2015/08/04 - 2015/08/07
13184位(同エリア25666件中)
ぶたねこさん
2015年3月、親子2人のソウル旅行をいろいろあって直前にキャンセル。
憧れの韓屋ゲストハウスの楽古斎も予約してたのですが…、前払いの旅行代もほとんど戻ってきませんでした。
が、やっぱりソウルが呼んでいる。
夏の暑さが気になりはしたものの、簡単にネットで旅行予約できるご時世、またまたエア&ホテル購入(^^)v
でも、キャンセルで懐が淋しくなったので贅沢はできません。安いゲストハウスとLCCで一人¥3万ちょいに抑えました。
今回はソウルで初めて訪ねた場所、作家の李箱の家についてと徳寿宮内の大韓帝国歴史館について、ほんの少しですが記録しておきます。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- イースター航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- エアトリ
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-
李箱の家の前景を撮るのを忘れました。
見たところ、カフェか画廊かわからない韓国的平屋です。知らないと、かなり入りにくいかも。
最寄駅は景福宮、いわゆる西村というエリアにあります。
HPによると、営業は火から土曜日の10時から1時、2時から6時 旧正月・秋夕休み。
この写真は李箱の家の中から、通りを撮ったもの(ジャハムン路 7キル)です。
“SWEET PLACE”の前ですね。 -
李箱は、韓国のかなり有名な作家です。1910年京城に生まれ、1937年東京にて27歳で没しました。
これは李箱の家で購入した絵葉書。
手前の数字が並んだ絵葉書が見えますが、これが有名な詩集『烏瞰図』の中の「詩第四號」「詩第五號」です。1934年、このような詩を彼は新聞に連載し、読者からわけわからんと抗議殺到で連載中断という、後から思えばカッコいい逸話を残しています。 -
右の絵葉書は、1930年の学会誌『朝鮮と建築』図案公募一等入選作の一つです。
李箱は詩、小説、絵画、デザインなど才能豊かな人でした。
真ん中のはがきにあるのは、自筆の日本語詩です。
『囚人の作った箱庭』
「露を知らないターリャと海を知らない金魚とが飾られている 囚人の作った箱庭だ。雲は伺(ど)うして室内に迄這入ぃて来ないのか。露は窓硝子に觸れて早々泣く許り。
季節の順序も終る。算盤の?低は旅費と一致しない。罪を捨て樣。罪を棄て樣。」 -
「『剥製になった天才』をご存じですか。私は愉快です。こんな時には恋愛までが愉快です。」(長璋吉訳 岩波文庫 朝鮮短編小説選下巻)
という書き出しで始まる韓国で広く知られている小説『翼』が掲載された雑誌(たぶん1937年の『朝光』)がありました。挿絵も李箱自ら描いたそうです。 -
李箱の友人、金起林によって1949年に発行された最初の李箱の作品集だそうです。
ちなみに金起林も著名な詩人・評論家です。
李箱の家とはいっても、場所は実際李箱が住んでいたところらしいですが、建物は新しく、彼のまつわる古いものはこれら2冊の本だけが置いてあるだけです。 -
奥の灰色のドアを開けると階段室があり、そこに李箱の世界をモチーフにしたアート作品がありました。
-
ここに描かれている文章。
「早熟爛熟柿の腐る、頭を悩ます匂い。生死の岐路にて莞爾而笑(かんじとしてわらう)、剽悍無双の痩軀陰地に蒼白な花が咲いた」
小説『終生記』より。(崔真碩訳 李箱作品集成 作品社参照) -
この作品は特定のどの李箱作品に関連して作られたのかは、わかりませんが…。
「来るオレは故に無意識に人に一致し人よりも迅くオレは逃げる新しい未来は新しくある、人は迅く逃げる、人は光を通り越し未来において過去を待ち伏せす、先づ人は一つのオレを迎えよ、人は全等形においてオレを殺せよ」
詩『線に関する覚書5』より、原文日本語。 -
階段を上がって一階を見る。
「任意ノ半径ノ円(過去分詞ノ相場)
円内ノ一点ト円外ノ一点トヲ結ビ付ケタ直線
二種類ノ存在ノ時間的影響性
(ワレワレハコノコトニツイテムトンチャクデアル)
直線ハ円ヲ殺害シタカ」
詩『異常ナ可逆反応』より、原文日本語 -
建物は新しいとはいえ、ちゃんとした韓屋造りです。
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テーブルがあるので、ゆっくり座って無料の飲み物もいただけます。
入り口に職員の方がいらっしゃいますが、その方も本など読んで、いい意味で放っておいてくれるので居心地は良いです。
ちなみに入場料もとくにありません。一応、寄付金入れはありましたが。 -
李箱に関する書籍も自由に読めます。残念ながら日本で出版されたものは見つけられませんでした。個人的にウン十年前、李箱に出会ってステレオタイプの韓国観から目を開かされたので、ここに来れて感慨もひとしおでした。
李箱に関して興味がわいた方はぜひ、ネットで検索して彼の世界に近づいてみてください。 -
ソウルでの初訪問、次は大韓帝国歴史館です。
本来は予約制の入場ですが、65歳以上の韓国民と外国人は、ツアー各回5名まで予約なしで参加可能です。
一階のホールです。この建物は資料がある限り、忠実に復元したそうです。家具や調度品も当時と同じメーカーに注文したそうで。
ちなみにこのグランドピアノはイベント用なので関係ないとのこと。 -
接見室。シャンデリアも豪華。
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高宗のお姿。
ガイドさんの説明は盛りだくさんで、かなり早口だったのであちこちよそ見ばかりの私の耳にはあまり届かず。このあたりの皇帝即位の説明はかなり重要な部分のはずですが。
なお、地下にも帝国に関する展示館があり(ここは入場自由)、この皇帝が韓国の近代化に果たした大きな役割についてわかるようになっています。 -
二回へと続く階段。
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階段の装飾。館内の装飾、家具類にはすべて触れることはできませんが、階段だけは別だそうです。みなさん、記念に触っておられました。
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皇帝の洗面道具。
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皇帝の寝室にて。黄色は皇帝の色でしょうか。
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お風呂は猫足バスでした。写真では見にくいでしょうが、タオルに皇室のお印である「すもも(李)」の刺繍が入っています。
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こんな素敵なお屋敷で暮らせていいなー、とのんきな感想を一つ。
が、念願の帝国を宣言したものの、皇帝は激動の時代、精神的にはきつかったと思います。 -
暖炉、かっこいい。
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側近らと、国の行く末について議論なさったこともあったのか。
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皇后の寝室。
徳寿宮 城・宮殿
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食器セット。高級品だそうで。ナイフフォークの持ち手は象牙です。
洋食ばかり召し上がられたのか…。 -
皇帝のお住まいとしては、こじんまりしているなあ、との印象です。
インテリアの色遣いも派手さを抑えてあり、上品な感じです。 -
トイレも洋式で、水洗だったのか!
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ここの噴水も、当時の形に復元したそうです。
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二階バルコニーから見た、今日の韓国。
徳寿宮って今回、20ン年ぶりに入場しましたが、まえからこんなに落ち着いた空間でしたっけ?緑豊かで都会のオアシスといった感じでした。いいところですね。 -
みんなで昔の写真を見つめます。
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再び、中央ホールに戻り、約45分間のツアー終了です。
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ほかには、北村の画家高羲東(コ・ヒドン)氏が暮らしたお宅にも行きました。
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韓屋の見本のようなお宅で創作活動をなさっていたんですね。
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西村のほうでは、有名画家の朴魯壽(パク・ノス)氏のお宅も訪問。温かみのある洋館でした。
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内部は撮影禁止でした。
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お庭も素敵でした。
以上、今回気が付けば、韓国の有名人士のお宅拝見の旅ということになりました。
MERS騒動の余波か、何処とも観光客が少なく、韓国の観光業界の方には申しわけないですが、気持ちよく街歩きを楽しめました。
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