2015/03/25 - 2015/03/27
2位(同エリア18件中)
Takashiさん
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3月25日、パプアニューギニアのアロタウに上陸して観光。それからの数日は島や海沿いの村を訪ねて回った。ここには海の民といわれる人々が住み独自の文化を築いている。
クラ交易とよばれる慣習があり、クラの宝が遠い海のかなたの島へ受け渡されていく。クラの宝は貝などでできた精巧なもので、その実物を見ることができた。
27日に訪れたトロブリアンド諸島は愛の島の別称があり、独特の性習慣でも知られている。ここでは少年少女たちが、まぶしい笑顔で歓迎してくれた。
海中風景も素晴らしく、ことにTwin Towersのサンゴ礁では、大きく無傷の枝サンゴが見渡す限り続いていた。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 船
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3月25日早朝。ニューギニア島が見えてきた。いよいよ、ニューギニア一周クルーズが佳境に入る。
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パプアニューギニアの南東端に近いアロタウの港へ入った。この町は、これから旅するMilne湾地方の中心地である。
パプアニューギニアへの入国手続きは、パスポートを船に預けているから、乗り込んだ係官と乗組員に任せておけばよい。
上陸すると早速、歓迎の踊りが始まった。初めて見るニューギニアの踊りに興奮したが、これは序の口であった。
バスに乗って観光開始。バスはエアコンがないし、ガイドはのんびりしているし、今一つであった。しかたがない、パプアニューギニアの魅力は町ではないのである。 -
穏やかな湾に出た。
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日本軍の船の残骸が残っていた。兵士の無念を思った。
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市場の見学。
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嗜好品として好まれるビンロウジも売っている。
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そして原住民風の民家を訪問。
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最後に訪れたのは港の近くのお土産物センター。民芸品のレベルは高く今後に期待を持たせた。
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Xplorerに乗って船に帰った。Xplorerは屋根付きで、トイレまであり、乗客全員を収容できるので便利である。ただこれを使った探索の時は早めに行って良い場所を確保する必要があった。
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3月26日。アロタウの北東に展開するダントルカストー諸島を訪ねる日である。これからが本番である。
朝、Twin Towersでシュノーケリング。見事な海中風景だった。 -
イチオシ
ことに素晴らしいのは枝サンゴ。大きく、生き生きとしたサンゴが見渡す限り広がっていた。今まで見た中で最高のサンゴ礁だ。
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紫を帯びたサンゴ。
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サンゴの中を小魚が行く。
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カイメンも美しい。
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シュノーケリングの後、近くのドブー(Dobu)島に上陸した。村人たちが歓迎してくれた。
この島はクラ交易で重要な役を果たしている。
クラ交易ではクラの宝が受け渡されてゆく。そして時計方向と、反時計方向の2つの流れがある。宝を受け取る側が、与える側まで航海していくのだ。
より良い宝を得て、次に渡すのである。高い評価、名声を求めるのは人間の本性に深く根付いているのかもしれない。
遠く海のかなたの島と交易するのだから、そこへ行きつくまでの苦労は大変で当然、多くの英雄談が生まれるのだろう。
写真はドブー島に接岸しているXplorerで、後で写した。 -
イチオシ
歓迎する人々の輪の中に、島の首長がいた。目が効いている。
クラ交易については、テレビで放映されたこともあり、その時のディレクターが本を出版している(Kula 市岡康子著 コモンズ)。首長との会話で、私はこのテレビ放映に触れた。首長は興味を示し、自分の手元にあるクラの宝を持ってくるので、しっかり見るようにと言ってくれた。
2つの宝は芝生の上に置かれた。博物館のケースに収まっているより生き生きと見える。
写真の左は首飾り。ウミギク貝から作った赤いビーズを繋いだところが重要である。この宝は時計方向に受け渡されていく。
右は腕輪。大きな貝を切断して腕が通るようにしたところがポイント。反時計回りに受け渡されていく。首飾りを受け取った人は、次の機会に、相手に腕輪の返礼をする。
宝はとても精巧にできていて、それぞれ自慢の逸物と思われる。さすが、ドブーの首長の手元にあるものだ。これからまた海を越えていくと思われる。
凄いものを見られたと嬉しかった。 -
腕輪の部分に近づいて写した。精巧さがよりはっきりした。
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島を去るとき、手を振る私たちに首長は、サヨナラと、はっきりわかる日本語で挨拶してくれた。
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名残惜しく、島から離れていった。
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午後、ファーガソン島に上陸した。早速、歓迎のダンス。
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この長老は目立たないけれど偉いのだそうだ。極楽鳥の羽飾りをつけている。
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そして温泉の見学。気温が高いので、温泉見学はさほど楽しいものではなかった。
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船へ帰ると、島民たちがカヌーで物売りにやってきた。
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3月27日、さらに北へ進んだ船はトロブリアンド諸島に達した。トロブリアンド諸島は現代文化人類学の祖とよばれるマリノフスキーが長期滞在して調査した場所として有名だ。
ここは母系社会であり、独特の性風習が残っている。トロブリアンド諸島もクラ交易圏にあり、クラ交易を世界に紹介したのもマリノフスキーである。そしてテレビで紹介されたのもトロブリアンド諸島からドブー島圏へ向かう交易であった。
船が向かったのはKuiawa島。小さな島で、トロブリアンド諸島の良さが保たれているそうだ。私たちはXplorerでKuiawa島に上陸した。 -
少年少女たちが伝統衣装で迎えてくれた。小中学生のほぼ全員が集まったのであろう。
なお、この島の位置は、カメラに位置情報機能がないので、配られた海図から判断した。マップでは別の名前がついているが、海図の島の形から間違っていないと思う。 -
イチオシ
身にまとう飾りはきちんとしたもので、日本の美意識と通じるものがある。独特のフェイスペインティングもくどいものではない。少女たちの笑顔がまぶしい。少女たちは赤い見事なスカートを身に着けていた。
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案内されて広場に行くと歓迎ダンスが始まった。これはクリケットダンス。
トロブリアンド諸島では現地風にアレンジされたクリケットが盛んである。その応援のためのダンスである。 -
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ポーズする踊り手たち。
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イチオシ
別のダンス。子供たちが特に楽しそうだ。
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このあとツアーリーダーのジャーミーが挨拶して、学校に寄付する品を紹介した。
パプアニューギニアでは村を訪問するたびにこの儀式が繰り返された。現地人に直接役に立つことをするのは極めて重要だ。 -
話を聞いている子供たち。
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学校も訪問した。きちんと時間割が張ってある。
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典型的な住居。
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踊りを終わった人々が村に帰ってくる。
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子供は海で遊んでいる。欧米や日本の都市の子供たちと、どちらが幸せだろうか。
ポリネシア人を中心とする西太平洋の人々は遠洋航海者であり、現代文明とは違った方向に文化、文明を発展させてきた。危機に瀕した西太平洋文明の輝きを、海の民の人たちは、何とか今日にまで伝えているのだ。 -
トロブリアンド諸島は美しい所だった。
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午後、近くの無人島で泳いで、トロブリアンド諸島を後にした。見事な夕焼けだ。
海の民の地をゆく旅はまだ続く。
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この旅行記へのコメント (4)
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- 旅するうさぎさん 2015/06/14 20:13:21
- クラ交易
- Takashiさん、こんにちは。
ニューギニア一周クルーズの(4)まで拝見しました。
(4)の旅行記では、踊り手の衣装の美しさに目を見張りました。
貝や鳥の羽根や花などを使っていて素晴らしいです。
近くで見たら、さぞかし迫力のある踊りなのではないかと
思いました。私も見てみたいです。
そしてこの(3)の旅行記では、
「時計方向と、反時計方向の2つの交換の流れがある」という
クラ交易の説明の部分を読んで、
なんだかどこかで聞いたことあるなぁ…と思い出したら、
大学時代の恩師が、このくら交易について本を書いていました。
大変興味深い儀礼ですね。
お写真を拝見して、こういう綺麗な品物が
島々を回っていたのかと思いました。
単なる物々交換ではない、
では、なぜこんなことをわざわざしていたのか?
という肝心の部分がどうしても思い出せないので、
恩師の本を図書館で借りるか買うかして、
よく思い出したいと思います。
Takashiさんの旅行記は本当に楽しいです。
旅するうさぎ
- Takashiさん からの返信 2015/06/14 21:23:23
- RE: クラ交易
- 旅するうさぎさん
こんばんは
旅行記を読んでくださり、コメントとご投票を賜り誠にありがとうございます。
大学時代の恩師の先生がクラ交易についてご本をお書きとは驚きました。奇遇です。文化人人類学の領域ではマイナーではない話題でも、本を出版されるほどご研究の方は少ないと思いますので。
私にとっては専門外なのですが、背景に食料が豊かで生活にゆとりがあることがあるのではないかと思います。すると、世間の評価が重要になり、良い宝を得てくる人脈、交渉力が評価され、それをしかるべき人に渡すことによりさらに評価が高まる。こういったことが意識され、その上で、あの評判の高い宝をぜひ持ち帰りたいと危険な航海に出かけるのかもしれません。
いずれにせよ、高度に文化的なことで、しかも私たちとは違う方向に発展しているので、私たち現代人の心を惹くのだと思います。お目にとめていただいた彼らの衣装を見ても、方向は違っても文化レベルが高いに違いないです。
ご専門の先生の解釈に大いに興味があります。
ぼんやりとした期待を持って出かけた旅でしたが、予想以上の感動が得られらました。
旅するうさぎさんの旅行記も楽しませていただいています。視野一杯のお花もすごいですね。
Takashi
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- いつのんさん 2015/06/11 15:44:00
- 始まりましたね、ニューギニアクルーズ!
Takashiさん、お久しぶりです。
まずは、無事ご帰国おめでとうございます。
始まりましたね、暫く旅行記拝見しながら楽しめそうです。
いい船ですね、大きさもよくクルーもオージーさんなら
雰囲気も明るそうですね!
ところでケアンズからダーウィンの12日+12日の往復?ですか。
http://coralprincess.com.au/cruises/png/12-nights-cairns-to-wewak/itinerary/
上記のコースですか?
いずれにしろ続編とても楽しみにしております。
いつのん
- Takashiさん からの返信 2015/06/11 16:22:24
- RE: 始まりましたね、ニューギニアクルーズ!
- いつのんさん
こんにちは
お便りとご投票をありがとうございます。
クルーからウェイトレスまですべてオージーで、明るくまた能率が良かったです。
前半はケアンズからラバウルと似ていますし、前半部分だけ取ることもできます。単発の場合は、お示しのケアンズからラバウルがお勧めです。ウェワクは大したことがないのに対して、私たちが行かなかったキンベやラバウルは別の魅力があるようですから。
ニューギニアクルーズはTrue Northもやっていますし、リンドブラッドの傘下に入ったオリオンも、これからはもっと未開のところへ行くというので、恐らくはパプアニューギニアに行くのではないかと思います。私たちにとっては、コーラルプリンセスが、比較的にはコストが安く、また経験もあるので選び、大満足でした。これからは、いろいろ選択の余地が出てくるのだろうと思っています。
トロブリアンド諸島などはとてもよかったです。独自の文化なのだと感じました。
Takashi
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