日本百名山・蓼科山の初夏

2015/06/13 - 2015/06/13

八ヶ岳は長野県の諏訪地域と佐久地域に広がる、南北30km余りの大火山群の総称です。
その中で、日本百名山に選ばれているのは南八ヶ岳（赤岳）と北八ヶ岳の蓼科山・・・今回は蓼科山（2,530ｍ）に挑戦してきました。
蓼科山の山頂は、これまでに登った山とは全く違う趣で、広い頂上は火山の大きな岩で埋め尽くされており、歩くのも大変でしたが、全く樹木がないため360度の眺望は見事なものでした・・・百名山に選ばれた理由が分かります。
梅雨の時期に入り、当初予定の火曜日は天候不良で中止・・・毎日、山の天気予報とにらめっこしながら急遽土曜日に決定したため、参加者は５名と少なめでした。
これまでの山行は、元気印の高齢女性が多い平日ばかりでしたが、初めて土曜日に行ってみると、殆どが若い人・・・親子連れや女子高の山岳部の団体など、平日とは違う登山客で、元気を貰った気分になりました。
写真は、蓼科山頂から望む南八ヶ岳の山々。

エリア 白樺湖・蓼科・車山(長野)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 友人
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 自家用車 徒歩

今回の参加者は５名なので、車１台で６時に地元を出発。
関越から上信越道に入り、７時に甘楽PAでトイレストップ。

この辺りは、富岡製糸場をはじめ、いくつかの見所があります。
甘楽の武家屋敷もその一つ。

この下り線のPAは2012年３月にリニューアルし、甘楽町小幡の城下町にある武家屋敷や火の見櫓などを再現しています。

トイレの建物も風情のある造りですね。

横川SAを過ぎると、1992年に完成した碓氷橋が見えてきました。
全長1,267ｍの橋の下には、旧・信越本線、国道18号、碓氷川などがあります。
逆Y字型の主塔の高さは113ｍ。

暫くの間、妙義の奇岩が目を楽しませてくれます。

こんな山は、プロでないと登れませんね。

佐久から中部横断道を進みます。

一般道に下りて30分ほど走ると、正面に蓼科山が見えてきました。

蓼科山（たてしなやま）は八ヶ岳連峰の北端に位置する標高2,530ｍの火山で、円錐形の美しい山容から諏訪富士とも呼ばれます。
頂上の付近には、残雪が少し残っており、牧場の緑と青い空で、本当に美しい眺めです。

女神湖を通過。
ルピナスの花が綺麗に咲いています。

白樺湖の近くまで走り、左折して御泉水自然園の先の七合目登山口にある駐車場を目指します。

８時半過ぎに駐車場に到着。
駐車場は３カ所ほどありますが、一番上は既に満杯なので２番目の駐車場に止めて登山口まで歩きます。

ここが一番上の駐車場・・・右側に登山口入口の蓼科神社・一の鳥居が見えます。

登山口にある東屋とトイレ。

アチコチ剥がれた案内図・・・綺麗に見やすく直してもらいたいですね。

鳥居の向かいの林には、レンゲツツジが鮮やかに咲いています。

これは、ズミの花。

長野県・立科町にある蓼科神社の創建時期は不詳ですが、社伝によると、蓼科山頂の奥社は、日本武尊東征の頃から祀られているそうです。
準備体操をして、一の鳥居をくぐって９時に出発。

” 健康な人で片道２時間ぐらいかかる ” とのことですが、今日はゆっくり登ります。

最初は、なだらかな砂利道ですが・・・

少しづつ傾斜が上がってきて、30分もすると、こんな石ころの登りになります。

所々で視界が開けてきます。

下の方を見ると、本当に爽やかな景色です。

「天狗の露地」・・・ここの奥には、ちょっとした展望スポットがあるので行ってみました。

車で素通りした女神湖が目の前に見えます。

そして、岩の間からイワカガミが花をつけています。

石や岩だらけの登りが続きます。

焦らず、ゆっくりと。

コバイケイソウ。

七合目登山口から１時間40分ほどで将軍平に到着。
将軍平には蓼科山荘があり、ここから綺麗な形の蓼科山が見えます。

帽子を被り前掛けをした山小屋の人に、花の名前など教えてもらいました。

蓼科山はいろんなコースで楽しめるようですが、今回は７合目と山頂の往復コース。

蓼科山荘の周りを歩いてみると、オサバグサが咲いていました。
シダのような葉の形が、機織りの筬（おさ）に似ていることからこの名がつきました。

これは、ショウジョウバカマ。

ミネザクラ・・・タカネザクラとも呼びます。

将軍平から、高度をグングン上げる急な岩場の連続・・・蓼科山が本気を出してきます。

上がるにつれて、岩が大きくなります。

鎖場も登場！・・・手足フル動員で登ります。

樹林帯の岩場を抜け、更に岩場が続きます。
岩には黄色いペンキで矢印が書いてあり、” 頂上まで、あと五分！ ”

ミツバオウレンが可愛い花を咲かせています。

頂上の近くにもミネザクラが咲いています。

初夏のこの時期、桜が楽しめるとは想定外です。

ピンクが濃いミネザクラ。

11時35分に蓼科山頂ヒュッテに到着・・・蓼科山荘から40分でした。

蓼科山頂ヒュッテにある案内板。

ヒュッテから頂上までは直ぐですが、手を使わないと登るのが大変。

５分ほどで山頂の標識（2,530ｍ)に到着。
蓼科山頂は荒々しいゴツゴツ岩場ですが、とにかく広い！

標準タイムを大分オーバーして、ようやく着いた岩だらけの広い山頂です。

眼の前には、南八ヶ岳の主峰が迫って来ます。
左から横岳（2,829ｍ）・最高峰の赤岳（2,899ｍ）・中岳（(2,700ｍ）・阿弥陀岳（2,805ｍ）・権現岳（2,715ｍ）・編笠山（2,524ｍ）・西岳（2,398ｍ）・・・素晴らしい眺めです。

山頂にある蓼科神社の奥社。

溶岩だらけの頂上は、本当にだだっ広い。
樹木が育たないお蔭で360度の展望が楽しめます。
南側のこの先に、展望台のように少し高くなったところがあります。

歩きにくい岩場を歩いて行ってみると、方位盤がありました。

ここからの眺めは、天気が良ければ最高でしょう。
南アルプスの仙丈岳（3,033ｍ）が霞んで見えます。

西側を見ると、女神湖や・・・

白樺湖の先には綺麗な草原が広がり、霧ケ峰が見えます。

これは蓼科湖。

皆さん、目の前の八ヶ岳を見ながらランチタイム。

中央アルプスが幽かに見えます。

北横岳を見ながら我々もランチタイム。

頂上には、至る所にイワカガミが咲き乱れています。

ツツジの仲間のツガザクラも可憐な花を咲かせています。

葉が針葉樹のツガ（栂）に似ており、花がサクラ色をしていることが名前の由来です。

ゆっくりと休憩を取り、12時50分に下山開始。
登りも大変でしたが、下りも大変・・・両手を使って慎重に！

小さな花が咲いていると思って、よく見たら、これはアカミゴケ（？）

蓼科牧場から、このゴンドラリフトで空中散歩を楽しんで御泉水自然園へ行き、そこから登山口に向かうことも出来ます。

14時半に駐車場に着いて、また同じ道で帰ります・・・この時期は、シラカバ林が本当に美しい。

途中の長門牧場に立ち寄り。

北白樺高原にある牧場からも、目の前に蓼科山がよく見えます。

絶品のソフトクリームを仲間と賞味・・・牧場ならではの濃厚でミルキーな味わいに、大満足（310円）。

土曜日なので、家族連れの人達が沢山来ていました。

帰りは浅間山を見ながら・・・６月11日に噴火警戒レベルが１（平常）から２（火口周辺規制）に引上げられ、火口から概ね２kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性がある、とのことで、今日も煙が上がっています。
蓼科山は、標高1,900ｍの７合目まで車で行けるので、標高差630ｍはそれほど大変ではありません・・・今日も小学生をよく見かけました。
日本百名山は、それぞれに特徴があり、今後もチャレンジを続けたいと思います。