2016/07/10 - 2016/07/10
468位(同エリア823件中)
☆桜☆さん
日ごろ韓国国内にいると普通に生活することができ、ここが現在「休戦中」であることを意識することは少ないのですが、今回初めて江原道の鉄原にある非武装中立地帯、通称DMZに行ってきました。
民間人が自由に出入り出来る場所ではないため、軍の関係者の引率のもと、写真も決められた場所でしか撮れないなどの制約はあるけど、目の前に広がる美しい自然を目にしたり、韓国の軍事状況なども少し知ることが出来、良い経験になりました。
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続いてやってきたのはミョルゴンOPという場所です。
たぶんこの安保観光ツアーの中での目玉はここじゃないでしょうか?
かなりの急こう配の坂道を登り、山の上へとやってきたのですが、ここはDMZエリアだけでなく、北朝鮮までを見ることが出来る展望台(監視地域)となっており、一切の写真撮影が禁じられています。
そのためこの建物の外観だけの撮影となりますが、この建物も文字の上には軍設備があるため撮影が出来ず、写真撮影の際には後ろで軍人さんが角度や文字の上が写っていないかどうか確認します。
この建物の中ではDMZや鉄原の説明、この地域に配置されている部隊の説明があり、そして最後にカーテンを開けると目の前にDMZ越しの北朝鮮が見える.....という構造になっています。
建物を出た後は隣の展望スペースから望遠鏡を使って北朝鮮を見ることも可能でした。
北朝鮮の建物などは見えたけど、この時は歩いている人などは見えませんでしたね。 -
山を降り、今度は金剛山電気鉄道が走っていた鉄橋にやってきました。
以前は韓国と北朝鮮を結ぶ鉄道路線が4本あったそうですが、朝鮮戦争で分断されてからは全て廃線となり、ようやく臨津閣と開城を結ぶ路線が試運転を始めているところです。
この路線が本格稼働するようになると、韓国から陸路で北朝鮮〜中国〜ロシアへと向かうことが出来るようになると言われています。 -
金剛山電気鉄道の走っていた鉄橋は今は線路は取り除かれ、橋だけが残っている状態です。
橋の上まで行くことは可能ですが、ここも軍の施設と隣接しているため、撮影出来る方向が決まっていました。
また写真撮影をする際には必ず軍人さん立ち会いのもとで撮影となります。 -
橋の上でセルカを撮っている韓国人女子ですが、この右側には軍施設があるため、ちょっとでもカメラがそちらを向くとすかさず軍人さんから撮影画像を削除するように指示が出ます......
ツアーガイドさんも立ち会って、行動をチェックしていました。
写真撮影で注意されるとその後の写真撮影の際にもマンマークされてますね。
要注意です。 -
さて橋の上から撮影可能な漢灘江の眺めです。
こちらも民間人含め統制されている地域のため自然が豊富な素晴らしい眺めです。 -
そうそう、この端の先は北朝鮮に続くということで、現在はこのように有刺鉄線でふさがれており、その先もジャングルのようになっています。
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続いてバスでミョルゴンOPの有刺鉄線路にやってきました。
ここでは堤防のようになったDMZの監視ラインがあり、通常この安保ツアーではこの上を歩くことが出来るそうですが、ちょうど北朝鮮での不穏な動きがあり、この日はギリギリまで許可が下りるのを待ちましたが、上の道には上がることが出来ませんでした。
安保ツアーの場合、北朝鮮の動向により観光が出来ない場合もあるので予めそこは覚悟して参加するしかないですね。 -
続いては鉄原タンチョウ館という場所にやってきました。
この左側も軍のゲートがあるため、撮影は禁止です^^;
DMZは人の出入りが出来ないため多くの自然が守られ、タンチョウ鶴など渡り鳥の生息地として有名なんだそうです。
そのため、この鉄原タンチョウ館でそれら渡り鳥などの野生動物などを生態を見学できるようになっています。 -
ミミズクのはく製です。
正直私にはフクロウとミミズクの違いがわからないんですが、この鉄原にはミミズクもフクロウもいるようです。 -
あっ、横目で見られている?!
このようにたくさんの野生動物のはく製が展示されていました。
そのほかには鉄原の名産品の紹介などがありましたが、ツアー以外ではなかなか訪れる機会もないからか、ひっそりした雰囲気でした。 -
この鉄原タンチョウ館の前には月井里駅があります。
駅といってもすでに廃駅となっているので、駅舎が残るだけですが....... -
なんとも懐かしいような映画で見るような駅舎の中です。
こちらの月井里駅ですが、現在の白馬高地駅から延伸して、来年には月井里駅が開業するそうです。
この場所ではなく、違う場所になるのだとは思いますが、駅名は月井里駅となり、開業後はこの月井里駅が韓国側の最北端の駅になるのだとか。 -
月井里駅のホームには今もまだレールが残っており、そこには錆びた鉄の塊が残っています。
これは朝鮮戦争当時の貨物列車の客車部分なんだそうです。
前方にあった機関車だけ北朝鮮が持ち帰り、客車部分のみ放置していったのだそうです。 -
この駅は放火を免れたということでしょうか?
古い駅舎の雰囲気が日本の昔の駅舎にも通じるような気がしました。
当時の鉄道には日本の技術も使われていたそうなので、駅舎のデザインにも日本のものが取り入れられていたのかもしれませんね。 -
最後にやってきたのは、白馬高地戦跡地です。
この白馬高地という場所は朝鮮戦争の際に北朝鮮側が支配したり、韓国側が支配したりと戦線が頻繁に変化した場所だそうで、とくに激しい攻防が行われた場所となります。
私は以前「高地戦」という映画を観ましたが、この映画はこのエリアでの攻防をベースにした映画だと聞いています。
もしこのエリアの安保コースに参加するのであれば、ぜひこの映画を観てから参加すると良いと思います。 -
高地戦跡地は今は整備され、美しい白樺並木がまっすぐに伸びています。
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これがこの高地戦で命を落とした人達の慰霊碑となっていて、戦没者の名前が刻まれています。
でも実際にはここに名前が刻まれていない戦没者もたくさんいるのだと思います。 -
慰霊碑の先にはメモリアル記念館という白馬高地の部隊の様子や記録などが展示されているスペースがあります。
ここも軍人さんが同行し、案内をしてくれます。 -
軍人の装備や記録、当時の書籍などが展示されていますが、展示物はさほど多くはありません。
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メモリアル館を過ぎて林のような中をさらに先に進むと鐘閣が現れます。
慰霊のため、平和を祈念するための鐘のようです。
この位置からの撮影は大丈夫でしたが、この鐘閣の先からは撮影が禁止されています。
鐘閣の先はDMZ越しに見える北朝鮮の山々となります。
何もない田園風景のように見えますが、目の前を横切るように監視用の堤防や進入を防ぐための鉄線などがあり、防衛の最前線であることを実感します。 -
この白馬高地戦跡地にも白馬がありました。
今回の安保観光ツアーの見学は以上で終了です。
あとは再びバスで白馬高地駅へと戻り解散となりました。 -
白馬高地駅は現在終点駅となっていますが、来年には月井里駅までの延伸が決まっており、少しずつ北朝鮮に近づいているような気がします。
「鉄馬(鉄道/列車)は走りたい」というスローガンはこの白馬高地駅だけでなく、さきほどの月井里駅にもありました。
単に路線延長ということではなく、家族や親せきなどがいる北朝鮮との行き来が出来るようになることを望む人達、故郷を懐かしむ人達の思いなんでしょうね。 -
ちなみにDMZトレイン以外にも列車が運行されています。
結構遅い時間まで列車があるので、周辺の観光だけでなく、通学・通勤の足として使われているのだと思います。 -
ソウルに向かうDMZトレインが入線してきました。
白馬高地には約4時間ぐらいの滞在だったでしょうか? -
再びDMZの乗り込みますが、往路1号車だった場合、復路は3号車に乗車となります。
列車の内装は変わりませんが、外観が異なるんですよね。
こちらは白のベースに黒い機関車が描かれた車体。
なんとも勇ましくかっこいいデザインですが、このデザインは1両だけです。 -
残り2両はこの平和をテーマにしたかわいらしいデザインとなっています。
白馬高地駅にはこのエリアの特産品などを販売している売店があるので、そこで特産品を買ったり、帰りの列車の中で食べたり飲んだりするものを調達することが可能です。 -
DMZトレインは観光用列車ということもあり、途中の駅では停車時間が長く取られています。
白馬高地駅の3つ先の駅、漣川駅には機関車に給水するための給水塔が今も残っています。
今でこそ蔦に覆われていますが、上部には砲弾の跡があるそうです。 -
駅舎とホームの間にはちょっとしたフラワーガーデンがあったり、噴水があったり、憩いの場となっていました。
改札がなくホームに自由に出入りできる韓国の駅ならではですね。 -
西部にある臨津閣には行ったことがありましたが、そこでは民間人が自由に出入り出来る場所しか見学しなかったので、今回のように軍の統制区域に入ったのは初めてでした。
今回私が参加したコースにある場所は韓国人が訪れることが出来る場所となっています。
外国人の場合、外国人だけが参加できるツアーでDMZ以外にもJSAなどに行くことも出来ますが、韓国人にとっては、北朝鮮を間近に感じるにはこのツアーに参加するのが一番手軽ということもあり、週末ともなるとDMZトレインは予約で埋まってしまうこともあるようです。
韓国に住むというと特別な違和感を感じることは少ないけど、こういった安保に触れると休戦国家だということを感じますね。
近いようで遠い国、韓国を知るためにも、また韓国に住んでいる人にはぜひ自分が現在いる場所を知るためにも参加してほしいツアーだと思いました。
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