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連休のある日、埼玉県東松山市に隣接する吉見町の吉見百穴(よしみひゃくあな)に自転車で行ってきました。<br /><br />ここは古墳時代の遺跡ですが、江戸時代までは不思議な穴として知られていました。明治になってからは、東京大学の坪井正五郎氏によって調査され、「コロボックル」の穴ではないかと考えられたこともありました。<br />実際は横穴墓だということがわかっています。百穴という名称ですが、現在219の穴が確認されています。<br /><br />実際に見てみると、ほんとうにその四角い穴の並びが不思議です。その景観から過去には、仮面ライダーやウルトラマンのロケ地にもなったことがあるそうです。<br /><br />でも、更に驚いたのは同じ岩山にある地下の軍需工場跡です。第二次大戦中、大宮にあった中島飛行機工場を全面的に移転したのです。ここに来るまでその存在を知らなかったので、びっくりしました。<br />開口部3mのトンネルで全長500m、手掘りで掘ったものです。さぞ過酷な環境だったことでしょう。知らない歴史があるのだなあと感じたことでした。<br /><br /><br /><br /><br /><br />

古墳時代の遺跡・吉見百穴 岩山にあいた横穴墓と地下軍需工場跡

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2015/04/29 - 2015/04/29

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yoshieri

yoshieriさん

連休のある日、埼玉県東松山市に隣接する吉見町の吉見百穴(よしみひゃくあな)に自転車で行ってきました。

ここは古墳時代の遺跡ですが、江戸時代までは不思議な穴として知られていました。明治になってからは、東京大学の坪井正五郎氏によって調査され、「コロボックル」の穴ではないかと考えられたこともありました。
実際は横穴墓だということがわかっています。百穴という名称ですが、現在219の穴が確認されています。

実際に見てみると、ほんとうにその四角い穴の並びが不思議です。その景観から過去には、仮面ライダーやウルトラマンのロケ地にもなったことがあるそうです。

でも、更に驚いたのは同じ岩山にある地下の軍需工場跡です。第二次大戦中、大宮にあった中島飛行機工場を全面的に移転したのです。ここに来るまでその存在を知らなかったので、びっくりしました。
開口部3mのトンネルで全長500m、手掘りで掘ったものです。さぞ過酷な環境だったことでしょう。知らない歴史があるのだなあと感じたことでした。





旅行の満足度
4.5
同行者
カップル・夫婦
旅行の手配内容
その他

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  • 今回は仕事場から自転車でサイクリングです。<br />吉見百穴に行く前に大沼という所があったので、寄ってみました。

    今回は仕事場から自転車でサイクリングです。
    吉見百穴に行く前に大沼という所があったので、寄ってみました。

  • 自然の沼ではなく、農業用の溜池だそうです。5.7ヘクタール。

    自然の沼ではなく、農業用の溜池だそうです。5.7ヘクタール。

  • 比企丘陵はあまり水に恵まれていませんでしたが、枝状に谷があったことから農業用水の溜池を作ったとのこと。

    比企丘陵はあまり水に恵まれていませんでしたが、枝状に谷があったことから農業用水の溜池を作ったとのこと。

  • 土手に咲く菜の花。畑の菜の花以外あまり見たことがありませんでした。<br />

    土手に咲く菜の花。畑の菜の花以外あまり見たことがありませんでした。

  • 市野川の岸に黄色の菜の花。きれいなものですね。

    市野川の岸に黄色の菜の花。きれいなものですね。

  • この曲がっていく川の流れは、軍需工場建設のため人工的に作られたのだとか。<br />でも、いい風景ですね。

    この曲がっていく川の流れは、軍需工場建設のため人工的に作られたのだとか。
    でも、いい風景ですね。

  • 岩室観音です。<br />懸造り様式といって自然の岩崖にそって木造の観音堂を造ってあります。<br />創建は弘仁年間(810〜824年)<br />風雨にさらされた古い建物は江戸時代、寛文年間のもの。<br />開祖は弘法大師といわれています。<br />

    岩室観音です。
    懸造り様式といって自然の岩崖にそって木造の観音堂を造ってあります。
    創建は弘仁年間(810〜824年)
    風雨にさらされた古い建物は江戸時代、寛文年間のもの。
    開祖は弘法大師といわれています。

  • 岩をうがった室に石仏を祭っています。<br />戒名と日付を書いた紙が貼ってあります。

    岩をうがった室に石仏を祭っています。
    戒名と日付を書いた紙が貼ってあります。

  • 新しいものと古いものが混在しているようです。

    新しいものと古いものが混在しているようです。

  • 岩室観音の始まりは810年〜824年頃だと言われています。<br />木造の建物は、戦火で一度焼失しています。

    岩室観音の始まりは810年〜824年頃だと言われています。
    木造の建物は、戦火で一度焼失しています。

  • 階段の横に「胎内くぐり」の看板。

    階段の横に「胎内くぐり」の看板。

  • こちらに胎内くぐりとして、直径1mほどの岩にあいた穴があるようです。知識がなく、他に人もいなかったことから、胎内くぐりの意味がわからず行きませんでした。

    こちらに胎内くぐりとして、直径1mほどの岩にあいた穴があるようです。知識がなく、他に人もいなかったことから、胎内くぐりの意味がわからず行きませんでした。

  • 2階には壁がなく吹きさらしです。梁の出た屋根裏に千社札がたくさん貼られています。千社札も古びています。

    2階には壁がなく吹きさらしです。梁の出た屋根裏に千社札がたくさん貼られています。千社札も古びています。

  • 額や絵馬がかかっています。

    額や絵馬がかかっています。

  • 正観世音菩薩とそれを拝む人々の図。

    正観世音菩薩とそれを拝む人々の図。

  • これは何でしょう。馬の首がたくさん描かれています。

    これは何でしょう。馬の首がたくさん描かれています。

  • こちらがご本尊の正観世音ですが、柵があって中が暗がりのため、よく見えません。中には折鶴が飾られていましたが、鶴を折って願掛けをするようです。

    こちらがご本尊の正観世音ですが、柵があって中が暗がりのため、よく見えません。中には折鶴が飾られていましたが、鶴を折って願掛けをするようです。

  • 1階に戻ると、西側の岩壁にも石仏があります。<br />これらの石仏を拝むと、ここに居ながらにして四国八十八箇所を巡ったことになるそうです。

    1階に戻ると、西側の岩壁にも石仏があります。
    これらの石仏を拝むと、ここに居ながらにして四国八十八箇所を巡ったことになるそうです。

  • 戒名と日付を書いた紙が貼ってあります。

    戒名と日付を書いた紙が貼ってあります。

  • 岩室観音のすぐ近くに吉見百穴があります。入り口に到着。<br />300円の入場料を払って入ります。

    岩室観音のすぐ近くに吉見百穴があります。入り口に到着。
    300円の入場料を払って入ります。

    吉見百穴 名所・史跡

    小高い山肌に掘られたお墓群です。古墳時代の遺跡ですが、見るととても不思議な感じです。 by yoshieriさん
  • 実際に見るとやはり驚きます。奇妙なものですね。

    実際に見るとやはり驚きます。奇妙なものですね。

  • 階段で上に上がると、町が見渡せる公園になっています。

    階段で上に上がると、町が見渡せる公園になっています。

  • 見晴台からは、町が見渡せます。この絵によると桜の季節にもいいようです。

    見晴台からは、町が見渡せます。この絵によると桜の季節にもいいようです。

  • 石室。

    石室。

  • 当時の人々は、死ぬことはいなくなることではなく、<br />別の世界に旅立って、そこで生活していることだと考えていました。<br />この穴は、その世界に通じる道だそうです。

    当時の人々は、死ぬことはいなくなることではなく、
    別の世界に旅立って、そこで生活していることだと考えていました。
    この穴は、その世界に通じる道だそうです。

  • お棺が入れる広さがあります。

    お棺が入れる広さがあります。

  • このトンネルは、地下軍需工場跡地の入り口です。<br />ここに来るまで地下軍需工場のことは知りませんでした。<br /><br />太平洋戦争末期、東京都武蔵野市の中島飛行機工場は、空襲から逃れるために地下に移転する計画があったが、間に合わず、昭和19年11月と12月の2度の空襲によって生産能力が10分の1に落ち込んだと言われています。<br /><br />そのため、現在のさいたま市にあった中島飛行機工場の移転の必要性が急速に高まり、生活物資の調達に便利で、掘削に適した場所である吉見百穴地域に軍需工場が造られることになったそうです。<br />吉見百穴にある地下軍需工場跡は空襲を避けながら航空機の部品を製造する目的で造られました。

    このトンネルは、地下軍需工場跡地の入り口です。
    ここに来るまで地下軍需工場のことは知りませんでした。

    太平洋戦争末期、東京都武蔵野市の中島飛行機工場は、空襲から逃れるために地下に移転する計画があったが、間に合わず、昭和19年11月と12月の2度の空襲によって生産能力が10分の1に落ち込んだと言われています。

    そのため、現在のさいたま市にあった中島飛行機工場の移転の必要性が急速に高まり、生活物資の調達に便利で、掘削に適した場所である吉見百穴地域に軍需工場が造られることになったそうです。
    吉見百穴にある地下軍需工場跡は空襲を避けながら航空機の部品を製造する目的で造られました。

  • 左右に、全長500mにもなるトンネルが人の手で掘られました。

    左右に、全長500mにもなるトンネルが人の手で掘られました。

  • 防空壕か通路というならわかりますが、ここが航空機の部品を作る工場だったというのだから驚きます。中はひんやりとしています。

    防空壕か通路というならわかりますが、ここが航空機の部品を作る工場だったというのだから驚きます。中はひんやりとしています。

  • 本格的な生産活動に移る前に終戦となりましたが、この工事に携わったのは全国から集められた3,000〜3,500人の朝鮮人労働者です。昼夜を通した突貫工事だったそうです。<br />いろいろなことを感じました。

    本格的な生産活動に移る前に終戦となりましたが、この工事に携わったのは全国から集められた3,000〜3,500人の朝鮮人労働者です。昼夜を通した突貫工事だったそうです。
    いろいろなことを感じました。

  • ヒカリゴケの自生地があります。<br />

    ヒカリゴケの自生地があります。

  • 太陽の光に映えて、黄金色に輝くひかりごけ。<br />昭和3年に天然記念物に指定されました。

    太陽の光に映えて、黄金色に輝くひかりごけ。
    昭和3年に天然記念物に指定されました。

  • 薄暗い穴の中を覗くと、奥のほうにかすかに光る緑色の苔が見えました。

    薄暗い穴の中を覗くと、奥のほうにかすかに光る緑色の苔が見えました。

  • お昼は目の前にあった大きな店構えのうどん店「松音屋」に入りました。<br />肉のつけうどん。うどんにコシがあっておいしかったです。

    お昼は目の前にあった大きな店構えのうどん店「松音屋」に入りました。
    肉のつけうどん。うどんにコシがあっておいしかったです。

  • 夫は温かいうどんでした。<br /><br />この昼食後、帰りましたが、小さな遺跡などがまだあるので、そのうちにまた行ってみようかなと思います。<br />吉見百穴のことは知っていましたが、実際にその場所に行ってみて、初めてわかることもあるのだと感じたサイクリングでした。

    夫は温かいうどんでした。

    この昼食後、帰りましたが、小さな遺跡などがまだあるので、そのうちにまた行ってみようかなと思います。
    吉見百穴のことは知っていましたが、実際にその場所に行ってみて、初めてわかることもあるのだと感じたサイクリングでした。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • rinnmamaさん 2015/06/10 13:40:24
    吉見百穴・・
    yoshieriさん、こんにちは

    梅雨いりしましたが、本日は気持ちよい日和です^^
    晴れ間のあるうちにと、タオルケットを1年ぶりに出して洗濯しました。

    吉見百穴・・以前テレビで放映していたので、存在は知っていましたが、
    もはや頭の中には、知識が存在していなくて^^・・
    yoshieriさんのコメントで、再確認いたしました。

    古代のオリエントの世界のようですね!
    亡くなってもいなくならないで、別世界で生活している・・
    生活していてほしい・・・と。。

    私もそう思う時があります。
    生活を共にしたほど、思い入れがある人ほど、そばにいないけど、
    ふとした時に思い出して、懐かしく回想しています。
    何処かにいるだろうな〜〜〜と・・・会えたら嬉しいのにね!

    軍需工場跡・・知られていない負の遺産ですね・・

    どうか、この平和を失わないようにと、祈りたいです。。

    rinnmama



    yoshieri

    yoshieriさん からの返信 2015/06/10 22:37:31
    RE: 吉見百穴・・
    rinnmamaさん こんばんは!

    いつもありがとうございます。


    > 梅雨いりしましたが、本日は気持ちよい日和です^^
    > 晴れ間のあるうちにと、タオルケットを1年ぶりに出して洗濯しました。

    こちらも、よい天気で過ごしやすいです。

    >
    > 吉見百穴・・以前テレビで放映していたので、存在は知っていましたが、
    > もはや頭の中には、知識が存在していなくて^^・・
    > yoshieriさんのコメントで、再確認いたしました。

    私はここの存在を全く知らなくて、
    地図で見ていってみようかなと思ったのです。
    岩山に穴を掘る労力も大変なものだと思うのですが、
    古墳時代の人は、死んでもどこかで生活していてほしいと思ったのでしょうか。

    それにしても、ひとつひとつ引き出しを作るような、
    この穴の群れは「なんだ。これは!!」不思議な眺めでした。


    > 古代のオリエントの世界のようですね!
    > 亡くなってもいなくならないで、別世界で生活している・・
    > 生活していてほしい・・・と。。
    >
    > 私もそう思う時があります。
    > 生活を共にしたほど、思い入れがある人ほど、そばにいないけど、
    > ふとした時に思い出して、懐かしく回想しています。
    > 何処かにいるだろうな〜〜〜と・・・会えたら嬉しいのにね!

    私も亡くなった母について、そう感じることがあります。


    > 軍需工場跡・・知られていない負の遺産ですね・・

    この軍需工場のことは、百穴以上にびっくりしました。
    こんな岩山の中を手で掘って工場にするという考えが、
    昔のことではなく、第二次大戦末期にあったということは、
    戦争中でないと考えられない非人間的、非科学的なものの考え方です。

    > どうか、この平和を失わないようにと、祈りたいです。。

    本当にそう思いますね。

    rinnmamaさん 梅雨時に体調を崩されませんように、お元気で。

    yoshieri


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