鉄のように、頻繁に合体、分割を繰り返すとなれば、配管や幌の向きなどは、常に正の方向を定めておく必要があります。
そこで、前述のような運用はせず、山田線・志摩線の伊勢中川~賢島間で、大阪線直通列車に限り、向きが真逆になるように定められていて、大阪線から来た電車は必ず大阪線に戻るよう、決められています。これならば、この区間以外では常に正の向きで走行できます。
そして、大阪、京都方面行きの特急の直後に、名古屋行き特急が続く場合には、列車の番号が大きく異なる注意喚起の放送が繰り返される事があるのです。
近鉄電車の、まさに芸当と言える車両運用術、お見事です!。 -
名古屋~鳥羽間では、JR線と近鉄線が、付きつ離れつ、並走し、共同管理駅が多いのも特徴のひとつです。
写真は、津駅の東側、JR東海管轄の自動改札機です。ICカード対応になっていますが、JR東海としての津駅はICカードエリア外なので、今のところは近鉄のための機能になっています。
改札内で近鉄、JR東海を区切る連絡改札はなく、どちらの乗車券、入場券等で、どちらのホームにも入場可能です。従って誤乗防止のため、特にJRでは、共同管理駅で、冒頭に述べたような、注意喚起の放送がされることがあります。 -
のぞみ62号 東京 行き
(博多始発、定期)
(N700系)
名古屋 21:54.30 発 (14番線)
新富士 22:45.25 通過
小田原 22:59.55 通過
新横浜 23:14.15 着 23:15.40発
品川 23:25.40 着
当日のこの列車以降の東京行きは、新大阪始発の不定期、博多発定期の最終の順番でした。
ちなみに、前述のように、いつも最終的に松阪駅から近鉄に乗車して、新幹線に乗り継ぎますが、この後の宇治山田 20:20 → 伊勢市 20:22 → 松阪 20:36 の急行名古屋行きが、東京行き新幹線に乗り換え可能な最終で、津 で、後続の 大阪難波 からの特急に乗り換えとなります。名古屋駅で最終の東京行き のぞみ 64 号に、20分の乗り換え時間です。
ただ、前述の特急と松阪滞在時間は僅か7分しか違わないので、この 20:29 特急に乗車した方が、ゆとりもあって、尚且つ、東京に早く着けます。
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