そっか今、五月場所をやっているんだっけ　～　両国で明治大正昭和を感じる

2016/05/13 - 2016/05/13

仕事で訪れた両国界隈をぶ～らぶら。
今日は5月13日の金曜日だが仏教徒には関係ない。相撲取りにも関係ない。最近、相撲を見なくなったので今、本場所をやっていることさえ忘れていた。国技館の周り、なんか華やかでいいなぁ。ついでにその辺をお散歩して帰ろう。

でも最後は、ものすご～く考えさせられる小旅行になってしまったのだ。

エリア 両国(東京)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• グルメ: 3.0
• 交通: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 私鉄 徒歩

小さな旅の始まりはＪＲ両国駅。この日は午前中にここで仕事があって、空いた午後をお散歩にあてた。
改札前の「満員御礼」の垂れ幕、下したら客が通れないよ。

両国駅 駅

壁には武蔵丸と白鳳の優勝額。平成19年の白鳳かぁ。若いなぁ。

両国駅 駅

そして歴代横綱の手形。やっぱでかいよね。

両国駅 駅

駅を出れば、目の前が国技館だ。

両国駅 駅

あっ、力士幟。
そっか、五月場所の真っ最中だ。忘れてた。
最近相撲見てないからなぁ。

両国国技館の大屋根。いつ見ても威圧感満点だよね。

国技館までの道には、グッズを売る店が並ぶ。

高〜い櫓を見上げる。今でもこの上で太鼓叩いてるのかな？

両国国技館 名所・史跡

へっ、相撲協会診療所？お相撲さんだけじゃなく、一般も受けられるんだ。

両国国技館 名所・史跡

両国国技館 名所・史跡

両国国技館 名所・史跡

外人さんもチケット購入。

両国国技館 名所・史跡

今日はほぼ売り切れ。イス自由席は当日売りだから、まだあるよ。2200円で一日楽しめる。

両国国技館 名所・史跡

相撲観戦は今日はスルーして、国技館並びの江戸東京博物館を目指す。

ここの建物も威圧感抜群なのよね。

江戸東京博物館 美術館・博物館

博物館に沿って伸びる緑道を行くと、

でかい亀が登場。なんだ？

江戸東京博物館 美術館・博物館

おっと、亀の上には徳川家康の銅像が。
この亀は「亀趺（きふ）」と言って、偉い人の墓の墓碑に使われるそうだ。特に家康に関わりがある訳ではないそうな。

江戸東京博物館 美術館・博物館

と、反対側から来たお相撲さんとすれ違った。ここ両国ではアタリマエのようにお相撲さんが歩いている。

今日の江戸博物館、催し物は何かな？

江戸東京博物館 美術館・博物館

あ〜、真田丸ね。なんでもすぐに乗っかるんじゃないの！
今日は見ないでおこう。

江戸東京博物館 美術館・博物館

でもミュージアムショップとかは好きなので、中に入ってみる。

江戸東京博物館 美術館・博物館

やはり他の博物館のショップとはちと趣が違う。

江戸東京博物館ミュージアムショップ お土産屋・直売所・特産品

蒔絵のシールとか面白かったのだが、結局買わずにおいた。

江戸東京博物館ミュージアムショップ お土産屋・直売所・特産品

博物館の北側の1Ｆにイタリアンカフェがあった。ここでランチでも良かったのだが、混んでいたのでパス。

江戸東京博物館 美術館・博物館

その前で再びお相撲さんに遭遇。
自転車、重みに耐えててます。

江戸博物館を出て国技館方向に戻り、隅田川に沿って北上。川は見えないけど・・

するとすぐに旧安田庭園の入口になる。

旧安田庭園 公園・植物園

安田庭園は江戸時代、常陸笠間藩主の下屋敷だった庭園を、明治の財閥、安田善次郎が買い取ったとのこと。その後、当時の東京市に寄付され、今は墨田区が管理している。

旧安田庭園 公園・植物園

中央の池は「心」の字を形どっており、隅田川と直結していて潮の干満で形が変わる「池泉廻遊式庭園」と言うのだそうな。

旧安田庭園 公園・植物園

入場は無料。静かな庭園を散策すると、

旧安田庭園 公園・植物園

ビルの森の中でひっそりと池が水をたたえる。

旧安田庭園 公園・植物園

池の向こう岸に華やかな装いの男女が。あれは・・・

旧安田庭園 公園・植物園

結婚式を終えたカップルらしい。いや、親族っぽい人たちがいないので、2人で結婚写真撮影かな。

旧安田庭園 公園・植物園

小さな庭園だが、心安らぐ。

旧安田庭園 公園・植物園

安田庭園の向こう側には安田学園の校舎。ここも安田善次郎による創立。つい2013年まで男子校だったが、翌年から共学になったらしい。高校野球の名門だ。

旧安田庭園 公園・植物園

安田庭園の隣に何やらオープンレストランが見えたので、庭園を出て右に折れた。「両国テラス」。雰囲気よさげだ。

両国テラス グルメ・レストラン

店の庭ではバーベキューパーティが開催中。こちらは貸し切りみたいで、ワンコもいる。俺はその奥の一般席に。テントの下だが、外の空気が心地よい。

両国テラス グルメ・レストラン

本日のランチ、840円也〜。鳥のローストはまあまあかな。付け合わせのサラダと長ナスがおいしかった。

両国テラス グルメ・レストラン

旧安田庭園の斜め向かいに、横網町公園がある。俺ねぇ、恥ずかしながら今日の今日まで「横綱町」だと信じて疑わなかった。下町育ちのくせにお恥ずかしい。

横網町公園 公園・植物園

だって両国だよ。なんで横綱じゃなくて横網なのよ。そっちの方がおかしい。（オイオイ、ヤツアタリスルンジャナイ｝

横網町公園 公園・植物園

ここには関東大震災の死者105000人のうち、60000中の遺骨が納められた慰霊堂がある。

横網町公園 公園・植物園

昭和5年に建てられた慰霊堂だったが、その後の東京大空襲による死者10万人も併せて祀られることとなった。

横網町公園 公園・植物園

慰霊堂の中はひっそりと静かだった。

横網町公園 公園・植物園

広いお堂と高い天井が、なおさら寂しさを際立たせる。

横網町公園 公園・植物園

壁には関東大震災の絵図が掲げられている。

横網町公園 公園・植物園

公園内には復興記念館があり、関東大震災と東京大空襲の記録が見られる。

横網町公園 公園・植物園

１Ｆが大震災、２Ｆが主に大空襲の展示。多くの写真、災害にあった遺物が展示される。

横網町公園 公園・植物園

震災後の炊き出しに使用した巨釜や、被災した電動機など。

横網町公園 公園・植物園

そして復興記念館の名に相応しく、震災後の東京の復興計画を表した当時のジオラマがあった。

横網町公園 公園・植物園

街の地下に共同溝を造るなど、今でも通用する立派な都市計画だった。

横網町公園 公園・植物園

しかしそれらも、第2次世界大戦で台無しになる。２Ｆの東京大空襲の記録は目を覆いたくなる。そして、それだからこそ、後世に伝えなくてはと思った。

横網町公園 公園・植物園

復興記念館の建物脇に震災の火事による遺物が展示されている。これは電動機が巨大な火事の熱で完全に溶解した跡。熱のものすごさが伝わる。

横網町公園 公園・植物園

何かと思ったら、魚雷の跡だそうな。なるほど右端にスクリューが付いている。

横網町公園 公園・植物園

これは「東京大空襲犠牲者追悼碑」。中には空襲犠牲者の名簿が保管されており、毎年空襲のあった3月10日と、大震災のあった9月1日に内部を公開している。

横網町公園 公園・植物園

考えてみれば東京という町は、明治以降２度も完全に破壊されたのだ。その度に驚異的な力で復活を遂げてきた。何もない焼野原から、わずか10年20年で世界に肩を並べる国に復興できるなんて、他のどの民族が可能なのだろうか。

横網町公園 公園・植物園

日本人はもっと自信と誇りを持つべきだ。
などと考えながら、横網町公園を後にした。

横網町公園 公園・植物園

東日本大震災からもう5年かぁ。熊本地震も起きちゃったし。今の政治屋に大正や昭和のリーダー達の気概を求めるのは無理なのかね。じゃぁせめて、民間の足を引っ張るんじゃない！

最後の復興記念館の印象が強すぎて混乱した頭のまま、両国駅からメトロに乗った。
特に中高生のいるご家庭、必見ですよ。

この旅行記へのコメント （3）

• アルカロイド ダリルさん 2016/06/09 16:03:31

  こんにちわ〜ダリルです！

  
  訪問ありがとうございます！
  
  実家が商売をしていたので、オシメのころから、浅草橋付近の問屋街に通ってました！
  今も、造花の仕入れに浅草橋には行っていますが、こんな博物館があるなんて、、、
  
  何十年も知らなかったです！
  旅行記で教えていただき、とてもウレシく思います！
  
  ある意味、人間のアホさ加減を指摘している展示ですね？ 防ぎ得た死を後世に残し、教訓とするために、、、
  
  仕入れだけではなく、立ち寄ってみます！
  旅行記ありがとうございました！
  
  ころたさん様へ
  
  

  ころたさん からの返信 2016/06/12 10:36:13

  RE: こんにちわ〜ダリルです！

  ダリルさん
  
  ご訪問そして「いいね」ありがとうございます。
  最近は身近な小旅行ばかりで、海外が恋しいです。せめてダリル's 旅行記を見て海外旅行気分に浸らせてもらいますね。
  
  　　　　　　　　　　　　　　ではでは

  アルカロイド ダリルさん からの返信 2016/06/12 11:20:22

  RE: RE: こんにちわ〜ダリルです！

  ころたさま
  
  きょうもキレイな青空！さわやかな朝です！
  >
  > ご訪問そして「いいね」ありがとうございます。
  > 最近は身近な小旅行ばかりで、海外が恋しいです。せめてダリル's 旅行記を見て海外旅行気分に浸らせてもらいますね。
  
  旅に行けない時間が30年ほど続き、やっと解禁になったダリルです！　義務とお金と時間の、奴隷タイムが人生にはアリ、修行みたい（笑）　　
  
  修行期間があるから、飛べた時の喜びが10倍になります！ ころたさんの両国も、私にはタイより遠かった！！！ たぶん、ころたさんに会わなければ、一生知らないままだったでしょう！ 旅の質は遠さではないと思います！ 大正12年と、昭和の20年の世界にに、鮮やかな語り口で、連れて行ってくださいました！ ありがとうございました！
  
  ころたさんの独特の視点での、旅行記を楽しみにしています！