2016/12/18 - 2016/12/18
56位(同エリア244件中)
ハンクさん
マレーシア滞在中の週末、マレーシアの4ヶ所ある世界遺産の内で最も遅く2012年に登録されたレンゴン渓谷の考古遺産を訪れた。クアラルンプールから北へ約2時間でイポー市を通過し、さらに北へ約2時間走った所にある。約100~200万年前の遺跡群で、アフリカ以外では最古の遺跡であり保存状態もよく、東南アジアで最古の完全な人骨ペラ・マンが発見された、という。ここレンゴン考古学博物館ではこのペラ・マンを含む旧時代の石器、青銅器、鉄器等も展示している、とガイドブックには書いてあった。目的の博物館はさんざん探し回って、やっと小さな看板を見つけた。
ところが、4時間をかけて訪れるだけの価値があるのかどうか、嫌な予感がしていたとおり、この博物館は閉館、改装工事中。警備のガードマンに、はるばる日本からやってきた、なんとか展示品をチラリとでも見せてくれないか、と頼み込んでみたところ、中には入れてくれた。しかし全ての展示物は倉庫に保管されているそうで、見るべきものは何もない。虚しくポスターなどを撮影して、ガードマンに丁重にお礼を言ってここを発った。マレーシアには世界遺産は4ヶ所しかないが、間違いなく3大ガッカリの筆頭だ。
帰途にイポー市に立ち寄った。19世紀の英国の植民地時代にスズ鉱業で栄えた、クアラルンプールの北約200kmにある人口約70万人、マレーシア第3の拠点都市である。イポーの人口の7割が中国系の住民で、華僑のスズ鉱業開発成功による「大富豪の都市」と呼ばれた。スズ鉱業は1920~1930年代にピークを迎えたが、その後スズ価格の下落により1970年代後半に鉱山は閉鎖され街は寂れた。しかし鉄道駅や町役場など、英国植民地時代の特徴ある建築物が残っており、落ち着いた古都の面影を持つ。日本の福岡市と姉妹都市であり、日本と積極的に交流しており、長期滞在者も多い。
またペナンで人気の壁画アーティスト、アーネストの作品が、2014年にイポーのオールドタウンにもお目見えした。もっとも有名な珈琲カップをもった年配者の壁画は、市の中心部の喫茶店の壁に描かれている。
この街の北部の石灰岩の岩山には鍾乳洞が多くあり、中国系の移住者により、その自然の造形美を活かした「リン・セン・トン」(霊仙岩)、「ナン・テン・トン」(南天洞)、「サン・ポ・トン」(三寶洞)など洞窟寺院が多く建てられた。「ペラ・トン」(霹靂洞)はそのなかで最も古く、広く見ごたえがある。いずれの洞窟内にも階段が設置され、大仏や涅槃仏、多くは金ピカに塗られた仏像が安置されている。また敦煌を思い出させる寺院や、壁画などそれなりに楽しめた。ただし交通の便は悪く、車でないと訪れることは難しいだろう。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- レンタカー 徒歩
-
さんざん走って見つけたレンゴン渓谷考古博物館の看板
-
レンゴン渓谷に咲く花
-
レンゴン渓谷考古博物館、改装工事中のため閉館
-
東南アジアで最も古いペラ・マンの人骨
-
同上ペラ・マンの発掘写真
-
がらんどうの博物館内部
-
考古博物館のポスター
-
レンゴン渓谷考古博物館の入り口
-
奥の岩石の展示
-
イポー中央駅のファサード
-
イポー中央駅のホーム
-
イポー中央駅のホール
-
イポー中央駅前の壮麗な建物
-
イポー中央駅前の壮麗な建物
-
イポーの旧市街
-
アーネストの壁画は市の中心部の喫茶店の壁
-
ツーリストインフォメーション
-
姉妹都市の福岡市の紹介
-
霊仙岩の入り口
-
霊仙岩のファサード
-
霊仙岩の内部
-
ここにも猿の群れ
-
黄金の涅槃仏
-
黄金の像
-
南天洞の入り口
-
まさに鍾乳洞
-
ブータンの寺院
-
6本の仏塔
-
ブータンの極彩色の仏像
-
三寶洞の入り口
-
三寶洞の入り口
-
三寶洞内部に並ぶ仏像
-
三寶洞内部の仏像
-
敦煌を思い出させる寺院
-
霹靂洞の入り口
-
霹靂洞内部の大仏
-
霹靂洞内部の黄金の仏像
-
霹靂洞内部の黄金の仏像
-
イポー市の公園の人工の滝
-
イポー市の公園の池
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
40