マレーシア滞在中の週末を利用して、ヴェトナムの首都ハノイの南約100kmにあるニンビン周辺を訪れた。ヴェトナム訪問は2回目、ハノイ、ハロン湾、ダナン、ホイアン、フエはすでに訪れていたので、今回はニンビンに宿をとって、チャンアンの景観関連遺産と、ホー朝の城跡の2ヶ所のユネスコ世界遺産を訪れた。クアラルンプールからはエアアジアが日に2便飛ばしており、368リンギット（約9,500円）のチケットを押さえた。早朝に6:45にKLを発って、ハノイに8:40着、空港からはタクシーでニッコーハノイへ、そしてホテル前から出る10:00発のニンビン行きリムジンバスに飛び乗った。そしてニンビンの街中のクイーンホテルでチャーターしておいたタクシーで世界遺産2ヶ所を巡った。<br /><br />小生の4年前のヴェトナム訪問はあまりいい印象が残っていない。社会主義特有の空港係員やハノイ街中の警察官など、官僚的で高飛車な態度が不愉快だった。ある意味ロシア以上であり、中国並みだと思った。街中でタクシーを拾った時には、わざと遠回りをされるなど不愉快な思いをしたり、またハノイの大気汚染は深刻で、黒煙を吐きながら走り回る傍若無人なバイクの群れに恐れをなしてしまった。今回はヴェトナムについて予備知識を持っていたせいか、またホテルで信頼のおけるタクシーをチャーターしたせいか、地方都市のニンビンを訪れたせいか、先回よりも滞在ははるかに快適だった。ニンビンでのホテルのフロントやタクシードライバーは大変親切で、会話は楽しいものだった。もともと日本人との共通性も多く、長期の戦争を乗り越えた勤勉な国民性だけに、近代化を進めて欲しい国である。<br /><br />さて、「チャンアンの景観関連遺産」は、古都ホアルー遺跡、および紅河デルタ南部に発達したカルスト地形が作る独特の景観などが評価され、世界遺産に登録された。「古都ホアルー」は314haの面積を有し、ヴェトナム最初の独立王朝丁朝（966－980）と、続く前黎朝（980－1009）が首都とした街の遺構である。その後の李朝・陳朝・黎朝は首都をタンロンに置き、続く阮朝は首都をフエとし、ホアルーは首都としての地位を失った。現存する建物は17世紀に再建されたものであり、明らかに中国の影響を受けた建築様式である。<br /><br />チャンアンやタムコックは「陸のハロン湾」の異名を持つカルスト地形の景勝地で、約2億4千万年をかけて形成されたそうだ。カルスト地形とは、主として石灰岩台地が長年の風雨や波浪によって独特の絶壁や鍾乳洞を形成したものであり、「海の桂林」と呼ばれるハロン湾は同様の地形が海中に林立したものである。チャンアン（長く安全の地の意）と、タムコック（3つの洞窟の意）のボートツアーが有名であるが、3時間程度かかってしまうのでこれはパス、チャンアンの周辺を車で巡って、稲作をする水田と石灰岩の作り出す独特の景観を撮影した。最後にタムコックよりも奥地に位置する洞窟寺院、ビックドン（碧峝）を訪れた。麓から急な階段を登ってまず下寺、さらに登ると中寺、この先は鍾乳洞の内部を通過してさらに登った高台に上寺があり、麓の奇岩が形成する風景を見下ろせる。

ヴェトナムの世界遺産No.6：ハノイの南の古都ホアルーなどチャンアン景観複合遺産を訪れる

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2017/10/07 - 2017/10/08

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ハンクさん

マレーシア滞在中の週末を利用して、ヴェトナムの首都ハノイの南約100kmにあるニンビン周辺を訪れた。ヴェトナム訪問は2回目、ハノイ、ハロン湾、ダナン、ホイアン、フエはすでに訪れていたので、今回はニンビンに宿をとって、チャンアンの景観関連遺産と、ホー朝の城跡の2ヶ所のユネスコ世界遺産を訪れた。クアラルンプールからはエアアジアが日に2便飛ばしており、368リンギット（約9,500円）のチケットを押さえた。早朝に6:45にKLを発って、ハノイに8:40着、空港からはタクシーでニッコーハノイへ、そしてホテル前から出る10:00発のニンビン行きリムジンバスに飛び乗った。そしてニンビンの街中のクイーンホテルでチャーターしておいたタクシーで世界遺産2ヶ所を巡った。

小生の4年前のヴェトナム訪問はあまりいい印象が残っていない。社会主義特有の空港係員やハノイ街中の警察官など、官僚的で高飛車な態度が不愉快だった。ある意味ロシア以上であり、中国並みだと思った。街中でタクシーを拾った時には、わざと遠回りをされるなど不愉快な思いをしたり、またハノイの大気汚染は深刻で、黒煙を吐きながら走り回る傍若無人なバイクの群れに恐れをなしてしまった。今回はヴェトナムについて予備知識を持っていたせいか、またホテルで信頼のおけるタクシーをチャーターしたせいか、地方都市のニンビンを訪れたせいか、先回よりも滞在ははるかに快適だった。ニンビンでのホテルのフロントやタクシードライバーは大変親切で、会話は楽しいものだった。もともと日本人との共通性も多く、長期の戦争を乗り越えた勤勉な国民性だけに、近代化を進めて欲しい国である。

さて、「チャンアンの景観関連遺産」は、古都ホアルー遺跡、および紅河デルタ南部に発達したカルスト地形が作る独特の景観などが評価され、世界遺産に登録された。「古都ホアルー」は314haの面積を有し、ヴェトナム最初の独立王朝丁朝（966－980）と、続く前黎朝（980－1009）が首都とした街の遺構である。その後の李朝・陳朝・黎朝は首都をタンロンに置き、続く阮朝は首都をフエとし、ホアルーは首都としての地位を失った。現存する建物は17世紀に再建されたものであり、明らかに中国の影響を受けた建築様式である。

チャンアンやタムコックは「陸のハロン湾」の異名を持つカルスト地形の景勝地で、約2億4千万年をかけて形成されたそうだ。カルスト地形とは、主として石灰岩台地が長年の風雨や波浪によって独特の絶壁や鍾乳洞を形成したものであり、「海の桂林」と呼ばれるハロン湾は同様の地形が海中に林立したものである。チャンアン（長く安全の地の意）と、タムコック（3つの洞窟の意）のボートツアーが有名であるが、3時間程度かかってしまうのでこれはパス、チャンアンの周辺を車で巡って、稲作をする水田と石灰岩の作り出す独特の景観を撮影した。最後にタムコックよりも奥地に位置する洞窟寺院、ビックドン（碧峝）を訪れた。麓から急な階段を登ってまず下寺、さらに登ると中寺、この先は鍾乳洞の内部を通過してさらに登った高台に上寺があり、麓の奇岩が形成する風景を見下ろせる。