キリシタン史跡巡り 2017 in Iwate

2017/08/01 - 2017/08/12

今年 (2017年) 初めに公開された映画「沈黙」の影響を受けて、私はキリスト教迫害の歴史に興味を持ち、教会や関連史跡などを色々と巡っています。

自分にとってキリスト教との最初の出会いは何だったかなと振り返ると、子供に頃に読んだ作品、宮沢賢治・作「銀河鉄道の夜」に突きあたります。なんか別世界というか、不思議な感じを受けたものでした。
まずは岩手県花巻市にある、宮沢賢治童話村を訪問しましたのでご紹介します。こちらでは昨年 (2016年) 生誕120年を記念して行ったライトアップが好評だったため、今年も引き続き開催されたようです。トップ写真は、「銀河鉄道の夜」の一場面。この作品に関しては最後にまた触れます。

エリア 岩手

• 交通手段: 高速・路線バス JRローカル 徒歩

写真は、宮沢賢治童話村敷地内にある、賢治の学校。
広い広場になっていて気持ちの良い場所です。

（花巻市から一関市へ移動）
話は戻りまして、今回一番行ってみたかったキリシタン殉教公園のある岩手県一関市藤沢町の大籠地区を訪れました。ここは江戸時代のはじめに大規模なキリシタンの弾圧があった場所です。今はこのような静かな農村なのに、凄惨な負の歴史があったなんて…という思いです。写真は、大籠教会。巡回教会のため中へは入れないので外観のみ拝見。場所が場所だけに、あまり使用されている気配はありませんでした。。

大籠教会の近く、道路を挟んだ場所にある上野刑場跡。
亡くなったキリシタン供養の地蔵や石碑があります。
新しい案内板も建てられていました。
※写真が暗くてごめんなさい。

首実検石。キリシタン処刑の際に役人がここに腰かけたとか。。
映画「沈黙」さながらです。。すごいリアル(汗)

首実検石近くにあった石碑たち。ただならぬ雰囲気にこれ以上近づけませんでした。（苦笑）この辺にお住まい方は大丈夫なのだろうか。。この他にも、キリシタンに関する史跡が点在しています。

少し歩いて、大籠キリシタン殉教公園へ。
母子像のモニュメント。

こちらは、大籠キリシタン資料館。
大籠地区は江戸時代当時、たたら製鉄が盛んでこの製鉄業に従事していた民衆の多くがキリシタンだったそうです。その辺の背景などが紹介されています。また、寄贈されたキリシタン遺物などが展示されています。
岩手県と宮城県の県境の山間にあり、決してアクセスが良い場所ではないのに関わらず、記帳ノートを拝見すると全国からまた外国の方も訪れていて驚きました。

資料館脇のクルス館へと続く309段の階段。
殉教者309名にちなんでいるそうです。迂回ルートもありますが正面を登ってみます、きつかった～（笑）ほんと、この先は天上につながってるんじゃないかと錯覚しますね（苦笑）

階段を登りきると、展望広場からすがすがしい景色を眺められます♪

大籠殉教記念クルス館が山頂に立っています。

クルス館の中に入ってみると・・・
彫刻家舟越保武さんによるキリスト像を含む作品3点が展示されています。とても静謐な空間です。彼の作品はこれまでも見た事がありますが、独特の静けさに惹かれますね。

帰りは階段ではなく迂回ルートで。途中、遠藤周作（映画「沈黙」の原作者）の言葉がありました。ここにも来ていたのね、知らなかったよ遠藤さん！そして山深いかつてのキリシタンの里、大籠地区を後にしました。

東北地方に、江戸時代のキリシタン弾圧の歴史があったことは正直知りませんでした。私が知らなかっただけで、当時は全国に同様の事柄があったのだろうと推察します。時代は過ぎて明治以降、信仰の自由が認められるわけですがまだまだキリスト教に対する偏見や差別は多かったようです。

最後に、童話について話を戻します。読んだことがある方なら御存知だとは思いますが、「銀河鉄道の夜」はとてもキリスト教的な世界観の広がる作品です。当時作者の宮沢賢治の周りには、実際に宣教師やキリスト教徒の知人もいたりして多くの影響を受けていたようです。
今回は、さまざまな地域の歴史や宗教について感じる旅でした。それにしてもライトアップ綺麗だったなぁ～♪

おしまい。