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石手川上流、「奥道後玉川県立自然公園」内に形成された湧ヶ淵(わきがふち)渓谷には、徳島県つるぎ町の巨大甌穴が連続する「土釜」を一回り小さくしたようなものと、愛媛県久万高原町の面河渓の屹立する「関門」を合わせたような名所がある。そしてその「土釜関門」的奇勝横の岩盤には、内部に遊歩道が整備された素掘りの水路隧道があり、そこから滝が勢いよく落下している。<br /><br />この付近は「奥道後」と通称されているが、昔から「湯山七湯」と総称される温泉が各所に湧いていた。昭和39年には周辺170万平方メートルが開発され、温泉のホテル群を中心とした「奥道後遊園地」が誕生した。当初は9万5千枚の金箔を使用し、金閣寺を忠実に再現した「西の金閣」こと「錦晴殿」を始め、動物園、映画館、釣堀、遊技場、ロープウェイ等があったが、旅行スタイルの変化や台風による崩壊等でそれらは廃止されている。<br /><br />それでもジャングル風呂や劇場、周辺山域に咲く約3万本の桜や30万株のツツジ等は健在の模様。特に花見時期は、屋外の施設跡広場に花見料理専用テーブルが設置され、季節ならではの料理に舌鼓を打てる。<br />尚、かつて各施設があった頃は入園が有料だったようだが、現在、特別な期間を除いては無料。<br />[公共交通機関]<br />奥道後遊園地へは、JR松山駅や松山市駅バスターミナルから奥道後方面行きのバスに乗車、「奥道後」バス停降車、すぐ。<br />後述の湧ヶ渕自然公園へは、「奥道後」バス停の次のバス停「湧ヶ渕」降車、すぐ。<br /><br />[マイカーでのアプローチ]<br />高知から車で国道33号を走って松山市に入る場合、天山交差点と枝松一丁目の三叉路をそれぞれ右折するだけで、国道317号沿いの奥道後に行き着く。奥道後遊園地も湧ヶ渕自然公園も駐車場は無料。<br /><br />[探訪コース]<br />まずは奥道後遊園地の北東の湧ヶ渕自然公園へ向った。この公園は29ヘクタールの市有林を整備したもので、アカマツやコジイ、ヤブツバキ、エビネ等約180種の植物が自生している他、ヤマモモやヤマザクラ、タブノキ等約40種、1万本が植樹され、山上の「湧ヶ渕公園展望台」まで約30分で登れる登山道路(一般車の通行禁止)が整備されている。<br /><br />この展望台へ登った後、尾根を城山(じょうのやま・419.9m)まで縦走し、鉄塔巡視路を辿って国道317号へ下り、旧国道から湧ヶ淵渓谷遊歩道に入り、奥道後遊園地まで行って起点に戻るという、独自設定の回遊コースを辿ろうとした。<br />湧ヶ渕自然公園の登山道路入口にはトイレと案内図板が建っている。<br />道路を山上まで登るのは遠回りになるので、最初の左ヘアピンカーブから右折して歩道に上がり、二つ目のヘアピンカーブへとショートカットする。<br /><br />道路が最も西に振ったカーブ部には案内板が建っており、ここから左の歩道へ入り、またショートカットする。このショートカットした道路沿いに多くの桜が植樹されている模様。開花期は奥道後遊園地付近のソメイヨシノより早く、もう終りかけ。<br />そこからほどなくして右手の歩道へ上がり、展望台に到着。正面には廃止されたロープウェイの支柱が残る杉立山が横たわり、南西方向には道後平野が遠望できる。<br /><br />城山までの尾根道は急坂箇所が多いが、25分ほどで到着。山頂は中世の奥之城跡で、三角点の前に城主・河野六郎通存(みちまさ)等を祀る奥之城神社が建つ。<br />山頂は広いが、ベンチの箇所からの展望は悪くなっている。山頂横の貯水槽上からなら、勝岡山周辺の展望を望める。<br /><br />国道317号へ下り、旧国道沿いの宿野橋から湧ヶ淵渓谷遊歩道を辿ろうとしたが、鍵付き門が設置されていた。仕方なく、奥道後劇場まで歩き、劇場の建物を抜けて遊園地園内へ入った。<br />花見客で賑わっていたが、温泉近くの桜は数百本位にしか見えない。さきほどの自然公園と、ロープウェイ沿い斜面の桜、湧ヶ淵南岸上方を走る遊歩道(車道)沿いの桜を全て合わせると3万本になるのだろう。<br /><br />劇場東から湧ヶ淵渓谷遊歩道が始まるので、ロープを跨いで入る。途中の祠のある分岐から下ると湧ヶ淵随一の景勝である「土釜関門」的奇勝に到るが、そこにも門が設置されていた。が、ここは簡単に脇を乗り越えられる。<br />土釜的甌穴群と水路隧道口から落下する不動滝は、巨大な岩盤を挟んで相対しており、まさしく奇景。<br />太鼓橋である見返り橋を渡ると、素掘り隧道が開口しており、それを抜けた出口からは飛沫を上げて不動滝が落下している。<br />その先は遊歩道が崩落していたので引き返した。

松山の奥座敷の桜と隧道から滝が落ちる峡谷

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2016/04/02 - 2016/04/02

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マローズ

マローズさん

石手川上流、「奥道後玉川県立自然公園」内に形成された湧ヶ淵(わきがふち)渓谷には、徳島県つるぎ町の巨大甌穴が連続する「土釜」を一回り小さくしたようなものと、愛媛県久万高原町の面河渓の屹立する「関門」を合わせたような名所がある。そしてその「土釜関門」的奇勝横の岩盤には、内部に遊歩道が整備された素掘りの水路隧道があり、そこから滝が勢いよく落下している。

この付近は「奥道後」と通称されているが、昔から「湯山七湯」と総称される温泉が各所に湧いていた。昭和39年には周辺170万平方メートルが開発され、温泉のホテル群を中心とした「奥道後遊園地」が誕生した。当初は9万5千枚の金箔を使用し、金閣寺を忠実に再現した「西の金閣」こと「錦晴殿」を始め、動物園、映画館、釣堀、遊技場、ロープウェイ等があったが、旅行スタイルの変化や台風による崩壊等でそれらは廃止されている。

それでもジャングル風呂や劇場、周辺山域に咲く約3万本の桜や30万株のツツジ等は健在の模様。特に花見時期は、屋外の施設跡広場に花見料理専用テーブルが設置され、季節ならではの料理に舌鼓を打てる。
尚、かつて各施設があった頃は入園が有料だったようだが、現在、特別な期間を除いては無料。
[公共交通機関]
奥道後遊園地へは、JR松山駅や松山市駅バスターミナルから奥道後方面行きのバスに乗車、「奥道後」バス停降車、すぐ。
後述の湧ヶ渕自然公園へは、「奥道後」バス停の次のバス停「湧ヶ渕」降車、すぐ。

[マイカーでのアプローチ]
高知から車で国道33号を走って松山市に入る場合、天山交差点と枝松一丁目の三叉路をそれぞれ右折するだけで、国道317号沿いの奥道後に行き着く。奥道後遊園地も湧ヶ渕自然公園も駐車場は無料。

[探訪コース]
まずは奥道後遊園地の北東の湧ヶ渕自然公園へ向った。この公園は29ヘクタールの市有林を整備したもので、アカマツやコジイ、ヤブツバキ、エビネ等約180種の植物が自生している他、ヤマモモやヤマザクラ、タブノキ等約40種、1万本が植樹され、山上の「湧ヶ渕公園展望台」まで約30分で登れる登山道路(一般車の通行禁止)が整備されている。

この展望台へ登った後、尾根を城山(じょうのやま・419.9m)まで縦走し、鉄塔巡視路を辿って国道317号へ下り、旧国道から湧ヶ淵渓谷遊歩道に入り、奥道後遊園地まで行って起点に戻るという、独自設定の回遊コースを辿ろうとした。
湧ヶ渕自然公園の登山道路入口にはトイレと案内図板が建っている。
道路を山上まで登るのは遠回りになるので、最初の左ヘアピンカーブから右折して歩道に上がり、二つ目のヘアピンカーブへとショートカットする。

道路が最も西に振ったカーブ部には案内板が建っており、ここから左の歩道へ入り、またショートカットする。このショートカットした道路沿いに多くの桜が植樹されている模様。開花期は奥道後遊園地付近のソメイヨシノより早く、もう終りかけ。
そこからほどなくして右手の歩道へ上がり、展望台に到着。正面には廃止されたロープウェイの支柱が残る杉立山が横たわり、南西方向には道後平野が遠望できる。

城山までの尾根道は急坂箇所が多いが、25分ほどで到着。山頂は中世の奥之城跡で、三角点の前に城主・河野六郎通存(みちまさ)等を祀る奥之城神社が建つ。
山頂は広いが、ベンチの箇所からの展望は悪くなっている。山頂横の貯水槽上からなら、勝岡山周辺の展望を望める。

国道317号へ下り、旧国道沿いの宿野橋から湧ヶ淵渓谷遊歩道を辿ろうとしたが、鍵付き門が設置されていた。仕方なく、奥道後劇場まで歩き、劇場の建物を抜けて遊園地園内へ入った。
花見客で賑わっていたが、温泉近くの桜は数百本位にしか見えない。さきほどの自然公園と、ロープウェイ沿い斜面の桜、湧ヶ淵南岸上方を走る遊歩道(車道)沿いの桜を全て合わせると3万本になるのだろう。

劇場東から湧ヶ淵渓谷遊歩道が始まるので、ロープを跨いで入る。途中の祠のある分岐から下ると湧ヶ淵随一の景勝である「土釜関門」的奇勝に到るが、そこにも門が設置されていた。が、ここは簡単に脇を乗り越えられる。
土釜的甌穴群と水路隧道口から落下する不動滝は、巨大な岩盤を挟んで相対しており、まさしく奇景。
太鼓橋である見返り橋を渡ると、素掘り隧道が開口しており、それを抜けた出口からは飛沫を上げて不動滝が落下している。
その先は遊歩道が崩落していたので引き返した。

旅行の満足度
4.5
観光
4.5
ホテル
4.5
交通手段
自家用車
  • 湧ヶ渕自然公園内のショートカット登山道

    湧ヶ渕自然公園内のショートカット登山道

  • 路面に咲く小花

    路面に咲く小花

  • すみれ

    すみれ

  • 登山道路沿いの桜

    登山道路沿いの桜

  • 桜の側にヤマツツジも

    桜の側にヤマツツジも

  • 湧ヶ渕公園展望台

    湧ヶ渕公園展望台

  • 展望台から見た杉立山

    展望台から見た杉立山

  • ロープウェイ沿い斜面の桜

    ロープウェイ沿い斜面の桜

  • 展望台から道後平野を

    展望台から道後平野を

  • 尾根の鉄塔近くに咲くハルリンドウ

    尾根の鉄塔近くに咲くハルリンドウ

  • 下山路分岐

    下山路分岐

  • 奥之城神社

    奥之城神社

  • 城山三角点

    城山三角点

  • 貯水槽上から勝岡山を望む

    貯水槽上から勝岡山を望む

  • 下山路の鉄塔巡視路は急坂のジグザグ道が続く

    下山路の鉄塔巡視路は急坂のジグザグ道が続く

  • 奥道後劇場入口。尚、施設の「奥道後温泉」の口コミでは、「道後温泉」と間違えて投稿している者が多い。各県にこのような間違い投稿があるが、なぜ皆確認せずに投稿するのか。

    奥道後劇場入口。尚、施設の「奥道後温泉」の口コミでは、「道後温泉」と間違えて投稿している者が多い。各県にこのような間違い投稿があるが、なぜ皆確認せずに投稿するのか。

    奥道後温泉 温泉

  • ロープウェイ斜面の桜を見上げる

    ロープウェイ斜面の桜を見上げる

  • ロープウェイ乗り場跡へ向う道沿いの桜

    ロープウェイ乗り場跡へ向う道沿いの桜

  • 花見料理広場沿いには各種花々が植えられている

    花見料理広場沿いには各種花々が植えられている

  • 駐車場フェンス沿いを走る湧ヶ淵渓谷遊歩道に覆い被さる桜

    駐車場フェンス沿いを走る湧ヶ淵渓谷遊歩道に覆い被さる桜

  • 遊歩道沿いの桜

    遊歩道沿いの桜

  • ロープウェイ支柱下の桜

    ロープウェイ支柱下の桜

  • こんなにいい遊歩道を修繕せずに立入禁止にするとは、欄干(らんかん=ダンカン)、馬鹿やろう!・・・・?

    こんなにいい遊歩道を修繕せずに立入禁止にするとは、欄干(らんかん=ダンカン)、馬鹿やろう!・・・・?

  • 在りし日の錦晴殿写真。金閣寺と瓜二つ。

    在りし日の錦晴殿写真。金閣寺と瓜二つ。

  • 水路隧道から落下する不動滝

    水路隧道から落下する不動滝

  • 土釜と関門を彷彿させる奇勝。尚、湧ヶ淵には古代ないし中世、体長10mを超える大蛇が棲息していた。その下顎の骨が四国霊場・石手寺宝物館に展示されている。館内写真撮影可。

    土釜と関門を彷彿させる奇勝。尚、湧ヶ淵には古代ないし中世、体長10mを超える大蛇が棲息していた。その下顎の骨が四国霊場・石手寺宝物館に展示されている。館内写真撮影可。

  • 不動滝と甌穴群が岩盤を挟んで並ぶ

    不動滝と甌穴群が岩盤を挟んで並ぶ

  • 隧道へ続く見返り橋。修繕されていないので、一人ずつ渡った方が無難。

    隧道へ続く見返り橋。修繕されていないので、一人ずつ渡った方が無難。

  • 隧道へと向う遊歩道下。かつてこの遊歩道も濁流に飲まれた。

    隧道へと向う遊歩道下。かつてこの遊歩道も濁流に飲まれた。

  • 水路隧道。一応、ライトなしでも歩ける。

    水路隧道。一応、ライトなしでも歩ける。

  • 水路隧道内

    水路隧道内

  • 隧道から落ちる不動滝

    隧道から落ちる不動滝

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