2018/02/03 - 2018/02/03
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Pontakaiさん
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今年も避寒目的で1月中旬より台南市に短期滞在しています。(昨年は高雄市)そんな訳で短日の観光旅行ではなかなか行きにくい台南市から少し離れた、しかし訪れる価値のある場所として、烏山頭水庫(ダム)とその設計技師であり、建設現場を率いた八田與一の事績箇所、また功績を称えた旧宅群のある記念公園区を訪ねてみました。
八田與一氏は1920年から30年にかけて足掛け10年にわたって、この台南(嘉南)の平野にダム建設、灌漑用水路網を引いた設計技師であり、土木建設工事監督者であった人です。今日のこの台南の穀倉地帯を築いた生みの親とも言うべき人です。
いささか美談化されている点はあるかと思いますが、設計の専門家としてはもちろん大変優秀な方であったことは言うまでもありませんが、建設作業を進める中で地元の人々と分け隔てなく接し、公平に仕事を割り振り、人間を大切にした非常に人情にも厚い立派な方だったようです。
今日、一部では当時は台湾が日本統治下にあったこともあり、社会インフラとして事業予算を彼の尽力により、日本政府から大々的に引き出して国策事業としてあたったため、純民間人の私財をなげうった事業ではなく、国策の代弁者、すなわち日本帝国主義の手先みたいな評価をするグループもあるようですが、台南の農業の今日ある事の礎を築いた功績はそうした利害関心を前提とする政治を離れて、現実に人々の生活をより豊かにしてきている「実力」あるものです。素直にすばらしいこととして尊崇すべき事績です。
ただ、戦争は悲劇をご夫妻にももたらしました。太平洋戦時下、與一氏は台湾からフィリピンへ徴用移動する1942年途中アメリカの潜水艦によって乗船していた船が撃沈され亡くなられたそうです。
そして夫人は戦争が敗北に終わった1945年の9月1日、夫が造ったダムの放水口へ身を投げて生涯を完結させたそうです。ドラマティックな現実でした。
場所はレンタカーか友人などの乗用車がないと行きにくいところですが、台鉄善化駅から公共バス(公車)橘4番線もあります。バスの本数も実質日帰り客用は2本と激少ないところなので、バス時刻表を頭に入れて行動することが必要です。
大台南公車 橘4番ライン
現在、往路:台鉄善化駅発 10:10 → 烏山頭水庫着 10:40(実際は10:30頃には着いた)
12:40 13:10
帰路:烏山頭水庫発 13:10 → 台鉄善化駅着 13:40
17:00 → 17:40 が台南市から日帰り用で便利です。
なお、費用は 鉄道:台鉄台南駅⇔台鉄善化駅 28x2=58元
バス:善化駅⇔烏山頭水庫 49X2=98元
公園入場料: 80元 です。
ダムおよびダム湖周辺の見学ということで、案内図に従ってView Points全体を訪れると、歩く距離は全体で5kmくらいあります。それでも約2時間半の時間の中ですべて回ることができました。
再建された旧宅の並ぶ八田記念公園区は正門入り口から5,600m離れたところにあります。そちらも含めての移動距離です。
以下に示す解説は、現地にある日本語パンフレットにその大部分を負っていることをお断りいたします。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 2.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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台鉄台南駅から北上へ5駅目の善化駅です。区間車で20分くらいのところです。善化駅10:10発のバスに乗るためには遅くとも台南発9:27の列車に乗る必要があります。9:53到着です。
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橘(オレンジ色の意味)4番バスが烏山頭水庫へ直行します。写真を拡大してみれば時刻表も見えるはずです。
既述の通り、日帰りをするならば、10:10発か12:40発しかありません。 -
10:10発のバスでした。ひとりで貸し切りという状態で公車は途中の停留所で停止することなく快走します。
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途中ワインディングロードもあります。
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台南藝術大学の正門です。人里離れた大学なので全寮制なのかなと思いましたが、不思議なことにキャンパスには学生の姿が全くありませんでした。不思議な光景でした。
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ダムおよびその湖畔公園となっている烏山頭水庫の入り口です。乗用車や観光バスで来ることを前提にしているのか個人の入り口は特にありません。
公車で来た旨伝えると(実際はその姿を見て知っているのですが……)係員は80元の入場料を取ります。普通車で来ると200元となっていましたが、それが車一台での入場料を意味するのか、ひとりの入場料なのかは分かりません。まぁ、とにかく公車で来た人は80元(≒320円)です。 -
ダムと湖畔の案内図です。入場時にもらう案内パンフレットの方がより分かりやすいです。
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案内標識方向板です。わたしはとりあえず左側から、まず八田氏のお墓を目指します。そこがダム湖畔で一番高いところでダムを見降ろすことができるからです。
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とりあえず堤に上がります。堤の高さは約50メートルくらいです。
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ダム湖の一部が見えました。ダム湖の大きさは約13平方キロ。流れ込む川の面積も含めると集水面積は60平方キロということです。ダムの説明は案内書に細かく書かれていますので、ここでは省略します。
湖面は薄い鶯色です。そのため「珊瑚潭」とも呼ばれているそうです。 -
ダム建造時に使用された汽車の一台の展示場
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汽車の説明 資材運搬に用いられた説明が読めます。クリックすると画像が大きく見やすくなるはずです。
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堤に沿って植えられた河津桜並木です。まだ蕾もできていない様子でした。桜については生前氏が取り寄せたという南洋桜が別のところに大きく育っています。
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八田與一氏の作業服姿のままで思索にふける姿の銅像です。ご自宅の北側の庭でこんな姿で工事の成り行きについてや設計上の思案などを巡らしていたということです。
この銅像はかつての同僚や地元民の手で建立されたものです。訪れたときに既に献花がありました。台湾人の訪問者からのものです。 -
お墓の周辺です。立ち入り禁止になっていましたので、詳しくは分かりません。
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約9mの幅のある堤に沿って湖畔を散策して行きます。湖上を観光船も出るようですが、今の時期はお客さんも少ないのか係留状態でした。
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堤から天壇が見えてきました。大きく立派な建物です。
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それもそのはずです。北京の天壇と同じ規格のものだそうです。1977年建造とのことです。
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官田渓という川に流れ込む放水路の上に掛かる吊り橋です。
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溢洪道と呼ばれる放水路です。上流に見える柵の部分が放水穴(余水吐)となっています。
1500立方メートル/秒の水量が、湖面水位が58,18mを超えると放水口が自然に開き、放流が始まるようにできているそうです。訪れたときは放水はありませんでした。 -
放水路の吊り橋より下流の様です。こうした水が灌漑用水路へとつながって広大な平野部を豊かな穀倉地帯にしていった訳です。
エジプトのアスワン・ハイ・ダムなどと役割は同じですね。ダムの設計工法などは全く違うようですが…… -
公園入口へ戻る方向の堤の下には桜並木があります。
樹齢80年のダム完成時に日本から植樹された南洋桜並木です。香樹大道と称されています。八田氏はやはり桜が好きだったようです。 -
10年にわたる工事の中で殉職された方々の慰霊碑です。落盤事故や疫病で亡くなられた方々134名を日本人、台湾人の区別なく、死亡順に刻名してあります。正面には八田氏自らの慰霊文が刻まれています。
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八田氏による慰霊文が刻まれている。
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旧ダム放水口の上に立つ八田技師紀念堂です。残念ながら訪れたときは閉室となっており中を見ることができませんでした。八田技師の事績に関する説明などが当時の写真と共に展示されているとのことです。(入室できなかったのがちょっと残念!)
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旧送水口。現在は1997年に出来た新しい放水路の補助路となっているそうです。
この場所は、八田氏の夫人、外代樹夫人が八田氏亡き後の日本の敗戦直後の1945年9月1日、夫の心血を注いで建設したダムへの一身同体の覚悟の身投げを遂げたところだそうです。 -
旧放水路下流域の様子です。
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平圧塔と呼ばれる六角柱からなる水門開閉時に瞬間的に水圧調整安定化機能を行う噴水塔です。高さは5,8mあります。
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放水口に使われている開閉弁のようなもの
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角度を正面からにして。
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現在水力発電がおこなわれている発電所。
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公園の中にはキャンプ場もありテントを張っての宿営もでき、バーベキューなどもできるようになっています。
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若者たちはサイクリング車で訪れています。
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洗面所にはシャワー室なども備えられています。
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と、ダム湖畔にあるView pointsを訪れた後は、再建された旧宅のある記念公園区へ足を運びました。
案内図ではすぐ隣にあるかのように見えるのですが、実際には5,600メートルほど離れたところにそれらは再建されています。 -
八田氏の事績とのつながりがよく分からなかったのですが、窯用の残土or岩の塊?のようです。
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この絵の様子からすると農作業時に火を使うときの(お湯を沸かしたりする?)窯として使われた窯用の岩か陶土のようです。
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窯場のすぐ隣にあるかのようなパンフレットの案内図ですが、実際はこうした直線路をひたすらまっすぐ歩いて八田記念公園区の旧宅のあるところに向かいます。
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記念公園区の入場門です。ここで係の人に入場券を見せて入ります。
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再現された田中さんと市川さんのお宅です。中はというと、
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昔懐かしい炭灰暖房木箱などありました。部屋は畳に障子、襖の典型的な日本間です。
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イチオシ
八田宅。基本は日本間からなる邸宅ですが、洋間もあった建物です。裏庭も含め、200~250坪くらいの敷地の中に平家建てという様式です。昔の親せきの家などを思い出し懐かしく思いました。
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八田氏夫人と幼子娘の全身像です。
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裏庭の様子
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ダム建設経緯や八田氏の経歴、ご夫妻の生活ぶりなどが展示された記念室です。
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着ていた着物なども展示されている。
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経歴を示したパネル
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八田氏が乗っていてフィリッピンへの途中アメリカの潜水艦に撃沈された船、大洋丸。
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現在の烏山頭発電所。ダムからの流水で発電をしている台湾民間電力会社第一号とのこと。
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以上、台南市郊外にあります交通の便はちょっと悪いけれども、日本人としては是非訪れてみたい、八田與一設計、建設の烏山頭ダムと現在復元展示記念されてる旧宅群を訪れたレポートでした。
左(上)の写真はパンフレットです。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
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