初夏のヨセミテ（1987）

1987/05/23 - 1987/05/25

〔思い出：ロサンゼルス滞在〕

渡米後まもなく、とりあえず必要となるマイカーを手に入れた。買ったのは黒のNISSAN 200 SX（日産シルビア）の中古車。
次の週末がメモリアルデーの連休だったので、車の慣らしを兼ねて２泊３日で少し遠出をしてみようという話になった。
行き先はちょうど距離が手頃かなということでヨセミテに決めた。

CA-118を東へ、I-5との分岐を北へ向かう。ダウンタウンまでは何度か行ったが、北へ行くのは初めてだった。道路の左右には果樹園や農場がどこまでも広がっている。散水機はあっても人の姿は見かけない。さすがに日本とはスケールが違う。

US-152で東へ、US-99を北上し、CA-140東行きに乗ったら後は公園まで続く。Mercedを過ぎると果樹園の間を突っ切る一本道。どこまでもまっすぐな道を走る。やがてゆるやかな丘陵と草原地帯になった。

だんだん公園が近くなると山道になってきて針葉樹の森に入っていく。ゲートで入園料（忘れた……たぶん＄３か＄５）を払ってmapとYosemite Guide（新聞）をもらった。ビジターセンターには日本語editionのパンフレットがあったので一応もらっておいた。字体と訳がなんとなく古くさい。

到着した時には既に夕方だったのでYosemite Valley内をざっと車で見てまわった。Glacier Pointは明日のことにして、とりあえず公園を出て宿に行った。

エリア ヨセミテ国立公園周辺(アメリカ)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 旅行の手配内容: 個別手配

エル・キャピタンの岩肌

ヨセミテ国立公園 国立公園

左:エル・キャピタン　　右:カテドラルスパイアー

ハーフドーム

ハーフドームの後ろ側

宿は「地球の歩き方・アメリカ編」（当時は国立公園編はなかった）に載っていたMariposaのモーテルを予約しておいた。ヨセミテでは一番いいシーズンだし連休の週末でもあるので一応予約したけれど、行ってみるともっと公園近くにも空きがあったようだ。
予約したモーテルは山小屋風のキャビンで、主人は髭を生やしたいかにも山男といった風貌のおじいさん。大きな犬が2匹いて、感じのいい宿だった。
夕食にどこがいいか訊ねると近くのレストランを教えてくれた。行ってみると人がいっぱいで流行っているようだった。メニューはごく一般的なアメリカ料理だったけれど、あまり大味ではなくけっこうおいしかったので満足した。

２日目はシャトルバスで周ることにして車をパーキングに止めた。とくにどこへ行くとも決めていなかったけれど、16番のHappy Islesで降りる人が多く、わたしたちもつられてバスを降りた。
みんなトレイルの方に歩いていくので、その後をついて行く。
ゆるやかな坂を登っていくとやがてMerced川にかかる橋に着いた。Vernal Fallが遠くに見えている。

もともとハイキングをするつもりはなく、簡単な散策程度の気持ちでここまで来た。
なのでわたしはテニスシューズを履いて手提げ袋をさげている。オットはスリッポンに肩からかけるカメラバッグ、片手に三脚を持っていた。一滴の水もない。
けれども滝を目にすると、どうしても先まで行ってみたくなった。今から思えば無謀だったと思えるけれど、とにかく急なMist Trailをなんとか登って、滝の上までたどり着いた。足場は濡れていて滑りやすかったけれど、滝の飛沫を浴びて心地よかった。びしょ濡れというほどでもなく、ちょうどひんやり涼しいくらいの水量だった。

滝の上にはEmerald Poolがあった。疲れたけれど、すごい迫力で落ちていく水を見ていると、来てみて本当によかったと思う。けれども喉が渇いて仕方がなかった。目の前にはあんなに大量の水があるのにと恨めしく思うがどうしようもない。
さらに上のNevada Fallにも行ってみたかったけれど、水なしでは無理なので諦めて引き返した。

Yosemite Fallをはじめいくつかの滝は夏になると涸れるか水量が減ってしまうらしいけれど、今はどこも勢いよく水が流れ落ちている。

Mirror Lakeのトレイルへ。こちらは３０分ほどの簡単なトレイル。
ここも夏を過ぎると水が涸れるらしいけれど、今はきれいな水をたたえていた。
湖というより池といった方がいいようなこじんまりしたMirror Lakeのほとりでのんびりと景色を眺める。

夕方近くなって車でGlacier Pointへ。
途中、Wawona Tunnelの入口で展望台に寄った。何度か寄ったが、ここからの景色が一番ヨセミテらしいと思う。
わたしたちと同じように立ち寄って景色を眺める人が大勢いた。

再び車に乗ってGlacier Pointへ。ぐねぐねの山道で思ったより時間がかかった。
道の終点で車を止めて展望台へ行ってみる。はるか遠くのシェラネバダの山々まで見渡せる。
ここにも大勢の人がいて、夕陽を待っていた。

日が暮れるとしだいに肌寒くなってくる。薄手のジャケットしかなかったのですごく寒かった。
我慢して見ているとやがてHalf Domeが赤く染まってきた。レンジャーが来ていろいろ説明してくれた。

帰りはMariposa Groveに寄ってから南の出口を出て帰ることにした。
Mriposa Groveの入口からトラムに乗った。途中でトラムを降りて、巨大なセコイアの森を歩いて戻った。
森の中は樹々の匂いがしてすごく気持ちがよかった。