2017/11/23 - 2017/11/26
7位(同エリア87件中)
いしいやすなりさん
- いしいやすなりさんTOP
- 旅行記45冊
- クチコミ2件
- Q&A回答4件
- 34,871アクセス
- フォロワー3人
バージニア州は、1607年に初めてイギリスから船で渡ってきた100名ほどの入植者たちが、ジェームズタウンに植民地を設立した、アメリカ誕生の地でもあり、そのジェームズタウンやウィリアムズバーグを初め、歴代大統領の住んだ屋敷や、プランテーション跡地など、多くの歴史的な見どころがたくさんんある州です。1619年に到着した入植者が、「Thanksgiving」という言葉を使って、無事の上陸に感謝を捧げた、Thanksgiving 始まりの地として知られる、Berkeley Plantation の跡地も残っています。
僕はアメリカのニューイングランド北部に住んでいますが、毎年11月にはバージニア州にいる親戚のところでサンクスギビングをお祝いしています。そのお宅も、かつて19世紀にプランテーションが営まれた土地にあり、独特な雰囲気があります。今回は、そこでのサンクスギビングの一日の様子をご紹介したいと思います。
-
早朝、外は靄が立ち込め、霜が降りていました。あたりは、神秘的とも言えるような、恐竜が歩く姿が見えそうな気さえする雰囲気です。
-
家の裏を流れる川には、大きな鳥が水面をかすめて飛んで行きました。
-
犬を連れて朝の散歩に出てみました。きゅっと肌が引き締まるような冷たい空気が流れています。
-
だんだんと日が昇り、暖かさが少しずつ戻ってきます。
-
太陽の光に輝く琥珀色の木の葉が目にまぶしいほどです。
-
バージニアらしい朝食をいただきます。塩の味が強いバージニアハムを挟んだビスケット、スクランブルエッグ、スイートポテト・・・。
-
犬を連れて、テーブルの飾りになりそうな材料を探しに出かけます。そこらに落ちている松ぼっくりや、松やススキの枝、花などです。
-
裏を流れる川のほとりにススキがたくさん生えています。
-
拾ったものを持ち帰り、アレンジを始めました。こうして背の高いススキを中心にいくつか組み合わせて花瓶に飾ると、部屋の中にアクセントが生まれます。
-
テーブルセンターもできました。
-
テーブルに食器がセットされました。
-
他に行くところのない近所のお友達なども呼んでいるので、テーブル一つでは足りず、向こうのリビングにももう一つテーブルをセットしました。サンクスギビングを一人で過ごすなんてかわいそうだと思って、いろんな人を呼んであげているうちに、どんどん人数が増えてしまいます。南部の人は心が暖かくおおらかです。
自分も昔学生時代に、行くところあるのかと聞いて、なかったら自分のところに来いと呼んでくれた人がいました。ミシシッピの田舎の大学町でしたが、そこの薄汚いカフェの御主人さんでした。髭ぼうぼうのヒッピーのような人でしたけど、そこのカフェで、他にも学生を少人数呼んでくれていたようで、七面鳥など、一通りのものを簡単に料理した、わりと質素な食事でしたけど、そんな人の心の暖かさが今でも思い出に残っています。 -
その七面鳥、2日間かけて塩水につけ、オーブンに入れる準備ができました。
-
バーニーが物珍しそうな匂いがすると、ゴミ箱をクンクンとやっています。
-
七面鳥をオーブンに入れると、バーニーは「早く焼けないかなあ」と言わんばかりに、その場を離れません。(というか、一緒にオーブンの中にはいって見張っているようにも見えますね(笑)。)
-
デザートのパイもできています。これはピカンパイとチーズケーキを足して2で割ったようなものです。ピカンパイは南部の典型的なデザートです。
-
カップケーキもきれいに並べました。
-
これは人が集まってきたときに飲み物と一緒にオードブルとして出すように作った、クラッカーのベーコン巻きです。通常、サンクスギビングでは、こんなオードブルなんてありませんが、これも南部のホスピタリティというか、お客さんがチョロチョロ到着して、何も出すものがないのは寂しいからと、わざわざ作ったものです。
-
日中、再びバーニーを連れて外に散歩に出ました。
-
キッチンの建物が色鮮やかに光っています。
-
のんびりしているうちに、七面鳥が4時間もかかってきれいに焼きあがりました。
-
バーニーは台所に入り浸りになりました。
-
11月下旬になると日が傾くのが早いです。西日に照らされると、部屋の中が黄金色になります。
-
もうそろそろ人が集まってくる頃かなと、バーニーはドアの前で待機しています。
-
まだかなあ・・・。人が来ないと、ごちそうにありつけない・・・。
-
やっぱり台所も気になるし・・・。
-
人が集まり始め、台所でオードブルを囲っておしゃべりが始まりました。
-
テーブルの用意もすっかり整いました。
-
お料理もすべて並びました。手前右から、ターキー、ドレッシング(「スタッフィング」と呼ばれることも多いですが、元々は七面鳥のお腹に文字通り詰めて焼いていたのが、それではしっかり火が通らず、衛生面で問題があるという説があるのと、お腹に詰めただけでは十分な量にならないという現実的問題があるので、別にキャセロールで作られるので、「スタッフィング」という表現は適当でないというところからだと思います)、グレービー、マッシュルームの詰め物、スイートポテト、コーンプディング(南部の料理)、バタービーンズ(ソラマメのようなもの)、クランベリーソース、マッシュポテト、お鍋の中にあるのは、例のカラードグリーンズ。かなり欲張ったメニューになりました。
-
バーニーは、残念ながら人間のごちそうにはありつけないので、「がまんポーズ」をして耐えています。
-
一通りお皿に取ってテーブルに着きました。
こうして、せっかく作ったいろんな料理を全部一つのお皿の上にぎっしりと並べ、食べ始めたら、全部混ざってしまうんですねえ。味覚音痴なアメリカ人はそれでも平気みたいです。
まあ、どれもそんなにすごくおいしい味ということもなく、大雑把な感じで、いかにもアメリカ料理ですね。サンクスギビングの食事なんて、そんなものです。でも、こうして、家族や親戚、友人など、大勢でテーブルを囲って賑やかに食事をするところに、サンクスギビングの精神があるのでしょうね。
色んな事に感謝の気持ちを持って楽しくいただきました。 -
楽しい食事も終わり、お客さんたちは帰っていきました。静けさが戻り、夜は更けていきました。
-
次の朝、バーニーはやっぱり疲れてしまったようでした。
-
車に荷物を積んでさよならを言う間、バーニーはさっそく車に乗り込んで、「早く出発しましょうよ」でも言いたそうな目でこちらを見ていました。
-
お世話になった人たちに手を振って車を走らせると、バーニーはいつの間にか後ろの席でグーグーと寝てしまいました。どんな夢を見てるのかな。原っぱで走り回ったことでも思い出してるんでしょうか。それとも、七面鳥が焼ける匂い?みんなに可愛がられたことだし、きっと、バーニーも楽しい思い出がいっぱいできたことでしょう。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
2
35