2015/04/14 - 2015/04/20
160位(同エリア991件中)
JBさん
ムムターズ・マハルやシャー・ジャハーンのことを、私は知らなかった。彼等のモニュメントは何度も見ていたのに…。
★1612年、ムガル帝国の5代皇帝シャー・ジャハーン(世界の皇帝:1592-1666年)は貴族の娘ムムターズ・マハル(宮廷の光:1595-1631年)と結婚した。多くのムガル帝史は互いのひとめ惚れだと、なれそめを記している。常に離れず戦場にも共に出かける仲良し夫婦は、彼らの帝国を順調に拡大させた。が、王妃ムムターズは14人目(成人は男4・女3)を出産後に亡くなり、その死を悲しむ皇帝までもが心身を病んでしまった。
その後ムガルにもたらされる富は王妃の墓造りにのみ注がれ、繁栄していた彼らの帝国全体がその状況を一変させることになる。
★王妃ムムターズ・マハル廟として1632年に始められたタージ・マハル(宮殿の王冠)の建設は20年以上も続けられた。タージとは王妃ムムターズの愛称。つまり、タージマハルとは彼女自身を指す。
タージ・マハルwiki:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%8F%E3%83%AB
*アーグラ城から見たタージマハル(②_→)
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 観光バス
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
PR
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【タージ・マハルを見た場所(時間帯:距離m)】
①メヘターブ・バーグ(早朝:400m)・・・・表示は (①_→)
②アーグラ城(昼過ぎ:2,000m)・・・・・・・表示は (②_→)
③タージ・ケーマホテル(夕方:500m)・・・表示は (③_→)
*ベースはGOOGLE MAPを使用タージ マハル 史跡・遺跡
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(①_→)
まだ、夜明け前(6時頃) -
(①_→)
ココはタージ・マハルの北。ヤムナー川の対岸にあたる、メヘターブ・バーグだ。 -
(①_→)
「朝陽に輝くタージ・マハルを見たい」と、ここに来た。 -
(①_→)
朝7時前、陽が昇る。 -
(①_→)
メヘターブ・バーグは皇帝自身の廟「黒タージ」の予定地だとも伝わる。 -
(①_→)
日本のガイドブックには絶好の『夕陽』スポットだと紹介されている。 -
(①_→)
今は朝だが、ここはタージの真北なので、陽のあたる左右(東西)が入れ替わるだけ。 -
(①_→)
これもシンメトリー(左右対称)なイスラム建築の利点か。
・・・・・
そろそろ、時間に制限がある旅行者は、次に移らなければならない時刻だ。 -
メヘターブ・バーグを離れ、アーグラ側から見たヤムナー河畔。
朝陽の真下に在るのはイティマド・ウッダウラー廟(4代ジャハーンギール帝妃の父母の墓なのだが、それがどういう繋がりの人たちか調べると、タージの旅はもっと深くなるよ(=^・^=))。 -
(②_→)
アーグラ城内にあるムサンマン・ブルジ(ジャスミンの館)。
★5代シャー・ジャハーン帝の長男(ダーラー・シコー)皇太子は、父帝の全面的なバックアップにも関わらず、弟たちとの戦いに敗れた。 -
(②_→)
★戦に勝った三男のアウラングゼーブは四男ムラード・バフシュ・次男シャー・シュジャー等の皇位継承者を殺害。民衆の支持を失っていた父シャー・ジャハーン帝を廃位し、1658年に6代皇帝として即位した。 -
(②_→)
★無理やり廃位させられたシャー・ジャハーン帝は、王城内のムサンマン・ブルジに幽閉されて亡くなるまでの8年間を過ごした。
唯一の理解者、長女ジャハーナーラー・ベーグムに生活費を支えられながら…。 -
(②_→)
★ゆいいつ西に開かれた窓越しに、タージ・マハルを眺めながら…。 -
(②_→)
★死の間際、シャー・ジャハーンは長女ジャハーナーラー・ベーグムの勧めで、息子のアウラングゼーブ帝が行ったシャー・ジャハーン帝の廃位や他の息子たちの殺戮を許し、アウラングゼーブの帝位が正当だと認めた。
逆にシャー・ジャハーンは、アウラングゼーブ帝から皇帝としての葬送の儀礼(城外に大きな棺を出すためだけに城の壁を壊すこと)を認めてもらえた。 -
★と同時に、アウラングゼーブ帝の母でありシャー・ジャハーンの最愛の妻ムムターズ・マハルの横で永遠に眠ることをも許してもらえた。
・・・・・・・・・
さて、そのタージ・マハルに、我々は東ゲートから入場する。 -
暑ければ、周囲の回廊を巡って歩くのが楽しい。
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前庭越しに望む楼門
真ん中のイーワーン(出入り口のアーチ)上にある、11個のチャトリ(白いタマネギ屋根の四阿(アズマヤ))を並べたモノは、年間一個づつ造られたと聞いた。それが「表裏で22個あるから、タージ・マハルの建設期間は22年だ」と解説される。 -
楼門前から前庭越しに見た南の中央ゲート
実際には、多くの資料でタージ・マハルの正確な工期はおろか設計者もマチマチで、正式な結論はいまも出ていないようだ。 -
楼門正面
巨大なイーワーンから四分庭園に入る。 -
楼門の中(東側)
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廟堂は四分庭園の向こう側(奥:北)にある。
4本のミナレットは、地震対策のため少し外側に傾けて造られているそうだ。 -
楼門も、左右だけでなく表裏も対称。両翼の回廊まで。。
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楼門の脇から見た東櫓
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西櫓の近くから見た楼門
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楼門に並行する西櫓(東西は同じ外形で共に内部はトイレ:5RS/人)
どこまでもシンメトリー。。。 -
廟堂に向かって、四部庭園の西側の木陰を歩く。
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中途にある細密画の博物館(元は音楽館らしい)
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博物館から東側を覗くと、同じ外観の音楽館が見える(庭を横に2分割する水路)。
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博物館の脇。木々の間から見える廟堂。
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四部庭園の最奥にある櫓(この脇から第一の基壇に登った。)
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基壇上の広場から見た廟堂
4個の四阿(チャトリ)・地面からは74mのドーム・4本の42mのミナレットが廟堂を優美に見せる。ドームや四阿に実用性はない(実は通路もない。ミナレットは1本あれば足りる)。
が、それが白大理石を基調にして巨大さという『ひとつの美』を演出する。 -
基壇上から四分庭園の中央部越しに見た楼門
イスラムは4の倍数を大切にする。床も。。 -
2段目の基壇(白大理石の広場)に上がる階段(ココで靴を脱ぐか、靴カバーを履く)。
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廟堂への入り口
地下埋葬室(初基壇)の覗き穴がある前室を通り、模擬棺のある礼拝室に向かう。 -
★ムガル皇帝シャージャハーンの棺は、もちろん王妃である妻より一回り大きく立派に造られている。が、そんなことよりもイスラム世界で重要なのは、それが「シンメトリー」であるかどうかということ。
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★父シャー・ジャハーンのために、息子アウラングゼーブ帝は母ムムターズ・マハルの棺を廟堂の中心から動かすことまでは、しなかった。
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★うす暗い廟内で判然とはし難いが、シャー・ジャハーンが王妃との約束に廟を造った当時と同じく、いまも廟堂の中心には王妃ムムターズ・マハルの棺が置かれている。彼女より一回り大きく立派なシャー・ジャハーン帝の棺はその横に…。
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★つまりこの廟堂の主はシャージャハーンの埋葬後もムムターズ・マハルだということ。
それで、いまも昔も廟堂の名は『タージ・マハル』と呼ばれている。タージとは、ムムターズを略した愛称。 -
★王妃ムムターズが夫シャー・ジャハーンに託した遺言は三つあったらしい。
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★シャー・ジャハーンは彼女の遺言を守ろうと神にまで誓った。・・それがこの廟建築ということか?真意はともかく、以下にその遺言だけでも残しておこう。
1.(建築にとても詳しいあなたの手で) 私のために綺麗なお墓を造ってください。
2.(私の命と引き換えに14人も生んだ) 二人の大切な子供たちを守ってください。
3.(私たちの子供を苦しめることになる) 再婚は決してしないでください。 -
ヤムナ川沿いに下流のガンジス(東)方向
★妻は生前、夫に人生をささげた。妻の死後、亡き妻の遺言を護るために、夫は生きた…。 -
ヤムナ川越しに対岸のメフタブ・バック(朝焼けのタージ写真を撮った場所)
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上流のアーグラ城(西)方向(手前はモスク:もちろん外観は東の迎賓館と同じ)
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三日月に水差しの頂華(アッラーと書かれているらしい)が西のメッカを向いている。
違和感のあるモスク屋根の上のフックは、戦闘時(現代戦)にカモフラージュ用の光学迷彩の何かを被せるためにつけられた無粋なモノらしい。 -
遠くからは白くて巨大な力を。近くでは精妙な色彩の組み合わせを見せる。
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廟堂正面から迎賓館(東)側を望む(先ほどの裏からみた西側と比べてほしい)。
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東側にある迎賓館とチャトリ
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迎賓館の内部壁面
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(③_→)
★彼女は彼を想い子供たちを思った。彼は彼女を想い子供たちを思った。ただそれだけ……。
*いつ何処の世でも人は同じことを繰り返す。多くの人が訪れるこの墓で。祈る人は何を学べるのだろうか。 -
(③_→)
★・・・・アッラーの御心のままに -
釈迦の「し」の字も出てこない、インド旅行(=^・^=)。
★・・・最期にひとこと添えておく。
6代皇帝アウラングゼーブの治世、ムガル帝国はその最大版図を描いた。フルダーバードにある彼の墓は白い大理石造りだが、豪華なドーム屋根は造られていない。
そこはいま
『貧疎なタージ』と呼ばれているそうだ。タージ マハル 史跡・遺跡
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