2014/09/10 - 2014/09/15
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彷徨人MUさん
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1).旅の始めに
我が名呼ぶ 声風に聞く 竹の春
中国浙江省の、「東天目山」と、「西天目山」は、互いに向き合っており、その各々の頂上付近にある湖が、あたかも天の目の様に見えることから、「天目山」と呼ばれる様になったと、言われている。
2). 「臨済禅」を求めて
宋から、元に掛け、中国へ「臨済禅」を求め、参禅した日本僧は、浙江省「杭州」から「臨安」に入り、「天目山」へ向かっている。南宋期には、「余杭」の西南の「径山」が、仏教聖地であり、「径山禅寺」には、多くの日本僧が修業しており、この寺の「茶作法」が、日本の茶道の原点だとも、言われている。
「建仁寺」を建立し、日本「臨済宗」の創立者の「栄西」は、1168年28歳の時、「寧波」や「余姚」の寺へ参禅、1187年再び中国へ渡り、1191年帰国している。最盛期には、300人を超える日本人留学僧が、「西天目山」で修行していたが、南宋滅亡後の1276年以降は、山間の「東天目山」の寺へ、移っている。
「天目山」は、霧が多く、良質な「雲霧茶」が生産され、寺では、黒釉の茶碗で、お茶を飲む習慣があった。その茶碗を、日本の留学僧は、帰国に際し、仏教関連の経本と一緒に持ち帰って来た。「天目山」には、茶碗を焼く窯はなかったが、日本では、この種の黒釉の茶碗を、「天目茶碗」と呼び、珍重して来た。
3).「天目山」の麓の町へ
浙江省省都の「杭州」から、「臨安」までは、バスで行き、そこで、タクシーに乗り換え、「天目山」山麓のホテルへ向かった。村の中央に位置し、背後に渓谷が流れる、街道沿いのミニホテル『響水涯假日酒店』に、二日間宿泊し、西と東の「天目山」に出かけた。ここでの交通手段は、電話を掛ければ、来てくれる白タクがあり、事前に予定を伝えておいたので、スムーズに対応してくれた。
4).「西天目山」へ
翌日、白タクで、「西天目山」の麓に向かい、少し山道を登ると、古刹「禅源寺」があった。芥川賞作家で、僧職の「玄侑宗久」師が、檀家と訪問した時は、文化大革命で破壊されたこの寺で、31歳の和尚が頑張っていたと、書いていたが、僕は1時間ほどこの寺にいたが、僧侶には会えなかった。
バスで、「西天目山」7合目辺りの「五里亭」に向かった。「西天目山」は、「大樹王国」とか「天然植物園」と言われ、「五里亭」から「開山老殿」辺りは、直径2mを超す杉(柳杉)や、銀杏の大木、太さ1mを超す松の大木があり、歩きながら、森林浴を楽しんだ。「開山老殿」は、「禅源寺」を構成する寺院であり、多くの日本留学僧も参禅したが、戦火で焼失したが、その跡地を、今でも「開山老殿」と呼んでいる。天候が悪くなったので、バス停(五里亭)に戻り、下山した。
5).「東天目山」にある「昭明禅寺」へ
翌日は、生憎の雨日和であった。「東天目山」の東門入口で、専用バスに乗り換え、「五里亭」で降り、「六里亭」まで歩き、ロープウェイ乗り場に向かった。雨雲が深く、「東天目山」は、ほとんど見えなかった。ロープウェイで、「一天門」へ向かい、そこから石段を登り、「昭明禅寺」に向かった。途中、石段で休んでいると、建築資材を、肩に背負い、息を切らせながらも、カセットのお経に歩調を合わせるかの様に、一歩一歩登って行く、人たちと出会った。僕は、間も無く、息を切らし始め、石段で、休み休みし、登って行った。やがて、「昭明禅寺」が見えてきた。寺の石段付近は、多くの人で賑わい、老師の穏やかなお説教が、スピーカーから流れていた。
6).旅の終わりに
前日の、「西天目山」の「禅源寺」の寂れた様子が、未だ目に焼き付いている僕は、「東天目山」の「昭明禅寺」の賑やかさと、そこで、生き生きと活動する若者達の姿を眺めているうちに、疲れが、失せていった。(完)
* Coordinator: H. Gu
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西天目山
禅源寺 全景図 -
西天目山
禅源寺地区 案内看板 -
西天目山
禅源寺地区 案内看板 -
西天目山
禅源寺 正面 -
西天目山
禅源寺 正面 -
西天目山
禅源寺 正面の塀 -
西天目山
禅源寺 境内正面 -
西天目山
禅源寺 境内正面 -
西天目山
禅源寺 内部正殿 -
西天目山
禅源寺外観(内部は未整備) -
西天目山
禅源寺景区案内看板 -
西天目山
世界生物圏保護区 -
西天目山
世界生物圏保護区内の柳杉(樹齢250年) -
西天目山
参道(バス路) -
西天目山
世界生物圏保護区内の柳杉(樹齢300年) -
西天目山
西天目山内の石段 -
西天目山
世界生物圏保護区内の柳杉【冠軍樹】 -
西天目山
世界生物圏保護区内の石段 -
西天目山
世界生物圏保護区内の柳杉【大樹王】 -
西天目山
世界生物圏保護区 【開山老殿】近くにある、禅源寺の歴代高僧の墓 -
東天目山
東天目山全体案内図 -
東天目山
麓の観光センター(バスの発着場) -
東天目山
登山途中に、見つけた岩に彫られた“佛”の文字 -
東天目山
昭明禅寺への参道 -
東天目山
天目山は中国でも有名な筍の産地であるので、至る所に竹林が見られる。 -
東天目山
天目山は中国でも有名な筍の産地であるので、至る所に竹林が見られる。 -
東天目山
「昭明禅寺」への標識看板 -
東天目山
登山道わきの喜捨箱。 -
東天目山
「昭明禅寺」への参道 -
東天目山
「昭明禅寺」への参道、その先にやがて「昭明禅寺」が見えてきた。 -
東天目山
「昭明禅寺」への参道、その先にやがて「昭明禅寺」が見えてきた。 -
東天目山
「昭明禅寺」への参道を、お寺の建築用資材の砂やバラスを運ぶボランテイアの人達。 -
東天目山
「昭明禅寺」への参道で会う、背負った大きな籠に建築資材を載せ、運ぶボランテイア達。 -
東天目山
「昭明禅寺」の境内、天王殿 -
東天目山
「昭明禅寺」の境内、専修道場の掲示板 -
東天目山
「昭明禅寺」の境内、 -
東天目山
「昭明禅寺」の境内、天王殿 -
東天目山
「昭明禅寺」の境内、 -
東天目山
「昭明禅寺」の境内、 -
東天目山
「昭明禅寺」の境内、「九龍壁」 -
東天目山
「昭明禅寺」の境内、 -
東天目山
「昭明禅寺」の境内、 -
東天目山
「昭明禅寺」の境内、奉仕団の宿舎の掲示板 -
東天目山
「昭明禅寺」の境内、奉仕団の宿舎 -
東天目山
「昭明禅寺」への参道 -
東天目山
「昭明禅寺」への参道。奉仕団が籠に重い建築資材を入れて運ぶ -
東天目山
「昭明禅寺」への参道、多くの滝が見られる。 -
東天目山
「昭明禅寺」への参道。山の案内板。 -
東天目山
「昭明禅寺」への参道、多くの滝が見られる。 -
東天目山
「昭明禅寺」への参道。雨に煙る山。 -
東天目山
「昭明禅寺」への参道、多くの滝が見られる。
「観音滝」 -
東天目山
「昭明禅寺」への参道、多くの滝が見られる。
「観音滝」 -
東天目山
「昭明禅寺」への参道、多くの滝が見られる。
「西滝」 -
東天目山
「昭明禅寺」への参道、多くの滝が見られる。
「菩提滝」 -
東天目山
「昭明禅寺」への参道、多くの滝が見られる。
「禅杖滝」 -
天目山
宿舎:〇水涯假日酒店 -
天目山
宿舎:〇水涯假日酒店
西天目山と東天目山のほぼ中央に位置する麓の后院村の渓谷に沿ってある民間経営のプチホテルに泊まった。ホテルの渓谷沿いには、テラス風の板敷があり、そこから渓谷や背後の山々を眺めながら夕食をとる。 -
天目山
宿舎:〇水涯假日酒店
夕食 -
天目山
宿舎:〇水涯假日酒店
夕食 -
天目山
宿舎:〇水涯假日酒店
夕食 -
天目山
宿舎:〇水涯假日酒店
夕食
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