★アブダビ現代建築巡り （２、完）キャピタル・ゲート・ビルとシェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスク

2015/02/28 - 2015/02/28

アラブ首長国連邦の首都が置かれたアブダビ。
９０年代に初めて来た時と違って、現在のアブダビは近年出来たばかりの豪華絢爛な建築や、奇抜なデザインを競うかのように建てられた超高層ビルが目白押し。
建築に興味のある方は、ドバイのブルジュ・ハリファだけでなく、アブダビの現代建築巡りをしてみるのもお勧めです。

前編では、総工費３０億米ドルを費やして造られたアブダビの象徴エミレーツ・パレス・ホテルと、そのお向かいにあるエティハド・タワーズ・コンプレックスにある展望台のオブザベーション・デッキ・アット３００を訪れたので、後半はキャピタル・ゲート・ビルと、シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクを訪れてみます。

キャピタル・ゲート・ビルは、ハイアット・キャピタル・ゲート・アブダビが入っている建物ですが、世界一大きく傾いた人工建造物としてギネス世界記録に登録されていたり、シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクは４万人を収容できる規模を持つ巨大なモスク。

どんな姿を見せてくれるのか、行ってみます。


表紙の画像は、不思議な造形のキャピタル・ゲート・ビル。

エリア アブダビ(アラブ首長国連邦)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• 交通: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: レンタカー 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

前編で訪れたオブザベーション・デッキ・アット３００があるエティハド・タワーズ・コンプレックスから、お次のキャピタル・ゲート・ビルへのコースト・ロード。

ここも近年出来たばかりのような道。
アブダビは砂漠の街というイメージを払拭するための緑化もバッチリで、道沿いには緑濃い植え込みが延々と続いてました。
維持して行く努力も費用も相当なものよね、きっと。

コースト・ロードの途中で見た橋。

アブダビの複雑な海岸線には、大小の島々も多い。
その内の一つを結んでいる橋かな。

なんだか現実感が無い景色よね。

コースト・ロードの先に、大きなビルが見えて来た。

あれが、世界一大きく傾いた人工建造物としてギネス世界記録に登録されているキャピタル・ゲート・ビル？

ここからだとそんな特殊なデザインに見えないけど、見る角度によって姿が変わるビルなのかもよ。
と、脇道に入って行くと…、

…周辺の街並みの間から顔を見せたキャピタル・ゲート・ビル。

あ、おもしろい形！

キャピタル・ゲート・ビルは、その設計で知られているだけでなく、ハイアット・ホテルも入っているビル。
宿泊客でなくても近寄って行って外観を見学したり、ロビーのカフェで休憩が出来るんですよ。

さっそく行ってみます。

行く手に姿を現したキャピタル・ゲート・ビルは２０１１年に竣工したビルで、高さは１６０ｍ。

西方向に１８度傾けたデザインが大きな特徴になっていて、２０１０年に世界一大きく傾いた人工建造物としてギネス世界記録に認定されたんだそう。

え、じゃ、竣工前に既に認定されたって事？

キャピタル・ゲート・ビルにはハイアット・ホテルも入っていて、敷地内には駐車場ももちろんあり。
無料で停めさせていただいて、ビルの周りをまずぐるり。

ただ傾けただけのデザインではなくて、緩いＳ字型にねじれたり湾曲しているのもすごい！
ガラスの壁面なんて、鱗のようなパーツごとの成型が大変だったろうな。

う?ん、ちょっとこれだと近すぎるので、敷地外側の車道に行ってみます。

キャピタル・ゲート・ビルを一回りしつついろんな角度から見上げてみた。

う〜ん、このビルに入っているハイアット・ホテルのお部屋はどんなデザイン？
床面はもちろん水平なんだろうけど、間取りとか居住性とか自分の目で見て試してみたくなる。

アブダビ・ナショナル・エキシビジョン・センターに隣接していて観光向けではない感じだけど、次の機会には一泊だけでも泊まってみようか。

ベールを引いたようなキャピタル・ゲート・ビル。

ベールの裾部分は、そのまま隣接したアブダビ・ナショナル・エキシビジョン・センターの屋根になっているというデザイン。

上記エキシビジョン・センターの一画では、この時は軍用車の展示準備。

ん？　それとも展示会が終わった後なのかな。

ちょっと話が脇道に入りますが、キャピタル・ゲート・ビル周辺の植え込みには緑化維持のためにこんな仕掛けが。

穴を開けたパイプに定期的に水を流せば、人の手に頼ることなく水遣りが完了！

このパイプを設置するのがまた大変そう。

見れば見るほど不思議なデザインのキャピタル・ゲート・ビル。

３５階あるうちの１２階までは垂直、それ以上の階は徐々にずらして傾斜を付けたデザインで、風圧や地震に強いダイアグリッド構造が取り入れられているんだそう。

この裾を引いたベールのような付属物の構造もおもしろいし。

キャピタル・ゲート・ビルに入っているハイアット・ホテルのロビー。

外観と同じようにメタリックでガラス質のインテリア。

ここでもちょっとコーヒー休憩。

今回のアブダビの現代建築巡りは、お次のシェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクで終わり。

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクは信仰の場であると共に、非イスラム教徒の観光客でも内部見学が出来る観光地にもなっていて、アブダビのあちこちに行き方を示した標識が出ています。

この標識に従って行くと…、

…行く手にシェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクのまっ白い姿が！
青空との対比がきれいよね。

このモスクは４万人を収容できる規模で、竣工したのは２００７年。
ずいぶん長い名前ですが、これはアラブ首長国連邦の父である初代大統領の名から取ったもの。
土地の人たちは、その大きさから、グランド・モスクと呼んでいるそうです。

アラブ首長国連邦の初代大統領については、下記のウィキペディアのページでどうぞ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%93%E3%83%B3%EF%BC%9D%E3%82%B9%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%AB%EF%BC%9D%E3%83%8A%E3%83%92%E3%83%A4%E3%83%BC%E3%83%B3

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

最初、シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクの入口が分からずウロウロ。

ガードマンさんが「見学は南門から。」と教えてくれたので、ぐるりと回り込んで南門へ。
地上の駐車場も地下駐車場も整備されてあって、駐車は無料でした。

このゲートでは、SUR SHANGHAIも旦那も特に何のチェックも無く入れたんですが、このあとSUR SHANGHAIがアバヤ（アラビア半島の女性が着る伝統衣装）を借りる時には、ちょっとした手続きが必要でした。
後述します。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクの見学は無料。

非イスラム教徒でも内部見学ができますが、男女とも服装やマナーには守るべき条件があります。
この画像でお確かめください。

SUR SHANGHAIはこの日はあらかじめ肌の露出の無い服装＋大きなスカーフも用意して行ったんですが…、

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

…シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスク入口近くまで来たところ、「アバヤを借りてきてね。」と言う指示が。

ほかにも、個人で見学に来たらしき女性でアバヤの準備が無かった人たちは、洋の東西を問わず同じ指示を受けていました。

場所を教えてもらって行ってみると…、

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

…地下駐車場の片隅にアバヤ貸し出し所が。

あ、あそこなのね！

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクのアバヤ貸し出し所。
左手の画像が、貸し出し申し込み用ブース。貸し出しは無料です。
右手の画像が、返却窓口。

これは、見学が終わってアバヤを返す時に撮った画像。
この時には人がずいぶん少なくなってましたが、最初は順番待ちの列が結構長かったです。

ここでアバヤを借りる時、ちょっとトラブルがあったんですよ。
それは何かと言うと…、

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

…順番待ちで見つけたこのお知らせには、≪アバヤ貸し出しには写真付き身分証明書≫が必要と出ていたので、『あ、パスポートを持って来て正解だったなあ。』と喜んでいたところ、

「パスポートはダメ！運転免許証じゃないと！」

ガ━━━(　ﾟдﾟ ；)━━━ン　
え〜！　運転免許証？　今日は持って来てないよ〜！

「じゃ、旦那さんと一緒だったら、旦那さんのでいいから。」
のやり取りのあと、旦那の免許証を持って戻ると、すぐにOK！　ε-(｡･д･｡)ﾌｰ

そのあとは、免許証を預けて、隣の更衣室でアバヤを受け取る仕組みになってました。
個人でシェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスク見学予定の女性はご注意を。

ちなみに、SUR SHANGHAIの後ろにいた女性（西洋系）は、自分の免許証も同行者も無し、と言うことで個人での見学をあきらめたようでした。

ツアーで行くとどうなんでしょうね。
事前にアバヤが用意してあって、こんなトラブルは無いのでは？

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

ちょっとしたトラブルはあったものの、めでたくアバヤを借りられたSUR SHANGHAI。
借りたアバヤは、自分が着ている服の上からスッポリ被ればそれでよし。

いよいよ、シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクの入口へと向かいます。

そうそう、アバヤ貸し出しは無料ですが、汚損・破損・紛失した場合は、５０ディルハムの罰金だそうですよ。ご注意を。

でも、紛失はありえないと思うけど…。(；＾ω＾)

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

さて、いよいよシェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクの敷地内へ。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

背後からの日の光が、文字通り後光となっているシェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスク。

同じ黒いアバヤを着ていても、地元の女性なのか、それとも観光で来ている非イスラム教徒の女性なのかは、立居振舞いで一目瞭然。
やはり身のこなしやちょっとした仕草で分かります。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクの敷地内。

あの二人の女性は土地の人ではなさそうだけど、美人さんだろうなと思わせる後ろ姿。

靴を履いて入れるのはここまでで、あとはモスク本体前に設置されている靴箱に各自脱いで入れておくシステム。
番号札や鍵がある靴箱ではありません。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスク本体入口のホール。

壁面には、繊細なレース風の花模様の象嵌が施されていて見事。
床の大理石もツルピカで、向こうでかがんでいる人の姿がくっきり映ってます。

その奥には、すでにキブラ壁とミフラーブも見えています。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクに入ると、その正面の壁（キブラ壁）には金色のミフラーブが。

ミフラーブは、聖龕（せいがん）と言って、メッカのカアバの方向を示す壁の窪みの事。
ロープが張ってあって近寄れないんですが、ミフラーブを背に記念撮影する人多し。

ここで見えているシャンデリアは、直径１０ｍ、重さは９トン。
スワロフスキー・クリスタルを使用していると言うことでしたが、総計何粒使われていることやら。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクのミフラーブと、モスク内に敷き詰められた絨毯。

４万人収容できるこのモスクに敷き詰められたこの絨毯は世界一の大きさなんだとか。
上述のシャンデリアもそうですが、このモスクの総工費が５５０億円というのは伊達ではありません。

じゃ、このシェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクも世界一大きいモスク？とお思いでしょうが、上には上があるもので、このモスクは目下世界６番目の大きさだそうです。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスク内にあった礼拝時刻表示。

左手の画像でFAJR，SHOROQ， DHUHR，ASR，MAGRIB， ISHA と出ているのは、夜明け、日の出、昼、午後、日没、夜を意味し、右手の画像はそれぞれの礼拝時刻。

あれ？　合計６回になっているけど、イスラム教の礼拝は１日５回じゃなかったっけ…？

ともあれ、イスラム教の礼拝は全員が揃って同じ時間に、という同時性に特徴あり。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスク内。

見学コースに入っていない部分にはガードマンさんがいますよ。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスク内。

細部にこだわった内装で、幻想的な光の使い方が効果的な設計。

思わず立ち止まって、カメラに収めたくなります。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスク内の見学通路。

このモスクは、内部の柱の構造も独特よね。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクのドームの一つを見上げる。

細かい透かし彫りやレリーフで埋め尽くされた白い壁面。

レースのように華やかな印象なのはそのお陰。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクのシャンデリアの下に立って見上げると、不思議な惑星が光芒を放っているかのようにも見えるデザイン。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクは、光の効果を生かしたデザインが随所にあった。

これは、彫刻や切り込み細工を施した切子ガラスの壁面。
明り取りになるだけではなく、光の加減で生まれる色とりどりのきらめきが美しい。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクは、床面の装飾もすばらしい。

色大理石を使った象嵌の巨大な花を床の上に咲かせているんです。
踏んで歩くのがもったいない。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスク内には、こんな軽やかな色合いと細工のシャンデリアも。

夜になって明かりが点る様子も見てみたい。

そうだ！　次にアラブ首長国連邦に来る時にはアブダビに宿を取って、夕暮れからのモスクも見てみようか。(*^。^*)
キャピタル・ゲート・ビルのハイアットに泊まったらインテリア見学もできて、一石二鳥だね。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

最初、シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスク内に入った時のホールに戻ってきた。

壁一面に花を咲かせているのは、色大理石の象嵌や浮き彫り。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクから外に出て来る。

真っ青な空に浮かぶ白い月やミナレットがちょっとシュールな夕暮れ間近。

モスク本体のドームの影が落ちる風情もいいね。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスク敷地の磨き上げられた大理石の床。

黒い人影の倒影が、滑るように床を移動して行く光景も不思議な印象。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクのゲート。

ドーム先端に止まる今日の白い月。

月夜のモスクもきれいだろうね。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスク訪問の記念に自分のアバヤ姿も残しておこうかな、と１枚パチリ！

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスクの敷地から出て見上げるミナレットと水のある回廊。

白いモスクが水色に染まる静かな時刻。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

あれ？　さっきまでたくさん回りにいた人たちが姿を消した。
みんなツアー客で、バスのある場所に誘導されて行ったのかな。

なんだかポツリと取り残されたような静けさ。

このあとは、地下駐車場内のアバヤ貸し出し所に戻って、アバヤと引き換えに免許証も取り戻せて一安心。

シェイク ザィード グランド モスク 寺院・教会

アブダビの現代建築巡りも無事に終えて、ドバイへ帰る道を辿り始めた頃。

アブダビも９０年代と違って、いろんな建物が増えていたのには驚いたよね。

エミレーツ・パレス・ホテルや、エティハド・タワーズ・コンプレックスの中のオブザベーション・デッキ・アット３００。
キャピタル・ゲート・ビルにシェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスク。
イスラム様式建築と、現代の超高層ビルを交互に見るドバイからの日帰り旅は大成功！

ほんと、次回にはドバイじゃなくてアブダビに泊まってみるのもいいかもよ〜。