九分旅行記(ブログ) 一覧に戻る

九份

1いいね!

2014/07/19 - 2014/07/19

1645位(同エリア1730件中)

0

0

PEMA

PEMAさん

 ホテルに近い中山でバスを降りた我々一行は、まずは腹ごしらえと現地の人に教えてもらった小龍包の専門店に行った。現地の人に教えてもらったと言ってもメニューは日本語で書かれているし、日本人観光客もよく行く有名店なのだろう。早速小龍包を山盛り注文して台湾ビールで乾杯となった。この台湾ビールは、台灣啤酒と言って台湾の台湾煙酒公司が醸造・販売しているビールで、台湾最大のビール・ブランドである。
 昼食が済むと我々一行は歩いてホテルのある台北市中山区林森北路289号へ歩いて向かう。ホテルに着く途中、お茶屋さんで日本円を台湾元に両替した。空港で両替しなかったのはここの方が両替レートが高いから。そういうところは台湾通のY子さんは流石である。
 今回泊まるホテルは銀座飯店。オフィス街の中の雑居ビルの4階だけがホテルになっている。台湾通しかわからない。チェックインするにはまだ時間が早かったので荷物だけをホテルに預けて我々は九份に行くことにした。九份は、台湾北部の港町基隆市の近郊、新北市瑞芳区に位置する山あいの町である。かつては一寒村に過ぎなかったが、19世紀末に金の採掘が開始されたことに伴い徐々に町が発展し、日本統治時代に藤田組によりその最盛期を迎えた。九份のレトロな街並みは、日本統治時代の面影を色濃くとどめており、路地や石段は当時に造られたものであり、酒家(料理店)などの建物が多数残されている。日本の有名なアニメ「千と千尋の神隠し」の街並みのモデルにもなっている町だ。
 九份に行こうとして我々は地下鉄を乗り継いで忠孝復興駅へ向かった。駅に着いて地上に出てみるとなんだか渋い爺ちゃんが紙に何か書いて立っている。よく聞くと九份行きのタクシードライバーらしい。紙には4人で2400元と書かれていて、九份まで片道40分で行ってくれるらしい。バスだと片道2時間。断然早い。我々は2400元を2200元にまけさせて7人で1台のタクシーに乗り込んで九份に行くことになった。
 タクシーは台北市街を抜けてしばらくはハイウェーをぶっ飛ばし、山並みが近づき、海が見え始めたところで九十九折の山道を登っていく。九十九折の道は前もって噂されているほど厳しくはなく、一応飲んでおいた酔い止めの効果もあったのかもしれないが、車酔いせずにあっさりと九份に到着した。
 九份に到着した我々はタクシーを2時間ほど待たせておいて、九份の町の散策に向かった。散策といっても九份の町はそれほど広くない。両側に土産物屋や酒家(料理店)が並んだ路地が何本か通っている程度である。山の町なので坂道の勾配はきつい。でも、路地裏愛好家の私は嬉しくてたまらなかった。路地はバスでやって来た観光客でごった返している。中には明らかに日本人団体客の姿も。
 九份は一時人々から忘れ去られた町となっていたが、台湾で空前のヒットとなった映画「悲情城市」のロケ地となったことにより、再び脚光を浴びるようになる。映画を通じて、時間が止まったようなノスタルジックな風景に魅せられた若者を中心に多くの人々が九份を訪れ、メディアにも取り上げられるなど、台湾では1990年代初頭に九份ブームが起こった。
 ブームを受け、町おこしとして観光化に取り組んだ結果、現在では街路(基山街など)に「悲情城市」の名前を付けたレトロ調で洒落た喫茶店や茶藝館、土産物屋などが建ち並び、週末には台北などから訪れる多くの人々で賑わっている。また、世界の旅行ガイドブックにも多数紹介されており、今では台湾を代表する観光地のひとつとして定着している。宮崎駿のアニメ「千と千尋の神隠し」のモデルになったという噂もあり、日本の観光客への知名度が高まった。
 路地を進んでいくと両側の屋台から臭豆腐独特の匂いが漂ってきた。臭豆腐は、豆腐で作られる加工食品で、台湾、中国、香港などで食べられている。主に軽食として屋台で売られるが、レストランで提供される場合もある。元来臭豆腐は中国大陸の湖南省の風土食であったが、近世中国各地に伝播したし、台湾には戦後外省人によって持ち込まれたらしい。臭豆腐は、地域によって、使用する漬け汁を含めて、製作方法が違うため、形や食べ方も大きく異なり、台湾では油で揚げて豆板醤のタレをつけて食べる。ちなみに、香港では、臭豆腐を調理する際に臭いが周囲に広がるため、路面店の出店には行政の許可が必要である。日本でY子さんがお土産に持って帰ってきた臭豆腐はそれほど臭も気にならなかったのでチーズを食べる感覚で食べることができたのだが、本場の臭豆腐は臭が強くて食べる勇気はなかった。
 小腹がすいた我々は一軒の酒家に入って牛肉麺を食べることになった。牛肉麺(台湾語: グーバーミー)は、主に煮こんだ牛肉とスープ、小麦の麺からなる麺料理である。いろいろな種類があるが、台湾でもっぱら食べられているのは川味牛肉麺と言われるもので、四川省から台湾に来た退役軍人が、出身地成都の「牛肉紅湯」の作り方に、台湾の豆板醤を加え、麺を組み合わせて出来上がったもの。高雄岡山の眷村に源を発し、台湾各地に広く伝わった。しかし、九份の酒家で食べた牛肉麺は明らかにインスタントだった。牛肉麺一杯100元。Y子さんが気を利かせて屋台から台湾ビールを人数分買ってきて飲みながら食べた。味はもちろんインスタントだから美味くはない。
 牛肉麺を食べていると、Y子さんがまた何やら皿にのせて我々のテーブルに持ってきた。よく見るとピータンである。ピータンは、アヒルの卵を強いアルカリ性の条件で熟成させて製造する中国の食品で、鶏卵やウズラの卵などでつくられる場合もある。ピータンはまた、アンモニアや硫化水素を含む独特の匂いと刺激的な味を持つ。私は日本の納豆同様このピータンが食べられない。
 Y子さんと、Msの男性スタッフのYさんが味見をしたのだがすぐに吐き出した。やっぱり無理なのだ。仕方がなく残ったピータンは、酒家のお姉さんにあげようということになったのだが、台湾語が誰ひとり出来ないのでこちらの意図が通じなかった。酒家のお姉さんは、客から何かクレームをつけられたものと思って戸惑っている。そうこうしている時に台湾語ができる日本人がやってきて通訳してくれた。とりあえず一件落着である。
 酒家を後にした我々はそれから40分ほど九份を散策し、写真を撮ったりして過ごした後、待たせてあるタクシーのところに戻った。私はというと九份の入口にあるセブンイレブンでホテルに忘れてきたタバコを買った。マールボロのブラックメンソールが90元。日本円にすると約270円だ。関西国際空港の免税店よりも安かった。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
ホテル
3.5
グルメ
3.0
ショッピング
2.0
交通
4.5
同行者
友人
一人あたり費用
5万円 - 10万円
交通手段
高速・路線バス タクシー 徒歩 飛行機
旅行の手配内容
個別手配

PR

この旅行記のタグ

関連タグ

1いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

PEMAさんの関連旅行記

PEMAさんの旅行記一覧

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

台湾で使うWi-Fiはレンタルしましたか?

フォートラベル GLOBAL WiFiなら
台湾最安 145円/日~

  • 空港で受取・返却可能
  • お得なポイントがたまる

台湾の料金プランを見る

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

PAGE TOP