1985/10/12 - 1985/10/15
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ころたさん
はるか30年前の記憶。
俺は1985年から1年ほど、LA南部のHuntington Beachに住んでいた。そこを拠点に多くの旅に出かけたくさんの思い出を作ったが、今回はその中でも思い出深い旅。10月初めのColunbus Dayの連休を利用して車でデスバレーからラスベガスに抜ける旅を計画した。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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わがアパートメントからラスベガスまでは約500㎞。愛車ポンコツサニーでガタガタ行っても6時間足らず。だいたい2か月に1回ペースで遊びに行っていた。半日掛りで行ってもたいていはカジノに貯金しておとなしく帰ってくるだけなのだが(ソレハオ金ヲ全部スッチャウカラデショ!)、せっかくだから今回はデスバレーに寄ろうと思い立った。そうだ資金の潤沢な往路に寄ればいいんだ。何で今まで気が付かなかったんだろう。
時は1985年10月12日土曜日。次の月曜はColunbus Dayで3連休だ。ポンコツサニーは通勤路でもあるI-405をサンディエゴ方向へ向かった。John Wayne AirportでR55に乗り換えてR91経由でCoronaでI-15に乗る。順調だ。10月初めのLAはまだ暑い。半月に1回はいわゆるインディアンサマーが襲ってきて、ゆうに30℃を越えたりする。まして世界一だか二だかに暑い記録を持つデスバレーだ。当然、軽装で出かけた。これが現地でとんでもない目に会うことになるとは知らずに・・・ハンティントンビーチ ビーチ
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ポンコツサニーはモハベ砂漠を突っ切るフリーウェイ:Interstate 15 (I-15)を快調に突っ走る。San BernardinoからAngel Forest を抜ければ、あとはひたすら砂漠。めざすは240km彼方のBaker。1980年代のFWYはInterstateと言ってもただの広い道。広いだけで日本の高速みたいに管理されている訳でも設備が整っている訳でもない。いろんなものが落ちている。特に巨大トラックがタイヤをバーストさせたでかい破片がやたらに落ちていて危ない。
それにひたすらまっすぐな道で調子に乗って飛ばしていると、空の上からハゲタカよろしくパトヘリが監視していて、スピード違反でとっ捕まる。かく言う俺も3度ほど捕まった(タッタ1年デカヨ!)。だってパトカーは何キロも先で待ち構えているのよ。たいていはICで待ち伏せしているのだが、パトの姿を察してスピードを落としたって、もう遅い。後をつけられて止められて、「お前、5ml手前で20ml/Hr超過してただろ」と切符を切られる。はい、その通りです・・・
この日はそんなこともなく無事BakerでI-15を下りた。ここからは対面通行の田舎道。Death Valleyまではこの田舎道を200kmほど走る。Death Valley National Park 自体もとてつもなくでかく、南北に200kmにわたって広がっているのだ。
このBaker通過が2時。よし、半日あれば有名スポットを回って今日中にベガスに着くだろう。夜中に着けば上等だ。 -
ところがBakerから1時間走ったあたりで、状況は一変する。空から白いものがパラパラと落ちて来た。えっ何?窓を開けるとさっきまでの砂漠の空気が嘘のようにひんやりとした風だ。空はみるみる暗くなっていく。おいおいウソでしょ。ここは世界で1,2を争う高温地帯だよ。何で10月の上旬に雪が降るのよ。
そんなことを言っている内に道には白く雪が積もり始めた。もはやチラホラなんてもんじゃない。吹雪だ。視界は10mというところか。
砂漠の道はそのまんま、砂漠の中にえいっと真っすぐコンクリートを敷いていっただけ。ガードレールもなければ街頭もない。雪が降ることなんか想定していない。当たり前だ。という事は、真っ白に雪が積もったら、どこが道路だか分からなくなっちゃう。やばいよやばいよ。
パ~ン!!
やってしまった。知らぬ間に少し道を外れたのだ。我がポンコツサニーのツルツルタイヤは砂漠の岩に耐えられなかった。道端に停車しタイヤを交換する。
外は吹雪、寒い。それにまだ5時なのにやけに暗い。今は車の往来がないことがむしろ幸いだ。だってこんなところに停車している車を見つけられないし、雪の上で避けられないよ。
かじかむ手でジャッキアップしスペアタイヤと交換する。あっと言う間に頭は真っ白だ。後続車両よ来ないでくれと祈った。もし車に追突されたら。タイヤがうまくフィットしなかったら。このまま道に迷ってDeath Valleyから抜けられなくなったら・・・。
俺は死ぬぞ。
記録によるとその禍々しい名前に反して、Death Valleyを横断しようとして死んだ者は1名。それも西部開拓時代のことだ。この俺が2番目の犠牲者になるのか~!
そんな事は杞憂だったようだ。無事タイヤ交換を終えたのは6時。もうDeath Valley Junctionは近い。とにかくそこにたどり着こう。一人旅ドライブはパンクに注意(特殊な体験過ぎて参考になりませんが) by ころたさんデスヴァレー国立公園 国立公園
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Death Valley Junctionですぐにホテルは見つかった。と言うか町なんかなくて、そのホテルが建っているだけだった。メキシカンっぽい立派な門構えのリゾートホテルだ。天候は最悪だが連休なので、そこそこ混んでいた。けっこう高いホテルだったよ。$100以上取られた。当時のレートは¥200/$だからね。
チェックインしてレストランで食事を取る。どうやらここは由緒正しいホテルのようだ。名前なんかとうに忘れていたのだが、この旅行記を書くために改めて調べてみると、そこはAmargosa Opera House & Hotelというリゾート。なにがOpera Houseかと言うと、Marta Becketという女性ダンサーが1970年に開設した劇場が併設されているから。ニューヨークで活躍していたMarta Becketがなぜこんな田舎町に劇場を建てたかと言うと、夫婦で訪ねてきた際に車がパンクしてここに滞在したのがきっかけだと言う。
なんだ、俺と同じじゃないか。
HPを見ると素敵なところだ。もっとちゃんと楽しめばよかったな。
http://amargosa-opera-house.com/index.htm -
当時はそんなことは分からなかったし、なにより命からがら辿りついた宿だったので、シャワーを浴びたらバタンキューだった。
さて翌日、雪はやんだが地面は真っ白。でもここまで来たんだ、一周して行こう。フロントでガイドブックを入手して、どこがいいか尋ねると Dante's Viewに行けという。雪は積もっているが山道じゃないから大丈夫だと。OK、行ってみましょ。
地図だとDreath Valleyの観光拠点であるFurnace Creekに向かってから、細い小道を引き返すように山に入っていく。正確にはそこまでは平らな道でDeath Valley の方が低いのだ。
そして出くわしたのがこの風景。眼下の塩湖は海抜下90mだ。そして何より、普段は塩で白い土地が今日は雪で真っ白だ。デスバレーの全貌が一望できる絶景ポイント。一押し! by ころたさんダンテスビュー 自然・景勝地
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そこにはアメリカ人の老夫婦がいた。彼らもあまりの風景に息をのんでいる、といった風情。
”Hallo!”
どちらからともなく挨拶を交わし、寒いですねなんて話をした。するとマダムが
" We are very lucky!"
と言い出した。何のことかと聞くと、こんなDeath Valleyは誰も見たことがないだろう。我々は千載一遇の機会に恵まれたのだと。
なるほどね。好きだなぁ、アメリカ人のこういうオプティミストなところ。日本人ならたいていは「なんだよ、せっかく来たのに!」と言うでしょ。俺もちょっとそう思っていた。でもこの風景の方がはるかに価値はあるかもね。一人旅ドライブはパンクに注意(特殊な体験過ぎて参考になりませんが) by ころたさんデスヴァレー国立公園 国立公園
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Dante's Viewからいったん来た道を戻って、Furnace Creekに向かう。そこからはいよいよDeath Valleyの谷底だ。南下していくと4㎞程で最初のビューポイント、Artists Paletteに着く。色の異なる地層が幾重にも顔を出して、絵描きのパレットのようだと命名されたのだろう。
一人旅ドライブはパンクに注意(特殊な体験過ぎて参考になりませんが) by ころたさんデスヴァレー国立公園 国立公園
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さらに5㎞ほど南下すると、Devil's Golf Courseなる荒地が。塩湖の上に大きな石がゴロゴロ。「賽の河原」よりはセンスのいい名前じゃない?
悪魔のゴルフコース 砂漠・荒野
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BadWatrer。そりゃ悪い水でしょ~よ。
バッドウォーター 滝・河川・湖
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Bad Waterで振り返って山側を見ると、中腹に海抜の標識が。中腹やや上の白い看板が分かります? ここは海面よりはるか下だという事を思い知らされる。
ここらでDeath Valley観光を切り上げ、本来の目的地であるLas Vegasに向かうとしよう。Bad Waterから更に40分ほど南に走ると、昨夜泊ったDeath Valley Junction の一つ南の町、Shoshoneにたどり着く。ここから東に走ればネバダとの州境だ。一人旅ドライブはパンクに注意(特殊な体験過ぎて参考になりませんが) by ころたさんデスヴァレー国立公園 国立公園
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ネバダ州まではほんの20㎞。今日は快適なドライブだ。どんより曇ってるって?ここではこれで快適なんだよ。
Pahrumpという町でベガスに続く州道に出て、あとはベガスまで1本道。ほんの1時間半だ。
予定より1日遅れだが、明日は休日。何の問題もない。 -
やはりベガスには夜が似合う。きらびやかなネオン、華麗なショー、巨大なホテル、そしてカジノ。いつものようにStripを車で流して横目で見ながら、Down Townに向かう。フラミンゴ ヒルトンも通り過ぎるだけ。
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ここここ、DownTounのStardust(もう今はないみたいだね)。何かウマが合うというか安心できるというか。まぁどうせ泊まらないんだけどね、カジノに入り浸りで食事もドリンクもホテル持ちだし。あとは無料のショーを楽しんで帰る。
今日は勝つぞ!
と、ここで話は終わらなかった。いつものようにオールナイトでカードを楽しんで(勝ち負けは言うまい)翌月曜に帰路についた。途中までは順調なドライブだった。 -
ところがMy Homeまであと100㎞程になったあたりから、またもや吹雪になってしまった。町でいえばBarstowのあたりからは、もうフリーウェーは真っ白。しかも土曜日のDeath Valleyと違ってここはI-15。連休帰りでLAに向かう車で見る見る渋滞していく。
やばい、これからAngel Forestの山越えがある。とてもじゃないがノーマルタイヤじゃ無理だ。慌ててI-15を下りてもよりのガススタンドに駆け込む。見れば何台もGSに押し寄せている。もちろん狙いはチェーンだ。しかし時すでに遅し。店員に声を掛けるまでもなく「Sold Out」の看板が掲げられている。
こうなったら帰るのを諦めて近くで一泊しよう。これも早い者勝ちだぞ。幸い近くのモーテルに部屋が取れて泊ることができた。
でも翌火曜には会社がある。まあしゃ~ないでしょ。火曜の朝にモーテルからオフィスに電話をした。現地のボスのBillに事情を説明する。
「すいません、ベガスの帰り道で吹雪にあって帰れなくなりました。」
「バカな言い訳してないで、とっとと出てこい!」
全く信用されていない。これでDeath Valleyでも吹雪で死にかけたと言ったら、Billは何て言うんだろう・・・
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この旅行記へのコメント (2)
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- yamayuri2001さん 2017/08/22 14:43:32
- ころたさん、はじめまして!
- デスバレーは灼熱のイメージしかなかったのですが・・・
雪が降るんですね。
昨年3月に行った時は、かなりの暑さでした・・・
それにしても、サニーで飛ばされたんですね!
私が最初にベガスを訪問したのは、1990年だったかな?
当時のベガスは今とは全く違って、
ホテルも、サーカス サーカスに宿泊した気がします。
ドライブにはかなり、時間がかかりましたね。
今はインターステートが出来すぎて、ナビが無いと
道に迷ってしまいますが、
当時は、私はナビゲーター、主人はドライバーと
役割がしっかりと分担されていました。
ちなみに、借りていたファイアーバードを飛ばしすぎて、
私達も、サンディエゴで捕まりました(笑)
あの頃の景色に、再びめぐり合えました。
懐かしさに、涙が出そうです。
ありがとうございました。
yamayuri2001
- ころたさん からの返信 2017/08/22 22:56:45
- RE: ころたさん、はじめまして!
- yamayuri2001さん、こんばんは
コメントありがとうございます。
私自身も忘れかけていた旅だったのですが、アルバムを整理していて偶然見つけた駐在員時代の写真で、まさに走馬燈のように記憶が甦ってきたので旅行記にしました。yamayuri2001さんもだいたい同時期にご旅行されていたのですね。
私もサンディエゴ、好きだなぁ。正確にはサンディエゴまでの道が大好きでした。フリーウェーじゃなくてあえて海沿いの道をバイクで走るのがたまらなく好きでした。I-5を使えばほんの100マイル、2時間もかからないところを、倍近くかけてノンビリ走るんです。Laguna Beach, Dana Point, San Clementeと海沿いを走るのが最高に気持ちいい。
yamayuri2001さんのハワイの写真も見せて戴きました。やっぱり空と海の色が違いますね。私はまだハワイに行ってないんですよ。観光地観光地したところがあまり好きじゃないんですが、yamayuri2001さんはじめ多くのリピーターを虜にしている島なので、やっぱり魅力があるんだろうなと改めて思います。
今のところはyamayuri2001さんの旅行記で我慢しておこうかな。という事で、また旅行記の方にお邪魔させて戴きます。
今後ともよろしくお願いします。
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