グランドキャニオンで見たハレー彗星の衝撃！ そしてモニュメントバレーへ

1986/03/08 - 1986/03/11

またまた30年前の旅行記です。ネタが古くてスイマセン。
今回は日本から遊びに来た相棒の妹も含め３人旅。ＬＡ郊外のハンティントンビーチからラスベガス～グランドキャニオン～モニュメントバレーまで、片道850Ｍｌ、1400ｋｍのドライブだ。
でも本当の目的はハレー彗星。1月前に最接近を果たしたハレー彗星は、光あふれるＬＡエリアでは満足に見ることができない。ならば砂漠の真ん中だ！ グランドキャニオンで見たハレー彗星がどんなだったか、伝えることができるかなぁ。

エリア モニュメントバレー周辺(アメリカ)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• 交通: 1.5

• 同行者: 友人
• 旅行の手配内容: 個別手配

今回もＵＳ駐在時の旅行記。なのでHuntington Beachの我が家から愛車、ポンコツサニーでドライブ。実に片道1400ｋｍ！ 往復2800ｋｍの長旅に我がポンコツは耐えられるか、ちと心配だった。

（写真はわがアパートのプールにて友人たちと。季節が違うけど許してちょ）

まずはラスベガスを目指す。寄り道しなけりゃ300Ｍｌなんてあっという間だ。今回は宿を取っていないので、行き当たりばったりに探し回る。相棒と二人でベガスならホテルなんか取らずにカジノで一晩中遊んでるんだけど、女の子が一緒じゃそうはいかない。

結局、ダウンタウンからだいぶ外れた国道沿いの「Desert Rose」という怪しげなモーテルを確保した。ちなみに現在のDesert Rose Resortとは別物。平屋の安いモーテルだった。
夜はストリップのカジノ（いつもはダウンタウンなのだが、女の子が一緒なのでたまにはイイ所へ）で一勝負。これがなんと勝ちましたよ、カードで。あなたは勝利の女神か！　意気揚々と引き上げて明日に備えておやすみなさい。

さあ、目指せグランドキャニオン。ベガスからグランドキャニオンまではほんの120Ml。俺にとっては2回目のグランドキャニオンだ。まずはフリーウェーを70Mlほど進む。ほんの1時間半。ここから一般道を50Ml、2時間たらず。合計4時間もあればたどり着くので、ベガスからレンタカーがお勧め。
一般道はひたすらまっすぐという印象だ。キャニオンのすぐそばまで来ても、あのお馴染の風景は見えない。まだなのまだなのと思っていると・・・

ド～ン！ そいつはいきなり現れるのだ。グランドキャニオンは文字通り谷間なので、谷の淵にたどり着かなければこの風景は見えないのだ。谷底のコロラド川までバーティカルで1200ｍ、対岸のノースリムまで10～30ｋｍという途方の無さ。

グランドキャニオン国立公園 国立公園

何か所かのビューポイントをゆっくりと見て回った。どこも圧倒的な自然の大きさ。ちなみに３０年前は自由にタダでマイカーで走り回ったのだが、今は有料だしどこでも自由にとはいかないみたいだね。あの頃は観光客もそんなにいなかったしな。
逆にスカイウォークなんていうすごい施設も、満足なショップもなかった。でもない方がここには似合う。

（最初に来た1985年9月の写真）

夕日に映えるキャニオンは、なんとも形容できない美しさ。ましてそこにナイスなアメリカンギャルがいようものなら、谷底に落っこっちまうくらい寄っていきたくなる。そして相棒の妹に軽蔑される。

グランドキャニオン国立公園 国立公園

さて冒頭に書いた通り、今回のメインイベントはハレー彗星観察。昨夜のベガスでは見えようはずもなく、今日の星空に期待していた。なので宿はグランドキャニオンから少し戻った街道沿いの小さなモーテルに定め、夜を待つ。3月のグランドキャニオンはまだ寒い。９月に来た時とはえらい差だ。
モーテルに併設されたダイナーで夕食を取り、真っ暗になるのを待って、街灯りが完全に途切れる所まで車で移動した。すると、

で、出た～！ 夜空を探すまでもなかった。望遠鏡を使うまでもなかった。ヘッドライトを消して車外に出て上を見上げると、南の空にど～んと長い尾を引くその姿は、写真でしか見たことのない彗星そのもの。こんなにも大きく長く見えるものなのか。
一応、天文ファンの端くれを自認していた俺だが、それまでに見たどんな星とも違う格別の存在だった。彼は大きく、強く、眩しく、不気味で、優しく、冷酷だった。歴史上、様々なものに例えられた彼だが、なるほどそう言う事かと納得させられた。
３人でポカンと時を忘れてハレーを眺めていた。だってこの次はないんだぜ。次に彼が接近するのは2061年7月。その時俺は106歳。見えるかな？見えないよな。

えっ、写真を見せろ？ 当然、撮ったのですが、撮ろうとしたのですが、我がバカチョンカメラでは何にも映っていませんでした。なので昼のグランドキャニオンでお茶を濁しています。

想像してみて下さいよ。この雄大なグランドキャニオンを見た後に、一生に一度のハレー彗星を眺める。そうそう経験できる旅じゃないよね。贅沢を言えば一緒にいるのが相棒の妹とかじゃなく、彼女だったらなぁ・・・

グランドキャニオン国立公園 国立公園

３日目はここからアリゾナのモニュメントバレーまで突っ走る。450Ml、720ｋｍの長旅だ。これが遠かったなあ。当時のフリーウェーはFragstaffまでのI-40しか走っていなくて、そこからモニュメントバレーまでの200Mlは下道。こんな砂漠の道をひた走った。なので所用時間は10時間以上。とにかく走りに走ってここまでたどり着いた。

モニュメントバレー ナバホ トライバル パーク 国立公園

来てみると西部劇でお馴染の景色が広がり、それはそれは面白い。面白いのだが昨夜の経験が強烈すぎて、今一つピンと感じるものがなかった。神経をリセットすれば、また違った感想を持てたのかもしれない。

だってこんなのがゴロゴロしているのよ。なんでこんなのができちゃったの？下の方にいる俺と比べてみてよ。
ここからは４つの州が１点で接するFour Cornersもほんの50Mlほどだったのだが、所詮砂漠だし、もういいやってことで帰路についた。帰り道も1400ｋｍ！さすがに１日では無理で、またまたDesert Roseに泊っちゃったよ。で、またまたカジノに繰り出して、ちゃんと借りた金を返してきました。利子も付けて（クソッ！）

旅ってのは、WhereやWhatだけじゃなくWhenとWhoが大事だって改めて思った、一合一会の旅だった。

モニュメントバレー ナバホ トライバル パーク 国立公園

総走行距離 2800km。ポンコツサニー、よく走った！！

それでもアメリカ全体からみれば、たったこれだけ。
ＵＳＡ、でかすぎ。
いつか果たすぞ、アメリカ横断！