日本最古の旧見付学校を訪ねて（静岡県磐田）

2016/03/15 - 2016/03/15

旧見付学校は学制発布後まもない明治8年に落成した現存する日本最古の洋風木造小学校校舎です。

この建物は大正11年まで小学校として、その後は中学校、裁縫女学校、教員養成所、病院等として使用されました。
現在は学校関係の資料等が展示されています。

中央に威厳のある楼、左右に教室を設け、明治の学校建築の風格と気品が感じられます。

エリア 磐田(静岡)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 高速・路線バス JRローカル
• 旅行の手配内容: 個別手配

美しい富士山

川崎から東海道本線に乗り、東田子の浦付近の車窓です。

どこの駅からも富士山が見える岳南電車

吉原駅に停車している岳南（がくなん）電車です。

ジュビロ磐田の町

浜松の手前にある磐田（いわた）駅で電車を降ります。

磐田駅

神社のようなデザインの駅舎です。

バス路線図

旧見付学校へ行くには、遠州鉄道の遠鉄バスに乗ります。

袋井行きが旧見付学校を通りますが、別のバスで新加茂川橋を降りて行くこともできます。

磐田営業所行きの遠鉄バス

このバスに乗り、新加茂川橋で降ります。

見付宿の西木戸

旧東海道見付宿の西の入口に木戸（門）があったところです。

西木戸は新加茂川橋バス停近くにあります。

見付まちなみ案内板

西木戸から旧東海道を通り、見付学校まで歩きます。

旧東海道の街並み

昔の面影はありません。

「しっぺい」くん

磐田市イメージキャラクターです。

市内に伝わる霊犬「悉平太郎（しっぺいたろう）伝説」をモチーフにした「しっぺい」くんです。

その昔、毎年見付祭りに人身御供（ひとみごくう、生きたまま神に供えること）として捧げるしきたりがありました。
悉平太郎伝説は、ある年、旅の僧侶が怪物の仕業であることを突き止め、光善寺で飼われている犬の悉平太郎を身代わりに見付天神に供え、怪物を退治したという話です。

楼のある建物

町並みから楼が顔を出しています。

旧見付学校の校門

入館無料、休館日は月曜日です。

では、見学します。

青空に映える旧見付学校

明治8年に開校した日本最古の洋風木造小学校です。

玄関の飾り柱

正面の玄関にエンタシス様式に近似した飾り柱があります。

尋ニ東教室

玄関を入ると教室があります。

今は国語の時間

生徒が少なそうなので、座席に座ります。

石盤（せきばん）

粘板岩の薄い板に蝋石（ろうせき）で文字や絵をかき、使い終わると布でこすり消します。

昭和に入ると鉛筆の普及により記録が残せるノートに変わります。

最近、液晶パネルに描画できる電子メモパッドが登場していますが、ルーツは石盤なんですね。

四ツ丸型時計

日本に輸入された時計が使われていました。

明治20年発行の国語教科書に「時計」という題材で取り上げられています。

明治の学校建築

明治8年開校当時は4階建ての校舎で、2階の上に二層の塔があります。

やがて児童数が増えてきたため、明治16年に5階建てに増築し、2階の屋上部分を3階の教室にしました。

教員室

壁には生徒の名札が掲げられています。

授業の時間割

科目を書いた木片を枠にはめ込んでいます。

よく見ると、クラブ活動の時間もあります。

2階への階段

学用品や学習道具が展示されている2階へ上がります。

掛け算九九表示板

四角い板をひっくり返すと、掛け算の正解が表れます。

巨大な四ツ珠そろばん

王様クレィヨン

昭和10年頃まで使われていたクレヨンです。

詳しく調べてみると、王様クレヨン商会は大正6年に王様クレヨンを発売し、今でも健在な群馬県桐生市の会社です。

かっちんが使っていたクレヨンはペンテルかサクラだったような･･･

鉄筆

ロウ紙に鉄筆で文字を書き、謄写版で印刷します。

昭和40年代まで、この印刷方法が主流でした。

トランジスター計算器

昭和48年（1973）に発売されたリコーの RICOMAC STUDENT 12 です。

裁縫箱

かっちんは、小学校の家庭科授業で使いました。

裁縫は下手でしたけど（笑）

三角定規と穴

定規の中心にあいている穴は、紙の上に載せたとき隙間の空気を逃がすためと初めて知りました。

かっちんは、穴に人差し指を入れてグルグル回していましたけど･･･

竹のものさし

ズボンにものさしを差し、チャンバラごっこの道具にもなりました（笑）

アルマイト製の弁当箱

そうそう、梅干しを入れても穴が開かないこの弁当箱を使っていました。

七色板

七色仮面ではありません。

この七色板を回すと色が混合し、白色に見えます。

理科実験用の器材

銅線をぐるぐる巻いてコイルにし、ブザーを鳴らした記憶があります。

オルガン

地元浜松のヤマハオルガンです。

上げ下げ窓

時代を感じる電気蓄音機

レコードとラジオが聴けます。

電気蓄音機の回転計（円盤）

蓄音機のターンテーブル回転数をチェックする縞模様の円盤を見つけました。
SP盤レコードを聴くには回転数を1分間に78回にする必要があり、回転数を微調整することができます。

縞模様の円盤をターンテーブルの上に載せ、50Hzまたは60Hzの電灯の下で回転させて縞模様が静止して見えれば調整OKとなります。

これは電球の点滅光を利用したストロボスコープ効果という原理を応用しています。

江戸時代に使われていた香時計（こうどけい）

ジグザグの香炉でお香を焚き、その燃え具合によって時刻を知ることができます。

かっちんは夏休みの宿題に、蚊取り線香に1時間ごとに燃え進む目印をつけ、消したい時刻の所に金物洗濯挟みを挟む「自動消火蚊取り線香」を考えました。
先生はあまり褒めてくれなかったのは、江戸時代に似たような香時計があったからでしょうか？

マッチのラベル

小栗克夫氏の寄贈品です。

マッチ製造メーカーのラベルは動物・植物が描かれて珍しく、貴重ですね。

竹筒の鉄砲がいろいろ

パタパタ

板を縦にぶら下げ、一番上の向きを変えると板がパタパタと入れ替わる玩具です。

せみ凧あぶ凧

地域によりデザインが異なります。

楼の4階部分

応接室や校長室であったと言われています。

楼の5階部分

見晴らしがいいところです。

早期警戒管制機

旧見付学校で昔の生活を懐かしく思いました。

外に出ると上空に変わった飛行機が飛んでいます。
胴体に窓がなく、上部には円盤型のレーダーがあります。
航空自衛隊浜松基地のボーイングE-767 501号機です。

明治の学校建築を大切に保存している磐田市の旅でした。