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皆様、おはようございます。ウォータースポーツカンクンの店長吉田です。カンクンは、強風が続き、6月1日より本日6月3日まで3日間、マリーナがクローズ、、、ダイビングやジンベエのツアーがすべてキャンセルという状況が続いています。6/4にいったん回復して出航しましたが、本日月曜日6月5日はまたまたクローズとなってしまいました。。。自然を相手に気をもんでも仕方がないのですが、とにかく風が落ちることを祈っているところです。<br /><br />さてさて、弊社はウォータースポーツカンクンという名称なので、皆さま結構ウチはスポーツアクティビティの会社ではないのか?!と勘違いされることがあるのですが、弊社はどちらかというと、遺跡関連のツアーが強い会社だったりします(笑)<br /><br />なので、風が強くて海の仕事がなくても、遺跡など陸のツアーは当然あります。風が強くても天気は良いので、遺跡やセノーテは見学日和というわけで、昨日も、本日も、ウェディングの撮影やシアンカーンなどのエコツアー、遺跡関連のツアーは連日催行中ですので、またいろいろカンクンの旅の事でしたら、ご相談いただければと思います。<br /><br />というわけで、以下は昨日の店長日記となります。<br /><br />本日も風。6/4から上がるはずの風が1日から上がり、、、何のことはない月初めの一番お客様の予約が集中する週が全滅だ。来週は少し落ち着くというが、タイミングが悪いというのはこういう事をいうのかと空を望む。<br /><br />ボクがヨットで航海をしていたころ。風が上がらず、吹いてくれと空を望んだものだが、今は逆の立場になっている。人間なんて勝手なものだと苦笑するしかない。立場がかわれば、風を望む自分が、今は風がやむことを願っているのだから。<br /><br />だからこの地球のどこかで、風を望んで今こうして吹いている状況に喜んでいる人もきっといる。自然やタイミングなんてそういうものだ。その望んでいる人がしあわせになっているのだからと思えば、少しは気持ちも晴れるか。<br /><br />いや、そんな風に考えても、楽しみにしていらした弊社のお客様の事を思うと気持ちが沈む。<br /><br />今回は、仕事でもミスがあった。簡単な確認ミスから発生したミスだ。人間だれしもミスをする。だから、そのことを責めても仕方がない。起こってしまった事は仕方がない。大切なのは、それをどう次に生かすかだ。同じ過ちを繰り返さない。わかっていても、人間は同じ過ちを繰り返す。<br /><br />それが業というのなら、こういう過ちを受け止めて少しでも前進するしかない。<br /><br />ミスをすると気持ちが沈む。沈んだ気持ちと止まぬ風へのいら立ちが交差してどうしようもなくいたたまれなくなる。<br /><br />そんな気持ちをおして、仕事をこなすが、いつもより倍以上の時間がかってしまった。一息ついてジムに走りに行く。外を走るのもいいが、こういう時は黙々と走り込めるマシーンもいい。ひたすら走ることだけに集中出来る。集中して走る。<br /><br />日が暮れてマシンの外に見える景色が夕闇に染まる。<br /><br />そんなところで、電話が鳴った。カンクンでは前衛的な建築デザイン事務所を経営する建築家の友人からだ。美味い店があるから一緒にいこう。<br /><br />ボクの今の気持ちを図るようなタイミングに、これも神様のはからいかなと行くことにした。<br /><br />創業は1980年。店の名前をKIOSKO VERDEという。イスラムヘーレス行のセントロからのフェリー乗り場があるPuerto Cancunというカンクンでは北のはずれにある店だ。<br /><br />この店の事を知ってはいた。ウチのヨットのキャプテンであるチェルナが安くてすごく美味いと以前教えてくれていたので、場所は確認していた。それでも、なかなか足を運ばなかったのは、やはり場所による。<br /><br />ウチの会社のヨットがあるマリーナからすぐ近くだが、歩いていける距離ではない。車で出かけるには今ボクが住んでいる場所からだと遠すぎる。<br /><br />ヨットで出航すればイスラムヘーレスでシーフードを食べるし、とにかく、なんというか、中途半端なのだ。だから、なかなか足が向かなかった。シーフード料理の店はカンクンには無数にある。それぞれがお気に入りのなじみの店をもっていて、周りからいろいろと勧められるのだが、それらすべてに行くほど、セビッチェの味に違いがあるわけでもない。<br /><br />正直、冷菜であるエビのカクテルやセビッチェは、どこで食べても似た味しかしない。大事なのは、寿司と同じでネタの鮮度だから、漁師がやっている店なら大体美味くて、ここは絶品だー!!というほど感動することはまずない。<br /><br />そういう、なんというか、気取らず気負わず、ビールのつまみのように口に放り込める手軽さがまたいいのだから、そこに料理としての宇宙やら哲学を求めてはいけないのだ。<br /><br />で、迎えに行くということで、彼の車で店に出かける。普通セビッチェは熱い太陽が照り付ける日中に、汗をかきながら冷たく冷えたビールと一緒に食すもの。夕食にセビッチェというのはあまり聞かないのだが、彼は躊躇することなくセビッチェを注文する。<br /><br />そうして出て来たセビッチェを食べながら、心地よい夜風が肌の汗を乾かしていく。ふと、暑い夏の予感をこの風に感じる。<br /><br />夜にセビッチェを食べても美味い季節になって来た。。。<br /><br />ビールを注文しようとメセロにいつものTECATE LIGHTというと、友人が、ここではちょっと違うローカルなビールを飲んだらどうだと言ってきた。メキシコ産のエールだという。銘柄は?<br /><br />ALLENDEだよ。ビールにマゲイ(リュウゼツラン)を含めてあるメキシカンなビールだぜ。<br /><br />ビール+テキーラみたいなもんか?<br /><br />いや、ビール+メスカルだ。マゲイだ、アガベじゃない(笑)<br /><br />そこから、テキーラとメスカル談義が始まる。今ではずいぶんとテキーラも日本ではメジャーになって、芸能人や著名人もテキーラ好きを公言するひとが増えた。でも、まだメスカルまでは来ていない。<br /><br />メキシコはテキーラブームの後、この2,3年前からメスカルブームがやってきた。単一品種であるAGAVE AZUL(ブルーアガベ)で作られたテキーラは、銘柄ごとの味の違いが出にくい事もあって、テキーラ通でもない限り、どれも一緒という感覚がある。<br /><br />もちろん、テキーラの味の違いはブランドによって歴然としているのだが、ベテランがウンチクを垂れるテキーラの世界より、もっと気軽に、その使用されるマゲイの品種により味がはっきりと異なるメスカルの方が、沢山の種類のあるメスカルの中から、自分だけのブランドを見つけ出すという宝探しのような楽しみもあって、ちょっと盛り上がっている感じだ。<br /><br />面白いのは、テキーラ好きはメスカルは嫌いな奴がおおい。あんなのは安酒だ。まるで、昔、日本酒好きの親父が焼酎をあんなのは貧乏人の飲む酒だと言っていたようなものだ。<br /><br />時代が変われば価値観も変わる。実際、メスカルは安物テキーラの代名詞だった。テキーラの材料となるブルーアガベは高級なリュウゼツランで、300種類以上あるリュウゼツランの中でも大きな華だ。<br /><br />それ以外のリュウゼツランを各蒸留所が、コストをかけずにテキーラに似た「酔える酒」として作り出してきた歴史がある。芋虫が入っているのも、初期の頃のメスカルには水をいれて薄めていたりしたものだから、芋虫をいれて腐らない=アルコール純度が高いという示しのために入れていた。<br /><br />そんなメスカルが今メキシコではブームになっている。<br /><br />時代遅れの親父が、やっぱテキーラはマエストロが一番だ!なんて言って周りもそりゃそうだろと同意するある意味安心できる環境と違い、メスカルの場合は、メスカルはオホロッソが一番だなと一人が言っても、いや、俺はクルシュがいいと思うぞ。ん、それはどこのメスカルだ? ちょっと一杯試させろ、、、なんて、自分の価値観と真っ向から対抗するような場面に遭遇する。<br /><br />人それぞれが好みのメスカルをたしなみながら、それでも、何故かアテはオレンジにバッタの赤塩と相場が決まっているのが面白い。<br /><br />個性を主張できる酒、それがメスカルという飲み物で、そんな自分勝手な個性をつなぐのが、メインのメスカルではなく、このオレンジであるという事だ。<br /><br />日本だとメスカルはまだまだマイナーだから、手にも入りにくいけれど、メキシコには300種類以上のブランドがある。いや、もっとか。。。だからこそ、メキシコに来たら、テキーラだけでなくメスカルにも、挑戦してほしい。<br /><br />テキーラのような似た味ではなく、それこそ、飲み比べをすれば、はっきりとまるっきり味がそれぞれ異なるから。<br /><br />さて、また酒の話がながくなってしまった。話を元に戻そう。<br /><br />そんなメスカルの材料となるマゲイとビールのハイブリッドのエール。<br /><br />何とも複雑な気持ちになるが、いったい全体そりゃなんだい?ということで、勧められるまま注文した。<br /><br />ビールも地ビールがメキシコでは有名だけれど、これは完全にプロダクトもので、ちゃんと大きなチェーンの酒屋にもおいてある。ここでしか飲めない!という地産地消のようなビールではない。大体、生産地はサンミゲルデアジェンダだ。<br /><br />あー、それで銘柄名がALLENDAなのかと合点する。<br /><br />ワインをテイスティングするときは、水や炭酸水で一度口の中をすっきりさせてから、様々なステップを踏むわけだが、ビールのテイスティングにそんな殊勝な勿体ぶった行為は不要。<br /><br />ちょっと乱暴だが、セビッチェを口に放り込んで、ぐっと一杯やる。これでいい。それで美味いかどうかが判断できる。<br /><br />マゲイの味というか、ちょっといぶしたオークの香りがする。これがメスカル特有のスモークの香りって奴で、そこにこのビールがハイブリッドだという事がわかる。まー、これは好き好きだ。結局、この延長で、気が付けば、メスカルのショットに、ビールがチェイサーというパターンになっていく。<br /><br />ビールとメスカルのハイブリッドか、メスカルショット+ビールのチェイサーか? 酔うにつけだんだんどうでも良くなっていく。こうして、強いメスカルに酔いながら、気持ちも前に向いていくのだ。これが酒の力、いやメスカルの力、、、いやいや、メキシコのパワーだ(笑)<br /><br />ひとしきり酔ったところで、友人がとびっきりの一品がここにはあると言い出した。<br /><br />何だよ?<br /><br />マンタのタコスだ。<br /><br />マンタ?!ってあの、マンタか?!<br /><br />そうだ、あのマンタだ。<br /><br />おいおい、マンタはワシントン条約で保護対象になっているはずだぞ、とボク。<br /><br />そう? でも、メキシコではまだ規制されていないぜ。実際に流通してる。網にひっかかって取れてしまう事もあるだろうしね。<br /><br />第三国に来て規制規制とうるさいこと言っても、漁師は食うために漁をする。誰かが彼らの生活を保護でもしてやらない限り、規制なんてこの国じゃ有名無実だ。<br /><br />考えてみたら、ジンベエのツアーはこうした漁師の乱獲を防ぎ、夏場の収入を別の自然に負担のない形で少なくするために創出された。だから、ジンベエのパーミッションは漁師しか取ることが出来ないことになっている。<br /><br />ジンベエがやってこなければ、今までのまま乱獲が続いてきたのかと思えば、ジンベエがいろいろな形で幸せをこの場所に持ち込んできてくれたのかもしれないと感じる。<br /><br />それにしても、こういう自然に対して負担の少なくなる方法で、漁師も自然も幸せになれるのはいい関係だ。そして、その間をつなぐ我々ツアー会社もまたこうした自然保護に携わっいることになる。参加するお客様も、皆が幸せになる事が出来る。<br /><br />素敵な関係の創造だ。<br /><br />そんなこんなで、出されたマンタのタコスを食べる。エイの肉は魚臭いのだが、マンタのそれはもっと強烈だ。うーーん、、、これは好きな人にはたまらない味だろう。。。<br /><br />でも、このマンタの味を心に沁みさせて、ボクも自然との共生をしっかりとこれからも考えて行こう。そう誓ったカンクンでの一夜だった。<br /><br />さて、皆さまもどうか素敵な一日を<br /><br />店長吉田<br />

■カンクン発■ 君はメスカル・ビールとマンタのタコスを食べるか?! Byウォータースポーツカンクン店長吉田

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2017/06/05 - 2017/06/05

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watersportscancun

watersportscancunさん

皆様、おはようございます。ウォータースポーツカンクンの店長吉田です。カンクンは、強風が続き、6月1日より本日6月3日まで3日間、マリーナがクローズ、、、ダイビングやジンベエのツアーがすべてキャンセルという状況が続いています。6/4にいったん回復して出航しましたが、本日月曜日6月5日はまたまたクローズとなってしまいました。。。自然を相手に気をもんでも仕方がないのですが、とにかく風が落ちることを祈っているところです。

さてさて、弊社はウォータースポーツカンクンという名称なので、皆さま結構ウチはスポーツアクティビティの会社ではないのか?!と勘違いされることがあるのですが、弊社はどちらかというと、遺跡関連のツアーが強い会社だったりします(笑)

なので、風が強くて海の仕事がなくても、遺跡など陸のツアーは当然あります。風が強くても天気は良いので、遺跡やセノーテは見学日和というわけで、昨日も、本日も、ウェディングの撮影やシアンカーンなどのエコツアー、遺跡関連のツアーは連日催行中ですので、またいろいろカンクンの旅の事でしたら、ご相談いただければと思います。

というわけで、以下は昨日の店長日記となります。

本日も風。6/4から上がるはずの風が1日から上がり、、、何のことはない月初めの一番お客様の予約が集中する週が全滅だ。来週は少し落ち着くというが、タイミングが悪いというのはこういう事をいうのかと空を望む。

ボクがヨットで航海をしていたころ。風が上がらず、吹いてくれと空を望んだものだが、今は逆の立場になっている。人間なんて勝手なものだと苦笑するしかない。立場がかわれば、風を望む自分が、今は風がやむことを願っているのだから。

だからこの地球のどこかで、風を望んで今こうして吹いている状況に喜んでいる人もきっといる。自然やタイミングなんてそういうものだ。その望んでいる人がしあわせになっているのだからと思えば、少しは気持ちも晴れるか。

いや、そんな風に考えても、楽しみにしていらした弊社のお客様の事を思うと気持ちが沈む。

今回は、仕事でもミスがあった。簡単な確認ミスから発生したミスだ。人間だれしもミスをする。だから、そのことを責めても仕方がない。起こってしまった事は仕方がない。大切なのは、それをどう次に生かすかだ。同じ過ちを繰り返さない。わかっていても、人間は同じ過ちを繰り返す。

それが業というのなら、こういう過ちを受け止めて少しでも前進するしかない。

ミスをすると気持ちが沈む。沈んだ気持ちと止まぬ風へのいら立ちが交差してどうしようもなくいたたまれなくなる。

そんな気持ちをおして、仕事をこなすが、いつもより倍以上の時間がかってしまった。一息ついてジムに走りに行く。外を走るのもいいが、こういう時は黙々と走り込めるマシーンもいい。ひたすら走ることだけに集中出来る。集中して走る。

日が暮れてマシンの外に見える景色が夕闇に染まる。

そんなところで、電話が鳴った。カンクンでは前衛的な建築デザイン事務所を経営する建築家の友人からだ。美味い店があるから一緒にいこう。

ボクの今の気持ちを図るようなタイミングに、これも神様のはからいかなと行くことにした。

創業は1980年。店の名前をKIOSKO VERDEという。イスラムヘーレス行のセントロからのフェリー乗り場があるPuerto Cancunというカンクンでは北のはずれにある店だ。

この店の事を知ってはいた。ウチのヨットのキャプテンであるチェルナが安くてすごく美味いと以前教えてくれていたので、場所は確認していた。それでも、なかなか足を運ばなかったのは、やはり場所による。

ウチの会社のヨットがあるマリーナからすぐ近くだが、歩いていける距離ではない。車で出かけるには今ボクが住んでいる場所からだと遠すぎる。

ヨットで出航すればイスラムヘーレスでシーフードを食べるし、とにかく、なんというか、中途半端なのだ。だから、なかなか足が向かなかった。シーフード料理の店はカンクンには無数にある。それぞれがお気に入りのなじみの店をもっていて、周りからいろいろと勧められるのだが、それらすべてに行くほど、セビッチェの味に違いがあるわけでもない。

正直、冷菜であるエビのカクテルやセビッチェは、どこで食べても似た味しかしない。大事なのは、寿司と同じでネタの鮮度だから、漁師がやっている店なら大体美味くて、ここは絶品だー!!というほど感動することはまずない。

そういう、なんというか、気取らず気負わず、ビールのつまみのように口に放り込める手軽さがまたいいのだから、そこに料理としての宇宙やら哲学を求めてはいけないのだ。

で、迎えに行くということで、彼の車で店に出かける。普通セビッチェは熱い太陽が照り付ける日中に、汗をかきながら冷たく冷えたビールと一緒に食すもの。夕食にセビッチェというのはあまり聞かないのだが、彼は躊躇することなくセビッチェを注文する。

そうして出て来たセビッチェを食べながら、心地よい夜風が肌の汗を乾かしていく。ふと、暑い夏の予感をこの風に感じる。

夜にセビッチェを食べても美味い季節になって来た。。。

ビールを注文しようとメセロにいつものTECATE LIGHTというと、友人が、ここではちょっと違うローカルなビールを飲んだらどうだと言ってきた。メキシコ産のエールだという。銘柄は?

ALLENDEだよ。ビールにマゲイ(リュウゼツラン)を含めてあるメキシカンなビールだぜ。

ビール+テキーラみたいなもんか?

いや、ビール+メスカルだ。マゲイだ、アガベじゃない(笑)

そこから、テキーラとメスカル談義が始まる。今ではずいぶんとテキーラも日本ではメジャーになって、芸能人や著名人もテキーラ好きを公言するひとが増えた。でも、まだメスカルまでは来ていない。

メキシコはテキーラブームの後、この2,3年前からメスカルブームがやってきた。単一品種であるAGAVE AZUL(ブルーアガベ)で作られたテキーラは、銘柄ごとの味の違いが出にくい事もあって、テキーラ通でもない限り、どれも一緒という感覚がある。

もちろん、テキーラの味の違いはブランドによって歴然としているのだが、ベテランがウンチクを垂れるテキーラの世界より、もっと気軽に、その使用されるマゲイの品種により味がはっきりと異なるメスカルの方が、沢山の種類のあるメスカルの中から、自分だけのブランドを見つけ出すという宝探しのような楽しみもあって、ちょっと盛り上がっている感じだ。

面白いのは、テキーラ好きはメスカルは嫌いな奴がおおい。あんなのは安酒だ。まるで、昔、日本酒好きの親父が焼酎をあんなのは貧乏人の飲む酒だと言っていたようなものだ。

時代が変われば価値観も変わる。実際、メスカルは安物テキーラの代名詞だった。テキーラの材料となるブルーアガベは高級なリュウゼツランで、300種類以上あるリュウゼツランの中でも大きな華だ。

それ以外のリュウゼツランを各蒸留所が、コストをかけずにテキーラに似た「酔える酒」として作り出してきた歴史がある。芋虫が入っているのも、初期の頃のメスカルには水をいれて薄めていたりしたものだから、芋虫をいれて腐らない=アルコール純度が高いという示しのために入れていた。

そんなメスカルが今メキシコではブームになっている。

時代遅れの親父が、やっぱテキーラはマエストロが一番だ!なんて言って周りもそりゃそうだろと同意するある意味安心できる環境と違い、メスカルの場合は、メスカルはオホロッソが一番だなと一人が言っても、いや、俺はクルシュがいいと思うぞ。ん、それはどこのメスカルだ? ちょっと一杯試させろ、、、なんて、自分の価値観と真っ向から対抗するような場面に遭遇する。

人それぞれが好みのメスカルをたしなみながら、それでも、何故かアテはオレンジにバッタの赤塩と相場が決まっているのが面白い。

個性を主張できる酒、それがメスカルという飲み物で、そんな自分勝手な個性をつなぐのが、メインのメスカルではなく、このオレンジであるという事だ。

日本だとメスカルはまだまだマイナーだから、手にも入りにくいけれど、メキシコには300種類以上のブランドがある。いや、もっとか。。。だからこそ、メキシコに来たら、テキーラだけでなくメスカルにも、挑戦してほしい。

テキーラのような似た味ではなく、それこそ、飲み比べをすれば、はっきりとまるっきり味がそれぞれ異なるから。

さて、また酒の話がながくなってしまった。話を元に戻そう。

そんなメスカルの材料となるマゲイとビールのハイブリッドのエール。

何とも複雑な気持ちになるが、いったい全体そりゃなんだい?ということで、勧められるまま注文した。

ビールも地ビールがメキシコでは有名だけれど、これは完全にプロダクトもので、ちゃんと大きなチェーンの酒屋にもおいてある。ここでしか飲めない!という地産地消のようなビールではない。大体、生産地はサンミゲルデアジェンダだ。

あー、それで銘柄名がALLENDAなのかと合点する。

ワインをテイスティングするときは、水や炭酸水で一度口の中をすっきりさせてから、様々なステップを踏むわけだが、ビールのテイスティングにそんな殊勝な勿体ぶった行為は不要。

ちょっと乱暴だが、セビッチェを口に放り込んで、ぐっと一杯やる。これでいい。それで美味いかどうかが判断できる。

マゲイの味というか、ちょっといぶしたオークの香りがする。これがメスカル特有のスモークの香りって奴で、そこにこのビールがハイブリッドだという事がわかる。まー、これは好き好きだ。結局、この延長で、気が付けば、メスカルのショットに、ビールがチェイサーというパターンになっていく。

ビールとメスカルのハイブリッドか、メスカルショット+ビールのチェイサーか? 酔うにつけだんだんどうでも良くなっていく。こうして、強いメスカルに酔いながら、気持ちも前に向いていくのだ。これが酒の力、いやメスカルの力、、、いやいや、メキシコのパワーだ(笑)

ひとしきり酔ったところで、友人がとびっきりの一品がここにはあると言い出した。

何だよ?

マンタのタコスだ。

マンタ?!ってあの、マンタか?!

そうだ、あのマンタだ。

おいおい、マンタはワシントン条約で保護対象になっているはずだぞ、とボク。

そう? でも、メキシコではまだ規制されていないぜ。実際に流通してる。網にひっかかって取れてしまう事もあるだろうしね。

第三国に来て規制規制とうるさいこと言っても、漁師は食うために漁をする。誰かが彼らの生活を保護でもしてやらない限り、規制なんてこの国じゃ有名無実だ。

考えてみたら、ジンベエのツアーはこうした漁師の乱獲を防ぎ、夏場の収入を別の自然に負担のない形で少なくするために創出された。だから、ジンベエのパーミッションは漁師しか取ることが出来ないことになっている。

ジンベエがやってこなければ、今までのまま乱獲が続いてきたのかと思えば、ジンベエがいろいろな形で幸せをこの場所に持ち込んできてくれたのかもしれないと感じる。

それにしても、こういう自然に対して負担の少なくなる方法で、漁師も自然も幸せになれるのはいい関係だ。そして、その間をつなぐ我々ツアー会社もまたこうした自然保護に携わっいることになる。参加するお客様も、皆が幸せになる事が出来る。

素敵な関係の創造だ。

そんなこんなで、出されたマンタのタコスを食べる。エイの肉は魚臭いのだが、マンタのそれはもっと強烈だ。うーーん、、、これは好きな人にはたまらない味だろう。。。

でも、このマンタの味を心に沁みさせて、ボクも自然との共生をしっかりとこれからも考えて行こう。そう誓ったカンクンでの一夜だった。

さて、皆さまもどうか素敵な一日を

店長吉田

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  • 本日のお客様。ここはセノーテ「シケケン」チチェン遺跡のプライベートツアーでご案内するとびっきりのセノーテです。<br /><br />こういう神秘的な場所に当時のマヤの人々が神聖を感じ、地下世界の紙へと通じる場所と考えたのもうなずけます。

    本日のお客様。ここはセノーテ「シケケン」チチェン遺跡のプライベートツアーでご案内するとびっきりのセノーテです。

    こういう神秘的な場所に当時のマヤの人々が神聖を感じ、地下世界の紙へと通じる場所と考えたのもうなずけます。

  • 昨日のお客様は無事出港して3頭に遭遇したのだけれど、本日6月5日は強風の為中止に。。。

    昨日のお客様は無事出港して3頭に遭遇したのだけれど、本日6月5日は強風の為中止に。。。

  • 昨日のジンベエ。。。3頭とだんだん数を増やしてきています。順調にまた沢山のジンベエ来てくれるといいですね。

    昨日のジンベエ。。。3頭とだんだん数を増やしてきています。順調にまた沢山のジンベエ来てくれるといいですね。

  • ブイサインしているのがオマール。彼とももうかれこれ10年か。。。出会った当時は24歳だったが、もう34歳のおっさんだ(笑)<br />

    ブイサインしているのがオマール。彼とももうかれこれ10年か。。。出会った当時は24歳だったが、もう34歳のおっさんだ(笑)

  • さて、この店がKIOSKO VERDEというお店。メキシココロニアル風の建物だ。

    さて、この店がKIOSKO VERDEというお店。メキシココロニアル風の建物だ。

  • 店の雰囲気はなかなかいい。やはり前衛建築家が好む店の雰囲気だ。

    店の雰囲気はなかなかいい。やはり前衛建築家が好む店の雰囲気だ。

  • 店内にも席がある。出かけたのが20:00過ぎだったのでお客さんはまばら。こういうお店は昼間が一番混雑する。<br /><br />日中前を通ると大賑わいをしている。

    店内にも席がある。出かけたのが20:00過ぎだったのでお客さんはまばら。こういうお店は昼間が一番混雑する。

    日中前を通ると大賑わいをしている。

  • 炭火で好きなシーフードを焼いてくれる。今日はタコを焼いてもらった。

    炭火で好きなシーフードを焼いてくれる。今日はタコを焼いてもらった。

  • 何故って、この壁画を見たら食べるしかないでしょう(笑)<br /><br />友人はこの絵が気に入っているらしい。なかなか、シュールな感じがボクも好みではある。

    何故って、この壁画を見たら食べるしかないでしょう(笑)

    友人はこの絵が気に入っているらしい。なかなか、シュールな感じがボクも好みではある。

  • とりあえず、セビッチェ二品に、右上がTATAKY DE ATUN。。。タタッキィというのは、何だと思ったら、マグロのたたきの事だった。<br /><br />TATAKYとメニューに書かれているのをみても一体何かわからなかった(笑)

    とりあえず、セビッチェ二品に、右上がTATAKY DE ATUN。。。タタッキィというのは、何だと思ったら、マグロのたたきの事だった。

    TATAKYとメニューに書かれているのをみても一体何かわからなかった(笑)

  • このブログのトップに出しているのがマゲイ入りのビール。アジェンダ。<br /><br />で、その後、メスカル好きの彼が店にあるいくつかのメスカルを持ってこさせて講釈が始まる。<br /><br />テキーラと違って自らの好みを主張する行為が楽しみの一つにもなる。

    このブログのトップに出しているのがマゲイ入りのビール。アジェンダ。

    で、その後、メスカル好きの彼が店にあるいくつかのメスカルを持ってこさせて講釈が始まる。

    テキーラと違って自らの好みを主張する行為が楽しみの一つにもなる。

  • 彼が手にしているメスカルがCULXE(クルシェ)というメスカル。<br /><br />彼のお気に入りだ。

    彼が手にしているメスカルがCULXE(クルシェ)というメスカル。

    彼のお気に入りだ。

  • メセーロ(ウェイター)に三種類を飲み比べで準備させる

    メセーロ(ウェイター)に三種類を飲み比べで準備させる

  • CULXEは、かなりスモークの香りが強い。何杯も飲める味ではなく、イチニ杯を時間をかけてちびちびとやるスタイルだ。<br /><br />もちろん、アテはオレンジに、赤く見えるのがバッタの塩。固形のものは近くでよく見るとそのままバッタの形をしている。<br /><br />チャップリンという小さなバッタとあわせた塩

    CULXEは、かなりスモークの香りが強い。何杯も飲める味ではなく、イチニ杯を時間をかけてちびちびとやるスタイルだ。

    もちろん、アテはオレンジに、赤く見えるのがバッタの塩。固形のものは近くでよく見るとそのままバッタの形をしている。

    チャップリンという小さなバッタとあわせた塩

  • 焼きあがったタコの炭火焼。<br /><br />シンプルなのでビールにもよく合う

    焼きあがったタコの炭火焼。

    シンプルなのでビールにもよく合う

  • で、これがマンタのタコス。<br /><br />かなり香りがきつい味だ。エイそものも癖があるけれど、こいつもかなりの癖のある味でした。

    で、これがマンタのタコス。

    かなり香りがきつい味だ。エイそものも癖があるけれど、こいつもかなりの癖のある味でした。

  • メスカル関連では、テキーラになりますが、ユカタン産のテキーラ「MAYAPAN」は、かなりスモークの香りがつよいので、どちらかというと、ブルーアガベで作ったメスカルという感覚です。<br /><br />あらためて、飲み直してみるとゆっくり楽しめる味だと感じる。<br />

    メスカル関連では、テキーラになりますが、ユカタン産のテキーラ「MAYAPAN」は、かなりスモークの香りがつよいので、どちらかというと、ブルーアガベで作ったメスカルという感覚です。

    あらためて、飲み直してみるとゆっくり楽しめる味だと感じる。

  • というわけで、皆さまも素敵なカンクンご滞在を!<br /><br />なんの写真やねん!というこの時のお話はまたの機会に(笑)<br /><br />JOYAの皆さまは、とっても楽しい方ばかりですよ!!<br /><br />

    というわけで、皆さまも素敵なカンクンご滞在を!

    なんの写真やねん!というこの時のお話はまたの機会に(笑)

    JOYAの皆さまは、とっても楽しい方ばかりですよ!!

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