2013/08/22 - 2013/09/03
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nitarikujiraさん
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ローマ帝国が最大版図を誇った、言い換えれば滅亡に向かう直前の皇帝、ディオクレティアヌス。
その彼が造営した宮殿の持つ歴史の悲哀・皮肉を肌に感じながらの旅でした。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- ブリティッシュエアウェイズ イージージェット
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
旅をするとき、その地の歴史を知っていればなお面白い。
ローマ帝国の皇帝にディオクレティアヌス帝という皇帝がいた(在位284~305年)。
彼の時代にローマ帝国は最大版図を記録している。
もともとは奴隷の子とされ、軍隊で功を積み、ついには皇帝にまで上り詰めた、日本でいうと豊臣秀吉みたいな人です。
スケールは違うけど。
彼が歴史上有名なのはローマ帝国の政治体制を元首政から専制君主制に変更したこと、帝国を4分割したこと、そしてキリスト教の大迫害を行ったことである。
教会を焼き払い、キリシタン狩りを行ったようです。
織田信長のようですね。 -
その彼が健康上の理由で突然退位し、隠居として作ったのがスピリットにあるディオクレティアヌス宮殿である。これは「ディオクレティアヌス宮殿があるスプリトの歴史的建造物群」として1979年に世界遺産に指定されています。
ちなみに彼はローマ帝国が始まって以来、初めて死なずに退位した皇帝です。
このスピリットという町はもともとはアドリア海沿岸の寒村で何もないところだったようです。
当時の宮殿の想像図は各種観光パンフレットに掲載されています。 -
この海に面した城壁の前は現在埋め立てられて人々の行きかう広場になっています。
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彼はこの宮殿に移り住んだ後、たった6年で亡くなってしまいます。
もともとが寒村でしたので、この宮殿は打ち捨てられて廃墟と化していくことになります。
ところが数百年の後、ローマ帝国がついに滅亡の時を迎えるとき、異民族に追われた難民が多くこの宮殿に避難してきました。
そして彼らは勝手に、まあ、持主はいないのですからいいのですが、手を加えて住居を作り、住みついてしまったのです。
これが世界遺産、スプリットの成り立ちです。
その後も宮殿の一部を壊して勝手に住居を建てたりしたので、城壁の中は新旧入り混じった建物がみられることになります。 -
逃げ込んできた住民たちはキリスト教徒であったのでキリスト教教会を作りました。
そして、もともとディオクレティアヌスの霊廟として建てられた建物を大聖堂に改造してしまったのです。
そう、なんとキリスト教徒を迫害したディオクレティアヌスは自分の棺の上に、キリスト教教会を建てられてしまったのです。
何という運命の皮肉。
ディオクレティアヌス帝の墓の上に建てられた大聖堂(左)と後に作られた鐘楼。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり・・・ -
そんな歴史を勉強してからこの町を散策すると、他のヨーロッパの旧市街を歩くのとはまた違った感慨に浸ることができます。
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かつては海に面した城壁の前は遅くまで観光客が溢れています。
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現在城壁の中にはカフェやレストランだけでなく、地元の人のための魚市場や肉屋があり、城壁の横では市場が立ち並んでいます。
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朝市
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果物を買い求めてアパートメントでいただきました。
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城壁の外にも露天商が並んでいます。
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なお、旧市街の地下には宮殿跡があり、これもぜひ訪れるべきところです。
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地下宮殿
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木製の柱
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棺でしょうか?
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ディオクレティアヌスの無念の思いが籠る(まあ妄想ですが)地下宮殿を出て、土産物屋が並ぶ現代に戻ります。
タイムトリップ感が心地いいです。
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