2017/05/26 - 2017/05/29
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空飛ぶドクターさん
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【5月26日(金)】
2日前に「空飛ぶドクター」イタリア南部ツアーから帰国したばかりですが、今度は仕事で反対方向のアメリカです。テキサス州ダラスです。
依頼者は83歳女性(Kさん)で、日本人ですがアメリカ人と結婚し60年以上テキサス州ウェイコーで過ごし、5年前にご主人が亡くなり、子どももいないので日本にいる姉妹に誘われて、余生を日本で過ごすための帰国です。色々持病もあり、医師の私に同行の依頼がありました。直接の依頼は82歳の妹さん(Nさん)からで、お金を払ったのは90歳のお姉さん(Aさん)でした。長寿の姉妹で羨ましいです。
Kさんとは前もって、メールでやり取りをしたり、電話で話をしています。最初の国際電話で日本語が不自由なことがわかりました。航空券やホテルの手配は私がまとめてしています。迎えに行く時は珍しく羽田便なので、福岡から午前11時のJAL便でゆっくり家を出ました。羽田でデルタ航空便に乗り換え、ロサンゼルス経由でダラス・フォートワース空港へは18時頃着きました。24時間だけレンタカーを借ります。今回は最近知った Rentalcars.com の会社経由で初めての Dollar です。今までは、Budget ばっかり使っていました。コンパクトカーで Nissan Juke を借りました。キーレスでエンジンのかけ方を忘れ、係員に尋ねました。ブレーキを踏まないとスタートボタンを押してもエンジンがかからないのでした。先週のひどい目にあったイタリア・イスキア島のおんぼろレンタカーと違い、アメリカでは新車ばっかりでオートマ車だし快適です。改めて比べると、差は大きいです。レンタルの値段も安いし、ガソリン代も欧州の半額です。
近くのレストランへカーナビの情報で行きます。アメリカでは無難なステーキ店を探しますが、持参のカーナビ(Garmin社)が古いので、行ってみるとレストランが消失していることがよくあります。4ヶ所目でようやく実際のステーキ店へたどり着きました。JK’s Steak & Grill という名前でありそうな名前です。
アメリカのレストランらしく高級店では暗過ぎて本も読めません。14 オンス(約400g)のニューヨーク・ストリップの牛ステーキを注文します。付け合わせはベークトポテトで軽く塩・コショーでご飯代わりに食べます。アメリカ人はこれにバターを付け、サワークリームなどをのせるので、カロリー過多になります。ステーキ自体も塩・コショーのシンプルな味付けで結構美味しいのです。イタリアのビステッカに似ています。15%のチップを足して66ドル(1ドル=115円弱で約 7,600 円)です。これだけ払えば、アメリカでも美味しいものが食べられます。
今回は翌日に備え、空港内のホテル(ハイアット・リージェンシー)に宿泊なので駐車場が心配でしたが、空港に戻るとホテルへの案内があり、近づくとホテルの駐車場がちゃんとあるので安心しました。時差ボケもあるので、バスタブに浸かり、夜は早目に寝ました。イタリアと違い、アメリカではバスタブは必ずあります。
【5月27日(土)】
今日は待機日で少しゆっくりできます。ダラスには大した観光地がないのは知っています。唯一、サンアントニオには興味があるのですが、車で片道4時間以上かかりそうで、さすがに諦めました。ネット等で調べ、まず空港に近い Grapevine Vintage Railroad という観光用の列車を見に行きます。大したことはないですが、少しだけブラブラします。景色もそうでもなさそうだし、わざわざ乗るのはやめました。
やはり、ここしかありません。ケネディ大統領暗殺現場です。悲しいことにあまりに観光資源のないダラスでは、この悲劇の現場が唯一の観光名所になっています。JFK Memorial Plaza は墓標のようなものしかありません。近くに Old Red Museum of Dallas County という真っ赤で立派なビルがあります。この地下の駐車場に入れました。駐車料金は意外と安く3時間ちょっとで4ドルのみでした。そのすぐ近くに The Sixth Floor Museum という建物があり、名前通りこのビルの6階から銃で撃たれたのです。
入場チケットを買いに行くと人数制限があるらしく、11時前なのに買えた切符は12時半からのものでした(入場料16ドル)。暇なので先に昼食をと考えましたが、回りにレストランもあまりなさそうです。仕方なく、珍しく安っぽいハンバーガーの店へ入りました。滅多に食べないけど、たまにはいいでしょう。チーズバーガーセットと割と好きなピクルスを1本注文しました。10ドルで現金のみです。テキサス州らしく、いかにもメキシコ系の夫婦が働いています。面白かったのはメニューの横の紙で、 “No WiFi. Speak amongst yourselves!”と書いています。気に入りました。Wi-Fi を引いてないのを逆手に取り、相方と話をしようと書いています。世界中、人と一緒にいてもお互いにスマホをいじって目の前の人と会話をしない人だらけです。
12時20分に行列に並びましたが、少しずつエレベーターで入場させているらしく、ようやく12時45分頃になって6階に上がれました。割とすぐに、現場である6階の襲撃場所に着きます。当時の様子を再現して段ボール箱を積んでいます。撃たれた時の車のパレードの様子を再現したビデオもあるので、その時の状況がよく理解できます。もちろん、その事件当時の新聞やテレビの様子など色々な資料があります。一つだけ印象深かったのは、一部にはテキサス州は危険だからパレードを中止すべきだという意見まで当時あったそうです。今では英雄のようなケネディ大統領ですが、所詮政治家ですから反対意見の人たちはいる訳です。
ケネディ大統領に関しては私も身近に感じる思い入れがあります。私は1971年から1年間AFS(American Field Service)奨学生(高校)としてニューヨーク州西端の田舎町へ留学しました。ケネディ大統領暗殺事件は1963年11月22日ですが、ほんの4ヶ月前の7月、日本からのAFS留学生約130人(私の先輩にあたります)も世界中からのAFS留学生数千人とともに全員ホワイトハウスへ招待され(1年間の留学からの帰国前)、あのケネディ大統領から直々に演説をしてもらったのでした。私はその時の貴重なビデオを見たことがあります。全世界からの高校留学生を前にしたケネディ大統領の演説も素晴らしいものでした。
2時過ぎになり、他に見る所もないので、医療関係者として名前だけは聞いたことがある名門 Baylor University 大学病院の外観だけでも見に行くことにしました。今回の当事者Kさんの住んでいたテキサス州ウェイコーの地図を眺めていて Baylor University があることに気づきました。昨年依頼されて行った University of Kansas もそうですが、主なキャンパスはローレンスという地方都市にあります。でも、やはり大学付属病院はより人口の多いカンザスシティにありました。その予感通り、調べると主なキャンパスがウェイコーにあるベイラー大学も大学付属病院は都会のダラスにあるのでした。
Baylor University Medical Center at Dallas(ベイラー大学ダラス付属病院)は20階建てくらいありそうな巨大なビルです。でも、アメリカらしく周囲に色々な癌センターや産科・新生児科などの病院もあります。
4時半にはホテルに戻りました。午後6時にKさんと初対面の約束をしています。元々日本人とは言え、60年もアメリカにアメリカ人として住んでいると、言葉と同じでやはり普通の日本人とは雰囲気が違います。不思議なものです。電話では何回か話をしています。日本語が不自由なことも最初の電話で気がつきました。無理もありません。たまに日本の姉妹と話す以外はほとんど日本人と話すこともなかったでしょう。簡単な内容を聞くのはわかるようですが、単語が出ないようです。医学用語もむしろずっと英語しか使っていないので、日本語の方がわからないようです。無理もありません。私の留学時のホストファミリーのお祖母さんはドイツ人でアメリカへ移住したそうですが、私が会った当時は80歳以上でもうドイツ語は忘れたと言っていました。
呼吸器科(肺線維症)の主治医 Dr. Murilloとは一度電話で直接話を聞いています。その時はステロイド剤を少量内服していましたが、少しずつ減量する予定と聞いていました。でも、副作用でKさんの自己判断もあり、主治医と相談しステロイド剤はすでに中止したようです。1ヶ月半前から胃不全麻痺があり、吐いたり下痢したりしていましたが、幸い食事制限(脂肪の多いものを避ける等)でかなり改善しています。
翌朝早いので、午後6時過ぎからホテルのレストランで食事をしました。私は Pork Chop をKさんは Teriyaki Chicken Bowl を注文しましたが、アメリカにしてはかなり美味しかったです。デザートも二人で cheesecake を分けましたが美味しかったです。全部で84ドル程度です。8時半には部屋に戻りました。
【5月28日(日)】
国内線乗り継ぎとはいえ、午前7時20分のフライトなので5時20分のホテルのサービスバスでターミナルへ行きました。空港内のホテルで近いとはいえ、歩く距離ではありません。Kさんに頼まれて念のため朝4時半に部屋に電話しました。Wake-up call(モーニングコール)です。
来た時と同じで、ダラス~ロサンゼルス~羽田です。しかも、依頼者と一緒の帰りの便はビジネスクラスなのです。自慢にもなりませんが、高頻度で飛行機に乗るわりにはあまりビジネスクラスには乗ったことがありません。早目に行っているし、ビジネスクラスだからラウンジでゆっくりできるのを楽しみにしていました。人込みはないし、軽食やドリンクが自由です。
やはり、ビジネスクラスはゆっくりできて最高です。食事もアメリカのデルタ航空とは言え、2回に分けて出るし、質量ともにエコノミークラスとは違います。今時のビジネスクラスはフルフラット、つまり真横になって寝られます。狭くて背もたれが少し倒れる程度のエコノミークラスとは全然違います。快適です。ロサンゼルス空港を午前11時過ぎに出発し、時差の関係で翌日29日午後2時半過ぎに羽田空港に到着しました。幸い、Kさんもよく眠れたようでトラブルは一切ありません。空港内の移動はかなりの距離を歩かされますが、ロサンゼルス空港も羽田空港も荷物は私が手伝って、ゆっくりとKさんのペースで歩き、何とか電気自動車のお世話にはならずにすませました。
【5月29日(月)】
羽田空港に着いてからの乗り継ぎも2時間程度です。JAL便で福岡空港ではなく大分空港行きです。予定通り、午後6時半には大分空港に到着し、お姉さんたちが手配してくれたタクシーに乗り、別府のホテル・ガハマテラスへ到着しました。大分出身で2年間ほど別府に住んだこともある私ですが、聞いたことのない変わった名前のホテルだと思ったらオープンして1年程度の新しいホテルだそうです。上人ヶ浜(しょうにんがはま)にあるからのこの名前のようです。別府湾海岸通りの宿です。何回も通ったことのある国道10号線沿いです。
待っていたお姉さん、妹さん、お姉さんの息子さんとKさんと私の5人で豪華な和食の夕食をとりました。かなり豪華です。本来、私は翌日の仕事があるので福岡へ帰る予定でしたが、別府の温泉でゆっくりするように誘われたのでした。幸い、翌日の仕事は北九州市の小倉なので、朝早く出れば間に合うのでした。
部屋も立派過ぎるくらいで、私一人なのにベッドが二つあり、二階建てで下には部屋の中に露天風呂があり、別府湾が目の前という豪華さです。有難いことです。完全なスイートルームです。おかげで心地よく眠りにつきました。翌日、仕事をして福岡に帰り一泊して、その翌日には再び7泊9日のイタリア・シチリア島ツアーです。
空飛ぶドクター(登録商標)
坂本泰樹
- 同行者
- その他
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- デルタ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
ダラスの高級レストラン
室内はこのくらい暗い -
ステーキ
写真では焦げているようにも見えるが、
中はミーディアム・レアで美味しい -
Grapevine Vintage Railroad
観光列車
ダラス郊外 -
ダラス・スカイライン
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Old Red Museum of Dallas County
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The Sixth Floor Museum 入り口
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めったに食べないチーズバーガーセット
ピクルス -
気に入った「お知らせ」
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暗殺現場
左側の道路を手前に進み、左折して撃たれた -
人がいる所が撃たれたあたり
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撃たれた道路の周辺の街並み
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お互いの小さな写真の組み合わせでの写真
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ベイラー大学ダラス付属病院
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ベイラー大学付属病院
産科病院 -
ポークチョップ
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ダラス空港出発前
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前菜など(一皿目)
ビジネスクラス料理
デルタ航空 -
主菜(二皿目)
ビジネスクラス料理
デルタ航 -
ゆったりしたビジネスクラス座席
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別府のホテルでの豪華な和食
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80代以上の元気な姉妹と
別府のホテルにて -
別府ホテル
部屋の中に豪華な温泉風呂 -
部屋の温泉から海と夕日が見える
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