2014/08/29 - 2014/08/30
69位(同エリア346件中)
のんぴんさん
ウルトラ・トレイル・デュ・モンブラン (Ultra-Trail du Mont-Blanc) 、略してUTMB。フランス、イタリア、スイスにまたがる美しいモンブラン山塊を46時間以内に走って一周する、参加者約2400人、完走率65% (今年)、距離168km、累積標高差9600mにもおよぶ壮大で過酷なトレイルランニングレースです。
そんなUTMBに夫が出場。夫はランナーとして、私はサポート役として、そして私の両親は応援団としてシャモニーに集結。トレイルランナー憧れの大会を楽しみつつ、美しいアルプスを堪能してきました!!
**その4は旅行8日目〜9日目・フランス編(UTMBサポート編)**
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- レンタカー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
8月29日(金)さあ、いよいよUTMBのレース当日です!
朝食後、夫と私はスタート地点に近い両親のホテルに移動、午後5時半に始まるレース直前まで体力温存。 -
さて、UTMBでは、マッサーのような専門的なサポートやペーサーを付けることは禁止されています。代わりに全16あるエイド・ステーションの内決められた5か所でのみ、食料やドリンク、着替えを渡す個人的なサポート(大会的に言うならアシスト)が許されています。
ということで、アシストである私のアシスト兼応援団の両親と一緒に、車で Les Contamines、Courmayeur、Champex-Lac、Trient、Vallorcineの5つのエイドを巡ります! -
初めてのUTMB。スタート地点で声援を送りたい所ですが、最初にアシストできるエイドはシャモニーから近く混雑必至。サポート経験のある方からのアドバイスもあり、一足先にシャモニーを発つことに。
夫をスタート地点まで送ったら、午後5時、私と父母のUTMBスタート! -
道中、私のスマホからチリーンと着信音。これは事前に登録しておいたSMSが届いた合図。17時31分にレースがスタートした模様です!
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このSMSは大会公認のサービス (10ユーロ) で、登録したランナーがエイドのセンサーを踏むと自動的にメッセージが届く仕組み。通過したエイド、順位、そして次のエイドの到着予想時間が表示され、かなり役立ちました。
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さて、シャモニーをいち早く出発したために、渋滞や道路封鎖にも遭わず(迂回路はあったけど)6時にはレ・コンタミーヌ村に到着。臨時駐車場もまだたくさん空いていました。
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★レ・コンタミーヌのエイド(30.7km地点)
エイドによって様々ですが、全容はこんな感じ。
Zone d'Assistanceと書かれたエリアがアシストOKな場所です。このエリアに入るには(ランナーのゼッケンと一緒に配布される)アシスタント・チケットの提示が必要です。
エイド到着後の流れとしては:
エイドの全体像を把握→Zone d'Assistanceマークを探す→予想通過時刻の20-30分前に係員にチケットを見せアシストゾーンに入ってもいいか確認→ゾーンに入ったら食料などを用意し本人が来るのを待つ! -
ちなみに、私のアシスト用バッグの中身は:
ドリンク入りボトル、食料(エナジージェル、エナジーバー、カロリーメイト、飴、塩、ウイダーinゼリー、羊羹、大福、インスタントスープ/みそ汁/ラーメン)、水筒に入れたお湯、ウェットティッシュ、コップ、箸、救急セット、コース詳細図、アシスト用チケットなど。
それに加えて着替え一式、予備のシューズもリュックで背負って行きます。 -
トップのランナーが来る頃には雨が本降りに。
しばらくしてアシスタンスゾーンへ入ります。
ここには1ランナーにつきアシスト1人しか入れないので、両親には応援&カメラを託します。 -
アシスト用テントの中。
20時53分、無事夫が到着!
今後の行程の確認、ボトル(スポーツドリンク&水入り)交換、ジェル補給、ゴミの回収、着替えや予備シューズの用意、ゼッケン等忘れ物がないかのチェックなどが私の仕事。夫は用意しておいたインスタントラーメンやウィダーinゼリーを食べ元気に出発! -
実はアシストするのはUTMFに続き今回が2度目。アシスト側がアワアワしてた前回に比べ、かなり落ち着いて夫を送り出せたと思います!
が、問題はその後。丘の上の臨時駐車場からの狭い一本道が路駐と往来の車で溢れにっちもさっちも行かない事態に!ちょうど通りかかった友達が見事に交通整理してくれて、ことなきを得ましたが、今回の行程で一番あせった出来事でした! -
★クールマイユールのエイド(77.1km地点)
さて、レ・コンタミーヌの渋滞後は順調にモンブラントンネルを抜けイタリアへ。日付が変わり、8月30日(土)になりました。
エイドはクールマイユール郊外のスポーツセンターです。夫の到着予定時刻までまだ3時間以上あるので1時間ほど車中で仮眠。寝過ごさないように3人がそれぞれ目覚ましをセット。 -
仮眠後、エイドに向かうと上位のランナーたちが通過して行きます。
ちなみに、ランナーにかける応援の言葉ですが、フランス語圏&イタリアでは「ブラボー!」が圧倒的に多いです。(ただしイタリアは性・数によって語尾が変化:男性一人←「ブラボ」女性一人←「ブラバ」男性複数/男女混合←「ブラビ」女性複数←「ブラべ」となるので注意。) -
シャモニーで知り合った日本人ランナーの奥様と合流。夫同士が近い順位で走っているので、仲良く隣合って荷物を並べます。何とも心強い!
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4時11分、夫到着。調子は良さそうです。雨に濡れたシャツ、靴を替えて出発。
さて、私たちが次に向かうのはスイスのシャンペ=ラック。7時間くらい余裕がありますが、クールマイユールからのアクセスがイマイチで、いったんシャモニーを経由するため距離があり、しかも唯一下見していない場所なので先を急ぎます。 -
一方夫たちランナーはここから、数日前私たちが下見した、コース中一番高い Grand col Ferret フェレ峠(標高2,537m)を越えてスイスへと入ります。
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予想はしてたものの、クールマイユールからシャンペまでの78kmドライブは、長いトンネル→真っ暗な山道→真っ暗な長い峠道→ものすごい山道という、眠気も吹き飛ぶハードな道中でした。
途中col des Montets辺りでは暗闇の中を、同じくレース中のCCCのランナーたちのヘッドランプが山肌に連なるという、幻想的な風景が見れてちょっと感動。 -
夜が明けてシャンペ=ラックに到着。エイド少し手前の湖畔に駐車場があったので車を止めます。ちょうどその時、目の前を1位のフランソワ・デンヌ選手が軽やかな足取りで通り過ぎて行きました。(写真は別のランナー)
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湖畔の避暑地といった風情のシャンペ村。
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そして、このシャンペ湖がなんとも神秘的で美しい。
仮眠でもすればいいのに、何となく目が覚めてしまって、通るランナーを応援したりカフェでお茶したり。時間があっという間に過ぎます。 -
★シャンペ・ラックのエイド(122.4km地点)
少し早いけど村はずれのエイドへ。 -
しばらくランナーたちの様子を見ていて・・・レースも3分の2を消化したこと、標高のあるフェレ峠を越えたことにより相当な疲労が蓄積してるようで、来る選手来る選手足取りが重い。おそらくここがこのレースのヤマなんだと気付きました。
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12時15分、夫も例外ではなく、疲れ果ててエイドにやって来ました。
このエイド直前の、地図で見ると何てことない上りが辛かったそう。シューズを脱ぐのを手伝って、浮腫んだ足をしばし解放。夫にしては長い30分の休憩後、それでも次のエイドに向けて出発して行きました。 -
さて、私たちも次のエイドへ。途中のForclaz峠をトリアンのエイドだと勘違いして、しばらくランナーを応援してたものの、(夫も勘違いしたらしい)
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無事にエイドのあるトリアン (Trient) 村に到着。
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ピンクの教会がトレードマーク?の小さな小さな村です。
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★トリアンのエイド(138.9km地点)
エイドも5か所の中で一番小さくてアットホーム。 -
実況の人がおもしろくて、私もいじられたのだけど、なかなか良い返しができず・・・
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15時30分、シャンペよりはいくぶん元気そうな夫到着。
足首が痛いと心配なことを言いつつも、すぐにエイドを出発。そのまま送り出したけど、後で母に指摘されて気付く。テーピングも湿布も痛み止めの薬も持ってたのに!その時は完全に忘れてました。 -
さてさて、スイスのTrient村から次のエイドは車でほんの10分。
やっとフランスに戻ってきました。さあ、アシストできる最後のエイドです! -
★ヴァロルシーヌのエイド(149.2km地点)
駅前にあって、ホットドック屋台も出てたりなかなか賑やか。
近くの売店で買ったアイスを食べてしばし休憩。 -
駅の裏山からランナーが下りてきます。
夫の姿を母がカメラに捉えました! -
父もなかなかナイスな一枚を!
ここにきて父も母も写真撮影のコツをつかんだ様子。 -
17時58分夫到着。
心配した足首ですが、幸い一時的なものだったよう。シャンペで洗って車で天日干ししておいたお気に入りのシャツに着替え、エイドを出て行きました。 -
「あと18km。あと一山越えればゴール。」言葉では簡単だけど、もうまる1日、寝ずに150kmを走った体にはとてつもなく遠く感じるはず。
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さて、最後の仕事を終えシャモニーに戻る途中、モンテ峠で応援する人の姿が見えたので、寄ってみることに。
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みんながやたら上の方を見ているので、私も何気なく見上げると、山肌にぽつぽつ小さな人影が!
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これが最後の山、col des MontetsからTete aux Ventsへの上りの一部(道はだいたいの感じ)。
ちなみに、夫曰く頂上付近にはアルプスアイベックスが何頭もいたそう!
それにしても、すでに150km走ってからのこの無茶な道!!こんなのに嬉々として挑むトレイルランナーって、たぶんヘンタ・・・。 -
少しすると夫もやって来た!
沿道で声を掛けた後、しばらく豆粒大の夫がこの道を登って行くのを見守ります。念のために持ってきた双眼鏡がここで活躍するなんて。 -
午後8時、私たちはひと足先にシャモニーへ!27時間、距離にして215kmのサポート旅から無事帰還しました。いや、この行程を一人でこなすのは無理。両親に感謝です。
私たちと夫の晩ご飯を日本食のさつきさんで調達したら、ゴール地点へ向かいます。 -
UTMBではゴール手前から家族や友達がランナーと並走することもできます。少し悩みましたが、私だけ一緒に走り、父母はゴールをくぐった真正面で夫を待つことに。
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21時59分、夫ついにUTMBのフィニッシュラインを越えます!!
168km、28時間28分での完走です。
とにかく無事に帰ってきてくれてよかった!
ゴールには友達を含めたくさんの人がいて祝福してくれました!
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この旅行記へのコメント (7)
-
- ももであさん 2014/12/04 20:07:52
- youは何故走るの?
- のんぴんさん、はじめまして
旦那さんも、サポート役も大変でしたね。
お疲れ様でした。
先日うちの近所でトレイルランレースをやっていました。
プロデュースは、2009年のUTMBで3位だった鏑木毅さん。
ぼくもたまに思い出したように、フルマラソンや
スタンダード程度のトライアスロンはやるのですが、
さすがにヘンタ… の仲間入りは!? ご勘弁をです。
28時間28分ってすごい記録ですね。
サポートの賜物でしょう。
ももであ
- のんぴんさん からの返信 2014/12/06 06:56:01
- Re: youは何故走るの?
- こんにちは。
コメントありがとうございます!
ももであさん、マラソンにトライアスロンもされているんですね!もうすでに立派なヘンタ…じゃないですか!笑
最近日本でもトレイルのレースが人気みたいですね。環境面など課題が多いそうですが、トレイルラン好きとしては、このまま一つのスポーツとして定着して欲しいです!
- ももであさん からの返信 2014/12/07 11:57:53
- 脱ヘンタ…
- げげっ!!
恐れ入ります。
今後は、ウォーキング程度にします!?
-
- 56さん 2014/09/24 05:30:46
- すごいです!
- のんぴんさん、こんにちは。
足跡ペタペタつけているにもかかわらず、ご挨拶が遅くなって失礼しました。
こちらの旅行記を読んで、コメントをつけたかったのですが、あまりにも素敵で「すごいな〜すごいな〜」とばかり頭を駆け巡って、うまく言葉にできなさそうだったので、落ち着いてからにしようと思ってました。いやぁ、完走されたのこと、本当にすごいです!
(ボキャブラリーが少なくてごめんなさい)
同じ日にシャモニーの空の下にいたんですね〜完走して家族に囲まれている選手たちの姿をみて、感動しました。サポートするのにも何十キロも移動したりとお疲れ様でした。
貴重な体験満載な素敵な旅行記、ありがとうございました。
-56-
- のんぴんさん からの返信 2014/09/25 00:23:53
- RE: すごいです!
- -56-さん、こんにちは。
コメントいただき、ありがとうございます!!!
こちらこそ旅行記を何度か拝見しながら、なかなかコメントを残せず失礼しました。
同じ日にシャモニーにいたってことは、小さい町なのできっと知らずにどこかですれ違ってますね!なんだか不思議ですね〜!
またちょくちょく旅行記覗きにいきますね。
のんぴん
-
- ElliEさん 2014/09/23 15:08:29
- スゴイスゴイ!完走おめでとうございます!
- ダンナさま、完走おめでとうございます!
一回目のレース報告で、83位!28時間で完走って、すごく早いペースじゃないですか?
素晴らしい記録ですね。
日頃の練習もかなりがんばっていらっしゃるんでしょうね。
ほんとにおめでとうございます。
やっぱりのんぴんさんのアシストがよかったんでしょうね。
外国で運転したくない私なので、やっぱり私にはできないなあ。
色々と気遣いもお疲れさまでしたね。
でも走ってくる姿を見れば、疲れも吹き飛んでしまいますね。
それにしても過酷なレースです。
ユングフラウのトレイルマラソンルートの一部をハイキングしたんですが、
あんな傾斜のところ、とても走れないなあと思いました。
実際、歩いている人も多いようですが、
ユングフラウマラソンは、山岳マラソンでも42キロしかないし、
8時間で走ればよいのですが、
2日間ものマラソンは、ウルトラもウルトラ。
生半可な気持ちでは挑戦さえもできませんね。
ほんとにダンナさま素晴らしいです。
これからもご活躍をお祈りしていますね!
- のんぴんさん からの返信 2014/09/24 00:45:45
- RE: スゴイスゴイ!完走おめでとうございます!
- ElliEさん、ありがとうございます!!!
妻の私が言うのもなんですが、毎日それはもう真面目に、というか頑固なくらい練習している賜物だと思います。それでも疲れ果てて最後の10kmはほとんど走れなかったそうです...
ElliEさんの旦那様にもぜひUTMB挑戦してほしいです!私は両親がいたのでレンタカーを使いましたが、エイドステーションまでは大会運営のシャトルバスが出ています。観光がてら1、2か所応援に行くだけでも楽しいと思いますよー!とはいっても、山の中を長い距離走られるのは、家族としては何かと心配なんですよね。
のんぴん
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